川内原発とフクシマ: 鹿児島市
2012-01-31
おっと、ところで、鹿児島県川内原発、防災対策区域に関する検討図しか、ブログ記事書いてませんでした。本日は福島原発事故汚染地帯を、鹿児島県川内原発に重ねてみた図です。東通原発について見る前に、こっちだったかな・・・。既に何回か書きましたが、原子力防災対策を考える時に、地域の防災担当者、国のUPZ(緊急防護措置区域)指定30km、ということだけしか見ていないのではないか、と思われる避難計画をたてることがあります。しかし国のこの指定は極めて便宜的なもので、はっきり言って根拠はありません。実際、この地域指定を決定した時と比較して、安定ヨウ素剤服用基準は2倍に厳格化されているのに、一向に地域指定変更は検討されていません。その名も、意味づけもズバリの「放射性ヨウ素防護地域」(PPA)、“安定ヨウ素剤服用の必要な地域”、についてさえです。30kmというのは、鬼ごっこの安全地帯のように、「この線越えれば大丈夫」といったものではなくて、経済的・行政的理由によって歪められた、極めて縮小された範囲指定に過ぎません。
この問題について注意喚起するため、当ブログでは、福島で現実にあったことを各地の原発に重ね、参考にできるように作図を行って来ました。しかし昨日明らかになったことは、滋賀県が行なったシミュレーションでは、そもそもUPZ((緊急時防護措置準備区域)30kmという指定が不適切であったという更なる問題の存在です。注目すべきは、福島では地形の影響で汚染地帯がぐにゃりと曲がっていることでしょうか。これがまっすぐに伸びると、汚染地帯はかなり遠距離へと広がります。まっすぐに伸ばして描いてみると良いのかもしれませんが、脱原発派の作った恣意的な図と思われるのも癪なので、作らないでおきます。想像してみてください。膝を曲げた足のように見える汚染地帯、膝をぴんと伸ばすと、つま先は充分大分市あたりに届くでしょう。

上図は、群馬大学早川教授作成の「放射能汚染地図(五訂版)」(Adobe Illustrator CS1版)から、汚染状況のレイヤーを抜き出し、鹿児島市の方向に汚染濃厚地帯が向くように回転し、Kenmapで作成した白地図に重ねてみたものです。クリックすると拡大します。
鹿児島市中心部はかなりの汚染状況になることが想定されます。どのように防災対策をとっていくのでしょうか。
〔謝辞〕貴重な地図・データを作成・公開されている早川由紀夫先生と協力者の皆様、ありがとうございます。また、使い勝手の良い白地図作成ソフトを作成・公開されてるT. Kamada様、ありがとうございます。
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鹿児島県川内原発
滋賀県、UPZを42kmに拡大
2012-01-30
滋賀県がUPZ(緊急時防護措置準備区域)を42kmに拡大しました。毎日新聞のHP記事はこちら
朝日新聞のHP記事はこちら
読売新聞のHP記事はこちら
滋賀県はこれまでも、原子力災害時の放射能汚染状況を予測するのに熱心でした。当ブログでは「【PAZ・UPZ・PPA】これが実態か!」そして「SPEEDIデータ提供が30km圏に拡大されるようです」で滋賀県に言及してきました。その滋賀県が、独自シミュレーションの結果、最遠地点42kmまでUPZとすることを決定しました。
それにしてもこのシミュレーションの結果は、これまで当ブロクで議論してきたことに重大な修正を迫っています。
第一、原子力安全委員会の地域指定基準(100mSv/h以上)で計算したにも関わらず、UPZ域は42kmと、原子力安全委員会の指定30kmよりも遥かに広がりました。UPZ域の根本的な見直しが必要ということが考えられます。
当ブログでは、原子力安全委員会内部でも、防災専門部会被曝医療分科会が「放射性ヨウ素による甲状腺被曝を防ぐ安定ヨウ素剤の服用基準」を改訂(100mSv/h → 50mSv/h)した以上、地域指定も変更が必要であり、概算の結果、UPZを40km、PPAを80km、といった程度に地域指定変更しなければ、原子力安全委員会の方針自体に整合性が取れないと、批判してきました。しかし、今回の滋賀県のシミュレーション結果は、被曝線量基準改訂以前の話です。
なお、42km地点で100mSv/hだとした場合、医療分科会の新基準の50mSv/hまで、放射線強度が低下するのは更に27kmほど遠ざかった地点と概算されます(1/2=(42/x)^1.4から・・・式についてはこちら)。UPZは69kmとしなければならないでしょう。
第二、100mSv/hという旧基準(少なくとも医療分科会においては旧基準)を使用しても、これまでの地域指定と一致しない距離が計算されたのは、福島と異なった風と地形の状況があると思われます。
風については検討して来ませんでしたが、地形的影響については多少考えてきました。福島放射能汚染域を各地の原発に重ねてみる過程で、福島における汚染域の曲がりが奥羽山脈のせいであり、山脈がなかった場合、ストレートにもっと遠くまで及ぶ可能性があると時おり言及してきました。今回、滋賀県のシミュレーションで一つの具体的数字が出たことになります。
さて、今後、汚染域をまっすぐに伸ばしたものを用意してみた方が良いのか・・・。

(図の説明についてはこちら・・・アニメーションgif化しています)
・アニメーションGIFの作成には、Giamを使わせて頂きました。ソフト作成者の 古溝 剛 様、ありがとうございました。
【2012.2.2訂正】申し訳ありません。計算間違いをしていましたので、数値を訂正しました。
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火事場泥棒?いいえ火事場強盗です/原子力村住人
2012-01-29
「電力需給:政府今夏試算『6%余裕』伏せる」(毎日新聞HP 1月23日)“原子力発電がすべて止まれば今度の夏には電力不足になる”と、何度言われたことでしょうか。ウソでした。
調達可能な再生可能エネルギー原発7基ぶんを計算からはずし、火力発電所の定期点検をわざわざ8月に想定、大口契約者との「需給調整契約」はないものとし、揚水発電能力も低めに計算、といった「電力会社の言い分をまとめた極端な前提に基づく試算」(梶山恵司・富士通総研主任研究員)のせいで、“電力不足”だったということです。
昨夏の関東の節電努力、あれも今となっては何だったのかという話しです。原子力村の連中が原発再稼働したいがためにでっち上げた電力不足という嘘に皆が踊らされていただけ、というのが現実のようです。これでは福島原発事故という火事場で火事場泥棒どころか、火事を逆手にとって人々を脅迫する、火事場強盗です。
しかもこの火事、責任者は誰なのか。原子力村の住人というのは、つくづくサイテーの輩が揃っているようです。
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東通原発とフクシマ: 青森市
2012-01-28
昨日は青森県東通原子力発電所について、原子力災害時対策の防災区割りがどうあるべきか書いてみました。しかし、佐世保市、壱岐市などについて考えてみた際に気づいたことは、もしかして地域の防災担当者は国のUPZ(緊急防護措置区域)指定30km、ということだけしか見ていないのではないか、という危険性でした。国のこの指定は極めて便宜的なもので、はっきり言って根拠はありません。実際、この地域指定を決定した時と比較して、安定ヨウ素剤服用基準は2倍に厳格化されているのに、一向に地域指定変更は検討されていません。その名も、意味づけもズバリの「放射性ヨウ素防護地域」(PPA)、“安定ヨウ素剤服用の必要な地域”、についてさえです。30kmというのは、鬼ごっこの安全地帯のように、「この線越えれば大丈夫」といったものではなくて、経済的・行政的理由によって歪められた、極めて縮小された範囲指定に過ぎません。
佐世保市、壱岐市について当ブログで検討した際には、福島での汚染状況をあてはめて、検討材料としました。そこで東通原発についても、同じ作業をして見ました。福島で一体何が起こったのか、現実をしっかり頭に入れて、避難計画を立てなければ、意味がありません。福島原発事故の巨大さを認識して、シビアアクシデントに対処するための計画は立てられなければならないでしょう。

上図は、群馬大学早川教授作成の「放射能汚染地図(五訂版)」(Adobe Illustrator CS1版)から、汚染状況のレイヤーを抜き出し、青森市の方向に汚染濃厚地帯が向くように回転し、Kenmapで作成した白地図に重ねてみたものです。クリックすると拡大します。
青森市は国の指定では放射性ヨウ素防護地域(PPA)にさえ入りませんが(当プログではPPA拡張必要地域ですが)、それでも結構な汚染が起こる可能性があることが見て取れます。
〔謝辞〕貴重な地図・データを作成・公開されている早川由紀夫先生と協力者の皆様、ありがとうございます。また、使い勝手の良い白地図作成ソフトを作成・公開されてるT. Kamada様、ありがとうございます。
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青森県東通原発
【PAZ・UPZ・PPA】UPZも拡張必要: 東通原発
2012-01-27
原子力安全委員会・防災専門部会・被曝医療分科会は、2011年12月7日、放射性ヨウ素による甲状腺被曝を防ぐための安定ヨウ素剤の服用基準を、それまでの被曝線量100ミリシーベルトから50ミリシーベルトへと厳格化しました。これに対応して、それ以前に決定された原子力災害防災対策地域の地域割りも、変更があってしかるべきでしょう。当ブロクではしばらくPPA(放射性ヨウ素防護地域)50kmという範囲指定について、問題を提起してきましたが、改訂が必要なのは、UPZ(緊急防護措置区域)30kmも同じです。また、PAZ(予防的措置範囲)5km圏も同様です。あくまで概算ですが、5km、30km、50kmの各地点で旧基準の100mSv(ミリシーベルト)の放射性ヨウ素が検出された場合、そこからどこまで遠ざかれば(原発から離れれば)、新基準の50mSvまで低下するのか、計算して見ました。8km、50km、80kmというのが得られた結果でした。地域指定をこの程度に変更する防災指針の改訂が望まれます。
さてしかし、原子力安全委員会が防災対策地域指定を拡張をすることがあるのでしょうか。現状では、かなり怪しく見えます。
我々としては、とりあえず具体的に、どの地域が該当するのか、理解しておく必要があるでしょう。自ら安定ヨウ素剤を用意するか、行政に働きかけるか、はたまた引っ越して逃げ出すか、人により取る手段は様々でしょうが、とりあえずは現状を認識することが大事でしょう。
今回は青森県の東通原子力発電所について、防災区割りがどうあるべきか、考えて見ました。下北半島は、この施設以外にも、六ケ所村の核処理施設や、建設中(!)の大間原発など、防災対策を考えなければならない施設が目白押しなのですが、作図はとりあえず東通原発だけです。なお図はクリックすると拡大します。

なお、書きこまれた同心円の意味については、こちらを御覧ください。
さて原発事故の際、どうやって、どこまで逃げるか、半島であるだけに、逃げ道は限られ、厳しいものがあるかもしれません。船による海上脱出もありえますが、海が荒れると、それも困難かもしれません。
ところで、このマップは日本の原子力安全委員会の甘々な基準に合わせて作成したものです。世界保健機構(WHO)の、小児や妊婦、授乳中女性を対象とした安定ヨウ素剤服用基準に対応するための地図はこちらになります。
・地図はKenmapによって作成させていただきました(http://www5b.biglobe.ne.jp/t-kamada/CBuilder/kenmap.htm)。T. Kamada様、ありがとうございます。具体的作業は、Kenmapで地図を作成するとともに、原発の位置(Wikipediaから緯度・経度のデータをいただきました--Wikipediaの記事作成者の方々、ありがとうございます)を中心とする距離円を作成、これに着色しました。
【2012.2.1訂正】申し訳ありません。計算間違いをしていましたので、数値(および図)等を訂正しました。
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青森県東通原発
九電やっぱりダメダメ君
2012-01-27
“東電の国有化”や、“夏場までの原発再稼働困難”、あるいは“原子力保安院がアメリカの原発事故対策マニュアルを握りつぶしていた”といった重要なニュースが次々と報道されていますが、いやはや、九州は相変わらず、のんびりとしたヘタレ九州電力がやっぱり低レベルなダメダメぶりを発揮しています。
(朝日新聞1月26日西部本社版・朝刊)
当ブログ何回も登場の長崎県佐世保市相浦火力発電所で、排煙中の有害成分の濃度計算を間違えており、気づいた社員がどうしようかと問い合わせたところ、上司(本店課長級社員)から「隠しておけ」と命じられて、そのまま(隠したまま)になっていたとのこと。
やっと交代することになった社長、次は火力部門出身でした。この件には絡んでないのか?
“臭いものには蓋”体質の染み付いた九州電力、これで原発の運転とは、とんでもない話しです。
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玄海原発とフクシマ: 佐世保市・壱岐市
2012-01-26
昨日は佐世保市、壱岐市、松浦市、平戸市の原子力災害時避難計画について、“甘いんじゃないか”と記しましたが、なんでこんな計画になるのかというと、国のUPZ(緊急防護措置区域)指定が30km圏だからでしょう。しかし国のこの指定は極めて便宜的なもので、はっきり言って根拠はありません。実際、この地域指定を決定した時と比較して、安定ヨウ素剤服用基準は2倍に厳格化されているのに、一向に地域指定変更は検討されていません。その名も、意味づけもズバリの「放射性ヨウ素防護地域」(PPA)、“安定ヨウ素剤服用の必要な地域”、についてさえです。30kmというのは、鬼ごっこの安全地帯のように、「この線越えれば大丈夫」といったものではなくて、経済的・行政的理由によって歪められた、極めて縮小された範囲指定に過ぎません。福島で一体何が起こったのか、現実をしっかり頭に入れて、避難計画を立てなければ、意味がありません。福島原発事故の巨大さを認識して、シビアアクシデントに対処するための計画は立てられなければならないでしょう。もう一度作図してみます。「UPZは30km圏」などという空疎な地域指定から避難計画を立てるのではなく、実際の汚染状況がどうであり、何をしなければならないのか、考える必要があるはずです。

上図は、群馬大学早川教授作成の「放射能汚染地図(五訂版)」(Adobe Illustrator CS1版)から、汚染状況のレイヤーを抜き出し、佐世保市の方向に汚染濃厚地帯が向くように回転し、Kenmapで作成した白地図に重ねてみたものです。クリックすると拡大します。
佐世保市近辺、どう避難するのか、市の立てた避難計画(市の南部に避難)で済むほど簡単な話ではないことは一目瞭然だと思います。ちょっとした風向きの違いで、市のどこでも重度に汚染される可能性があることが見て取れます。
壱岐市については、もっとひどい状況です。今度は濃厚汚染地帯が壱岐市に向かうとして、同様に作成してみた図が次のとおりです。(余波の方向も考えて、汚染地帯は裏焼きにしてあります)。図はクリックすると拡大します。

確かに、島の北部は「8μSv/h以上」からは外れています。でもそれは福島の場合。この程度の被曝線量低下は、シビアアクシデントの規模、当日の気象状況によってどうにでもなってしまう範囲です。というか、玄海原発との間に海しかない壱岐では、福島よりダイレクトに放射能雲(放射性プルーム)は届くと考えるべきです。島の北部でも避難が必要な事態になった場合どうするのか、そこまで考えて避難計画を立てるべきでしょう。まあ、この地域、こういう風向きは滅多に無いということで、避難計画は最初からおざなりで良い、と考えているのかもしれませんが。
〔謝辞〕貴重な地図・データを作成・公開されている早川由紀夫先生と協力者の皆様、ありがとうございます。また、使い勝手の良い白地図作成ソフトを作成・公開されてるT. Kamada様、ありがとうございます。
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佐賀県玄海原発
ナトリウム爆発
2012-01-26
あれっ、ナトリウム爆発の動画、また見えなくなっている。よほど見られて困る人がいるような・・・。まあ、またアップされているので、どうでも良いが。
高速増殖炉もんじゅ、一次冷却材にナトリウムを使用しているので、何か事故があった場合、冷却方法がなくなります。水をかけたら、こんなふうに爆発しますので。
ナトリウムの量から言ったら ↓ こっちかも。
ただ、これらは派手に見えるけど単なる露払い。高速増殖炉の実害はその後が本番です。ナトリウム-水素爆発で炉心が吹き飛ばされると、出てくるのはセシウムや放射性ヨウ素みたいな“弱毒性”(?)の放射性物質ではなくて(それも出てくるけど)、“強毒性”かつ半減期2万4000年のプルトニウムです。
もんじゅ みたいなもの、早く廃止しなくてどうするのでしょう。グズグズしているうちに、若狭湾津波でも起きたらどうするのでしょうか。
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これで逃げきれるのか? 松浦市・佐世保市・平戸市・壱岐市
2012-01-25
UPZ緊急防護措置区域(30km圏)、実際の避難計画が明らかになりつつあります。1月23日付け西日本新聞では、松浦市・佐世保市・平戸市・壱岐市の避難計画が報道されています。それによると、佐世保市・平戸市・壱岐市はそれぞれ、市内の原発から遠い地域への避難を計画。市域全域がUPZに入ってしまう松浦市では、波佐見町、川棚町、東彼杵町に避難するということです。

(図は「【PAZ・UPZ・PPA】UPZも拡張必要: 玄海原発」より切り出し、松浦市関係を記入)
壱岐市はとりあえず島の北部に非難するしかない、と言えば、そうなんですが、そこもまた“隠れUPZ”、当ブログの検討では厳格化された安定ヨウ素剤服用基準においてUPZとする必要のある地域に過ぎません。本当は島からの脱出を考えておく必要があります。佐世保市・平戸市では、北部から南部への避難ということになりますが、佐世保市ではそこもまたPPA放射性ヨウ素防護地域(50km圏)かつUPZ拡張必要域の内です。平戸市では、島の最南端まで行けばPPA/UPZ拡張必要域の外に出られそうですが、それでもまだ、当ブログの検討では厳格化された安定ヨウ素剤服用基準においてPPAとする必要のある地域に過ぎません。
松浦市は、自らの市域を捨て、波佐見町、川棚町、東彼杵町に避難するとのことですが、やはりまだ、波佐見町、川棚町はPPA/UPZ拡張必要域の内、東彼杵町でさえ、PPA拡張必要域内です。
壱岐市・佐世保市・平戸市・松浦市、風向きにもよりますが、はなはだ心もとない避難計画です。
西側の福岡県糸島市は市域の西三分の一ほどがUPZにかかる位置ですが、避難は市全体で考えるとしていました。当然、福岡市以東に非難することになるでしょう。
甘すぎ!!、長崎県各市。自らの市内や、近隣でどうにかなる問題ではない、ということを認識する必要があります。
【追記】関連記事
「滋賀県の原子力災害対策と、無策の福岡・佐賀・長崎」
「怠慢の福岡、悪意の佐賀、逃避の長崎/原子力災害対策」
「玄海原発とフクシマ: 佐世保市・壱岐市」
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佐賀県玄海原発
本日はいろいろあって・・・(2)九電な話
2012-01-24
本日の新聞(朝日新聞)、いろいろありました、メモっておきたいこと。その二、九電な話編。「九電玄海原発、試験片を廃棄か 原子炉劣化の目安」
いつ壊れても不思議のない状況の玄海原発1号機、それについての専門家の検討会が初めて開かれました。しかし九電は「60年だいじょうぶ」という例の主張を繰り返すのみ。専門家から突っ込まれたあげく、検討対象となるべき試験片を捨てていたのがバレるという事態に。九電に原発を運転させておくことなど論外な実態露呈。
「九電、設備新設を国に届け出ず 2火力発電所で計3件」
しかも火力のほうでは、単純な国のルールも守れていないことが露見。これは、次の記事へと展開。
「九電、次期体制に暗雲」
ネット上になさそうなので、貼りつけときます。

新社長予定の瓜生道明副社長が責任者を務める九電火力部門、昨年8月には長崎県佐世保市の相浦発電所で燃料タンクに穴が開いていたのを、こっそり修理、行政への(義務付けられている)届出を口止めしていました(これはこのブログでも以前触れたような・・・)。同時期、苅田火力、新小倉火力で事故、その後、12月、再度登場・相浦、そして新大分火力で事故、で、前項の「2火力発電所で計3件」、国に届け出をしていなかった、と、まあ、ボロボロ。こんなんで社長務まるのか、という記事。
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本日はいろいろあって・・・(1)全国的な話
2012-01-24
本日の新聞(朝日新聞)、いろいろありました、メモっておきたいこと。その一、全国的な話編。「廃炉法案、了承見送り 民主党内「最長60年」に異論」
そりゃそうでしょう。「廃炉原則40年」とは記すものの、最初から抜け道を用意してある法案、これまでの基準より甘くなってしまうようなこんなもの、了承するならば民主党は自民党以下の原子力政策を行なうことになります。
「原発30キロ圏、防災計画見直し=指針改定受け―政府」
やっと、原子力防災計画、具体的な行動が見えてきました。しかし、30km圏では原子力安全委員会が自ら決めた安定ヨウ素剤服用基準改訂基準に合わないのですけどね。
「福島第一、放出セシウム増 2・3号機の復旧作業原因か」
以前、測定される放射線データが異常な増加をしていることに言及したことがあります。これが原因でしょうか? しかし、全く収束どころの話ではないという状況があらわになっているのではないでしょうか。汚染は拡大中です。
「原子炉データ、6時間送信できず 福島第二原発2号機」
しかもその原子炉の管理たるや、まったくもって何をやっているのか、という状態。
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福島第1原発「最悪シナリオ」を各地原発に適応すると・・・
2012-01-24
昨年3月、福島原発事故の際、近藤駿介内閣府原子力委員長が作成した「最悪シナリオ」、公文書として扱われていないことが明らかになりました。臭いものには蓋、ですか。
(この図は、毎日新聞社ホームページhttp://mainichi.jp/select/jiken/news/20111224k0000e040162000c.htmlにあった図です・・・2011年12月24日付け記事。現在はリンク切れ)
今更ですが、それにまた、250km圏(最悪シナリオ「避難が必要な程度に汚染される」地域)というのは、当ブログで計算したWHO基準準拠「乳児・妊婦・授乳中女性」安定ヨウ素剤服用範囲と一致しますので、改めて作図するまでもないかとも思いましたが、170km圏(チェルノブイリ「強制移住地域の汚染レベル」地域)もありますので、一応、作成して見ました。各地の原発(福島については今回記入していません)が「最悪のシナリオ」となった場合、被害を受ける範囲は以下のとおりとなります。全国まとめて書いてしまいましたので、円が重なって見にくくなってしまいましたが、最悪の事態に備えて心づもりが必要な範囲という意味では、非常に分かりやすい図とも言えます。要するに、北海道東部と沖縄などを除いて、日本中どこでもということです。

・地図はKenmapによって作成させていただきました(http://www5b.biglobe.ne.jp/t-kamada/CBuilder/kenmap.htm)。T. Kamada様、ありがとうございます。具体的作業は、Kenmapで地図を作成するとともに、原発の位置(Wikipediaから緯度・経度のデータをいただきました--Wikipediaの記事作成者の方々、ありがとうございます)を中心とする距離円を作成、これに着色しました。
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全国
【PAZ・UPZ・PPA】UPZも拡張必要: 川内原発
2012-01-23
原子力安全委員会・防災専門部会・被曝医療分科会は、2011年12月7日、放射性ヨウ素による甲状腺被曝を防ぐための安定ヨウ素剤の服用基準を、それまでの被曝線量100ミリシーベルトから50ミリシーベルトへと厳格化しました。これに対応して、それ以前に決定された原子力災害防災対策地域の地域割りも、変更があってしかるべきでしょう。当ブロクではしばらくPPA(放射性ヨウ素防護地域)50kmという範囲指定について、問題を提起してきましたが、改訂が必要なのは、UPZ(緊急防護措置区域)30kmも同じです。また、PAZ(予防的措置範囲)5km圏も同様です。あくまで概算ですが、5km、30km、50kmの各地点で旧基準の100mSv(ミリシーベルト)の放射性ヨウ素が検出された場合、そこからどこまで遠ざかれば(原発から離れれば)、新基準の50mSvまで低下するのか、計算して見ました。8km、50km、80kmというのが得られた結果でした。地域指定をこの程度に変更する防災指針の改訂が望まれます。
さてしかし、原子力安全委員会が防災対策地域指定を拡張をすることがあるのでしょうか。現状では、かなり怪しく見えます。
我々としては、とりあえず具体的に、どの地域が該当するのか、理解しておく必要があるでしょう。自ら安定ヨウ素剤を用意するか、行政に働きかけるか、はたまた引っ越して逃げ出すか、人により取る手段は様々でしょうが、とりあえずは現状を認識することが大事でしょう。
今回は鹿児島県の川内原子力発電所について、防災区割りがどうあるべきか、作図して見ました。なお図はクリックすると拡大します。

なお、書きこまれた同心円の意味については、こちらを御覧ください。
川内原発では、昨日、運転停止を求めて、提訴を開始しようという動きがありました。

(1月23日 朝日新聞 西部本社版 福岡 朝刊)
鹿児島県では、鹿児島市がほぼすっぽりと50km圏に入っており、福島級の原発事故が起きた場合、風向き次第では鹿児島市も激しく汚染される可能性があります。さらに、PPA拡張必要域まで考えると、志布志市・大隅半島あたりを除いて、県のほぼ全域が避難の必要な地域となる可能性もあります。まあ、どんなに危険でも原子力安全委員会は、経済を考慮して、そんな勧告はしないでしょうが。
ところで、このマップは日本の原子力安全委員会の甘々な基準に合わせて作成したものです。世界保健機構(WHO)の、小児や妊婦、授乳中女性を対象とした安定ヨウ素剤服用基準に対応するための地図はこちらになります。
・地図はKenmapによって作成させていただきました(http://www5b.biglobe.ne.jp/t-kamada/CBuilder/kenmap.htm)。T. Kamada様、ありがとうございます。具体的作業は、Kenmapで地図を作成するとともに、原発の位置(Wikipediaから緯度・経度のデータをいただきました--Wikipediaの記事作成者の方々、ありがとうございます)を中心とする距離円を作成、これに着色しました。
【2012.2.1訂正】申し訳ありません。計算間違いをしていましたので、数値(および図)等を訂正しました。
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鹿児島県川内原発
メディアの洗脳活動? 朝日新聞
2012-01-22
1月20日、朝日新聞の記事です。
「一般に発電単価が安い原発が長期停止すると」と書いてあります。
核廃棄物処理費用、廃炉費用、損害保険費用、揚水発電に要する費用、長い送電線の建設・維持費とそれによる送電ロス、地元対策費、といったところは原発の発電コスト計算から省かれ(ただし、電気料金にはしっかり加算されている)、こうした会計上の詐欺によって見かけ上、原発の発電コストが安ことにされているだけ、ということがバレたのが、福島事故以後の議論だったはずです。
この記述は、朝日新聞の洗脳工作なのか、はたまた既に洗脳されている記者のおバカな妄想が結果として記事に現れただけなのか、それは分かりませんが、いずれにせよまだまだ原発推進派の洗脳工作(もしくはその効果)は続いています。
正確に記すと、「既に投資済みの原発設備・原子力燃料を使わずに、さらに発電用の燃料を購入すれば、発電費用が嵩んでしまうため」とするべきです。朝日新聞は何をしたいのか。「発電単価が安い原発」などという記述を続けるならば、朝日新聞は、脱原発のポーズをとりながら、人々に誤謬を吹き込む、くだらぬ原発推進洗脳メディアということになります。
実際の電気料金がどうなっているのか、より詳しくは → こちら こちら
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【PAZ・UPZ・PPA】UPZも拡張必要: 玄海原発
2012-01-21
原子力安全委員会・防災専門部会・被曝医療分科会は、2011年12月7日、放射性ヨウ素による甲状腺被曝を防ぐための安定ヨウ素剤の服用基準を、それまでの被曝線量100ミリシーベルトから50ミリシーベルトへと厳格化しました。これに対応して、それ以前に決定された原子力災害防災対策地域の地域割りも、変更があってしかるべきでしょう。当ブロクではしばらくPPA(放射性ヨウ素防護地域)50kmという範囲指定について、問題を提起してきましたが、改訂が必要なのは、UPZ(緊急防護措置区域)30kmも同じです。また、PAZ(予防的措置範囲)5km圏も同様です。あくまで概算ですが、5km、30km、50kmの各地点で旧基準の100mSv(ミリシーベルト)の放射性ヨウ素が検出された場合、そこからどこまで遠ざかれば(原発から離れれば)、新基準の50mSvまで低下するのか、計算して見ました。8km、50km、80kmというのが得られた結果でした。地域指定をこの程度に変更する防災指針の改訂が望まれます。
さてしかし、原子力安全委員会が防災対策地域指定を拡張をすることがあるのでしょうか。現状では、かなり怪しく見えます。
我々としては、とりあえず具体的に、どの地域が該当するのか、理解しておく必要があるでしょう。自ら安定ヨウ素剤を用意するか、行政に働きかけるか、はたまた引っ越して逃げ出すか、人により取る手段は様々でしょうが、とりあえずは現状を認識することが大事でしょう。
まずは私の地元、福岡に最も近い九州電力玄海原子力発電所について、防災区割りがどうあるべきか、考えて見ました。図はクリックすると拡大します。

なお、書きこまれた同心円の意味については、こちらを御覧ください。
糸島市は現在では半分ほどUPZですが、安定ヨウ素剤服用基準改訂版に従えば、全域がUPZ相当ということになります。福岡市西区、そして早良区の大部分、城南区・中央区の一部も、UPZ相当です。その外では、新基準で考えるなら、市域全域がどっぷりPPA相当です。玄海原発はいつ壊れても不思議ではない状況にありますが、それが福島級の事故を起こした場合、福岡市が壊滅的な被害を被る可能性は低くないように思われます。特に今の時期、北西風のことが多いわけですから。いざという時、どこまで逃げるか、考えておく必要があるかもしれません。もっとも、図を見る限り、簡単には逃げ切れそうにありませんが。
ところで、このマップは日本の原子力安全委員会の甘々な基準に合わせて作成したものです。世界保健機構(WHO)の、小児や妊婦、授乳中女性を対象とした安定ヨウ素剤服用基準に対応するための地図はこちらになります。
・地図はKenmapによって作成させていただきました(http://www5b.biglobe.ne.jp/t-kamada/CBuilder/kenmap.htm)。T. Kamada様、ありがとうございます。具体的作業は、Kenmapで地図を作成するとともに、原発の位置(Wikipediaから緯度・経度のデータをいただきました--Wikipediaの記事作成者の方々、ありがとうございます)を中心とする距離円を作成、これに着色しました。
【1/26追記】関連記事
「これで逃げきれるのか? 松浦市・佐世保市・平戸市・壱岐市」
「玄海原発とフクシマ: 佐世保市・壱岐市」
【2012.2.1訂正】申し訳ありません。計算間違いをしていましたので、数値(および図)等を訂正しました。
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佐賀県玄海原発
九電・福岡県、原子力安全協定の進捗状況
2012-01-20
1月19日、朝日新聞、福岡市ローカル面の記事です。九州電力、原発異常時には福岡(県、糸島市、福岡市)にも佐賀なみの情報提供をするということで、安全協定を結ぶことについて合意したそうです。
とりあえず九電から福岡へ、事故情報の提供はなされる方向で動いているようです。ただしこの協議、福岡県には連絡があったものの、福岡市と糸島市には事前連絡無かったとのこと。九電、本当に情報提供する気あるのか?
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【再改訂版】PAZ・UPZ・PPAの意味
2012-01-19
原子力安全委員会の作業部会が方針を打ち出した、原子力災害防災対策区域の区域割り設定変更案、いろいろ考えてみると、当初考えたことよりも、問題点が多いことがわかってきました。 そもそも、原子力災害防災対策区域は、細野豪志環境相・原発事故担当相が2011年10月1日、それまで8~10kmとされていたEPZ(「防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲」)の改定案を10月中に決定することを発表したのが、政府発表の発端でした。そして原子力安全委員会が、EPZをPAZ・UPZ・PPAと細分化し、UPZを30km圏、PPAを50km圏とする案を確定したのが10月20日でした(この時、PPAはまだPPZ)。当初、当方、放射性セシウムを中心とする空中被曝線量から考えていました。もちろん、事故直後は放射性ヨウ素のほうがはるかに高い被曝をもたらすことは分かっていたのですが、放射性ヨウ素に関する使いやすいデータがなく、手を出しかねていました。しかし、それではどうにもなりませんので、できる範囲で考え始めました。
その最中、2011年12月7日、原子力安全委員会・防災専門部会被曝医療分科会が、安定ヨウ素剤服用基準をそれまでの半分の値に厳格化しました。この厳格化された数値をまじめに受け取れば、原子力防災対策区域も拡大する必要があることになります。原子力安全委員会・防災専門部会被曝医療分科会が行なった変更は、安定ヨウ素剤服用基準の100mSvから50mSv(1/2の数値)へのに改定ですので、その名もズバリのPPA(放射性ヨウ素防護地域)の最外周30km地点で放射線被曝が100mSvに達する事故が発生したとして、これが50mSvに低下するのは、原子炉からさらに何km遠ざかった地点になるかを計算してみました。その結果、得られた数値は、それまでの50km圏を、80km圏へと変更しなければならない、というものでした。これはかなりの変動ですので、ここしばらくは、これが各地においてどういう範囲になるのか、当ブログでは作図を行ってきました。(全国の状況と各地についてのリンクは→ こちら)。
ただしそれは、安定ヨウ素剤服用必要地域についての計算を、「放射性ヨウ素防護地域」という名称に対応して行なった計算に過ぎません。原発事故発生時、安定ヨウ素剤の服用が必要なのは、UPZ(緊急防護措置区域、30km圏)、PAZ(予防的措置範囲、5km圏)でも同じです。事故の規模により、これらの地域でも、安定ヨウ素剤の服用が、事故対策としてもっとも重要となる場合が考えられます。
その結果、UPZは現在の30km圏から50kmとするのが妥当という計算結果が得られました。またPAZについては、5kmを8kmとするのが妥当と考えられます。
より一層、問題の多い事態となっています。以下とりあえず、こういった当ブログでの検討結果をまとめておきます。

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福島県福島第一/第二原発
東京電力は破綻処理するしかないんじゃないか
2012-01-18
原子力燃料プールでまたトラブっている東京電力ですが、企業向け電気料金値上げを正式発表しました。「東電、32年ぶり本格値上げ…「大口」で17%」(読売)
で、その理由は「福島第一原子力発電所の事故で、原発に代わる火力発電の燃料費がかさんでいると説明した」(同上記事)そうです。またウソついてます。東電より原子力発電依存度の高い、関西電力・四国電力・九州電力・北海道電力、いずれもまだ電気料金値上げをしていませんし、その計画の発表もありません。既に書きましたが、他の電力会社では経営努力で吸収できる程度の問題です。東電に金がないのは単に事故対策に金がかかっているからです。従って、この値上げは、“原子力発電サーチャージ”です。
他のエネルギーよりも、原子力発電は高くつくと、しみじみと実感できる良い機会ということになります・・・と、九州にいる私はとりあえず他人ごととして書くことができますが、いやいや、それではまずいでしょう。わが国の産業集積地帯で、この電気料金はアリですか? ということです。円高だTPPだといろいろ騒いでいますが、この電気代で工場動かしてたら、もともと国際競争力ないでしょう。
ところで、赤字企業として東電を見ると、この値上げは極めておかしなことをしていることになります。このところの大きな倒産企業、日航だってダイエーだって、赤字が出たからそのぶん航空運賃値上げ、とか、商品値上げとか、していません。そんなことをすれば売れ行き落ちて、もっと赤字はひどくなるだけです。一旦倒産して、負債を清算して、でもその会社(の提供するサービスが)社会的に必要なら、適切な経営で再生する、ということになったわけです。結果、飛行機は止まることなく、ダイエーも採算店は従来通り営業継続ということになっています。当然、値上げなんてありません。
東電を倒産させると今回は、被害者への賠償を行なう会社がなくなる、という問題が生じることになる、というのが国の表向きの理由、そして、銀行その他の株主が大損をする(場合によってはそっちの経営が傾く)、というのが国の裏の理由のようです。しかし、まず被害者への賠償、これは既に東電ではできないことがはっきりしていて、国の資金注入で辻褄を合わせている段階。もう国がやるしかないでしょう。そして、銀行その他の株主、こっちはもともと金儲けのために投資しているのですから、リスクは当然負担してもらわなければなりません。銀行その他の経営傾いたなら、当然、そっちも倒産処理をしっかりとする必要があるというだけの話しでしょう。銀行業務だって、社会的必要性がある部分は、ちゃんと営業継続すればいいだけの話しです。
民主党は東電を生き延びさせて日本の有力産業地帯を潰すつもりなのか。あるいは船橋の野田首相、それで地元の理解が得られると思っているのだろうか。
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こっちもウソ、九州電力。
2012-01-18
1月14日付けの朝日新聞(西部本社版)朝刊です。
「原発が動かないと電気が足りなくなる」と、主張していた九州電力。やってみたら電気は充分に供給できる、となったそうです。原発再稼働したいがために、ウソついて利用者を脅していたのがバレました。
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原発運転期間、結局、60年か。
2012-01-18
「原則として40年」、細野豪志原発事故担当大臣の発言はなんだったのか・・・。「原発:40年廃炉、一転『60年』容認へ 政府が方針」(毎日新聞)
まあ、当初から「原則」ってのは最初からインチキをするつもり見え見えだったわけですが、ここまで骨抜きで来るとは唖然とするばかりです。現在、30年でまず検査、さらに10年ごとに検査してダラダラと延長してとりあえず60年まで、という体制になっていますが、40年で審査を受け、良ければ60年も可、では、今までより甘いじゃないですか。
「東電、10議員を『厚遇』 パーティー券を多額購入」
枝野幸男、仙谷由人、小沢一郎(以上民主)、麻生太郎、甘利明、大島理森、石破茂、石原伸晃(以上自民)、与謝野馨(元自民)、平沼赳夫(たちあがれ日本)、の10人が高査定だったそうで、多額のパーティー券を東電に買ってもらっていたそうです。このズブズブな関係、鼻薬がよく効いたようです。
民主にはそっち系のウザい連中もいるし・・・

(1月12日朝日新聞西部本社版朝刊)
電力総連の意を受けて、発送電分離に反対する運動をしています。
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【PAZ・UPZ・PPA】UPZも拡張が必要
2012-01-17
注目の必要があるのはやはり、昨年(2011年)12月7日の原子力安全委員会・防災専門部会被曝医療分科会でしょう。それまで100mSvだった緊急時の安定ヨウ素剤服用基準を、50mSvに引き下げました。当然、古い基準をもとに考えられてきた緊急避難地域の区域分けは、変更されるべきでしょう。このところ当ブロクでは、この安定ヨウ素剤服用基準の厳格化に対応した、PPA(放射性ヨウ素防護地域)線引きの、50kmから80kmへの拡張の必要性を主張してきました。
しかし、拡張する必要が有るのは、PPAだけではなく、UPZ緊急防護措置区域(30km圏)もでしょう。風向きその他の状況により、UPZ境界(原発30km地点)が安定ヨウ素剤服用の旧基準100mSvであったと仮定し、それが新基準の50mSvまで低下するにはあと何km原発から離れる必要があるか概算して見ました。
以前検討した式に数値を入れて計算してみると、
1/2=(30/x)^1.4
ですから、x=49.22km ということになります。概算の値ですので、UPZは、50kmとする必要があることになります。

図は、原子力安全委員会発表資料から放射性ヨウ素汚染地域を書き写したものに距離円を重ねたもの。
ちなみに、PAZ予防的措置範囲(5km圏)も、同様に計算してみれば、8.20kmでした。この原発至近距離において安定ヨウ素剤服用基準がどのような意味を持つのかはわかりませんが、とりあえず、PAZは8km圏とすべき、ということになります。
【2012.2.1訂正】申し訳ありません。計算間違いをしていましたので、数値(および図)等を訂正しました。
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「風評被害」なんて、存在していない。
2012-01-16
東北から流れるニュースに良く出てくる言葉に「風評被害」があります。農産物、水産物、そして工業製品も、放射能汚染されているのではないかと言われて、売れなくなることが問題視されています。さてしかし、何が“風評被害”なのか、メディアは検証しません。
まず食品。現在の国の基準は暫定基準です。これは、本年4月から実施される予定の「本来の基準」の5倍ほど甘い基準です。つまり、暫定基準は全然安全ではないのですから、とりあえず“危なそう”と思われる産地の生産物を避けるのは、消費者としては正しい判断だと思われます。ちゃんと計測結果なり証明なりが付いていれば、その数値や内容を見て、改めて判断する、というのが正しい購買行動でしょう。(しかも、国の言う「本来の基準」も、ICRPの数値に準拠したもので、そのICRPたるや、原発推進のためにいい加減な基準作りをしている機関です。)
従って、はっきり書きましょう。食品について、現在、風評被害は発生していません。存在しているのは、どうでいもいい数値を「暫定基準」と強弁している不適切な行政です。そして、それに対する消費者の適切な行動が存在しているだけです。
さて食品以外。ほとんどの分野で、“いい加減な基準”さえ作られておらず、当然、調査・監視の対象にはなっていません。汚染稲わらの問題が発覚したのは7月のこと。二本松市の新築マンションで、建設資材の砕石に起因する、居住環境として極めて高い放射線量が測定されたのが明らかになったのが昨日のことです。とりあえず福島県およびその周辺の生産物を避ける、というのは、極めて正しい行動と言わざるをえないでしょう。
つまり、ここでも、現在、風評被害は発生していません。存在しているのは、やる気のない不適切な行政だけです。そして、それに対する消費者の適切な行動が存在しているだけです。
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【PAZ・UPZ・PPA】全国の状況
2012-01-15
これまで検討してきたPAZ・UPZ・PPAおよび「PPA拡張必要域」・「WHO基準安定ヨウ素剤服用地域」、全国版です(既に事故を起こした福島を除く)。
地図上の同心円の意味については、こちらをご参照ください。簡単に記しておけば、次のようになります。
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全国
スイスは再生可能エネルギーに注力
2012-01-14
そういえば福島原発事故を受けて早々に脱原発を決めたスイスから、ニュースが入っていました。「脱原発は『熟慮の決断』=再生可能エネルギーに注力-スイス大統領」(時事ドットコム)
スイスが脱原発を決めた当時、NHKの報道では、福島原発事故を受けて安全対策を行なった場合、原発の経済性が悪化し、採算がとれなくなる、というのが、スイスが考えたスイスにとっての大きな理由とされていました。さっさとリンク消滅してしまうNHKですが、当時のニュースを保存しているブログもあります。
安全対策をまともに行った場合、採算がとれなくなると判断し脱原発を決めたスイス、見直しは多少行なわれているものの、採算性なしと明確には判断しない日本(政府?、財界?)、どこに違いがあるのか。
スイス当局は「想定外の事態は何一つ起きていない」と日本の安全対策の不備を指摘
読めばあまりにももっとも。「(1)緊急システムに津波防護策が施されていなかった(2)冷却用水源や電源の多様化が図られていなかった(3)使用済み核燃料プールの構造が内外の衝撃に対して無防備で確実な冷却機能もなかった(4)原子炉格納容器のベント(排気)システムが不十分だった」とのこと。従って、1,津波で被害を受け、2,冷却用水も無くなれば冷却水を入れるための電源もなくなり、3,核燃料プールは加熱しまくり、4,ベントも出来なければ発生した気体は溜り爆発するでしょ、という帰結。まったく、まったく、ごもっとも。「過去500年に福島第1原発の安全基準を超える津波が19回も起きているのに十分な対策を怠ってきた」とも。
つまり、手間がかかりすぎるから防災対策地域を外す、とか、ちゃんとした基準で安全対策を行なうと食品流通が混乱するから暫定基準とか、まじめに安全対策を行なう気がないから、まだ原発に採算性があるなどと言っていられる、ということです。
まあ、カネがかかるほど電力会社が儲かる料金システムになっていますので、電力会社や、そこに設備等を納品する企業、さらにこういったところから政治献金等のおこぼれに預かる政治家、といったあたりは、別に採算が取れなくても構わないのでしょうが・・・
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【PAZ・UPZ・PPA】PPA拡張必要地域: 志賀原発
2012-01-13
原子力安全委員会・防災専門部会・被曝医療分科会は、12月7日、放射性ヨウ素による甲状腺被曝を防ぐための安定ヨウ素剤の服用基準を、これまでの被曝線量100ミリシーベルトから50ミリシーベルトへと厳格化しました。これに対応して、それ以前に決定されたPPA(放射性ヨウ素防護地域)50kmという範囲指定も改定されるべきでしょう。それまでの基準に従って、50km地点での被曝量が100mSv(ミリシーベルト)であると仮定し、被曝量が50mSvまで低下するのは何kmとなるのかを当ブログで計算したところ、80kmという推定結果を得ました。さてしかし、原子力安全委員会がPPA地域拡張をすることがあるのでしょうか。現状では、かなり怪しく見えます。
我々としては、とりあえず具体的に、どの地域が該当するのか、理解しておく必要があるでしょう。自ら安定ヨウ素剤を用意するか、行政に働きかけるか、はたまた引っ越して逃げ出すか、人により取る手段は様々でしょうが、とりあえずは現状を認識することが大事でしょう。
今回は、風向きによっては富山市も大きな被害を受ける可能性のある志賀原発について地図を作成してみました。図では、福島原発事故の際の放射性ヨウ素による汚染域を重ねあわせています(近隣への影響をイメージしてみるために汚染地図は角度を変えてあります-金沢方面に最も汚染域が近づいた場合)。図はクリックすると拡大します。

なお、書きこまれた同心円の意味については、こちらを御覧ください。
またなお、このマップは日本の原子力安全委員会の部会(分科会)の議論に合わせて作成したものです。世界保健機構(WHO)の、小児や妊婦、授乳中女性を対象とした安定ヨウ素剤服用基準に対応するための地図はこちらになります。
〔以下は地図についての説明です〕
【PAZ・UPZ・PPA】PPA拡張必要地域: 志賀原発 の続きを読む
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石川県志賀原発
【PAZ・UPZ・PPA】やはり置き去りにされるPPA
2012-01-12
本日のニュースです。NHK 「原子力委 ヨウ素剤の事前配布案」
毎日新聞 「原子力安全委:分科会でヨウ素剤の家庭常備の提言案」
原子力安全委員会の分科会は、「事故後に配布する時間はほとんどないなどとして、避難指示などが出る可能性のある原発から30キロ圏内の家庭には、あらかじめヨウ素剤を配布することが有効だとする案を初めて示し」(NHK)たということです。
これ自体は当然必要なことであると考えられますが、注目しておく必要があるのは、この措置が“30km圏”とされていることです。自ら規定した“PPA放射性ヨウ素防護地域”(50km圏)については、「各戸事前配布や屋内退避期間中配布を検討するべきだ」(毎日新聞)と言うに留まったということです。誰が、どう検討するのでしょうか。原子力安全委員会の分科会が検討しなくて、どこが検討すると言うのでしょうか。実質的には投げ出し、50km圏は見捨てる、ということでしょう。
当ブログの検討では、PPA50km圏指定当時とは原子力安全委員会の基準自体が変わりましたので、80km圏でないと話の辻褄が合わないはずなのですが、80kmどころか、50km圏も投げ出しです。
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これも一応書いておく必要があるか・・・
2012-01-12
九州電力のトップ2人が交代します。「九州電力:2トップ交代 社長に瓜生氏、会長に貫氏 3月末新体制」
枝野経産相は、「見守る」とのこと。
「経産相『自主的な努力見守る』 九電首脳の退任に」
なんだかな~。これで結局、原発再稼働への道筋がついたことになるのかな~。もっと頑張ればいいのに、九州電力。当初から予想されていたこととはいえ、枝野経産相、報告書も容認するし、腰砕けですね(最初から再稼働路線だから当然だが)。
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ところで、九州電力・・・
2012-01-11
あいかわらずやってます。九州電力。1月5日付け朝日新聞(西日本本社版)朝刊です。
ストレステストの報告書で、12箇所のミスが見つかったそうです。メーカーがまとめた検査結果を転記する際にミスったそうです。ケアレスミスもここまでくると、なんというか、要するに注意力散漫なんてものではなくて、九電には普通に作業する能力がない、ということになりそうです。「数字は手入力せず、必ずカットアンドペーストで取り扱う」なんて申し合わせを、私なんぞでもチームで仕事する場合にはすることがあり、こういうことをすれば、それなりにミスは減らせるものです。まともに作業過程をマネージできていないということでしょう。
先日の原子炉等規制法改正案に関する記者会見では、細野原発事故担当相、原子炉運営会社の運営能力・技術水準なども考慮すると発言していました。ひっかかるぞ~、九州電力。経産相にたてついてきたことの落とし前をつけられる可能性があるでしょう。
原子炉運転資格停止処分を勝ち取るまで、がんばれ、九州電力!
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【PAZ・UPZ・PPA】PPA拡張必要地域: 浜岡原発
2012-01-10
原子力安全委員会・防災専門部会・被曝医療分科会は、12月7日、放射性ヨウ素による甲状腺被曝を防ぐための安定ヨウ素剤の服用基準を、これまでの被曝線量100ミリシーベルトから50ミリシーベルトへと厳格化しました。これに対応して、それ以前に決定されたPPA(放射性ヨウ素防護地域)50kmという範囲指定も改定されるべきでしょう。それまでの基準に従って、50km地点での被曝量が100mSv(ミリシーベルト)であると仮定し、被曝量が50mSvまで低下するのは何kmとなるのかを当ブログで計算したところ、80kmという推定結果を得ました。さてしかし、原子力安全委員会がPPA地域拡張をすることがあるのでしょうか。現状では、かなり怪しく見えます。
我々としては、とりあえず具体的に、どの地域が該当するのか、理解しておく必要があるでしょう。自ら安定ヨウ素剤を用意するか、行政に働きかけるか、はたまた引っ越して逃げ出すか、人により取る手段は様々でしょうが、とりあえずは現状を認識することが大事でしょう。
今回は、静岡市・浜松市という2政令指定都市を一気に直撃しかねない浜岡原発について地図を作成してみました。図では、福島原発事故の際の放射性ヨウ素による汚染域を重ねあわせています(近隣への影響をイメージしてみるために汚染地図は角度を変えてあります)。図はクリックすると拡大します。

なお、書きこまれた同心円の意味については、こちらを御覧ください。
またなお、このマップは日本の原子力安全委員会の部会(分科会)の議論に合わせて作成したものです。世界保健機構(WHO)の、小児や妊婦、授乳中女性を対象とした安定ヨウ素剤服用基準に対応するための地図はこちらになります。
〔以下は地図についての説明です〕
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静岡県浜岡原発
これは犯罪行為ではないのか!? 経産官僚、安井正也
2012-01-09
HP元旦づけの記事ですが、毎日新聞は、次のような記事を掲載しています。「核燃サイクル:直接処分コスト隠蔽 エネ庁課長04年指示」
経済産業省の安井正也官房審議官が、経産省資源エネルギー庁原子力政策課長であった時(2004年4月)、使用済み核燃料は直接処分のほうが、再処理よりも安くつくという試算結果の隠蔽を、部下に指示していたというもの。毎日新聞は、「2カ月後、青森県六ケ所村の再処理工場稼働で生じる費用約19兆円を国民が負担する制度がとりまとめられており、データ隠しが重要な決定につながった疑いが浮上した。」と指摘しています。
さらに関連記事で、この安井正也官房審議官、現在、「原子力安全規制改革担当審議官」として、原発安全対策の中枢におり、4月発足予定の“原子力安全庁”の仕組みづくりにも「深く関与」していることを指摘し、このような問題人物を原子力行政の中枢に据えている経産省の姿勢を批判しています。
安井審議官の“コスト計算隠し”については、毎日新聞は2004年にも指摘を行なっていたそうで、ただしその時は「知らなかった」ということにされ、経産相の厳重注意処分で話が終わられされていたそうです。しかし、今回はこのやり取りの3ヶ月前のメモが出てきたということで、執念の取材ということになります。もはや言い逃れはできないと指摘しています。頑張れ毎日新聞。
このごろ“穏やかな”枝野経産相(九電の報告も受け入れたのか??)、官僚に対し、何かできるのか?
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