玄海原発・佐賀県の新しい避難計画・・・UPZじゃ全然足りない!!
2014-07-12
佐賀県の新しい避難計画が出ています → 佐賀県HP 7月8日。朝日新聞によると、「実効性があるのかどうか、あいまいな点が多い」計画で、特に、要介護者などの行き先が普通の体育館だったりして、いろいろと不安な点が多いということになります → 「佐賀)原発避難計画大丈夫? あいまいな点多く」(朝日新聞HP 7月11日)
さてどんなもんでしょう? 佐賀県公表資料から、とりあえず地図です↓

(佐賀県記者発表資料)
“福島のSPEEDIシミュレーションから、避難範囲を決めた”、という図です。えっ、なんで佐賀・玄海原発のシミュレーションじゃないの?? 立地自治体として佐賀県はSPEEDI使い放題になっているのに・・・。
それにしても狭っ!! 1/8方位を「目安に」避難指示を出すそうです。「原発事故時は風向きが変わらない」という信念に基づいて計画立案しているようです。大丈夫かいな。
どうせ福島の図を見て立案するなら、福島の避難区域図と見比べてみましょう。赤が「警戒区域」、黄色が「計画的避難区域」、緑が「緊急時避難準備区域」です。

この図を、上の玄海原発避難対策地図(下の方)に重ねます。

う、黄色の「計画的避難区域」、みごと1/8方位に収まっている・・・すごい、じゃなくてぇ、計画的避難区域が図の外へとはみ出してます。佐賀県の出した地図じゃ狭過ぎです。ちょっと広げて、

地図を重ねると、

う~ん、佐賀県が考えてる避難対策、狭すぎじゃないか。
かつて Greenpeace のHPに掲載されていた、玄海原発SPEEDIシミュレーションです↓

これじゃあ風向き次第で佐賀県全域が対策必要になってしまうから、わざわざ阿武隈山地で遮られて被害範囲が遠くへ伸びない福島のSPEEDIを持ってきたな!! しかし、その福島でも避難区域見れば、やっぱり全然足りない、お笑い避難計画でした。
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兵庫県、大飯原発、高浜原発の事故時・放射性物質拡散シミュレーションを作成
2014-04-24
兵庫県が大飯原発、高浜原発が事故を起こした場合の放射性物質拡散シミュレーションを行いました(美浜や敦賀もやったようですが、原発の規模が小さいため、兵庫県への影響が小さく、発表からはオミットされてます)。「放射性物質拡散シミュレーション(県内全域)の結果について」(兵庫県HP 4月24日)
「放射性物質拡散シミュレーション(県内全域)の結果について」(PDF:674KB)


以上の図はpdfファイルからです。
シミュレーションの条件は「福島第一原発事故並みの放射性物質の放出があったと仮定した場合の7日間の積算被ばく線量を推計」とのことで、ヨウ素131、セシウム134と137の合計です。上の図は、「県内で甲状腺等価線量50mSv超のメッシュ数が最多となるケース」とのことです。
結果としては、「市町別最大被ばく線量」と、「市町別基準超過メッシュ数(1辺4km、県内621メッシュ中)」が示されていますが、IAEAの避難基準「7日間で100mSv超」(この場合、避難等が必要になる)となった地点は兵庫県内にはなかったそうです。
ただし、IAEAの安定ヨウ素剤服用基準「7日間で50mSv超(甲状腺等価線量)」を超える地点は、より敏感な幼児の被曝量を計算した場合、31市町もしくは38市町(市町役場所在地で数えた場合と、市町域の一部にでもメッシュがかかっていた場合)とのことです。
詳しくはpdfファイルをご参照ください。
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福井(高浜・大飯・美浜・敦賀・もんじゅ)
富山県が志賀原発事故の影響をSPEEDIで検討
2014-02-26
富山県が志賀原発の事故の影響をSPEEDIでシミュレートし、検討しています(2月26日)。
(「SPEEDI による放射性物質拡散シミュレーション結果の概要」からスクリーンショット切り出し)
「外部被ばく実効線量で、24ケースとも10mSv未満/県内において、初期対応段階における避難の可能性が低い」(上掲“概要”リンク先)そうです。よかったですね(投げやり)。ただし「甲状腺等価線量(小児)で、100mSvを超える線量がUPZ圏内外の一部の地域で計測/放射性ヨウ素の吸入による甲状腺被ばくへの対応が必要(屋内退避・安定ヨウ素剤の予防服用)」とのことです。しっかり対策してもらいましょうね(投げやり^2)。
いや、現実問題として、これで「安心して」富山県に住んでいられるはずはないわけで(福島県を見よ!!)、なんで原発再稼働を考えなきゃならん?
原発再稼働したところで、輸入燃料費は多少減るものの、(総括原価方式のため)電気料金は高止まり、結果として日本の産業競争力を削ぐ(貿易赤字は悪化する)だけなんですけど。誰も得しないんですよ、原発関係者以外。
そんなことのために、なんで日本、国を挙げて危険と向かい合わなければならないのでしょう!!
(リンク)
上掲“概要”の続き1
上掲“概要”の続き2
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火砕流の直撃を受ければ、原発運転員は生きていない、川内・泊・東通・玄海・伊方・・・
2013-12-24
毎日新聞がアンケート調査をしました。火山学者に宛てて・・・原発が火山爆発に巻き込まれる恐れについて。「<原発リスク>巨大噴火の影響大…泊、川内など 学者が指摘」(yahooニュース←毎日新聞 12月20日)
「最長60年の稼働期間中に巨大噴火が発生し、火砕流の被害を受けるリスクがある原発を複数回答で選んでもらったところ、29人がいずれかの原発を選択した。その全員が「阿蘇(熊本県)や姶良(あいら)(鹿児島県)など多くのカルデラが周囲にある」として川内のリスクを指摘した」とのこと、川内原発、とっても危険!!
ところで、阿蘇ということになると、危ないのは川内だけではないという作図、以前行いました。

(川内原発・玄海原発、再稼働の見通しについて)
ということで、上掲の毎日記事でも、「カルデラは巨大噴火の後に形成される非常に大規模な陥没(盆地)地形で、同様に泊、東通(青森県)、玄海(佐賀県)も周辺にカルデラが存在することが懸念された」と、書いてありますが、この玄海、懸念対象は阿蘇じゃないのか??
もちろん伊方も、「他は伊方(愛媛県)11人▽女川(宮城県)9人▽島根(島根県)や東海第2(茨城県)など7人の順で、カルデラとの距離が遠くなるほどリスクの指摘は減っている」と書いてありますが、この伊方も、懸念されているのは阿蘇なのか、阿蘇以外のカルデラなのか??
まあ、日本にはあちこち火山がありますから↓

(火山噴火予知連絡会が監視している火山と原発の位置関係)
どこも危険です。
それに起こり得る事態の予測もいろいろ考えとかなければなりません。毎日新聞のアンケートで考えているのは、火砕流が原発を直撃、といった強烈なシナリオのようですが、もっとショボイのもあるかもしれません。
火山灰が降り積もり、深さ50cm、灰の重みや何やらで送電線が切れ、あるいは変電所が壊れ外部電源を喪失、いざ、電源車を動かそうとしたら降灰ですぐには動けず、灰掻きに悪戦苦闘しているうちにメルトダウン、なんていう間の抜けたシナリオもあり得るでしょう。
さらには、それでも電源車はなんとか動かせたんだが、追加の発電用燃料が降灰のため道路が使えず届かず、電源車のガス欠とともにメルトダウン、とかもあるでしょう。
なんせ九州はシラス台地が覆っている島ですから、どこかの火山がマジで噴火したら、火山灰は深刻なことになる可能性があるということになります。関東ローム層に連なる東海第二、浜岡も同じことですが(関東ローム層は、火山堆積物そのものではないという話もありますが・・・ま、富士山が噴火したらそんなことどっちでもいい状況でしょう)。
ちゃんと危険性を評価しろよ、原子力規制委員会!!
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放射能雲への突撃/玄海原発3県合同避難訓練
2013-12-01
昨日11月30日、佐賀県・福岡県・長崎県は3県合同で、玄海原発事故の際の避難訓練を実施しました。ここで特に注目に値するのは、避難訓練に際してSPEEDIの放射性物質拡散シミュレーションが運用されたことです。「県境越え原発避難訓練 佐賀、長崎、福岡から5000人」(西日本新聞HP 12月1日)
「訓練で放射性物質の拡散予測システムを運用」(佐賀新聞HP 12月1日)
ん!? 「SPEEDIの予測について、県は『拡散方向や濃度の広がりなどの参考にはするが、実際の避難は地域防災計画で定めたルートで混乱なく行いたい』との考えを示している。」(上掲佐賀新聞リンク先)。つまり、予測をしても使わない??
ここで、朝日新聞の記事です。

(朝日新聞12月1日西部本社版朝刊)
焦点は真ん中の図です↓

この日の気象条件でのSPEEDIの予測、放射性プルーム(放射能雲)は、見事に西に流れ、(福岡市への)想定避難ルートを覆うという結果が出ていたのでした。福島原発事故で起きた、飯舘村への避難者が自ら放射能雲に突入してしまった惨事の再現です。
“予測をしても使わない”って、バカじゃないのか!!
さてそれよりも深刻なのが福岡市です。上のシミュレーションではわずかに北にそれていますが、ちょいと南よりなら、福岡市は市中心部から西半分、玄海原発その場での放出濃度の100分の1程度の汚染に見舞われます。まあ、線の外側だって、それに近い値を記録することになるでしょう。事故が福島級ならば、降雨などの状況にもよりますが、福岡市民150万人に避難の必要が発生する可能性だって充分にあります。というか、それを想定して用意しておく必要があるということを如実に示しているのが上のシミュレーション図です。
5000人参加の避難訓練なんてじゃ全然役に立たない!! 150万人がどうやって避難できるのか、150万人参加の避難訓練をやってみせろって!! それができてからの話です、玄海原発再稼働の検討は。
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佐賀県玄海原発
福島第一事故で、海にはどの程度、放射性物質が降ったのか?
2013-11-03
福島第一原発事故で放出された放射性物質の拡散状況について、様々なマップが発表されてきました。その多くは地上で観測されたデータによるものでした。しかし、日本の地形・風の状況を考える時、地上に降った放射性物質はあまり多くないかもしれません。海に、かなりの部分が降下したのではないでしょうか。
次の2つの図は以前、このブログに掲載した図です。

冬に事故が発生したため、北西風が支配的だったはずです。そして実際、放射性ヨウ素の拡散状況としては、次図のように、あらかた海へと流れた時間帯もありました。

ということで、このブログでいくつも作成した重ねあわせ図、陸での観測結果をもとにした図を使用した結果、海への降下ぶん抜きになってしまっていて、マズイのではないか、と思えてきました。
海への降下ぶんも記されたマップということで、目に入ってきたのは『世界』10月号の藤田祐幸氏の記事の扉に掲げられた次の図でした。というか、この図を見ていて、「(陸地データの図ばかりじゃ)ちょっとマズイかも」、と思った次第。

ホント、茨城県沖から伊豆七島東洋上へ向けて伸びる汚染地帯、かなりシビアです。
でも図がかなり大雑把な感じ・・・それはしょうがなくて、海への降下ぶんは、船でリアルタイムで測定して回ることは当然難しいですし、後からの測定もできませんから、シミュレーションとなるほかなく、細かい図は難しいみたいです。
それで、ネットあちこち見てみれば、やっぱこれでしょうか、米国科学アカデミー紀要に掲載されたTeppei J. Yasunari, Andreas Stohl, Ryugo S. Hayano, John F. Burkhart, Sabine Eckhardt, and Tetsuzo Yasunariの論文、2011年11月と、古いですが、ネットに上がっています。

これはセシウム137だけの図ですが、やっぱり大量に太平洋に降下しています。茨城県沖なんて、すごいもんです。こういう図を見ると、「(陸地に大量降下しなくて)あれでもラッキーだった」と頭の中に言葉が出てきてしまうのは、やっぱりマズイですかね・・・。
それにしても、こういう図を見ると、福島の地上の状況だけを参考にして作られた、PAZ-5km、UPZ-30km、PPA-50kmなんていう防災対策、全く信用出来ないことがよく分かります。
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PPA(放射性ヨウ素防護地域)、やっぱり80kmに拡張が必要!!
2013-07-16
当ブログで先日触れました、朝日新聞が報じた放射性ヨウ素の拡散状況(「放射性ヨウ素、原発から北西・南へ 学習院大と東大調査」)、興味深いことに福島第一原発から80kmの距離円が記入されています。図を見ると確かに、1000~5000Bqのオレンジの点は80kmまではもう一歩で達せず、一方100~1000Bqの青の点は多少超えているものがあるという、微妙なラインとなっています。
この80kmというライン、かつて当ブログで行なったPPA(放射性ヨウ素防護地域)の範囲についての検討(その1、その2、その3)で導き出した、“ここまでPPAとする必要がある範囲”と一致しています。
この時の検討、当時発表されていたSPEEDIによるシミュレーション図に物差し(ソフト上ですが)を当てて放射性ヨウ素拡散状況の距離を測り、手製の拡散状況予測式に代入して計算するという、はなはだ頼りない検討でしたが、かなりいい線を行っていたのではないでしょうか。少なくとも、原子力規制委員会の言う50km圏ではPPA、全然足りないと考えられます。
とりあえず、当時の検討結果の図に、朝日の図からドットなどを抜き出し重ねておきます。

(元の図は→「【再改訂版】PAZ・UPZ・PPAの意味」)
圧縮きつくて見づらいかもしれませんので、部分を切り出したものもアップしておきます。

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福島市市街地はやはりヨウ素131に汚染されていた・・・
2013-07-06
時々、朝日新聞の記者、当ブログを見ているのではないかと思う時があります。先日、当ブログで、「朝日新聞は日本原子力研究開発機構の策略に見事にハマってる」と書きましたが、それに対応する訂正記事とも思える記事が掲載されています。
(朝日新聞HP 7月2日)
リンク先をたどっていただければ、大きな図が示されます。福島市市街地あたり、オレンジの点(1000~5000ベクレル)で埋め尽くされています。
ということで、そのスクリーンショットから汚染度を表示するスポット(赤・オレンジ・青の点)を抜き出して、この前の図に重ねておきましょう。

(日本原子力研究開発機構の発表した図と重ねた場合)

(当ブログで追加着色した図と重ねた場合)
エイヤッと、着色しただけですが、当ブログで付け加えた福島市(図の左上)の汚染状況、結構当たっているので驚きです。やはり福島市市街地、かなりヨウ素131で放射能汚染されたようです。日本原子力研究開発機構の図だけ見ていると、なんか福島市は汚染されなかったような錯覚に陥ります(そして、うかうかしていると、メディアもノセられてしまうわけです)が、そうではありません。
まあ、日本原子力研究開発機構に言わせれば、“別に隠蔽する気はなく、単に飛行機が飛んでないところは着色しなかっただけ”、ということなんでしょうけどね・・・
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福島市は大丈夫?? 日本原子力研究開発機構、怪しいヨウ素汚染図
2013-06-28
日本原子力研究開発機構は昨日、6月27日、福島原発事故で発生したヨウ素汚染の推計地図を発表しました → プレスリリース。半減期が8日と短いヨウ素131の拡散・汚染状況、事故直後のデータが不十分であるため、なんらかの推計によって事態を再構築してみないと、様子がつかめません。当プログではNHKが報道する、滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏のグループの活動に注目して来ました → その1、その2の1、その2の2、その2の3、その2の4。
しかし“民間”にばかりやらせといてはマズイ、と思ったのか“公的”な機関による分析結果の発表です。
この発表、なんといっても目を引くのが、4つの図です。

(「研究の背景/研究内容と成果」、スクリーンショット切り出し)
簡単に言えば、左上の図ように飛行機を飛ばして記録した放射線データがあるので、その記録からヨウ素131汚染を抽出する計算法を開発して地図を作成すれば、右上の図になる。でもって、これをかつて文科省が土壌の放射能汚染データから作成した図、左下と比べてみれば非常によく似ている。だから新規開発のデータ解析方法は使えまっせ~、という内容。なお右下の図は文科省作成のセシウム134汚染図で、ヨウ素131の汚染は、セシウム134と違って南側にも広がっていますね~、という参考図ということになります。
話の主題は、“空からの測定だけでお手軽に汚染地図が作成できます、新規開発手法、ぜひあなたも”というものですので(いや「ぜひあなたも」とは言ってないか~、「当社にご用命を」か)、ま、特に何と言うことはないのですが、気になるのが地図・・・右上の図を部分拡大してみましょう。

この図を見ると「汚染の濃いところ(黄緑以上)は川俣あたりで終わり、福島市は無事だ~」と思いませんか。
しかしです、4つの図の左下の図だと福島市あたり、地上測定データとして、黄緑の点がいっぱいあります。

ここんところです↓ 輪で囲った部分。

えい、着色しちゃえ!! ↓

福島市、この辺って、市街地じゃなかったか?? こんな所に住んでいて大丈夫か?? このあたりまで、黄緑の汚染域は広がっていると考えるべきだと思うのですが、でも、4つの図の右上(部分拡大図の一番上)の図では「ああよかったね」となりそうな・・・
いや、今回の発表は、「あくまで“解析方法ができました”っていう発表で、(飛行機で取ったデータが元なんですから)飛行機が飛んでない福島市近辺は図の着色領域から外れたというだけのことです」、と言われると、まあ、そうなんでしょうけど、結局、右上の図が広まっていくことになる(←朝日新聞、みごとに引っ掛かってます)んですよね。臭いものには蓋的な、なんかそこはかとない悪意を感じる今日このごろです。なんてったって、日本原子力研究開発機構ですもんね。
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福岡県の地域防災計画では、緊急避難は500μSv/h以上!!
2013-05-23
福岡県は、30日の会議で改定する地域防災計画において、原発事故時、避難を行なう放射線量の基準を定めるそうです。
(朝日新聞5月23日西部本社版朝刊)
注目すべきはその数値、緊急避難を行なうのは500μSv/h、一週間以内に避難の「準備に入る」のが20μSv/h、とのことです。
これって、福島事故だとどのあたりか? 以前作った図から、関係しそうな数値のある図を探してみました。

(当ブログ2011年10月26日の記事より)
いや、そもそもありません、500μSv/hなんて高濃度な汚染値。原発の近所だけということでしょうか。
で、20μSvなら、この数字に近い19μSv/hというのが、ありました。上の図のピンクの地域、早川先生の地図に、私が文科省サイト見て描き加えた部分です。要するに、30km圏外の連中が避難することは想定していない、ということでしょうか。福岡県にとって、福岡市(50km圏だと福岡市中心部が含まれてしまう)の避難準備をしなければならないというのはムチャクチャ大変なので(まず不可能)、それを外すのにあまりに都合が良い基準のようです。
さて、これが年換算だとどれくらいの被曝になるかというと・・・政府のホームページだと・・・・
> ●1年の間、屋外に毎日8時間、屋内に毎日16時間いると仮定した場合、
> 木造の建屋の遮蔽係数0.4を考慮して約20ミリシーベルトになるような
> 空間線量率は毎時3.8マイクロシーベルト(自然放射線による影響も含
> む。)である。
中略
> ●具体的には、
> 0.1マイクロシーベルト/時は、年間約0.5ミリシーベルト
> 0.2マイクロシーベルト/時は、年間約1ミリシーベルト
> 0.5マイクロシーベルト/時は、年間約2.5ミリシーベルト
> 1.0マイクロシーベルト/時は、年間約5ミリシーベルト
> 1.9マイクロシーベルト/時は、年間約10ミリシーベルト
> 9.5マイクロシーベルト/時は、年間約50ミリシーベルト
> である。
おっと、このホームページの解説範囲を超えてます。まあ一番下、9.5μSv/hのほぼ2倍ということで、年間なら100mSv/y、ということで、1年いれば“ミスター100ミリシーベルト”山下教授にもお墨付きがもらえる、健康被害に十分な被曝線量と言うことになります。「1週間以内に一時移転する準備に入る」(上掲記事)なんて、悠長なこと言っていて良いのか?? 1年52週ということで、まあ、1週間で逃げ出せれば、2ミリシーベルト程度、一般のわが国の許容基準、年1ミリシーベルトの倍だから、その程度、我慢しなさいよ、ということか。もっとも、準備に入るだけだからな~、逃げ出すまでにはもっと掛かりそうだが・・・
それにしても「毎時500マイクロシーベルト以上を観測した場合、数時間以内に住民を避難させる。避難できない入院患者らには屋内避難を求める」(上掲記事)って、屋内はそんなに被曝線量低いのか?? それに、そうだとしても長居はできないはずで、いずれ患者らの運び出しが必要になるはずだが、こんな汚染地帯へ、どうやって救出に行くつもりなのか??
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