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島根原発と中国・四国地方の地理的関係: もし福島原発級の事故が起きたら・・・

2011-09-30
 引き続き早川先生の地図、四訂版での作図です。四訂版では、0.125μSvh以上という低レベル汚染まで書き込まれていますので、どのくらいまで放射能汚染が広がるものか、中国・四国地方の図としてみました。

島根広域(岡山)
・福島原発事故の「放射能の広がり」は、http://kipuka.blog70.fc2.com/からダウンロードさせていただきました(四訂版・電子国土版: リンク先はhttp://gunma.zamurai.jp/pub/2011/0911dkokudo06.jpgでした)。「放射能の広がり」に関する凡例もその図からのコピペです。早川由紀夫先生、ならびに協力者の皆様、貴重な図の作成、ありがとうございます。
・中国・四国地方の地図はKenmapによって作成させていただきました(http://www5b.biglobe.ne.jp/t-kamada/CBuilder/kenmap.htm)。T. Kamada様、ありがとうございます。
・具体的作業は、Kenmapで中国・四国地方の地図を作成するとともに、島根原発の位置(Wikipediaによると、北緯35度32分18秒 東経132度59分57秒--Wikipediaの記事作成者の方々、ありがとうございます)を中心とする距離円(20, 50, 100, 200km)も作成。これに、早川先生の放射能汚染マップをフォトレタッチソフトで、距離円が重なるようにサイズ調整し、角度を変え、重ねました。これだけの操作ですので、数ドットの誤差はご容赦のほどを。もともと距離円はそれほど正確なものではありません。本図はあくまでめやすとしてご覧ください。
・以上のように、簡単な作業を行っただけですので、ブログで使いたい等、非営利目的の場合、私の方で著作権がどうのと主張する予定はございません。つまり、上の図はご自由にお使いください。ただし目分量で距離円を重ねるといういい加減な作図であるということは頭においてご利用ください。また、福島放射能汚染地図を作成なされた早川先生のクレジットを入れる等のご配慮もお願い申し上げます。なお、営利目的の場合は、簡単な作業ですので、私の図よりも、ご自身で図の作成を行われたほうが、よりきれいで正確な図が簡単に作成できると思います。
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逆風下の風力発電: 発送分離の必要性

2011-09-29
 原子力に変わる発電施設として、いろいろなものが挙げられていますが、発電コストで言えば風力が圧倒的。しかし、風力については電力会社から強力なアンチ・キャンペーンが張られています。「不安定」、この一言で片付けられます。“こんな不安定なもの電力供給網に接続できません、できてもほんのわずかがいいところです”、となります。しょうがないから、蓄電池と組み合わせて、安定化させようという「出力変動緩和型風力発電」の試みもあります。
 しかし、既に全発電量の20%以上を風力でまかなっているスペインが、こんな金のかかる発電設備を大量配備しているなどという話はありません。
 それでもなぜ可能だったのか? 答えは簡単で、たくさんあれば均(なら)される、です。一台一台の風力発電は不安定でも、止まっても、国土のあちこちにあれば、どれかは動いている、全体では平準化されて、そこそこ安定的な出力が得られるということです。個別の風車には出力が大きすぎるときに出力カットできるようにしておき、あとは送配電網の充実です。これでスペインは不安定さを既に克服しています。
 風力について言えば“エコ”なキャッチフレーズ「地産地消」は、不適切です。大規模ネットワークを組むほど、安定します。

 そしてこれは、もう一つの風力への逆風、現実に電力会社が風力を拒否する際に言う「接続問題」と大きく関わってきます。風力発電設備は、たいてい辺鄙な所に建設される傾向にあり、送電線が行っていない。だから“送電設備の建設費まで負担するなら風力を電力網に接続してやってもいいが、そうでないならば拒否します”という断り方です。あれほどの遠隔地にある原子力発電所でも送電線が引けるのに、風力はだめというのは言いがかりのように思えますが(実際、金がかかれば総括原価方式で回収できるのですから)、それでも、たしかに原発よりもかなり小規模になる風力発電設備のためにいちいち送電線を引いていたのでは、コストがかかってしょうがないというのは、確かに正しそうに思えます。
 しかしそうではないのです。原発ならポイントtoポイントで送電線を引かなければなりませんから、送電線コストはすべてその原発の分ということになります(実際は、総括原価には計算されているのに、原発のコストとしては計算されていない)。しかし風力の場合、送電線の通る沿線沿いに風力発電設備を多数配置していけばコスト負担も分散されますし、ホントは、沿線沿いどころか、メッシュ状に配置していった方がもっと都合が良いのです。より平準化・安定化しますし、送配電コストも下がります。「スマート・グリッド」とまで言うと、“まだまだ研究に時間が掛かるから駄目”と、電力会社に言い逃れされますので、注意が必要ですが、「既にスペインでは、やっている」のです。

 火力と比べても高くない発電、風力発電をホントに使いこなすために必要なのは「構想力を持った送配電網整備」です。沿線・面単位で、どう発電が可能かを想定して広範囲に広がっていく送配電網です。これは国レベルでやる必要があるでしょう。地域独占の電力会社には無理ですし、やりたがらないことも明白です(発電が安くついては、総括原価方式の手取りが減る)。
 これは経産省が自らの存在意義を主張するのに格好のテーマのはずなのですが、原発に目がくらんで何もできていないようです。経産省が生き残りを考えるならば、いずれこの課題とは取り組まなければならないはずなのですが、さて今の経産省、そして枝野経産相に何ができるのか、見ものと言うところでしょうか。

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これまでのまとめ

2011-09-28
福島第一原発事故後の放射能測定データを玄海原発と重ねると

各地の原発事故想定ハザードマップ、ってほどのものじゃありませんが地図。
 北海道 泊原発と札幌市
 北海道 泊原発と北海道全域
 青森県 東通原発と青森市・函館市
 宮城県 女川原発と仙台市
 新潟県 柏崎刈羽原発と新潟市
 茨城県 東海第二原発と東京・関東地方
 静岡県 浜岡原発と浜松市、静岡市、名古屋市(愛知県)
 石川県 志賀原発と金沢市
 福井県 美浜原発と名古屋市(愛知県)
 福井県 大飯原発と京都市
 福井県 大飯原発と大阪市・関西地方
 島根県 島根原発と出雲市
 愛媛県 伊方原発と大分市(大分市)、松山市
 愛媛県 伊方原発と中国・四国地方(特に広島)
 佐賀県 玄海原発と福岡市(福岡県)
 佐賀県 玄海原発と佐世保市(長崎県)、佐賀市
 佐賀県 玄海原発と久留米市・八女市(+福岡市)
 佐賀県 玄海原発と九州全域(特に熊本)
 鹿児島県 川内原発と鹿児島市
 鹿児島県 川内原発と九州(熊本・宮崎・大分)
 [番外編]山口県 上関原発(計画中)と周辺地域

 放射能汚染地図(四訂版)が公開されました


考えてみたこと
 「公務員の不作為」: 福島原発事故と薬害エイズ
 「公務員の不作為」: 福島原発事故と薬害エイズ(2)
 「公務員の不作為」: 玄海原発の危険性
 「公務員の不作為」: 福島原発事故と薬害エイズ(3)
 「公務員の不作為」: 福島原発事故と薬害エイズ(4)

 「ストレステストは原発再稼動の条件ではない」

 原子力発電は安いのか: 発電コストと電気料金
 原子力発電は安いのか: 発電コストと電気料金(2)

 「地元」って何だ?
 「地元」って何だ(2)
 上関町長選の結果が出ました: “過疎地のエゴ”
 京都は「地元」ではない
 たまには考えよう・・・福岡のこと

 原発隣接地帯とは: 想像力の貧困と画像化
 記録は常に破られるためにある--フェイルセーフのこと
 “電気の国債”、原子力発電
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川内原発と九州(熊本・宮崎・大分)の地理的関係: もし福島原発級の事故が起きたら・・・

2011-09-28
 やらせメール問題の九州電力は、社長の辞任方針を撤回し、続投することとし、一方、福岡県は近日中に九州電力に安全協定の申し入れをする予定、と、次々と事態が動いていく九州電力。やらせメール問題は、あいかわらずグダグダですし・・・。
 川内原発で福島級の事故が起きた場合どうなるのか、九州内陸部へ風が吹いた場合を考えて、福島原発事故における放射能汚染図と重ね合わせてみました。桜島の火山灰で空が濁るのを日常的に経験している宮崎、やはり核汚染の影響を受けそうです。

川内-九州広域
・福島原発事故の「放射能の広がり」は、http://kipuka.blog70.fc2.com/からダウンロードさせていただきました(四訂版・電子国土版: リンク先はhttp://gunma.zamurai.jp/pub/2011/0911dkokudo06.jpgでした)。「放射能の広がり」に関する凡例もその図からのコピペです。早川由紀夫先生、ならびに協力者の皆様、貴重な図の作成、ありがとうございます。
・九州地方の地図はKenmapによって作成させていただきました(http://www5b.biglobe.ne.jp/t-kamada/CBuilder/kenmap.htm)。T. Kamada様、ありがとうございます。
・具体的作業は、Kenmapで九州地方の地図を作成するとともに、川内原発の位置(Wikipediaによると、北緯31度50分01秒 東経130度11分22秒--Wikipediaの記事作成者の方々、ありがとうございます)を中心とする距離円(20, 50, 100, 200km)も作成。これに、早川先生の放射能汚染マップをフォトレタッチソフトで、距離円が重なるようにサイズ調整し、角度を変え、重ねました。これだけの操作ですので、数ドットの誤差はご容赦のほどを。もともと距離円はそれほど正確なものではありません。本図はあくまでめやすとしてご覧ください。
・以上のように、簡単な作業を行っただけですので、ブログで使いたい等、非営利目的の場合、私の方で著作権がどうのと主張する予定はございません。つまり、上の図はご自由にお使いください。ただし目分量で距離円を重ねるといういい加減な作図であるということは頭においてご利用ください。また、福島放射能汚染地図を作成なされた早川先生のクレジットを入れる等のご配慮もお願い申し上げます。なお、営利目的の場合は、簡単な作業ですので、私の図よりも、ご自身で図の作成を行われたほうが、よりきれいで正確な図が簡単に作成できると思います。

原発隣接地帯とは: 想像力の貧困と画像化

2011-09-27
 それにしても、いろいろ地図を作成してきました。わかることは、日本のどこにいても、原発事故について「安全」と言える場所はない、ということでしょう。 日本にいる限り、どこでもそこは、「原発隣接地帯」なのです。既に、

どの原発からも200km離れた所:原発立地候補地返上した「熊野」

というブログ見れば、「そんなこと当然」なんですが。

 でも、私自身、福岡の地図と福島事故汚染マップを重ねてみるまで、どうもピンとこなかった。「原子力学会、研究者」も想像力が足りなかったことを反省しているようですから、これはどうも、人間の性(さが)ということのような気がします。

 いや、しかし、それでは困るのです。とりかえしのつかない事故は、起きてもらっては困るのです。専門家にはすべての場合を予想してもらわないと困ります。
 しかし今回は出来なかった。次回は必ずすべての場合を想定内で処理できる、という保証が出来ない限り、原発の稼動はやめていただくほかないのです。

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上関町長選の結果が出ました: “過疎地のエゴ”

2011-09-26
 上関町長選挙、原発推進派が3選を果たしました。1868票 対 905票と、ダブルスコア以上の開きです。
 上関町にはもう原発関連住民しかいないんじゃないか、と思ってしまいます。脱原発論議では、“都市が過疎地に原発を押し付けている”という論調が繰り返し語られますが、なんかこの結果を見ていると、この1868人のために、周りの百万人以上の人間が危険に曝されるわけで、思わず、過疎地のエゴじゃないか、と思ってしまいます。まあ、原発利権を求めて過疎地に押しかけた連中のエゴかもしれませんが。
 そもそも“都市”といっても、電力会社や官僚が儲かるだけで、実際のところ原子力発電されたら、多くの都市住民は損をするだけです。
 ともかく、“町”なんていう狭い行政区域だけ取り上げて「地元」っていうの、ホントにやめてもらえないかな、と思います。
 で、まだ建設されていませんけど、もしも上関原発が福島級事故を起こしたら、という、いつもの、想定ハザードマップです。今回は3枚です。
 まずは100万都市、北九州市に放射能汚染地域が広がった場合。

上関-北九州

 次は周防灘、大分市方向に放射性物質汚染が広がった場合。「関サバ」「関アジ」も「城下カレイ」も食べられなくなります。

上関-大分

 最後は対岸、松山市、そして中国地方内陸部方向に核汚染が広がった場合。

上関-松山・広島

[地図についてのお断り]
・福島原発事故の「放射能の広がり」は、http://kipuka.blog70.fc2.com/からダウンロードさせていただきました(四訂版・電子国土版: リンク先はhttp://gunma.zamurai.jp/pub/2011/0911dkokudo06.jpgでした)。「放射能の広がり」に関する凡例もその図からのコピペです。早川由紀夫先生、ならびに協力者の皆様、貴重な図の作成、ありがとうございます。
・中国・九州・四国地方の地図はKenmapによって作成させていただきました(http://www5b.biglobe.ne.jp/t-kamada/CBuilder/kenmap.htm)。T. Kamada様、ありがとうございます。
・具体的作業は、Kenmapで中国・九州・四国地方の地図を作成するとともに、上関原発(計画中)の位置(今回は地図からピックアップしました、北緯33度47分34秒、東経132度1分58秒)を中心とする距離円(20, 50, 100, 200km)も作成。これに、早川先生の放射能汚染マップをフォトレタッチソフトで、距離円が重なるようにサイズ調整し、角度を変え、重ねました。これだけの操作ですので、数ドットの誤差はご容赦のほどを。もともと距離円はそれほど正確なものではありません。本図はあくまでめやすとしてご覧ください。
・以上のように、簡単な作業を行っただけですので、ブログで使いたい等、非営利目的の場合、私の方で著作権がどうのと主張する予定はございません。つまり、上の図はご自由にお使いください。ただし目分量で距離円を重ねるといういい加減な作図であるということは頭においてご利用ください。また、福島放射能汚染地図を作成なされた早川先生のクレジットを入れる等のご配慮もお願い申し上げます。なお、営利目的の場合は、簡単な作業ですので、私の図よりも、ご自身で図の作成を行われたほうが、よりきれいで正確な図が簡単に作成できると思います。

京都は「地元」ではない

2011-09-26
 本日の衆議院予算委員会、前原誠司民主党政調会長は原発の再稼働を強く要請していました。「福井県の知事と話したところ、再稼働に協力的な姿勢は変わらない」、とかなんとか・・・“地元はあっち”と、他人事でした。京都2区--左京区・東山区・山科区、他人事じゃないんですけど。

前原
 ↑
(もし、福井県大飯原発で福島級の事故があったら・・・図についての説明は図からのリンク先)

泊原発と北海道全域の地理的関係: もし福島原発級の事故が起きたら・・・

2011-09-25
 引き続き早川先生の地図、四訂版での作図です。四訂版では、0.125μSvh以上という低レベル汚染まで書き込まれていますので、どのくらいまで放射能汚染が広がるものか、北海道広域図としてみました。
 最悪に近い状況を考え、北海道の広い範囲が汚染されるような角度で、地図と重ね合わせてみました。さすがに広い北海道ですので、0.125μSvh以上で見ても、根室市や羅臼町まで汚染されるということはないようです。しかし、風評被害も考えれば、泊原発が福島なみの事故を起こせば、北海道全域で農林水産業に大損害が生じることが予想されます。

泊-北海道広域

・福島原発事故の「放射能の広がり」は、http://kipuka.blog70.fc2.com/からダウンロードさせていただきました(四訂版・電子国土版: リンク先はhttp://gunma.zamurai.jp/pub/2011/0911dkokudo06.jpgでした)。「放射能の広がり」に関する凡例もその図からのコピペです。早川由紀夫先生、ならびに協力者の皆様、貴重な図の作成、ありがとうございます。
・北海道の地図はKenmapによって作成させていただきました(http://www5b.biglobe.ne.jp/t-kamada/CBuilder/kenmap.htm)。T. Kamada様、ありがとうございます。
・具体的作業は、Kenmapで北海道の地図を作成するとともに、泊原発の位置(Wikipediaによると、北緯43度2分10秒、東経140度30分45秒--Wikipediaの記事作成者の方々、ありがとうございます)を中心とする距離円(20, 50, 100, 200km)も作成。これに、早川先生の放射能汚染マップをフォトレタッチソフトで、距離円が重なるようにサイズ調整し、角度を変え、重ねました。これだけの操作ですので、数ドットの誤差はご容赦のほどを。もともと距離円はそれほど正確なものではありません。本図はあくまでめやすとしてご覧ください。
・以上のように、簡単な作業を行っただけですので、ブログで使いたい等、非営利目的の場合、私の方で著作権がどうのと主張する予定はございません。つまり、上の図はご自由にお使いください。ただし目分量で距離円を重ねるといういい加減な作図であるということは頭においてご利用ください。また、福島放射能汚染地図を作成なされた早川先生のクレジットを入れる等のご配慮もお願い申し上げます。なお、営利目的の場合は、簡単な作業ですので、私の図よりも、ご自身で図の作成を行われたほうが、よりきれいで正確な図が簡単に作成できると思います。

「公務員の不作為」: 福島原発事故と薬害エイズ(4)

2011-09-24
 今回の福島原発事故について、“専門家の指摘があったにもかかわらず必要な対策を施さなかった”という、公務員の不作為を理由に、裁判になった場合、どのような争点が考えられるか、ちょっと考えてみました。
 まず最初は、纐纈主査は何をどのようにして原子力安全・保安院に伝えたかでしょう。“茶飲み話で貞観の津波の話をした”程度ですと、不作為をしたのは纐纈主査ということになってしまうでしょう。ただし、インタビュー記事から見る限り、かなりはっきりした形で原子力安全・保安院に貞観津波級の津波が来る危険を伝えていたと考えられます。この真相究明が、まず第一のポイントでしょうか。
 次に、原子力安全・保安院の中でどのように、この種の指摘が扱われたかの問題があるでしょう。担当者が課長まで話を上げなかった、担当者異動の際引き継がれなかった、等の場合が考えられるでしょう。それぞれにこの指摘を握りつぶした/消去した者には責任が発生すると思われます。それはそれで責任追及がなされる必要があるでしょう。しかし纐纈主査の表現から見る限り、単独の個人による不作為よりも、企画調整課として一定の対応--不作為--が行われた可能性が高く見えます。纐纈主査が、
保安院には貞観地震を審査で考慮することを認めさせました。その後、考慮した揺れの審査は行われましたが、2年近くたっても津波の審査は始まりませんでした。このように作業部会の意見を放置したことは保安院の責任です。
とまで言うのですから。責任は企画調整課長、もしくは原子力安全・保安院長ということになるでしょう。
 さて、そうすると、「もしもこの件について検討を行っていたとしても、間に合わなかった(したがって責任は無い)」というのが、被告の最後の反論となるでしょう。しかし、そういう反論が出てきたならば、面白い状態になることが予想されます。当時の経産相の海江田氏が原発の再開を呼びかけたのが5月9日、震災後ほぼ2ヶ月の時点です。2ヶ月で対策ができるのですから、緊急安全対策程度の対策を行う時間的余裕は十分にあったことになります。その程度の対策で「大丈夫」と、原子力安全・保安院自身が判断しているのです。「間に合わなかった」と主張するためには、この原子力安全・保安院の対策の実効性を否定する必要があります。「間に合わなかった」なら「間に合わなかった」ということで、しっかりと証明してもらえば、それはそれで意味のあることになるでしょう。

[関連項目]
 「公務員の不作為」: 福島原発事故と薬害エイズ
 「公務員の不作為」: 福島原発事故と薬害エイズ(2)
 「公務員の不作為」: 玄海原発の危険性
 「公務員の不作為」: 福島原発事故と薬害エイズ(3)

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これまでのまとめ

2011-09-24
福島第一原発事故後の放射能測定データを玄海原発と重ねると

各地の原発事故想定ハザードマップ、ってほどのものじゃありませんが地図。
 北海道 泊原発と札幌市
 青森県 東通原発と青森市・函館市
 宮城県 女川原発と仙台市
 新潟県 柏崎刈羽原発と新潟市
 茨城県 東海第二原発と東京・関東地方
 静岡県 浜岡原発と浜松市、静岡市、名古屋市(愛知県)
 石川県 志賀原発と金沢市
 福井県 美浜原発と名古屋市(愛知県)
 福井県 大飯原発と京都市
 福井県 大飯原発と大阪市・関西地方
 島根県 島根原発と出雲市
 愛媛県 伊方原発と大分市(大分市)、松山市
 愛媛県 伊方原発と中国・四国地方(特に広島)
 佐賀県 玄海原発と福岡市(福岡県)
 佐賀県 玄海原発と佐世保市(長崎県)、佐賀市
 佐賀県 玄海原発と久留米市・八女市(+福岡市)
 佐賀県 玄海原発と九州全域(特に熊本)
 鹿児島県 川内原発と鹿児島市


 放射能汚染地図(四訂版)が公開されました


考えてみたこと
 「公務員の不作為」: 福島原発事故と薬害エイズ
 「公務員の不作為」: 福島原発事故と薬害エイズ(2)
 「公務員の不作為」: 玄海原発の危険性
 「公務員の不作為」: 福島原発事故と薬害エイズ(3)
 「ストレステストは原発再稼動の条件ではない」
 原子力発電は安いのか: 発電コストと電気料金
 原子力発電は安いのか: 発電コストと電気料金(2)
 記録は常に破られるためにある--フェイルセーフのこと
 「地元」って何だ?
 「地元」って何だ(2)
 “電気の国債”、原子力発電
 たまには考えよう・・・福岡のこと
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伊方原発と中国・四国地方(特に広島)の地理的関係: もし福島原発級の事故が起きたら・・・

2011-09-23
 前回に引き続き、早川先生の福島原発事故放射能汚染地図〈四訂版〉では、0.125μSvh以上という低レベル汚染まで書き込まれていますので゛、どのくらいまで放射能汚染が広がるものか、広域図としてみました。
 広島に放射能汚染が迫ったら、というのは、心理的に作図しにくいものがありますが、伊方原発に最も近い地域中核都市ということで、作成してしまいました。こんな事態は、絶対に発生させてはいけないことです。
 ただ冷静に見ると、広島は瀬戸内海をはさんで伊方原発と100kmの距離ですから、もちろん気象条件によるのですが、かなりの影響を被る条件にあることが分かります(若干の島はありますが、海は放射性物質を運ぶ風の障害にはなりません)。

伊方-広域(広島)
・福島原発事故の「放射能の広がり」は、http://kipuka.blog70.fc2.com/からダウンロードさせていただきました(四訂版・電子国土版: リンク先はhttp://gunma.zamurai.jp/pub/2011/0911dkokudo06.jpgでした)。「放射能の広がり」に関する凡例もその図からのコピペです。早川由紀夫先生、ならびに協力者の皆様、貴重な図の作成、ありがとうございます。
・中国・四国地方の地図はKenmapによって作成させていただきました(http://www5b.biglobe.ne.jp/t-kamada/CBuilder/kenmap.htm)。T. Kamada様、ありがとうございます。
・具体的作業は、Kenmapで中国四国地方の地図を作成するとともに、伊方原発の位置(Wikipediaによると、北緯33度29分27秒 東経132度18分40秒--Wikipediaの記事作成者の方々、ありがとうございます)を中心とする距離円(20, 50, 100, 200km)も作成。これに、早川先生の放射能汚染マップをフォトレタッチソフトで、距離円が重なるようにサイズ調整し、角度を変え、重ねました。これだけの操作ですので、数ドットの誤差はご容赦のほどを。もともと距離円はそれほど正確なものではありません。本図はあくまでめやすとしてご覧ください。
・以上のように、簡単な作業を行っただけですので、ブログで使いたい等、非営利目的の場合、私の方で著作権がどうのと主張する予定はございません。つまり、上の図はご自由にお使いください。ただし目分量で距離円を重ねるといういい加減な作図であるということは頭においてご利用ください。また、福島放射能汚染地図を作成なされた早川先生のクレジットを入れる等のご配慮もお願い申し上げます。なお、営利目的の場合は、簡単な作業ですので、私の図よりも、ご自身で図の作成を行われたほうが、よりきれいで正確な図が簡単に作成できると思います。

原子力発電は安いのか: 発電コストと電気料金(2)

2011-09-22
 まずは総括原価方式について補足。

 電気料金=かかった費用+あらかじめ定められた儲け

 という式で計算されていることは間違いないのですが、具体的にどんな費用がどう計算されているのか。総括原価方式の中身については、Buzz Energyさんのブログからリンクされている経済産業省令に示されています。はっきり言って、何がなんだか、全然わからない。

 そこで安易な解説記事を探ります。「プレジデントロイター」の記事を読むと、現在の平均報酬率(あらかじめ定められた儲け)が3.05%であることがわかります。かつては8%前後だったこともあったらしい。そして、計算式に代入される
「原子力発電所の建設コストの高さは他の電源の比ではない。仮に3000億円の原発を2基新設すれば、6000億円の5%=300億円の利潤を得られる」
ということだそうです(この計算の時はなぜか3.05%じゃなくて5%になっています)。これだから電力業界は原発を作りたがるのだ、と一応納得。

 ところで、あの小出裕章先生のHPを見ると、報酬率の数字も違いますが、
「原発は建設費が高く、建設期間が長く、核燃料を備蓄すればそれも資産となり、研究開発などの特定投資も巨額で、それらすべてが利潤を膨れ上がらせる。」
となっています。建設コストだけじゃないようです。

 さてどんなものか、ということで、東京電力の株主向け説明資料を見てみます。43ページが賃借対照表です。興味深いことがわかります。
 原子力発電設備はたいして高価ではない、737,601百万円です。その上に書いてある汽力発電設備(なんかわかりにくい言葉ですが要するに火力発電のことでしょう)の946,104百万円より安いくらいです。
賃借対照表
ただし、この表で面白いのは、核燃料が、「固定資産」として計上されている点です。その額、原子力発電設備を上回る870,450百万円です。結局“原子力”資産は、合計1,608,051百万円となります。他の発電方式(水力・汽力・内燃力・新エネルギー等)の固定資産合計が1,638,878百万円ですから、発電方式別でいえば、固定資産ベースで、5割は原子力発電ということになります。実際の発電量は3割程度なんですけど。まあ、火力も燃料が必要で、それはこの表ではなく、次の44ページの損益計算書の費用の方に入ることになりますから、これだけではなんとも言えないんですけどね。

 さて、さきほどのわけのわからなかった経産省令の、第四条2項を見てみると
「電気事業報酬の額は、別表第一第一表により分類し、特定固定資産、建設中の資産、核燃料資産、特定投資、運転資本及び繰延償却資産(以下「レートベース」という。)の額の合計額に、第四項の規定により算定される報酬率を乗じて得た額とする。」
となっています。火力燃料も余計な在庫を抱えれば運転資本を膨らませ、総括原価計算の基礎「レートベース」を膨らませるかもしれませんが、あまり馬鹿なことは出来ないでしょう。少なくとも発電設備の評価額を超えて在庫、ということはないでしょう。しかし核燃料(ウラニウムを燃やしたあとの生成物プルトニウム、つまりゴミだけど高速増殖炉かプルサーマルがあれば燃料になる、を含む)は溜め込めば溜め込むだけ、利益(報酬)も増えるようになっていますし、実際に溜め込まれています。

 まあ、このへんのカラクリは精妙に出来ているでしょうから、私のようなシロウトが見たって、とんでもない勘違いをしているだけかもしれません。しかし、少なくともある恐ろしい事実はわかります。「加工中等核燃料 736,264(百万円)」、これが燃料・資産ではなく、核廃棄物となったとき、膨らませてきた報酬はしぼみ、さらに処理が必要ともなれば(ちなみに賃借対照表の負債の部には引当金も記載されていますが)、電力会社にとって大きな痛手となることは確実です。前回末尾に書いた悪夢です。危険な高速増殖炉/核燃料サイクル(もしくは少なくともプルサーマル/MOX燃料化)は手放せない、ということです。

と、まあ、煩雑なことをごちゃごちゃ考えてみたのは、なぜか、といいますと、これって「省令」の話なんですね。電力会社が原子力発電にのめりこまなければならない理由は、省令で強力に誘導されているからとも言えます。原子力だけは特別扱いで「儲かる」ようになっている。と、すると、簡単に言えば、このあたりの計算ルールをちょっと変えるだけで、実は「脱原発依存」の方向へ持っていくことが出来てしまうことになります。高い電気は儲からない、安く発電した方がリターンが多い、というようにレートベースの計算式を書き換えてしまえば良いわけです。
 民主党は「再生可能エネルギー特別措置法」を通し、みんなの党は送発分離・発電市場自由化を叫び、枝野経産相は「ゼロベースからの検討」と主張しますが、実は大掛かりな制度変革をしなくても、省令という経産相のさじ加減一つで(これが現実には経産省官僚のさじ加減になっているのが問題なのですが)、電力会社に、原子力発電から腰を引かせることができるのです。逆に言えば、どんな制度改革を行っても、この辺を細工されたら、原子力発電依存は終わらないことになります。
 この部分に切り込むことが、今の民主党政権にできるのか? あるいは、「法律改正では脱原発依存派の顔を立て選挙対策とし、省令以下の部分では原子力発電維持を図り(原子力利権を取り込んで)原発推進派は実をとる」などという変な結末にならないか、気にかかります。

[関連項目]
 原子力発電は安いのか: 発電コストと電気料金

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玄海原発と九州全域(特に熊本)の地理的関係: もし福島原発級の事故が起きたら・・・

2011-09-21
 今回から早川先生の地図、四訂版で作図を開始しました。四訂版では、0.125μSvh以上という低レベル汚染まで書き込まれています。折角ですので、どのくらいまで放射能汚染が広がるものか、広域図としてみました。まずは脆性遷移温度の急激な上昇という危機を抱えている玄海原発についてです。
 最悪に近い状況を考え、福島汚染地図は裏焼きとし、比較的高濃度の汚染地域が熊本に延びるような角度で、九州の地図と重ね合わせてみました。都市部への被害は既にいろいろ作図して来ましたので、もはや見慣れた状況ですが、宮崎県や鹿児島県にも0.5μSvh以上の“ホットスポット”が見出せます。風評被害もありますから、玄海原発が福島なみの事故を起こせば、九州全県で農業に大損害が生じることが予想されます。

玄海-九州

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[地図についてのお断り]
・福島原発事故の「放射能の広がり」は、http://kipuka.blog70.fc2.com/からダウンロードさせていただきました(四訂版・電子国土版: リンク先はhttp://gunma.zamurai.jp/pub/2011/0911dkokudo06.jpgでした)。「放射能の広がり」に関する凡例もその図からのコピペです。早川由紀夫先生、ならびに協力者の皆様、貴重な図の作成、ありがとうございます。
・九州の地図はKenmapによって作成させていただきました(http://www5b.biglobe.ne.jp/t-kamada/CBuilder/kenmap.htm)。T. Kamada様、ありがとうございます。
・具体的作業は、Kenmapで九州の地図を作成するとともに、玄海原発の位置(Wikipediaによると、北緯33度30分56秒、東経129度50分14秒--Wikipediaの記事作成者の方々、ありがとうございます)を中心とする距離円(20, 50, 100, 200km)も作成。これに、早川先生の放射能汚染マップをフォトレタッチソフトで、距離円が重なるようにサイズ調整し、裏返した上で(今回は比較的低レベルの汚染地域が九州に広く分布する場合を考えるためです)、角度を変え、重ねました。これだけの操作ですので、数ドットの誤差はご容赦のほどを。もともと距離円はそれほど正確なものではありません。本図はあくまでめやすとしてご覧ください。
・以上のように、簡単な作業を行っただけですので、ブログで使いたい等、非営利目的の場合、私の方で著作権がどうのと主張する予定はございません。つまり、上の図はご自由にお使いください。ただし目分量で距離円を重ねるといういい加減な作図であるということは頭においてご利用ください。また、福島放射能汚染地図を作成なされた早川先生のクレジットを入れる等のご配慮もお願い申し上げます。なお、営利目的の場合は、簡単な作業ですので、私の図よりも、ご自身で図の作成を行われたほうが、よりきれいで正確な図が簡単に作成できると思います。

「公務員の不作為」: 福島原発事故と薬害エイズ(3)

2011-09-20
 様々な指摘を受けながら、原子力発電の安全対策指示を出さず放置してきた原子力安全・保安院、その責任はどうなるのでしょうか。事実上交代時期を迎えていた原子力安全・保安院長を含む経産省関連分野トップ3人が、当時の海江田経産相によって名目上“更迭”されたという茶番劇で話は終わりなのでしょうか。まあ、官僚の中で序列トップクラスにいる(と思っている)経産省官僚のうち、原子力安全・保安院に送り込まれていた者たちが、官僚の中で序列最底辺と思われている環境省に移動になるわけですから、これは処罰といえば処罰になっているわけですが・・・。
 薬害エイズのように、官僚の個人責任が追及されることはないのか、という点について、法律専門家と明示してある方のブログのコメント欄で、質問してみました。親切に回答していただけましたが、「実際は難しい」とのことでした。誰が権限を持っていたのか、特定できて始めて責任追及が可能になるが、ふつう役所の中で権限は分散されており、特定個人の責任を追求するのは困難だろう、とのことでした。
 確かに、そうだとすると、全体的な業務上の落ち度、たとえば、「国会で全電源喪失の可能性が指摘されていたにもかかわらず、対策がとられなかった」、といったことの責任追及は無理ということになります。大臣が「経産省あげて取り組む」と言ったにもかかわらず出来ていないといったことについては、組織全体に責任があるわけで、組織改革をもって責任を取らせるといったことしかないことになるでしょう。
 しかしそうすると、個別のはっきりした事例については責任を問うことが可能ということになります。3.11津波については、専門家の指摘があったにもかかわらず、原子力安全・保安院の担当者は必要な措置をとらなかったのですから、この責任であれば、追求可能ではないでしょうか。
 まずは、今回の津波を予言したとも言える「貞観津波」についてのやりとりがあった原子力安全・保安院の審議会ワーキンググループの議事録です。この議事録は経済産業省の「トップページ > 審議会・研究会 > 総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会」から、「耐震・構造設計小委員会地震・津波、地質・地盤合同ワーキンググループ」欄の「第15~56回議事要旨等」をクリックすると出てくる「地震・津波、地質・地盤合同ワーキンググループ」の「平成21年6月24日 第32回 議事録」として公開されています。16ページから17ページにかけて、貞観津波についてのやりとりがあります。
 ここでの指摘を原子力安全・保安院に上げる責任は、このワーキンググループの主査「纐纈一起」氏にあるということになるでしょう。「纐纈一起」とは、どういう人なのか、検索してみれば「東京大学地震研究所 災害科学系研究部門 応用地震学研究室 教授」とあります。彼は何をやったのか、あるいは、ここで重要なのは「公務員の不作為」、やらなかったのか。彼は一応、経産省の役人ではありませんが、経産省の審議会の下部組織(ワーキンググループ)の主査を委任された以上、みなし公務員となるのではないでしょうか。彼に責任が無いとはいえないはずです。ただしgoogleの検索結果には、彼の弁明のようなページも表示されています「急接近:纐纈一起さん 原発の安全性担う国の委員を辞めた訳は?(毎日新聞)」。この記事によると、彼は「保安院には貞観地震を審査で考慮することを認めさせました。その後、考慮した揺れの審査は行われましたが、2年近くたっても津波の審査は始まりませんでした。このように作業部会の意見を放置したことは保安院の責任です。」ということになります。この言葉が真実であるならば、いかにも典型的な「公務員の不作為」は、原子力安全・保安院の中で起きていたことになります。
 では原子力安全・保安院の誰が「不作為」を行ったのでしょうか。とりあえずわかることは次のようなことです。このワーキンググループの属する審議会を掌管するのは「経済産業省原子力安全・保安院企画調整課」です。この当時の企画調整課長は、検索にちょっと手間取りましたが、現在、独立行政法人原子力安全基盤機構の理事をしているようです。原子力安全基盤機構の「役員経歴」を見ると、平成21年7月から平成22年6月まで「原子力安全・保安院企画調整課長」をしていた人がいます。それにしても、見事な天下りぶりに、開いた口がふさがりません。
 薬害エイズでは課長の個人責任が認定されました。この元担当課長が責任を問われることは無いのでしょうか。

[関連項目]
 「公務員の不作為」: 福島原発事故と薬害エイズ
 「公務員の不作為」: 福島原発事故と薬害エイズ(2)
 「公務員の不作為」: 玄海原発の危険性
 「公務員の不作為」: 福島原発事故と薬害エイズ(4)
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美浜原発と名古屋市の関係: もし福島原発級の事故が起きたら・・・

2011-09-19
 名古屋市については、浜岡原発との関係で取り上げたことがありますが、もしも事故が発生したら影響が及ぶ可能性がある原発はそれだけではないようです。福井県美浜原子力発電所に福島放射能汚染地図を重ね、汚染地域が名古屋方向に及ぶようにしてみたのが、下図です。実際は長浜市を通ってダイレクトに汚染地帯が延びるかもしれません。その場合は、もっと高い汚染を覚悟しなければならないかもしれません。
(本記事の福島放射能汚染マップはまだ三訂版です。)

美浜-名古屋_表

 あるいは、もう少し可能性の高い風向きということを考えれば、福島放射能汚染地図を裏焼きした、下図のほうが説得力があるかもしれません。いずれにせよ、距離的関係はこのようなところというのが、この図で分かる精一杯のところです。

美浜-名古屋_裏

(以下、図についてのおことわり)
・福島原発事故の「放射能の広がり」は、http://kipuka.blog70.fc2.com/からダウンロードさせていただきました(三訂版・電子国土版: リンク先はhttp://gunma.zamurai.jp/pub/2011/26julyJD.jpgでした)。「放射能の広がり」に関する凡例もその図からのコピペです。早川由紀夫先生、ならびに協力者の皆様、貴重な図の作成、ありがとうございます。
・福井・愛知その他近県の地図はKenmapによって作成させていただきました(http://www5b.biglobe.ne.jp/t-kamada/CBuilder/kenmap.htm)。T. Kamada様、ありがとうございます。
・具体的作業は、Kenmapで福井・愛知その他近県の地図を作成するとともに、美浜原発の位置(Wikipediaによると、北緯35度42分13秒 東経135度57分49秒--Wikipediaの記事作成者の方々、ありがとうございます)を中心とする距離円(20, 50, 100km)も作成。これに、早川先生の放射能汚染マップをフォトレタッチソフトで、距離円が重なるようにサイズ調整し、角度を変え、重ねました。これだけの操作ですので、数ドットの誤差はご容赦のほどを。
・以上のように、簡単な作業を行っただけですので、ブログで使いたい等、非営利目的の場合、私の方で著作権がどうのと主張する予定はございません。つまり、上の図はご自由にお使いください。ただし目分量で距離円を重ねるといういい加減な作図であるということは頭においてご利用ください。また、福島放射能汚染地図を作成なされた早川先生のクレジットを入れる等のご配慮もお願い申し上げます。なお、営利目的の場合は、簡単な作業ですので、私の図よりも、ご自身で図の作成を行われたほうが、よりきれいで正確な図が簡単に作成できると思います。

これまでのまとめ

2011-09-18
福島第一原発事故後の放射能測定データを玄海原発と重ねると

各地の原発事故想定ハザードマップ、ってほどのものじゃありませんが地図。
 北海道 泊原発と札幌市
 青森県 東通原発と青森市・函館市
 宮城県 女川原発と仙台市
 新潟県 柏崎刈羽原発と新潟市
 茨城県 東海第二原発と東京・関東地方
 静岡県 浜岡原発と浜松市、静岡市、名古屋市(愛知県)
 石川県 志賀原発と金沢市
 福井県 大飯原発と京都市
 福井県 大飯原発と大阪市・関西地方
 島根県 島根原発と出雲市
 愛媛県 伊方原発と大分市(大分市)、松山市
 佐賀県 玄海原発と福岡市(福岡県)
 佐賀県 玄海原発と佐世保市(長崎県)、佐賀市
 佐賀県 玄海原発と久留米市・八女市(+福岡市)
 鹿児島県 川内原発と鹿児島市


 放射能汚染地図(四訂版)が公開されました


考えてみたこと
 「公務員の不作為」: 福島原発事故と薬害エイズ
 「公務員の不作為」: 福島原発事故と薬害エイズ(2)
 「公務員の不作為」: 玄海原発の危険性
 「ストレステストは原発再稼動の条件ではない」
 原子力発電は安いのか: 発電コストと電気料金
 記録は常に破られるためにある--フェイルセーフのこと
 「地元」って何だ?
 「地元」って何だ(2)
 “電気の国債”、原子力発電
 たまには考えよう・・・福岡のこと

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原子力発電は安いのか: 発電コストと電気料金

2011-09-18
「原子力発電は安い」というのがウソであることは、もはや知れ渡ってきました。
 改めて書くまでもないかと思いましたが、一応自分なりにまとめておきます。論点は四つです。

 論点1・・・原子力発電の「原価」(電気事業連合会コスト試算、5.3円/kwh)とされるものには、必要な費用が算定されていない。粉飾決算されている。原価計算に含まれていないものとして、ざっと思いつくのは、
 ・核廃棄物処理費用
 ・廃炉費用
 ・原子力発電による夜間余剰電力対策としての揚水発電所建設・運用費
 ・電力消費地と遠隔に立地する必要のある原発に必要な長距離送電費用および長距離送電ロスによる損失(事故のことを考えるとどうしても遠隔立地となる)
 ・事故に備えた充分な損害保険費用もしくは積立金
 ・地元対策費
 ・これらに加え、今回の福島原発事故処理費
 以上のような項目は、原子力発電の原価計算において算定されておらず、原子力発電原価は不当に低く算定されている。
 さらにいろいろ書いておきたいこともありますが、既にネットでもいろいろ書かれているので、とりあえず。

 論点2・・・実際に高い
 以前にも紹介したブログ「白老の自然情報」、このサイトではこの件についても、重要な資料が紹介されています。「電力会社自身が設置許可申請時に、電源開発調整審議会に提出した資料」を見れば、「日本の主要な原発の1kWh当たりの発電原価見積もりは、『泊1号機17.9円、女川1号機16.98円、柏崎刈羽5号機19.71円、浜岡3号機18.7円、大飯3号機14.22円、玄海3号機14.7円』」と記されているとのこと。

 論点3・・・「高速増殖炉」と「核燃料サイクル」
 ところで、こんなに高いはずの原子力発電に、なぜ5.3円、などという「原価」が提示されているのか? ウソにしても、何らかの理由づけが必要なはずです。特に「白老の自然情報」で示されたように、実際の工場出荷価格をはるかに下回る価格づけが堂々となされているのですから、そこには何かよほどのトリックがあるはずです。
 これは推測ですが、キーワードはたぶん、「高速増殖炉」あるいは「核燃料サイクル」です。論点1でリンクを張ったページの多くには“バックエンドの過小評価”といったことが記されていますが、バックエンド(ごみ処理)には、単なる過小評価では済まない、何かがありそうです。バックエンドには、原子力発電の将来構想に絡む例の大マジック、高等魔法「高速増殖炉」「核燃料サイクル」があります。ある特殊な炉では、放射性物質を燃やす際に出る放射線(高速中性子)を、燃料中の不純物ともいえる非放射性のウラニウムに当てて放射性のプルトニウムにすることができる。このプルトニウムは(放射性物質ですから)原子炉の燃料にすることができる。つまり原子炉を運転しながら自分の燃料を増殖させて行くことができる。かくして、原子炉で燃やした廃棄物が再び燃料となる循環過程“核燃料サイクル”を作り出すことができる、というやつです。
 これが実現すれば、燃えかす、廃棄物であるはずの、プルトニウムを、燃料、資産として計算することができます。バランスシートの右側(負債)でなく、左側(財産)として計算できます。それも何倍にも増える予定の高価な資産として。
 これが将来実現するという仮定のもとに計算すれば、工場出荷電気代が高くとも、計算上の電気代はその価格から、生産される燃料の“評価額=利益”を差し引いた額とすることができます。ごみ処理費用(バックエンド)は「過小評価」どころか、利益を生み出す“打ち出の小槌”という評価さえ可能のはずです。これくらいのことをやれば、実際の発電費用とは懸け離れた「原価」を計算することも簡単でしょう。論点1 がコストのダイエットなら、この論点3 は、「気球で吊り上げ」です。

 ここにはもちろん、二つの問題があります。一つは「高速増殖炉」の魔法は、実際は危険すぎて“まだ”使えていない、ということ。「もんじゅ」で検索してみれば、いくらでも書き込みがあります。そしてもう一つは、こんな計算いくらしたって実際の電気料金計算とは全く関係がない、ということです。論点1 の計算も、もちろん無意味です。実際の電気料金は総括原価方式で計算されます。

 論点4・・・総括原価方式
 実際の電気料金は、発電方式による“原価”計算とはまったく関係のない、別の式で計算されます。地域独占の電力業界ということで、電気料金は、かかった費用(すなわち、電力会社が使った金)に一定の利益率をプラスして算定されます。これって、すごい話です。発電・送電に金をかければかけただけ、料金で原資を回収できるだけではなく、儲け(絶対額)も増える、ということですから。「電気作るのにこんなにお金がかかっちゃった、だから法令に従ってその○○パーセントに当たる利益、料金に上乗せして、徴収しますよ~」、ということなのです。これは、たとえれば、どこの社会主義経済下の国策企業だって享受したことの無い超優遇待遇です。社会主義経済下企業だって政治家から目標は押し付けられるし、官僚からはノルマで絞めつけられるのですから。
 かくして、原発は、金がかかるから、電力会社はやりたいのです。電気料金が上がり、利益が増えるのです。

 で、話は論点1へ戻ります。原子力発電が安いという粉飾計算を行う担当者は、単純に計算したら高くなってしまう数字を前に「こんちくしょう、なんとか粉飾しなければ」と思って悪戦苦闘しているのではないでしょう。「ホントはこんなに高いんだよね、電気料金計算のときにはしっかり算定されるから、お~、ウハウハだな~」とニヤニヤしながら楽しく計算に工夫を凝らしていることでしょう。

 ですから、原子力発電をやっていなかったならば(少なくしておいたならば)、電気料金はもっと安かったはずです。
 ここでホントは、「だから『原子力発電をしなければ電気代が上がる』というのは、大ウソです」、と書きたいのですが、実はそうはいきません。既に投資してしまった分は、しっかりと総括原価として回収されるからです。今、既にある原発を使わずに他の発電方式を使うということは、これまでの原発への投資を無駄に負担させられ、その上で本来の発電費用を負担させられるということだからです。それでは確かに「電気代は上がります」。
 しかし、次の点は確認しておく必要があります。だからといって「原子力発電で当座はしのいだら、安く済む」わけでもない、という点です。バックエンドの神話(あれ!? さっきは「魔法」とか書いたような・・・神も魔も一緒だね 汗)は既に崩壊しています。高速増殖炉実用化の見通しはまったく立たず、電力会社もしょうがないからMOX燃料によるプルトニウム処理を始めています。この時点で、廃棄物処理価格は“高騰”しているわけですが(魔法の燃料⇒手間のかかる危険な燃料)、さらに、イギリスの「廃棄物⇒MOX燃料化」処理工場は閉鎖フランスの処理工場は敷地内火事といった事情でトラブっており、まだ技術確立もできていない六ヶ所村だのみという危うい状況です(六ヶ所村が順調に行ったとしても、核廃棄物処理費“高騰”の現実は別に変わるわけではない)。原子力発電所を動かせば動かすだけ、核廃棄物処理費という負債を積み上げることになります。バランスシートの左側にあったはずの財産が、ある日ひょっこり右側に移ってきて、多大な負債請求をされる日を待つことになります。原子力発電の継続は、この負債を積み増す行為にほかなりません。まあ、この負債額と、現状で原子力以外の発電を利用した場合の追加コストを比較する、というソロバン勘定をしたい人もいるでしょうが。私は電力会社の出すデータ(それしか、たぶんデータは存在しない)で計算してみたいとは思いませんが。


[関連項目]
 原子力発電は安いのか: 発電コストと電気料金(2)

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島根原発と出雲市の関係: もし福島原発級の事故が起きたら・・・

2011-09-17
 この原発について、本ブログ流想定ハザードマップを作成する必要があるのか、正直言って疑問に思います。なにせ“県庁所在地にある原発”ですので、言うまでも無く、県庁所在地の松江市ほぼ全域、半径20Kmの非難区域に入るのが確実というのは、作図してみなくとも当然の話です。
 図は、そちら方向に風が吹くことはあまり無いかなとも思いましたが、世界遺産石見銀山のある大田市や、出雲大社のある出雲市方向へ風が吹いた場合です。(本図の福島放射能汚染マップはまだ三訂版です。)

島根
・福島原発事故の「放射能の広がり」は、http://kipuka.blog70.fc2.com/からダウンロードさせていただきました(三訂版・電子国土版: リンク先はhttp://gunma.zamurai.jp/pub/2011/26julyJD.jpgでした)。「放射能の広がり」に関する凡例もその図からのコピペです。早川由紀夫先生、ならびに協力者の皆様、貴重な図の作成、ありがとうございます。
・島根県・鳥取県の地図はKenmapによって作成させていただきました(http://www5b.biglobe.ne.jp/t-kamada/CBuilder/kenmap.htm)。T. Kamada様、ありがとうございます。
・具体的作業は、Kenmapで島根県・鳥取県の地図を作成するとともに、島根原発の位置(Wikipediaによると、北緯35度32分18秒 東経132度59分57秒--Wikipediaの記事作成者の方々、ありがとうございます)を中心とする距離円(20, 50, 100km)も作成。これに、早川先生の放射能汚染マップをフォトレタッチソフトで、距離円が重なるようにサイズ調整し、角度を変え、重ねました。これだけの操作ですので、数ドットの誤差はご容赦のほどを。
・以上のように、簡単な作業を行っただけですので、ブログで使いたい等、非営利目的の場合、私の方で著作権がどうのと主張する予定はございません。つまり、上の図はご自由にお使いください。ただし目分量で距離円を重ねるといういい加減な作図であるということは頭においてご利用ください。また、福島放射能汚染地図を作成なされた早川先生のクレジットを入れる等のご配慮もお願い申し上げます。なお、営利目的の場合は、簡単な作業ですので、私の図よりも、ご自身で図の作成を行われたほうが、よりきれいで正確な図が簡単に作成できると思います。

「公務員の不作為」: 玄海原発の危険性

2011-09-16
「公務員の不作為」を追求する必要があると思っているのは、実はせっかくやる原子力安全・保安院の“改革”環境省移行で、きちんとした結果を出して欲しいと思っているからです。今現在、明らかに危ないのは玄海原発1号機です。この炉に対し、廃炉指示を出せるかどうかは、改革後の原子力安全・保安院がちゃんと仕事をする気があるかないかの試金石だと思っています。
「試験片の脆性遷移温度98℃」と書くと、何のことか、となってしまいますが、要するに、玄海原発1号機では、原子炉の老朽化・劣化がかなり進んでいる可能性が高いということです。多くの専門家から指摘されています。

http://www.asahi.com/national/update/0527/SEB201105270004.html

http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.1968174.article.html
http://n-seikei.jp/2011/07/post-539.html
http://d.hatena.ne.jp/eirene/20110620/1308555942
http://d.hatena.ne.jp/Vergil2010/20110704/1309755183

 これはあくまで“批判的な”専門家の意見に過ぎないさ、と思ってみたくとも、九州電力自身が発表している公開資料の中の図を見てみれば、素人にも明白、かなりぞっとするものがあります。

玄海データ

 第1回、第2回、第3回と、脆性遷移温度試験データは余裕で予測カーブを下回っています。ところが、第4回では、あっさりと予測カーブに載っています。この図を見て、“次回は再びまた下に戻ってくるさ”と、考えられる人は相当に楽天的な人ではないでしょうか。“何らかの理由で急上昇している、次回はいよいよ予測カーブを超えるだろう”と、考えるのが普通ではないでしょうか。そして予測カーブを超えるということは、超え方にもよりますが、いつ原子炉が破損してもおかしくないということです。
 原子力安全・保安院にはちゃんと仕事をしてもらわなければ困ります。そうでないと、このブログで作図してきた玄海原発に事故が発生した場合の想定被害状況が現実のものとなってしまいます。それどころか、もっと恐ろしい予測さえあります。この予測は、本プログのような、“なんちゃって原発ハザードマップ”とは違います。マジです。

http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/genpatu/GotoYoko.pdf

 この論文は、玄海原発3号機でMOX燃料を使い、プルサーマルを行った場合(実際にやっていますが)の危険性を主題としていますが、プルサーマルを行わなかった場合についても所々言及があり、1号機でメルトダウンが起きた場合についても十分に参考になります。


[関連項目]
 「公務員の不作為」: 福島原発事故と薬害エイズ
 「公務員の不作為」: 福島原発事故と薬害エイズ(2)
 「公務員の不作為」: 福島原発事故と薬害エイズ(3)
 「公務員の不作為」: 福島原発事故と薬害エイズ(4)
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玄海原発と久留米市・八女市(+福岡市)の地理的関係: もし福島原発級の事故が起きたら・・・

2011-09-15
 今回作成した図は、基本的に以前と同じものです。ただし福島汚染地図を裏返しています。久留米市や、八女市も、それなりの汚染は覚悟しなければならない位置にあることが分かります。工業でやっている久留米市はまだしも、八女茶は絶望的かもしれません。お茶については、福島から300km以上離れた静岡県でも影響が出ましたから。(本図の福島放射能汚染マップはまだ三訂版です。)

玄海-福岡reverse
・福島原発事故の「放射能の広がり」は、http://kipuka.blog70.fc2.com/からダウンロードさせていただきました(三訂版・電子国土版: リンク先はhttp://gunma.zamurai.jp/pub/2011/26julyJD.jpgでした)。「放射能の広がり」に関する凡例もその図からのコピペです。早川由紀夫先生、ならびに協力者の皆様、貴重な図の作成、ありがとうございます。
・佐賀・福岡の地図はKenmapによって作成させていただきました(http://www5b.biglobe.ne.jp/t-kamada/CBuilder/kenmap.htm)。T. Kamada様、ありがとうございます。
・具体的作業は、Kenmapで佐賀・福岡の地図を作成するとともに、玄海原発の位置(Wikipediaによると、北緯33度30分56秒、東経129度50分14秒--Wikipediaの記事作成者の方々、ありがとうございます)を中心とする距離円(20, 50, 100km)も作成。これに、早川先生の放射能汚染マップをフォトレタッチソフトで、距離円が重なるようにサイズ調整し、裏返した上で(今回は比較的低レベルの汚染地域が福岡県内に広く分布する場合を考えるためです)、角度を変え、重ねました。これだけの操作ですので、数ドットの誤差はご容赦のほどを。
・以上のように、簡単な作業を行っただけですので、ブログで使いたい等、非営利目的の場合、私の方で著作権がどうのと主張する予定はございません。つまり、上の図はご自由にお使いください。ただし目分量で距離円を重ねるといういい加減な作図であるということは頭においてご利用ください。また、福島放射能汚染地図を作成なされた早川先生のクレジットを入れる等のご配慮もお願い申し上げます。なお、営利目的の場合は、簡単な作業ですので、私の図よりも、ご自身で図の作成を行われたほうが、よりきれいで正確な図が簡単に作成できると思います。

「公務員の不作為」: 福島原発事故と薬害エイズ(2)

2011-09-14
 ところで、原子力安全・保安院が、津波の危険性を指摘されていたのは、2009年になってからのことではありません。既にネット上で話題になった、共産党吉井議員の質問があります。
 ただ、残念ながらこの質問では、津波の「引き波」の際に取水口付近に海水がなくなり、冷却水が取れなくなる事態への不備指摘が中心で、言及された過去の津波も貞観津波ではなく、1854年の安政地震の際のものでした。もっとも、バックアップ電源や送電機能の喪失について充分な態勢がとられているのかという点については言及があり、3.11津波による炉心溶融の原因となったシステムの弱点については、しっかりと質問されています。そして、当時の経産大臣 二階俊博 氏は、「ご専門の立場から種々傾聴に値するお話をいただきました」と答え、「原子力の安全の確保のために、今後、経済産業省をあげて真剣に取り組んで参りますことをここでお約束を申し上げておきたいと思います」と発言しています。国会でこの質問があったのが2006年3月1日、東日本大震災の5年前ということになります。
 バックアップ電源や送電機能の喪失に対する対策について言えば、経産省は5年間も対策を怠ってきたこととなります。しかも、大臣は真剣に取り組むと回答していたのに、官僚事務方はそれをなおざりにしていた、と言えるのではないでしょうか。この点からも「公務員の不作為」を追及することができるのではないでしょうか。

 まあ、この話しの線で行くと、国にも責任が生じ、税金で賠償の一部を負担しなければならなくなりますから、とりあえず現政権の方針に従って、東京電力だけに責任を負わせておいたほうが得なのではないか、と考える人もいるかもしれません。しかし、“東京電力が賠償金を払う”というのは、見かけに過ぎません。単に電気料金に賠償金ぶんを上乗せして、人々から集金するだけのことです。それも東京電力だけではなく、電力各社は「原子力損害賠償支援機構」に支払いをしなければなりませんから、結局、税金で取られるのと同じだけは、全国から電気料金として回収されるでしょう(原発を持たない沖縄電力だけは除く)。

 2000年地球惑星科学関連学会合同大会、予稿集所収「貞観津波堆積物の発見とその意義」(菅原大助・箕浦幸治・岩下智洋)、この頃から始まっていた地質学的な貞観津波研究の成果を見つけ出すくらい、“経済産業省をあげて”、なんでできなかったのでしょうか。経済産業省、原子力安全・保安院の責任は、追及されるべきでしょう。


[関連項目]
 「公務員の不作為」: 福島原発事故と薬害エイズ
 「公務員の不作為」: 玄海原発の危険性
 「公務員の不作為」: 福島原発事故と薬害エイズ(3)
 「公務員の不作為」: 福島原発事故と薬害エイズ(4)

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これまでのまとめ

2011-09-14
福島第一原発事故後の放射能測定データを玄海原発と重ねると

各地の原発想定ハザードマップ、ってほどのものじゃありませんが地図。
 北海道 泊原発と札幌市
 青森県 東通原発と青森市・函館市
 宮城県 女川原発と仙台市
 新潟県 柏崎刈羽原発と新潟市
 茨城県 東海第二原発と東京・関東地方
 静岡県 浜岡原発と浜松市、静岡市、名古屋市(愛知県)
 石川県 志賀原発と金沢市
 福井県 大飯原発と京都市
 福井県 大飯原発と大阪市・関西地方
 愛媛県 伊方原発と大分市(大分市)、松山市
 佐賀県 玄海原発と福岡市(福岡県)
 佐賀県 玄海原発と佐世保市(長崎県)、佐賀市
 鹿児島県 川内原発と鹿児島市


 放射能汚染地図(四訂版)が公開されました


考えてみたこと
 「公務員の不作為」: 福島原発事故と薬害エイズ
 「ストレステストは原発再稼動の条件ではない」
 記録は常に破られるためにある--フェイルセーフのこと
 「地元」って何だ?
 「地元」って何だ(2)
 “電気の国債”、原子力発電
 たまには考えよう・・・福岡のこと

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東通原子力発電所と青森・函館の地理的関係: もし福島原発級の事故が起きたら・・・

2011-09-13
 福島原発事故の放射能汚染地図と重ねてみた、青森県の東通原子力発電所と青森、函館の地理的位置関係です。福島では地形(山地)のために汚染の影が曲がりましたが、平野や海上などでは真っ直ぐに延びるでしょう。すべては風任せですが。(本図の福島放射能汚染マップはまだ三訂版です。)

東通-青森

東通-函館
・福島原発事故の「放射能の広がり」は、http://kipuka.blog70.fc2.com/からダウンロードさせていただきました(三訂版・電子国土版: リンク先はhttp://gunma.zamurai.jp/pub/2011/26julyJD.jpgでした)。「放射能の広がり」に関する凡例もその図からのコピペです。早川由紀夫先生、ならびに協力者の皆様、貴重な図の作成、ありがとうございます。
・青森・北海道南部の地図はKenmapによって作成させていただきました(http://www5b.biglobe.ne.jp/t-kamada/CBuilder/kenmap.htm)。T. Kamada様、ありがとうございます。
・具体的作業は、Kenmapで青森・北海道南部の地図を作成するとともに、東通原発の位置(Wikipediaによると、北緯41度11分17秒 東経141度23分27秒--Wikipediaの記事作成者の方々、ありがとうございます)を中心とする距離円(20, 50, 100km)も作成。これに、早川先生の放射能汚染マップをフォトレタッチソフトで、距離円が重なるようにサイズ調整し、角度を変え、重ねました。これだけの操作ですので、数ドットの誤差はご容赦のほどを。
・以上のように、簡単な作業を行っただけですので、ブログで使いたい等、非営利目的の場合、私の方で著作権がどうのと主張する予定はございません。つまり、上の図はご自由にお使いください。ただし目分量で距離円を重ねるといういい加減な作図であるということは頭においてご利用ください。また、福島放射能汚染地図を作成なされた早川先生のクレジットを入れる等のご配慮もお願い申し上げます。なお、営利目的の場合は、簡単な作業ですので、私の図よりも、ご自身で図の作成を行われたほうが、よりきれいで正確な図が簡単に作成できると思います。

「公務員の不作為」: 福島原発事故と薬害エイズ

2011-09-12
「貞観津波」でgoogle検索してみると、最上位に近い位置で出てくるのが「白老の自然情報」というブログの3月26日の記事「貞観津波を原子力安全・保安院が無視 福島原発災害は人災」です。内容は要するに“原子力安全・保安院(と東京電力)は、3.11級の津波の恐れがあることを専門家から指摘されていたにもかかわらず、無視してきた”というもの。経済産業省の原発関連の審議会において、産業技術総合研究所活断層・地震研究センター長 岡村行信 氏が2009年6月、「貞観津波」に言及し、今回のような巨大津波の危険性について指摘していたのです。
 ここで菅前首相の次の発言を思い返してみることは有意義ではないでしょうか、「菅首相:『薬害エイズとそっくり』保安院を激しく批判」。この記事の要旨は、菅前首相が“監督官庁である原子力安全・保安院が、自らの立場を忘れ業界とぐるになっていることを批判した”ということになるでしょうが、「そっくり」と言ったからには、話はそれだけでは終わらないはずです。薬害エイズ裁判では、重大な判決が下されました。
 官僚の個人責任を認定した始めての裁判が薬害エイズ裁判でした。“厚生省の担当課長は、非加熱製剤の危険性について専門家から指摘を受けていたにもかかわらず、必要な措置をとらず、結果として多数の死者を出すに至った”とし、国の責任を認定するとともに、行政担当者も「公務員の不作為」によって有罪となる、画期的な判決でした。
 原子力安全・保安院は、津波の高さ想定の問題点を指摘されながら、津波想定高を修正する等の必要な措置をとらず、今回の福島原発事故を招いてしまったのです。「公務員の不作為」という言葉が重くのしかかってくるはずです。原発災害については、原子力損害賠償法において、国を免責したとも読める条文があり、一筋縄では行かないかも知れませんが、どういうケースまで免責されるかは、今までそういう裁判がなかったため、よく定まっていないようです。

 まあ、原子力安全・保安院の側からは、「検討はしていたが、間に合わなかった」という言い逃れもあり得ますから、裁判においてどこまで行けるかは分かりませんが、貞観津波という明確な事例提示がありながら、1年半も災害対策を採らなかったというのは、やはり怠慢のように思えます。
 さてしかし、原告団を組織し、こういう裁判を行っていく市民団体はあるのでしょうか。「そっくり」発言をした菅前首相を始めとする民主党関係者はたぶん動かないでしょう。民主党の方針が、“責任は全部、東京電力”(だから民主党の政府・国は責任ないもんね)、ということのようですから。
 刑事告発ならば誰でもできますが、それで捜査の手は動くのか?


[関連項目]
 「公務員の不作為」: 福島原発事故と薬害エイズ(2)
 「公務員の不作為」: 玄海原発の危険性
 「公務員の不作為」: 福島原発事故と薬害エイズ(3)
 「公務員の不作為」: 福島原発事故と薬害エイズ(4)

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早川先生の(福島)放射能汚染地図(大)、四訂版が公開になりました

2011-09-12
 早川先生のブログで、放射能汚染地図(四訂版)の電子国土版が、公開になりました。今後はこのブログでも四訂版を使っていく予定ですが、まずは三訂版と四訂版を比較してみました(下図では、三訂版と四訂版の縮尺が同じになるように多少のサイズ調整を行っています)。

三訂版四訂版横並び

 一目瞭然で分かるのが、盛岡の北と伊豆半島にホットスポットが追加され、地図の範囲が広くなりまた。これは0.125μS/h以上という、三訂版よりも低レベルの汚染までプロットされるようになり、精度が上がったためでしょうか。
 0.25μS/h以上という汚染地域は、南三陸あたりが外れた一方、仙台と山形の間、関山峠あたりに新たなホットスポットがあります。また群馬県方面で、沼田近辺の汚染地域は広がりましたが、妙義山から荒船山、本庄へと伸びていた汚染地帯は0.125μS/h以上程度に低下、もしくはなくなりました。
 全体的に見ればあまり大きな違いはないともいえますが、下仁田ネギがアウトになった、と思う人もいるかもしれません(たぶん三訂版では0.125μS/h以上が書き込まれていなかっただけ)。

 さて、二つの地図を重ね合わせてみると・・・四訂版の上に三訂版の地図を半透明化して載せてみました。(下図では、三訂版と四訂版の縮尺が同じになるように--各都市がぴったり重なるように--多少のサイズ調整を行っています)

三訂版四訂版重ね合わせ

 あれ!?、距離円が重ならない。距離円を目安に作図を行っている当ブログには大きなダメージです(^o^;;。
 別サイトで距離円を描いてみると、200km円は、柏市と佐倉市の間あたりを通り、酒田市のちょっと北を通るようですので、

三訂版四訂版重ね合わせ柏・佐倉
三訂版四訂版重ね合わせ酒田
(三訂版の距離円が青、四訂版の距離円が赤)

三訂版と四訂版の距離円の中間あたりということになります。う~ん、これから作図、どうしよう??

・福島原発事故の「放射能の広がり」は、http://kipuka.blog70.fc2.com/からダウンロードさせていただきました(三訂版・電子国土版のリンク先はhttp://gunma.zamurai.jp/pub/2011/26julyJD.jpg、四訂版・電子国土版のリンク先はhttp://gunma.zamurai.jp/pub/2011/0911dkokudo06.jpgでした)。早川由紀夫先生、ならびに協力者の皆様、貴重な図の作成、ありがとうございます。
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女川原子力発電所と仙台の地理的関係: もし福島原発級の事故が起きたら・・・

2011-09-11
 福島事故放射能汚染マップと重ねてみた、宮城県の女川原子力発電所と仙台市の位置関係です。女川原発は、東日本大震災においては、1号機で外部電源が全喪失するも非常用ディーゼル発電機で冷却機能を維持、その後の4月7日の余震では、外部電源のうち、点検中だった1系統を除く4系統のうち3系統がダウンするも辛うじて残る1系統で機能を維持、と、ぎりぎりのところで踏みとどまりました。これをもって「千年に一度の災害に耐えたのだから、新しい原発は安全」と言う人もいます。

女川-仙台
・福島原発事故の「放射能の広がり」は、http://kipuka.blog70.fc2.com/からダウンロードさせていただきました(三訂版・電子国土版: リンク先はhttp://gunma.zamurai.jp/pub/2011/26julyJD.jpgでした)。「放射能の広がり」に関する凡例もその図からのコピペです。早川由紀夫先生、ならびに協力者の皆様、貴重な図の作成、ありがとうございます。
・宮城県の地図はKenmapによって作成させていただきました(http://www5b.biglobe.ne.jp/t-kamada/CBuilder/kenmap.htm)。T. Kamada様、ありがとうございます。
・具体的作業は、Kenmapで宮城県の地図を作成するとともに、女川原発の位置(Wikipediaによると、北緯38度24分04秒 東経141度29分59秒--Wikipediaの記事作成者の方々、ありがとうございます)を中心とする距離円(20, 50, 100km)も作成。これに、早川先生の放射能汚染マップをフォトレタッチソフトで、距離円が重なるようにサイズ調整し、角度を変え、重ねました。これだけの操作ですので、数ドットの誤差はご容赦のほどを。
・以上のように、簡単な作業を行っただけですので、ブログで使いたい等、非営利目的の場合、私の方で著作権がどうのと主張する予定はございません。つまり、上の図はご自由にお使いください。ただし目分量で距離円を重ねるといういい加減な作図であるということは頭においてご利用ください。また、福島放射能汚染地図を作成なされた早川先生のクレジットを入れる等のご配慮もお願い申し上げます。なお、営利目的の場合は、簡単な作業ですので、私の図よりも、ご自身で図の作成を行われたほうが、よりきれいで正確な図が簡単に作成できると思います。

“電気の国債”、原子力発電

2011-09-10
「原子力発電」と聞くと、電気を作っているんだなぁ、と考える人が多い。でも実は電気を作るよりは消費している可能性のほうが高いということを、考えてみる必要があるでしょう。
 言うまでも無く、放射性廃棄物は極めて危険なシロモノです。原爆を作らなくとも、プルトニウムでは、0.26mg吸入しただけで死に至ります(長期毒性ですが)。テロリストなどに持ち去られ、ばら撒かれては大変ですから、厳重な管理が必要となります。それをどれだけ続けなければならないかと言うと、半減期で言って、プルトニウム239が2万4千年です。ほんとは崩壊系列ごとに考えて、管理の必要年限を考えて行かなければいけないのでしょうが、結局のところ、今生きている人間の寿命、その子供たちの生きる年限、そのまた子供たちの生きる年限、などで及びのつく年数でないことは確かです。管理場所の運営には電気が必要でしょうし、管理人がいれば、メシも食うでしょうし電気も使うでしょう。
 人の手の届かないところにポイッと、捨てられれば良いのでしょうが、それができないので六ヶ所村は満杯です。
 この悠久の作業に必要な電気を考えれば、今作り出されている電気なんて、微々たるものに過ぎません。原子力発電は、将来の電気消費を先食いしているだけの、いわば「電気の国債」と考えるべきでしょう。
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これまでのまとめ

2011-09-09
福島第一原発事故後の放射能測定データを玄海原発と重ねると

各地の原発想定ハザードマップ、ってほどのものじゃありませんが地図。
 北海道 泊原発と札幌市
 新潟県 柏崎刈羽原発と新潟市
 茨城県 東海第二原発と東京・関東地方
 静岡県 浜岡原発と浜松市、静岡市、名古屋市(愛知県)
 石川県 志賀原発と金沢市
 福井県 大飯原発と京都市
 福井県 大飯原発と大阪市・関西地方
 愛媛県 伊方原発と大分市(大分市)、松山市
 佐賀県 玄海原発と福岡市(福岡県)
 佐賀県 玄海原発と佐世保市(長崎県)、佐賀市
 鹿児島県 川内原発と鹿児島市


考えてみたこと
 「ストレステストは原発再稼動の条件ではない」
 記録は常に破られるためにある--フェイルセーフのこと
 「地元」って何だ?
 「地元」って何だ(2)
 たまには考えよう・・・福岡のこと
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大飯原発と大阪の地理的関係: もし福島原発級の事故が起きたら・・・

2011-09-09
 大阪は原発事故が起こっても無事なのでしょうか。大飯原発と福島汚染地図を、大阪のほうへ汚染が広がる形で重ね合わせて見ました。これをどう考えるか、人により様々でしょう。

大飯-関西広域表

 山地などもあり、この地域での汚染の広がりはどうなるのかよく分からないのですが、ありがちな風の向きを考えると、むしろ福島汚染地図を裏焼きした次の図のほうが、多少とも実情に近づくかもしれません。

大飯-関西広域裏

(以下、図についてのおことわり)
・福島原発事故の「放射能の広がり」は、http://kipuka.blog70.fc2.com/からダウンロードさせていただきました(三訂版・電子国土版: リンク先はhttp://gunma.zamurai.jp/pub/2011/26julyJD.jpgでした)。「放射能の広がり」に関する凡例もその図からのコピペです。早川由紀夫先生、ならびに協力者の皆様、貴重な図の作成、ありがとうございます。
・福井・関西地方の地図はKenmapによって作成させていただきました(http://www5b.biglobe.ne.jp/t-kamada/CBuilder/kenmap.htm)。T. Kamada様、ありがとうございます。
・具体的作業は、Kenmapで福井・関西地方の地図を作成するとともに、大飯原発の位置(Wikipediaによると、北緯35度32分32秒 東経135度39分18秒--Wikipediaの記事作成者の方々、ありがとうございます)を中心とする距離円(20, 50, 100km)も作成。これに、早川先生の放射能汚染マップをフォトレタッチソフトで、距離円が重なるようにサイズ調整し、角度を変え、重ねました。これだけの操作ですので、数ドットの誤差はご容赦のほどを。
・以上のように、簡単な作業を行っただけですので、ブログで使いたい等、非営利目的の場合、私の方で著作権がどうのと主張する予定はございません。つまり、上の図はご自由にお使いください。ただし目分量で距離円を重ねるといういい加減な作図であるということは頭においてご利用ください。また、福島放射能汚染地図を作成なされた早川先生のクレジットを入れる等のご配慮もお願い申し上げます。なお、営利目的の場合は、簡単な作業ですので、私の図よりも、ご自身で図の作成を行われたほうが、よりきれいで正確な図が簡単に作成できると思います。

記録は常に破られるためにある--フェイルセーフのこと

2011-09-08
 台風12号について、http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110905/dst11090509170005-n1.htmによると、降り始めからの雨量は、奈良県上北山村で1,800mmを超えた「記録的」なものだったとのことです。しみ込まず、流れなければ、地表全面に1m80cmの水が溜まった計算になるわけですから、まさに津波なみの破壊力があることになります。もちろん降るそばから川などで流れますから、一気に押し寄せる津波とは違いますが、そのかわり土砂を巻き込んで土石流になったりもしますから、やはり独特の恐ろしさを持っています。
 で、何が言いたいかと言うと、原発事故の想定は甘すぎる、ということです。1,000年に1度の事態など想定していたら、とても採算が取れない。だから「想定外」としておく、というのが、これまでの原発の安全性についての考え方です(http://www.asyura2.com/11/genpatu7/msg/592.html)。これ自体、恐ろしい話ですが、注意を向けておきたいのは、実はこれで「1,000年のうち999年は大丈夫」ということにはならない、という点です。1,000年に1度の災害でも、30種類あれば、33年に1度は災害に見舞われるのです。そしてそれは「記録的」かもしれないし、「記録を破るもの」かもしれないのです。東日本大震災について言えば、単に「記録的」なものに過ぎなかったようです。「貞観津波」で検索してみれば、この津波の記録をいかにして原子力安全・保安院が無視したか、いろいろ出てきて、憤りを感じるのですが、本当はそんなことは序の口で、やるべきことは「記録的」なものへの準備を超えて「記録破り」のものにも備えをしておく必要があるのではないか、ということです。
 東海、東南海、南海の地震3領域が連動したらどうなるか、ということが語られていますが、課題はそれだけではないはずです。ヨーロッパではストレステストに普通に入っている“航空機の墜落”は、どう考えられているのでしょうか(検索してみれば分かりますが、これについても、日本では、かなり怪しい“想定”があるらしい)。他にも、空から落ちてくるものとしては、隕石もあります。これはどうなっているのでしょうか。このケースはもちろん極めてレアでしょう、でも、レアがいっぱいあれば、レアでもなくなるのです。1,000年に1度の台風、1,000年に1度の竜巻、1,000年に1度の人為ミス、いろいろなことが考えられます。今年は既に2回も「記録的」な災害に遭遇してしまっているのです。まあ、台風12号は東日本大震災と比べれば幕下程度かもしれませんが。
 そして「記録が破られた」場合、どうなるのか。その事態に一定の対処ができるようになっていて、初めてフェイルセーフなんじゃないかと、そう考えるわけです。
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