どこまで危ないんだ、玄海原発!

〔図をクリックすると西日本新聞社ホームページ上の当該記事へリンクします〕
> 井野博満東大名誉教授は「12月1日に定期検査入りする際(の温度や圧力変化で)、安全に停止できるか
> 不安もある。この場でも、玄海1号の安全性の議論を優先すべきだ」と指摘。
当ブログでは「玄海原発1号機の危険性: 『住民投票実現アクション』に寄せて」での検討を始めとして、玄海原発1号機の危険性について繰り返し指摘してきましたが、12月1日って、えっ、明日? ここまで言われますと、いや、あの、その・・・。
もし、明日、更新出来なかった場合のことを考え、あらかじめ、ご挨拶を書かせて頂きます。
ショボいブログでございましたが、閲覧していただきました皆様、ありがとうございました。なんとか明日12月1日を生き延びることができ、再度ネットにアクセスできた暁には、またこのブログを更新する所存でございますので、その節は宜しくお願い申し上げます。8月末に当プログ立ち上げてから3ヶ月、短い間でしたが、本当にありがとうございました。
【PAZ・UPZ・PPA】原発防災対策“手抜き”地域再考: 福井原発銀座
原子力安全委員会が、“原子力災害に対してあらかじめ準備しておく必要のある地帯ではあるが、広さや人口が大きくて十分に対策を行き渡らせるのが無理そうだから、最初から重点地区にするのをやめた”という信じがたい理由によって、防災対策重点地域から除外した50km圏、PPA(元はPPZ)、重点対策区域外とされたわけですから十分な国の措置が取られるかどうかわかりません。既に予想されるのは、重点対策区域とされないので、必要な情報提供が国からなされない可能性です。50kmという距離は、まだまだ相当に危険な距離です。この点を意識しながら、福井県原発銀座の予想される防災対策区域について見てみる必要があるでしょう。このあたりに該当する自治体では、しっかりと認識し、自力で対策を考えておく必要があると思われます。(以下の地図は、クリックすると拡大します)

〔PAZ(5km圏)予防防護措置域、UPZ(30km圏)緊急防護措置区域、PPA(50km圏)放射性ヨウ素防護地域〕
各区域・地域の人口は次のようになります(地図上で行政区画をピックアップ。より重大な区域・地域にかかっている方に属すとして分類・・・舞鶴市のように、市の多くの部分はUPZでも、一部PAZにかかっていれば、PAZに分類)。
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悪質な世論誘導? NHKスペシャル「シリーズ原発危機 安全神話~当事者が語る事故の深層~」
この番組の「最終章 安全神話の崩壊」と題された部分では、テロップに記されていたように「原子力安全委員会 耐震指針検討分科会 2001~2006年」が、取材・検討対象でした。この分科会で津波が議論されたのは2回だけで、議論は深まらず、2006年にまとまった耐震設計審査指針では、津波についての記述はわずか2行だけだった、と番組は提示しています。津波に関する想定は電力会社に任され、安全神話のもと、その危険性は看過されていった、というのが番組の流れですが、ちょっと待ってください。日本の原子力安全行政は、原子力安全委員会と原子力安全・保安院との二重チェック体制です。より正確に記せば単なる並列関係ではなくて、原子力安全・保安院が直接の監督を行ない、それがちゃんとできているのかどうかを確認するのが原子力安全委員会ですが、番組が取り上げなかった原子力安全・保安院の方には、「耐震・構造設計小委員会地震・津波ワーキンググループ 」や「耐震・構造設計小委員会地震・津波、地質・地盤合同ワーキンググループ 」といった、「津波」を主要テーマの一つとしている審議会ワーキンググループが存在し、実際議論も行われています。「津波」は、それなりの注意を払われていた自然災害なのです。
問題は、津波を議論した形にした上で、現実の防災対策から除外していった力の存在です。安全神話があって忘れていったのではなく、積極的にこの問題を抹殺し、抑圧していったものがあるのです。実際、以下に書くように、こういった部会やワーキンググループの代表・主査が、自らの津波の危険性についての指摘が握りつぶされていったと証言しています。
今回の福島原発事故を免れるチャンスは、次のように少なくとも4回ありました。
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【PAZ・UPZ・PPA】糸島市の原発防災避難計画


九州電力玄海原発の西方、糸島市は、市内の30km圏のみでなく、50km圏も原子力防災対策避難地域に考える方針とのこと。この地域、冬の季節風は北西方向ですので、西に位置する糸島市は、風下に当たります。しかも西風で放射性汚染物質が運ばれた場合、間には海しかありませんから、ダイレクトに届きます。さらに、冬の季節風はかなり風速が速いことが多く、放射性汚染物質は遠くまで届きます。確かに、この地理・気象条件では、30km圏だけ避難するというのはナンセンスでしょう。
そこで更に問題です。この50km圏、糸島市で終わりではありません。当方の居る福岡市西部、そこもべったりと地続きです。市街域は国道202号沿いにだらだらと途切れることなく続いています。市街地の途切れめはむしろ、糸島市と福岡市の境ではなく、福岡市西区内の今宿青木あたりだったりします。福岡市はどう防災対策するのか、しっかり仕事してくれないと困るのですが・・・。
【PAZ・UPZ・PPA】原発防災対策“手抜き”地域再考: 玄海原発
原子力安全委員会が、“原子力災害に対してあらかじめ準備しておく必要のある地帯ではあるが、広さや人口が大きくて十分に対策を行き渡らせるのが無理そうだから、最初から重点地区にするのをやめた”という信じがたい理由によって、防災対策重点地域から除外した50km圏、PPA(元はPPZ)、重点対策区域外とされたわけですから十分な国の措置が取られるかどうかわかりません。既に予想されるのは、重点対策区域とされないので、必要な情報提供が国からなされない可能性です。50kmという距離は、まだまだ相当に危険な距離です。この点を意識しながら、玄海原子力発電所の予想される防災対策区域について見てみる必要があるでしょう。というか、福岡市、しっかりしてくれ~。このあたりに該当する自治体では、しっかりと認識し、自力で対策を考えておく必要があると思われます。(以下の地図は、クリックすると拡大します)

〔PAZ(5km圏)予防防護措置域、UPZ(30km圏)緊急防護措置区域、PPA(50km圏)放射性ヨウ素防護地域〕
各区域・地域の人口は次のようになります(地図上で行政区画をピックアップ。より重大な区域・地域にかかっている方に属すとして分類・・・鹿島市のように、市の多くの部分は無印でも、一部PPAにかかっていれば、PPAに分類)。
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核燃料再処理費用の実際・・・これでも足りない

(図をクリックすると、西日本新聞社のホームページ上の当該記事へリンクします)
それによると、東京電力4兆6千億円、関西電力2兆3千億円、九州電力1兆2千億円、中部電力1兆1千億円、10社総額12兆2千億円ほどが、再処理費用として計上されているとのことです(詳しい数字はリンク先をご覧ください)。
ただし、こういった数字は、予定されている全国の原発から出る使用済み核燃料4.7万tのうち、六ケ所村に建設予定の再処理施設で処理可能な3.2万tぶんだけのものだそうです。「現行では34年度までに必要な6割分しか積み立てない制度になって」いるそうで、見出しにある「家庭料金に年1100円加算」とは、電気料金に既に含まれている核燃料再処理“積み立て金”の金額です(九州電力の場合)。
乳児用食品に対する安全基準が定められます
これをやってもらうのは良いのですが、しかし、しかしです。食品の安全基準はいまだ「暫定基準」です。年間5mSv(ミリシーベルト)が基準です。安全マージンのない、食品安全委員会の提言をもとにした基準でも、1mSvなのに、その5倍です。これで政府は「市場に出回っている食品は全て安全です」と言い続けています。「乳児用食品」なる区分が設定されるとしても、そこで適用される基準は信用できるものでしょうか。
実際、申し訳ない話なのですが、東北産の食品、現在、買う気になれません。「ごめんなさい」と謝りながら、他の産地の食品を探してしまいます。政府の言うことは「暫定基準」に基づいたものですから、とても安心できません。来年4月1日からは、通常の1mSvにする予定のようですが、さて、その時にどういう気分になるか、もうちょっと信用できる政府を、どうやったら私たちは持てるのでしょうか?
【公務員の不作為】外交文書も握りつぶし
「核燃料をロシアで一時的に貯蔵(中間貯蔵)したり、燃料として再利用するため処理(再処理)するプロジェクトを提案する外交文書」が内閣府原子力委員会および経済産業省資源エネルギー庁一部幹部は読んでいたにもかかわらず、そこで留め置かれ、この問題について審議していた総合資源エネルギー調査会・電気事業分科会や原子力委・新計画策定会議に対して隠蔽されていたそうです。他の選択肢を隠すことによって、六ケ所村で核燃料の貯蔵・処理を行なうという、既定方針を進めることが目的だったということです。
これは明らかに“公務員の不作為”に該当するはずですが、裁判にはならないのでしょうか? これまでもこのブロクで記してきたように、原子力関係官僚、あまりにも犯罪行為がひどすぎるようですが、司法は結局なんの役にもたたないのでしょうか。
【PAZ・UPZ・PPA】原発防災対策“手抜き”地域再考: 泊原発
原子力安全委員会が、“原子力災害に対してあらかじめ準備しておく必要のある地帯ではあるが、広さや人口が大きくて十分に対策を行き渡らせるのが無理そうだから、最初から重点地区にするのをやめた”という信じがたい理由によって、防災対策重点地域から除外した50km圏、PPA(元はPPZ)、重点対策区域外とされたわけですから十分な国の措置が取られるかどうかわかりません。既に予想されるのは、重点対策区域とされないので、必要な情報提供が国からなされない可能性です。50kmという距離は、まだまだ相当に危険な距離です。この点を意識しながら、泊原子力発電所の予想される防災対策区域について見てみる必要があるでしょう。このあたりに該当する自治体では、しっかりと認識し、自力で対策を考えておく必要があると思われます。(以下の地図は、クリックすると拡大します)

〔PAZ(5km圏)予防防護措置域、UPZ(30km圏)緊急防護措置区域、PPA(50km圏)放射性ヨウ素防護地域〕
各区域・地域の人口は次のようになります(地図上で行政区画をピックアップ。より重大な区域・地域にかかっている方に属すとして分類・・・長万部町のように、町の多くの部分は無印でも、一部PPAにかかっていれば、PPAに分類)。
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小さいけれど大切なこと
まずは11月16日付朝日新聞。「老朽化の原発 専門家ら審査」。

経産省原子力安全・保安院が意見聴取会を設けるとのこと。四国電力伊方2号機、東電福島第二1号機、関西電力美浜2号機が審査の主な対象、そして、脆性遷移温度の異常上昇が起きている九電玄海1号機も検討の対象。
しかしなぁ~、経産省のお手盛り審査では大した期待も抱けないか・・・。もっとも、ここでゴーサインを出して事故でも発生したら、この審査委員会メンバー、世論から袋叩きになること確実、というプレッシャーがかかれば、それなりの検討はするかも・・・。ネットでの監視、頑張っていく必要があるでしょう。こういう小さなことが肝心・・・今までできてなかったからなぁ・・・反省。
以下は九電ネタと、福岡市ローカルねた各1。
通販生活
【PAZ・UPZ・PPA】原発防災対策“手抜き”地域再考: 女川原発
原子力安全委員会が、“原子力災害に対してあらかじめ準備しておく必要のある地帯ではあるが、広さや人口が大きくて十分に対策を行き渡らせるのが無理そうだから、最初から重点地区にするのをやめた”という信じがたい理由によって、防災対策重点地域から除外した50km圏、PPA(元はPPZ)、重点対策区域外とされたわけですから十分な国の措置が取られるかどうかわかりません。既に予想されるのは、重点対策区域とされないので、必要な情報提供が国からなされない可能性です。50kmという距離は、まだまだ相当に危険な距離です。この点を意識しながら、女川原子力発電所の予想される防災対策区域について見てみる必要があるでしょう。このあたりに該当する自治体では、しっかりと認識し、自力で対策を考えておく必要があると思われます。(以下の地図は、クリックすると拡大します)

〔PAZ(5km圏)予防防護措置域、UPZ(30km圏)緊急防護措置区域、PPA(50km圏)放射性ヨウ素防護地域〕
各区域・地域の人口は次のようになります(地図上で行政区画をピックアップ。より重大な区域・地域にかかっている方に属すとして分類・・・登米市のように、市の多くの部分はPPAでも、一部UPZにかかっていれば、UPZに分類)。
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原子力防災訓練
さてそれよりも、昨日は、

(朝日新聞11月21日朝刊)
佐賀県、長崎県で玄海原発の事故を想定した大規模な原子力防災訓練が行なわれました。海が荒れたら逃げられない離島とか、交通渋滞が予測される脱出路とか、いくつか問題も顕在化したようです。
これに対し、“UPZ”30km圏(緊急防護措置計画範囲)にかかる糸島市を抱える福岡県、“PPA”50km圏(放射性ヨウ素対策地域)に西区などはもとより、市の中心部、中央区の一部までが入ってしまう福岡市、訓練しなくて大丈夫なのか?
【PAZ・UPZ・PPA】原発防災対策“手抜き”地域: 東通原発

〔PAZ(5km圏)予防防護措置域、UPZ(30km圏)緊急防護措置区域、PPA(50km圏)放射性ヨウ素防護地域〕
各区域・地域の人口は次のようになります(地図上で行政区画をピックアップ。より重大な区域・地域にかかっている方に属すとして分類・・・野辺地町のように、市の多くの部分はPPAでも、一部UPZにかかっていれば、UPZに分類)。
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「公務員の不作為」: 天下り先も犯罪組織
「原発検査:内容、業者が原案を作成 丸写しが常態化」
「<原発検査>「自前なら日が暮れる」機構幹部開き直りも」
「クローズアップ2011:原発ずさん検査 丸写し、揺らぐ安全」
「原発検査:業者が原案 基盤機構、丸写し常態化 『合格』後、ミス判明も」
この犯罪組織、独立行政法人原子力安全基盤機構、当ブログでも、既に登場していました。
福島原発事故を未然に防ぐことのできた少なくとも2回のチャンス、そのうちの1回を棚ざらしにし、結果として福島原発事故を引き起こした経産省担当責任者の天下り先が、この独立行政法人、原子力安全基盤機構です。天下り先の組織もまたこの不始末です。
無意味、というか、「検査をしたという形を作ることによって、危険なものの隠蔽工作を行なってきた」と言われても反論できないであろう犯罪組織、原子力安全基盤機構、17日の国会の仕分けでは自民党の河野太郎が直近の理事採用経緯(天下りばかり)を追及していました。明日行なわれる政府の“仕分け”では検討対象とされるのでしょうか? 民主党、しっかり仕事しろ~。
(もちろん仕分けされなくても、原子力安全基盤機構、第三者委員会の審査をうけることにはなっています。お手盛りの報告書が出てくるのか、それとも、九電を追い詰めた郷原氏のような人は出てくるのか?)
がんばれ九州電力(5)戦線縮小?

「知事関与、両論併記も選択肢=やらせ報告書で―九電副社長」(朝日新聞)
う~ん、九電らしくもない、弱気な対応ですね。
「九電原発再稼働『認めない』 枝野氏、経営姿勢を問題視」(朝日新聞)
まあ、ここまで言われると、軟化せざるを得ないというところでしょうか。
しかし「両論併記」程度で済むと思っている所がまだまだ九電でしょうか。
それにしても、まさか社長辞任、会長辞任とかしないですよね。そんなことになったら原発再稼働へ向けての条件整備が進んでしまうではないですか。まだまだ、少なくとも来夏までは頑張ってくれないと。
【PAZ・UPZ・PPA】原発防災対策“手抜き”地域: 伊方原発(大分市・松山市など)

〔PAZ(5km圏)予防防護措置域、UPZ(30km圏)緊急防護措置区域、PPA(50km圏)放射性ヨウ素防護地域〕
西日本新聞の記事の文言は次のようなものです。
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がんばれ九州電力(4)全面対決!

ここからリンクを張られている「第三者委員会報告書に関しての疑問点について(依頼文)」には、次のように書かれています。
「今回のメール投稿要請問題については、知事の発言の如何にかかわらず、当社関係者の判断で実行したことであり、意図・動機はどうであれ、当社として十分反省しており、第三者委員会報告書を踏まえ、原因分析のうえ、再発防止策についても第三者委員会報告書の提言を織り込み、取組みを進めているところです。」
“当社として十分反省しており”って、いや、その、こういう場合、十分反省しているかいないかを判断するのは、本人じゃない、というのは小学生でもわかる話だと思いますが。こういうのは一般的に言って「開き直り」と呼ぶものなんですけどね。そして“第三者委員会報告書を踏まえ”てって、「踏まえてない」と指摘されているのが理解出来ない模様。基本的なコミュニケーション能力に欠陥があるのでは・・・。
こういう文章を出してくるということが、「反省していない」ということの何よりの証明なわけで・・・がんばれ、がんばれ、九州電力! 立場がますます悪くなる。
蛍のいない夏
次の図は福島原発事故の放射能の広がりで0.5μSv/h以上の地域を赤く塗ってみたものです。

福島一帯だけでなく、世界遺産の平泉でも、群馬県の川場温泉でも、そしてこの辺にどれくらいいるかどうかはともかくとして松戸・柏・流山・三郷でも、土浦でも、蛍は生きていくのが困難です。
数多くの、もの言えぬ小さきものたちから光を奪い、子孫を奪う。こんなことが許されるのか? いったい何やってんだ、人間。
【PAZ・UPZ・PPA】原発防災対策“手抜き”地域: 志賀原発(金沢市・高岡市など)

〔PAZ(5km圏)予防防護措置域、UPZ(30km圏)緊急防護措置区域、PPA(50km圏)放射性ヨウ素防護地域〕
各区域・地域の人口は次のようになります(地図上で行政区画をピックアップ。より重大な区域・地域にかかっている方に属すとして分類・・・金沢市のように、市の多くの部分は無印でも、一部PPAにかかっていれば、PPAに分類)。
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【PAZ・UPZ・PPA】PPAの被曝状況再考--事故原発50km地点での恐怖
前回良く考えていないのは、放射性ヨウ素の評価です。半減期が短く、早いペースで減っていくのと、被曝の形態が吸入によるという点で、ちょっと厄介です。でも、ちょっとネットを漁ると、そこそこ何か考えることのできる材料は載っています。
ここには、どんな放射性ヨウ素がどういう比率で放出されたかが「初期の値」として、記されています。そして、こちらには、吸入された場合、物理的量を生物的ダメージに換算するための「変換係数」が記されています。もっとも、前者に記されている放射性ヨウ素の核種5種のうち、後者で記載されているのは2種に過ぎませんが。それでも、半減期の短さとか、変換係数の大きさとか考えると、主要な汚染物質を、この2種と絞って計算してよさそうです。2つのページから、次のような数値が得られます。
放出比率 I-131:I-133 = 1.0000 : 1.4255
線量変換係数(吸入摂取) I-131 = 7.4×10-9 Sv/Bq I-133 = 1.5×10-9 Sv/Bq
この上下の数字をかけ合わせて、放出直後の生物的ダメージに換算した、それぞれの量は、次のような比率になります。
放出比率×変換係数 I-131 : I-133 = 7.4 : 2.1
(1 : 0.2889527027027027≒1 : 0.29)
ここでまずは話を簡単にするために、放射性ヨウ素は一回限り一気に放出されたものとしておきます。また地上に降りた放射性ヨウ素はその後、移動しないとも仮定しておきます。原発事故で放出された放射性ヨウ素、I-131とI-133は、それぞれの半減期、8.04日、0.867日ごとに半分に減っていきます。両核種が減っていく様は、これまでに出てきた数字から、次の式のようになります。

最初にかかっている係数、1/7.4662455は、今回の計算を楽にするための数字です。次のように条件を定めて計算しました。
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【PAZ・UPZ・PPA】原発防災対策“手抜き”地域: 島根原発(松江市など)

〔PAZ(5km圏)予防防護措置域、UPZ(30km圏)緊急防護措置区域、PPA(50km圏)放射性ヨウ素防護地域〕
各区域・地域の人口は次のようになります(地図上で行政区画をピックアップ。より重大な区域・地域にかかっている方に属すとして分類・・・米子市のように、市の多くの部分はPPA相当でも、一部UPZにかかっていれば、UPZに分類)。
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安全率0%の“安全”(その2)食品安全委員会
「安全委の作業部会は評価書案をまとめた時点で『生涯累積100ミリシーベルト以上』については食品の摂取による内部被曝分と、大気などからの外部被曝を合わせた線量と説明していた。」(日経新聞)
「しかし同日の記者会見でこれまでの説明を訂正。外部被曝は所管外だとして、『外部被曝がほとんどなく、汚染された食品からだけ被曝する状態』を前提にして考えた値だと解説。」(朝日新聞)
つまり、管轄外のことまで含んだ値の提示は出来ない、というお役所的理由から、もともとは外部被曝も含めた値だったのに、「外部被曝はない」という無理な条件を前提とする話にすり替えたという形。安全率は余裕度で言えば完全にマイナス、比率で言えば1を割り込んでいます。外部被曝分、オーバーです。
この答申を受けた厚生労働省は、食品の安全基準を1ミリシーベルト/年と定めました。これまで、食品についての暫定基準値は、原子力安全委員会の見解を追認する形で定めた5ミリシーベルト/年。食品安全委員会も「妥当」と判断していました。暫定基準は、なんと新基準の5倍の線量だったということになります。「市場に出回っている食品はすべて安全」かどうか、という議論は、この5倍の暫定基準値を前提としてなされてきました。
もともと安全率マイナスの基準から設定された値の5倍で“安全”。それさえもしばしば守れていなかった・・・これで政府を信じろというのはまったくもって無理な相談。
安全率の考慮された“安全”が欲しい今日この頃です・・・と、話をまとめても意味はないが・・・。
〈食品の安全(暫定)基準について、詳しくはこちら〉
http://www.aist-riss.jp/main/modules/column/atsuo-kishimoto009.html
http://www.s.fpu.ac.jp/oka/radiation.htm
(それにしても、“生涯被曝許容値100ミリシーベルト”という答申を受けて、平均年齢の80年程度ではなく、100歳まで生きたとしてもという形で、100で割って“年間許容値1ミリシーベルト”とした厚労省の役人は、食品安全委員会の学者などよりよほど安全率を見込んで作業しています。学者が一番安全軽視、悪質なのではないだろうか。)
【PAZ・UPZ・PPA】原発防災対策“手抜き”地域: 東海第二原発(水戸市など)

〔PAZ(5km圏)予防防護措置域、UPZ(30km圏)緊急防護措置区域、PPA(50km圏)放射性ヨウ素防護地域〕
各区域・地域の人口は次のようになります(地図上で行政区画をピックアップ。より重大な区域・地域にかかっている方に属すとして分類・・・日立市のように、市の大部分はUPZ相当でも、一部PAZにかかっていれば、PAZに分類)。
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【PAZ・UPZ・PPA】福岡県がやっと動き出しました

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朝日新聞11月11日付朝刊(福岡)
玄海原発のUPZ(緊急防護措置区域)に人口稠密地帯を抱える糸島市。この糸島市を抱える福岡県が、原発事故を想定した避難計画の立案を始めました。これまで行政区域的に、玄海原発立地自治体である佐賀県の外、ということで無視されてきた糸島市、UPZ・30km圏内すなわち重点対策区域ということで、対策を考えざるを得なくなった、という形です。
これにあわせて50km圏についても、県独自の観測体制の強化を図ることを決定したとのこと。“見捨てられた”50km圏PPA(放射性ヨウ素防護地域)ですから、自主対応が必要です。
西半分がPPAに入る福岡市、動きが見えないが、大丈夫か?
ちなみに福岡市民の方は動きます→「さよなら原発!福岡1万人集会」
【PAZ・UPZ・PPA】安全率0%の“安全”
この数字、このまま基準設定の根拠になったとは思えませんが(原子力安全委員会作業部会はIAEAの基準を参考にしたことを強調していますが)、PPAについえ言えば、食品安全委員会の指針(一生涯で許容できる累積最大値)から見ても、また、“ミスター100ミリシーベルト”氏(まんま、ですが)の発言から言っても、これ以上はまったくもって許容できない値(ホントはこの値では高すぎるのですが・・・原爆手帳交付相当値の50倍)となる可能性のある地域とぴったり一致しています。
「ぴったり一致」ということは、つまり余裕で言えば「安全率0%」、全く余裕がない、ということになります。
しかも、安全率1.0、あるいは0%と言うためには、今回のケース、次の二つの条件を満たしている必要があります。
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【PAZ・UPZ・PPA】原発防災対策“手抜き”地域: 川内原発(鹿児島市など)

〔PAZ(5km圏)予防防護措置域、UPZ(30km圏)緊急防護措置区域、PPA(50km圏)放射性ヨウ素防護地域〕
各区域・地域の人口は次のようになります(地図上で行政区画をピックアップ。より重大な区域・地域にかかっている方に属すとして分類・・・鹿児島市のように、市の大部分はPPA相当でも、一部UPZにかかっていれば、UPZに分類)。
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電線: 劣悪なサービス、高い電気料金

日本の電気料金は高いのか、以前、発電コストと原子力発電について書きましたが、それはともかくとして、この電線、ヨーロッパの都市と見比べて、日本の都市のごちゃごちゃとした印象のかなりの部分はこれのせいではないかと思えます。電線類の地下埋設コストは電柱電線方式の数倍から数十倍、その投資をさぼって今の日本の電気料金だということを考えると、電気料金の国際比較など馬鹿馬鹿しい話しとさえ思えます。
狭い路地を車で走っていて、邪魔な電柱にイライラさせられるばかりでなく、電柱のせいで歩行者とぶつかりそうになることもあります。また、地震の際の破損率は、電柱電線方式は地下埋設方式の2倍以上という話があります。何かの折に、切れだ電線に触れて感電する事故も発生しています。景観が台無しになるだけではなく、現実に様々な問題を抱えています。
議論としてはいろいろあるみたいですが、日本の電力会社の提供するサービス、電線を見ながら街を歩いていると、かなり割高、劣悪なのでは、と思います。
【PAZ・UPZ・PPA】原発防災対策“手抜き”地域: 浜岡原発(静岡市・浜松市など)

〔PAZ(5km圏)予防防護措置域、UPZ(30km圏)緊急防護措置区域、PPA(50km圏)放射性ヨウ素防護地域〕
各区域・地域の人口は次のようになります(地図上で行政区画をピックアップ。より重大な区域・地域にかかっている方に属すとして分類)。
【PAZ・UPZ・PPA】原発防災対策“手抜き”地域: 浜岡原発(静岡市・浜松市など) の続きを読む
浜岡原子力発電所と東海地方(浜松、静岡、名古屋)の地理的関係: もし福島原発級の事故が起きたら・・・

(以下は地図の説明です)
浜岡原子力発電所と東海地方(浜松、静岡、名古屋)の地理的関係: もし福島原発級の事故が起きたら・・・ の続きを読む