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福岡市、安定ヨウ素剤備蓄開始!!

2012-07-31
 怠慢の福岡も、市はついに重い腰を上げ、安定ヨウ素剤を入手しました。自民党の後押しを受けて市長になった高島宗一郎市長ですが、九電のドンが後援会長の小川洋福岡県知事よりはフットワークが軽かったということでしょうか。

福岡市ヨウ素
(朝日新聞7月31日西部本社版朝刊)

 さてしかし、27万人分? 福岡市の人口、150万人なのに(正確には 1,489,753人--本年7月1日推計値)
 行政としては、PPA(放射性ヨウ素防護地域)の範囲、50km圏に対しての手当てということなのでしょう。しかし、これは特に風が強くなかった福島原発事故を基に(しかも古い基準で)作成された範囲であると思われます ↓

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【PAZ・UPZ・PPAとウクライナ基準】玄海原発(1)福岡方面

2012-07-30
 昨日は原因不明な九州電力について書きましたが、その九電の玄海原発、ここでもし福島級事故が起きたら、ウクライナ基準ではどこが避難しなければならないことになるのか、検討してみます。
 チェルノブイリ事故による放射能汚染に対応してウクライナでは2種類の「移住ゾーン」が設定されました。移住が義務となる「移住義務ゾーン」と、権利として移住できる「移住権利ゾーン」です。
 福島原発事故による我が国の汚染状況では、どのあたりが該当するのか、当ブログでは4回に渡って検討してみました(その1その2その3番外編)。日本政府は何も言いませんが、ウクライナ基準であれば、日本でもかなり広範な地域が「移住ゾーン」に該当していることが解りました。
 そのウクライナでも新生児に、“チェルノブイリ・ハート”と呼ばれる心臓の奇形を始めとして、脊柱側弯症・多指症・兎唇などの奇形が多く発生し、また、堕胎が増加していると言われています日本より厳格なウクライナ基準でも、何かが起こっているようです。
 玄海原発で福島級の事故が起きたら、この「移住ゾーン」はどうなるのでしょうか。福島事故汚染地域の図をこの地に重ねてみました。なお、図には日本の原子力防災対策地域の区割り、UPZ緊急時防護措置区域とPPA放射性ヨウ素防護地域も書き込んでみました(PAZ予防的防護措置区域も書き込んでいるのですが、小さくてよく見えない)。我々は一体何を指針に避難行動を考えたら良いのでしょうか。いろいろと考える必要があると思わせてくれる図ではないかとブログ主は思っていますが、いかがでしょうか。

ウクライナ玄海福岡

 まずは気になる福岡市、ここに汚染地帯が来るように汚染地帯図を裏返し角度調整してみました。いやはや、改めて被害地域の広大さに圧倒されます。福岡市なんて全域「移住義務ゾーン」です。国民守る気のない日本政府はこうなっても何も言わないでしょうが、とにかく逃げるべきでしょう。


・ウクライナ基準による福島事故移住ゾーンの広がりは、文科省の放射線量等分布マップ拡大サイトで公開されているデータから作成しました。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。


7.29脱原発国会大包囲

2012-07-30


 何も解説はいらないでしょう。これが国民の声です。

 一方「山本氏が初当選 山口知事選」(47ニュースHP 7月30日)ということで、やっぱり脱原発派の論客、飯田哲也氏は当選できませんでした。もっとも、その得票、山本 252,461票に対して、飯田 185,654票と、充分に勝負になっている得票数。ダブルスコアとか、はたまた1ケタ違い(いや~、場所が場所だけにそうならないかと心配していたんですけど)とかではありませんでした。これ、保守王国、自民党の牙城である山口で、しかも選挙公示20日前に立候補を決めた新人候補が取れる得票数じゃありません。

 来ています、もう一息まで。次の選挙では確実に民主党と自民党の息の根を止めましょう。まあ“第三極”政治家のあらかたは付け焼刃“票がほしいだけ”脱原発派ですが、それでも当選させ、“言った以上はやってもらいましょう”と、迫って行きましょう。


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原因不明の九州電力

2012-07-29
 原子炉の脆性遷移温度の上昇が異常に早く、既に建設85年後相当にまで老朽化している玄海原発1号機、老朽化の原因不明でも、国は十分安全として、再稼働にGOサインを出しそうです。

玄海脆性遷移
(朝日新聞7月28日西部本社版朝刊)

 これは危ない。何より危なそうな理由が、九州電力の体質。やらせ当時と全然変わっていない ↓

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みんなで書こうパブリックコメント!!~その2

2012-07-28
 いやはや、なんか状況はどんどん悪くなっています。民主党にはもう脱原発派はほとんど残っておらず、「2030年原発ゼロシナリオ」は選択対象外のようです。

脱原発失速民主
(朝日新聞7月25日西部本社版朝刊)

 だからこそ、せめてパブリックコメントだけでも、しっかりと国民の意志は「原発ゼロ」、と意志表示しておきたいものです。我々が国に対して発言できる貴重な機会です。
 ということで、例文を考えてみました ↓

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【PAZ・UPZ・PPAとウクライナ基準】伊方原発(3)高知・岡山・宮崎

2012-07-27
 大飯原発の次に再稼働手続きの進んでいる伊方原発について、もし福島級事故が起きたら、ウクライナ基準ではどこが避難しなければならないことになるのか、検討してみる3回目です。
 チェルノブイリ事故による放射能汚染に対応してウクライナでは2種類の「移住ゾーン」が設定されました。移住が義務となる「移住義務ゾーン」と、権利として移住できる「移住権利ゾーン」です。
 福島原発事故による我が国の汚染状況では、どのあたりが該当するのか、当ブログでは4回に渡って検討してみました(その1その2その3番外編)。日本政府は何も言いませんが、ウクライナ基準であれば、日本でもかなり広範な地域が「移住ゾーン」に該当していることが解りました。
 そのウクライナでも新生児に、“チェルノブイリ・ハート”と呼ばれる心臓の奇形を始めとして、脊柱側弯症・多指症・兎唇などの奇形が多く発生し、また、堕胎が増加していると言われています日本より厳格なウクライナ基準でも、何かが起こっているようです。
 伊方原発で福島級の事故が起きたら、この「移住ゾーン」はどうなるのでしょうか。福島事故汚染地域の図をこの地に重ねてみました。なお、図には日本の原子力防災対策地域の区割り、UPZ緊急時防護措置区域とPPA放射性ヨウ素防護地域も書き込んでみました(PAZ予防的防護措置区域も書き込んでいるのですが、小さくてよく見えない)。我々は一体何を指針に避難行動を考えたら良いのでしょうか。いろいろと考える必要があると思わせてくれる図ではないかとブログ主は思っていますが、いかがでしょうか。

ウクライナ伊方四国


 愛媛・高知が大変なことになってるのはもちろん、宮崎や岡山も、こんな風向きだったら、アウトです。


・ウクライナ基準による福島事故移住ゾーンの広がりは、文科省の放射線量等分布マップ拡大サイトで公開されているデータから作成しました。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。


ストロンチウム検出!!

2012-07-26
 昨日の新聞になります。

ストロンチウム
(朝日新聞7月25日西部本社版朝刊)

 見出しでは「健康影響ほぼなし」となっていますが、あくまでも「ほぼ」です。ストロンチウム90は、記事中にもあるように、骨に蓄積され、なかなか排出されません。取り込まれたものは半減期ごとに半分、β崩壊し、β線を直接、骨組織に浴びせかけます。特に、太い骨では骨髄部分に造血組織があり、これが被曝すると、確率的に白血病が引き起こされます。極めて危険な放射性物質とされる所以です。なお、記事中では半減期50年となっていますが、物理学的には半減期28.8年ですので、記事中の値は生物学的半減期ということになります。
 現状では、“微量”の範疇のようですが、これが上昇してくるようならば強く警戒する必要があります。また蓄積性がありますので、たとえ微量であっても長く計測されるようですとやはりかなり危険ということになります。
 核汚染としては、ヨウ素、セシウムというのは、前座、二つ目、といったところで(といっても被害が深刻でないという意味ではない、比較問題としての話)、ストロンチウムあたりから、いよいよ真打の登場といった感じだと思います。さて、大真打のプルトニウムはどうなっているのでしょうか?


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【PAZ・UPZ・PPAとウクライナ基準】伊方原発(2)九州方面

2012-07-25
 大飯原発の次に再稼働手続きの進んでいる伊方原発について、もし福島級事故が起きたら、ウクライナ基準ではどこが避難しなければならないことになるのか、検討してみる2回目です。
 チェルノブイリ事故による放射能汚染に対応してウクライナでは2種類の「移住ゾーン」が設定されました。移住が義務となる「移住義務ゾーン」と、権利として移住できる「移住権利ゾーン」です。
 福島原発事故による我が国の汚染状況では、どのあたりが該当するのか、当ブログでは4回に渡って検討してみました(その1その2その3番外編)。日本政府は何も言いませんが、ウクライナ基準であれば、日本でもかなり広範な地域が「移住ゾーン」に該当していることが解りました。
 そのウクライナでも新生児に、“チェルノブイリ・ハート”と呼ばれる心臓の奇形を始めとして、脊柱側弯症・多指症・兎唇などの奇形が多く発生し、また、堕胎が増加していると言われています日本より厳格なウクライナ基準でも、何かが起こっているようです。
 伊方原発で福島級の事故が起きたら、この「移住ゾーン」はどうなるのでしょうか。福島事故汚染地域の図をこの地に重ねてみました。なお、図には日本の原子力防災対策地域の区割り、UPZ緊急時防護措置区域とPPA放射性ヨウ素防護地域も書き込んでみました(PAZ予防的防護措置区域も書き込んでいるのですが、小さくてよく見えない)。我々は一体何を指針に避難行動を考えたら良いのでしょうか。いろいろと考える必要があると思わせてくれる図ではないかとブログ主は思っていますが、いかがでしょうか。

ウクライナ伊方九州

 福岡も大分も熊本も、こんな風向きだったら、一気にアウトです。


・ウクライナ基準による福島事故移住ゾーンの広がりは、文科省の放射線量等分布マップ拡大サイトで公開されているデータから作成しました。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。


「政府事故調の致命的欠陥」

2012-07-24
 以前、国会事故調の報告書に関連して、政府事故調の報告書もほとんど期待できないと書きましたが、やはり政府事故調最終報告書、読むべき内容に乏しいような・・・。何より、技術的欠陥の検討が結局出来ていない。“福島第2原発の対応と比較してみれば、もうちょっとましなやり方があったんじゃないの”という指摘はちょっと「おっ」と思わせるものでしたが、これって、政府権限で調査しないとわからないことかなぁ、と考えると、それほど核心的な指摘とも思えないわけです。まあ、放射能激しくて現場に入れないから本気の真相究明はムリ、と言われてしまえばそれまでなんですけど。
 というところで、これって西日本新聞ローカルかな、という気のする新聞記事、挙げておきます。

政府事故調
(西日本新聞7月24日朝刊)

 「事故後の不適切な対応については、政治家、民間会社役員、省庁幹部などは実名で明記した。・・・略・・・ただ、中堅以下の関係者の名前と部署は伏せており、因果関係がぼやけた印象になり心残りだ。」
 上でリンク張った記事に書いたように、この事故調は、個人責任の追求を本気でやればできる陣容だったはずなのですが、それを“伏せ”ちゃったわけですね。かくして“安全神話”や“文化”に責任を取らせる無責任体制が固められていくわけです。なんてところだ日本というところは。

 意外だったのが、政府事故調の委員である吉岡・九大副学長が、ライバルの国会事故調を持ち上げている点です。
 「特に放射線防護の観点では、日本の放射線医療の専門家は『相当に浴びても大丈夫』というのが多数派で、政府事故調もその立場に傾斜しているが、国会事故調はそうではない。そこに歴然とした差があることは見逃さないでほしい。この部分は、政府事故調の致命的欠陥になる可能性もあると思っている。
 う~ん、「可能性もあると思っている」というのは、“政府事故調の委員という立場があるからズバリそうは言えないが、実際はそう思っている”ということですね。官邸前デモに参加しちゃう鳩山元首相じゃないですが、身内からの痛烈な批判です。
 政府事故調の報告書は、放射線を相当に浴びても大丈夫という視点で書かれている点に致命的な欠陥を抱えたものである、と銘記しておきましょう。


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【PAZ・UPZ・PPAとウクライナ基準】伊方原発(1)松山・広島・山口

2012-07-23
 チェルノブイリ事故による放射能汚染に対応してウクライナでは2種類の「移住ゾーン」が設定されました。移住が義務となる「移住義務ゾーン」と、権利として移住できる「移住権利ゾーン」です。
 福島原発事故による我が国の汚染状況では、どのあたりが該当するのか、当ブログでは4回に渡って検討してみました(その1その2その3番外編)。日本政府は何も言いませんが、ウクライナ基準であれば、日本でもかなり広範な地域が「移住ゾーン」に該当していることが解りました。
 そのウクライナでも新生児に、“チェルノブイリ・ハート”と呼ばれる心臓の奇形を始めとして、脊柱側弯症・多指症・兎唇などの奇形が多く発生し、また、堕胎が増加していると言われています日本より厳格なウクライナ基準でも、何かが起こっているようです。
 さてそれでは、大飯原発の次に再稼働手続きの進んでいる伊方原発、ここで福島級の事故が起きたら、この「移住ゾーン」はどうなるのでしょうか。福島事故汚染地域の図をこの地に重ねてみました。なお、図には日本の原子力防災対策地域の区割り、UPZ緊急時防護措置区域とPPA放射性ヨウ素防護地域も書き込んでみました(PAZ予防的防護措置区域も書き込んでいるのですが、小さくてよく見えない)。我々は一体何を指針に避難行動を考えたら良いのでしょうか。いろいろと考える必要があると思わせてくれる図ではないかとブログ主は思っていますが、いかがでしょうか。

ウクライナ伊方広島

・ウクライナ基準による福島事故移住ゾーンの広がりは、文科省の放射線量等分布マップ拡大サイトで公開されているデータから作成しました。

・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。


原子力規制委員長は、原子力ムラから: 田中俊一 候補

2012-07-22
 何の冗談だ!? 「『脱・原子力ムラ』で人選」という見出しは。まあ、鍵カッコ付きだから、“政府はそう言っている”というニュアンスを込めたつもりかもしれないが・・・。いったい日本原子力研究開発機構(旧動燃)の副理事長をやっていた人間が原子力ムラの人間でないならば、どこに原子力ムラの人間がいるのか。さらに原子力委員会委員長代理という、我が国の原子力行政の一つの中枢のナンバー2にあった(2007年〜 09年)人間として、彼は福島原発事故の責任者の一人でもある。被告人席に立たされるべき人間じゃないか。

原子力規制庁委員長候補

 “でも彼は心を入れ替えて、福島原発事故の除染と取り組んでいます”とか、記事内見ると、朝日新聞は言いたいのか?? とんでもない。「除染は5mSv/年まででやめましょう。それ以上は不要です。」というのが、彼の主張です。“成人なら、20mSv/年で、問題ないんだけどね”、とも言っています。

 「5ミリシーベルトというのは、いくつかの理由があるんですが、1つは、成人の避難の基準が年間20ミリシーベルトですね。年齢制限はありませんが、国の基準が年間20ミリシーベルトです。それに対して、幼児などのリスクを考えて、『その3分の1くらいを目指しましょう』というのが私の除染の1つの目標です。」(日本原子力文化振興財団HPインタビュー記事

 ICRP=国の本来の基準、1mSv/年に取り組もうなどという気はさらさらありません。さらには、“100mSv/年だって問題ない”という発言だってしています →「100ミリシーベルト以下なら健康への影響は大きくない/元原子力委員会委員、田中俊一氏インタビュー」(日経ビジネスオンライン記事)

 こいつがどんな問題抱えた人間かは、このツイッターまとめサイトを見ればさらにいくらでも出ています。

 野田内閣の、この原子力ムラずぶずぶの態度、原子力安全規制なんて、真面目にやる気がないのが、あまりにも明確過ぎるんですけど。


〔おまけ〕委員長だけじゃない、ノミネートされた委員も、このずぶずぶぶり。

・「規制委員候補、日本原電から報酬 原子力機構の更田氏」(47ニュースHP 7月20日)
 年50万円以上でなければ良いというのか?? しかも彼の肩書きは日本原子力研究開発機構 安全研究センター 副センター長、って、原子力ムラそのものじゃないか。

・中村佳代子・日本アイソトープ協会 医療連携室長、って、この肩書も、原子力ムラの外郭団体じゃないか。


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ウクライナの避難地域(チェルノブイリ事故)と福島事故(その3)

2012-07-21
 ちょっとしつこくなっていますが、もう一度、ウクライナ基準です。福島原発事故の汚染状況を示す文科省の地図にウクライナの避難基準該当ゾーンを書き込んだだけですと、地名が見えなくなっており、具体的にどのあたりなのか、見にくくなっています。そこで、線で囲った部分に着色し、抜き出し、白地図に重ねてみました。なお、100kmの距離円も記入しています。左右それぞれの図、クリックするとそれぞれ拡大します。またなお、埼玉・東京・千葉・神奈川の町名は表示するとごちゃごちゃになりますので、このあたりは行政区割のみ表示しています。

ウクライナ福島M ウクライナ福島再構成小

 この地図、早川先生の汚染地図でウクライナ基準を検討した際と並べてみると、次のようになります。

ウクライナ早川小 ウクライナ福島再構成小
(早川先生の汚染地図にウクライナ基準で着色 ⇔ 文科省の汚染地図にウクライナ基準で着色)

 測定時点が半年以上違っているはずなのですが、あまり状況に変化はないということになりましょうか。



・文部科学省の地図は、放射線量等分布マップ拡大サイトで公開されているものです。
・「早川先生の地図」とは放射能汚染地図(5訂版)です。早川先生と協力者の皆様、貴重なデータの公開、ありがとうございます。
・背景地図は、Kenmapで作成させていただきました。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。

【着色基準値の設定、線をどう引いたかは、以下をご参照ください】
 ・ウクライナの避難地域(チェルノブイリ事故)と福島事故(その2)
 ・ウクライナの避難地域(チェルノブイリ事故)と福島事故


怒り!! 東電値上げの真の意味

2012-07-20
 東京電力の値上げについていろいろ報道されています。
 「松原担当相の“悔い”は、消費者団体が『絶対に許されない』と反発していた福島第1原発の安定化費用や同第2原発の減価償却費などの原価算入を認めざるを得なかった点だ。/ただ、会計制度上発生する減価償却費などを計上できなければ、東電の資金繰りは行き詰まり、電力供給などの事業運営が成り立たない可能性があった。」(msn産経ニュース7月19日)
 この記事では、原発関係減価償却費が計上できなければ東電の経営が行き詰るとしていますが、どこかのテレビニュースでは、枝野経産相がもっとはっきり言っているシーンが放送されていたように思ったのだが・・・、国が注入した1兆円の資産、これが毀損されると。↓ これは枝野経産相本人の言葉ちょっとで、肝心のセリフ、出てこないな~。



 さんざん問題とされてきた、運転のめどの立たない福島第二原発や、第一の5・6号機の減価償却費、それも電気料金の一部として、取られます。毎年、414億円。国の貸した金を返済するために。
 でも、取られること自体は大したことではないのです(あ、石投げられそう・・・)。なぜなら、いずれどこかから、福島事故の処理費は取られるわけで、電気料金に上乗せしてか、税金からかは、形の違いに過ぎないからです。まあ、電気料金ならば東電管内の人間だけが負担するわけで、外の人間にとっては好都合かもしれませんが(あ、やっぱり関東の人に石投げられる・・・)。いえいえ、もちろん、外だって取られることは取られますので・・・原子力損害賠償支援機構を通して/少なめだけど・・・あ、あ、石投げないで・・・ご容赦を。
 で、で、真の問題は、この金を取るために、原発を廃止できない、ということです。そりゃぁ原発無くなれば、さすがにこんな金、取れなくなります。そうなると東電破綻で、政府の貸した金は戻ってこなくなる。これは政府としてはできない、ということになります。かくして、政府の作成したバカな事故処理スキームのせいで、単に毎年414億円取られるだけではなく、原発維持のため2000人以上の無駄な人間も食わせなければならないし、何より危険と隣り合わせで生活するのを続けなければならないのです。国への返済のためという、形を変えた税金のほか、いったいいくら余計に払わされるのか、しかも原発維持のためにですよ、原発事故の危険、命の危険にまで晒されてですよ。
 “原発廃止するために金が要ります”、というならば、しょうがない、金は出しましょう(あ、ま、いや、その・・・出せる額にも限度がありますが・・・)。しかし、原発を維持するために金を出せと言われるのは真っ平御免です。でも、いやでもなんでも、電気料金としてそれを払わされる、それが今回の値上げの真の意味です。経産省の計略か、自ら原発維持したかったのか、こんなバカな東電処理スキーム作りやがって、許すまじ民主党。




【19:25追記】
 おっと、「許すまじ民主党」と書いたら、鳩山元首相、官邸前デモに参加です。

 「鳩山元首相が脱原発デモに参加『思いは同じ』」(msn産経ニュース19:11)

 う~ん、首相在任中は原子力推進政策を推し進め、福島原発事故の際は、いち早く「地下式原子力発電所政策推進議員連盟」を立ち上げた張本人ですからね~。
 鳩山元首相としては、対 野田政局で、使えるものはなんでも使おうということでしょうが、まあデモ側としては、宣伝になるならいいかぁ(政治力には期待できないんだよな~、これが、弱すぎ・・・)程度で、横目で見ておくくらいですかね。


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ウクライナの避難地域(チェルノブイリ事故)と福島事故(その2)

2012-07-19
 先日、ウクライナの避難地域、福島原発事故のどのあたりになるのか、描き直してみました。そして文部科学省のデータから、最新の情報(といっても、昨年12月が最新ですが)とも、かなり一致する状況であることを関東地方について確認してみました。
 しかし、ここまでやったら、福島原発事故の地元、東北地方まで確認しておくべきではないか、という気がしてきました。で、やりました。

ウクライナ福島
(赤線の形〔一関付近〕を多少修正しました7/20/11:30)

 データソースは文部科学省のモニタリングデータ、その中から、「走行サーベイ」データです。実際に自動車で走り回って測定したデータですので、確度は高いでしょう。
 「移住権利ゾーン」はもちろん、「移住義務ゾーン」でも、かなりの人口が生活しているように思いますが、本当に大丈夫なのでしょうか?


(文科省サイトの引用規定では、300×400ピクセルを超える図の引用、手続きなしに可能なのは5枚までとなっていますので、当ブログまだ2枚めですが、いずれ5枚になりそうになったらリンク先を削除します。必要のある方は今のうちに見ておいてください。ちなみに、“スクロールしなければ見れないような図は1枚でも届け出せ”、となっているのですが、当方のディスプレー1920×1200なんで、縦位置にするとぎりぎりで入っているので、大丈夫だよね・・・。)

みんなで書こうパブリックコメント!!

2012-07-18
 野田内閣主催のインチキな「国民的議論」、いろいろと文句言って来ましたが(その1その2その3その4)、これにはやっぱり参加しておく必要があるでしょう → “パブリックコメント”。政府が2030年時点の原発依存度について意見を集めています。

 もう既に多くのブログ・トゥイッター・フェイスブック等々で紹介されていますので、私が拙い紹介をする必要もないと思います。次のようなところ、参加方法を含め、様々に紹介されています。

 「一人でも多くの国民がパブリックコメントを提出しましょう!」(キーコさんブログ)
 「【締切2012.7.31】パブコメ1,000万人投稿を実現させよう『エネルギー・環境に関する選択肢』」(「半月のこころ」ブログ)
 「『エネルギー・環境戦略に関するパブリックコメントの募集』」(うみそら居士さんブログ)
 「『選択肢』パブリックコメントに参加しよう!」(WWFホームページ)
 「デモも大切だけど、パブリックコメントでの意見表明も重要!」(「地給知足がおもしろい!」ブログ)
 「エネルギー選択肢についてのパブリック・コメントを私も提出しました。皆さんも出しましょう。あと24日!」(川崎哲さんブログ)

 重要なことは、「しっかりとした意見を書く」ことではなく、「とにかく書く」ことです。どうせ、担当者はきちんと読んでなんてくれません。そして「選択肢をはっきりと書く」こと(たぶんこのブログの読者の方でしたら「原発ゼロシナリオ」)です。基本的には数でカウントするだけですから、どの選択肢かはっきりしないと、「その他」(つまり無効票)になってしまいます。

 やらせ聴取会を見れば明らかなように、電力関係者たち、自分でコメントするのはもちろん、じっちゃん・ばっちゃん、親・子・孫、親戚・係累、取引関係、自宅の猫の名、その他ありとあらゆる名簿を使って、コメントを送っていることでしょう。勝手に世論捏造されないために、我々も一行で良いから、原発ゼロという意見を寄せていきましょう!!

 クリック!! → 「エネルギー・環境に関する選択肢」に対する御意見の募集(パブリックコメント)

 (意見を言う対象となっている文章 → エネルギー・環境に関する選択肢

 締め切りは8月12日午後6時とのことです(当初予定は7月31日だった)。


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どうなってるんだ!! 原発直下の活断層

2012-07-18
 またもや、原発直下の活断層が指摘されました。

 「志賀原発直下に活断層か 保安院が再調査指示へ」(朝日新聞デジタル7月17日)

 かくして、大飯原発も含めて、調査指示の方向です。

 「再稼働の大飯、断層調査へ 志賀原発も 専門家から要望続出 原子力安全・保安院」(47ニュース7月17日)

 しかし大丈夫なんでしょうか?

 「敦賀原発の循環水配管に誤って穴 停止中で流出なしも3日後公表」(福井新聞7月10日)

 既に活断層の調査開始した敦賀原発、調査のためのボーリング作業は原発の配管を直撃、パイプに穴開けたそうです。大飯原発はやっぱり運転停止して、調査すべきでしょう。運転中の原発の配管に穴開けた日には目も当てられません。

 それにしても、原子力安全・保安院、電力会社に調査させるとは、いつまでサボっているのでしょう。たまには自分で調査する気にはならないのでしょうか。そもそも電力会社の調査ではお手盛りになることがミエミエですから・・・まあ、原子力安全・保安院がやってもお手盛りだろう・・・ということで、できれは第三者機関に調査してもらいたいくらいなのです。少なくとも、こういったことは、利害当事者の電力会社ではなく、国が調査すべきです。
 それに、関西電力にやらせると、また、資料なくしますよ → 「再稼働停止資格では?関西電力大飯原発断層の資料紛失!7/3報道ステ」(「みんな楽しくHappy♡がいい♪」ブログ7月4日)。



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上関原発とチェルノブイリ避難地域--追加

2012-07-17
 この前、重ね合わせ図を作図したついでに、色々といじっていたのですが、上関原発、かなりすごい位置にあるのではないかと思えてきました。ということで、図を2枚、追加しておきます。

ウクライナ上関広島松山

 この角度では、ウクライナ基準「移住義務ゾーン」の大部分は海の上となります。しかし、広島市と松山市、両方に移住義務ゾーンがかかっています。
 さらに風向きが変わると・・・ ↓

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政府・電力のインチキ試算にだまされるな!!

2012-07-16
 またまたやらせ”で盛り上がる政府・意見聴取会仙台市の原発25%案賛成で意見表明できる3枠に入っていたのは東北電力幹部でした(朝日新聞デジタル7月16日)。さらには、仙台で意見を述べたのが神奈川県民(朝日新聞デジタル7月15日)、と、どこまでも“やらせ”です。

 しかも政府は、原発やめると電気料金が最大2.1倍にも跳ね上がるとしています(もっとも、原発やめなくてもこの試算出した人の計算では1.8倍なので、原発有無の比では17%増でしかないのですが) → 政府・エネルギー・環境会議「エネルギー・環境に関する選択肢」14頁慶大・野村准教授による試算。
 しかし、どう考えても、原発やめても、やめなかった場合と比べて、電気料金が9%以上値上がりする可能性はないのです。
 なぜなら、沖縄電力です ↓ 

沖縄電力
(朝日新聞7月16日西部本社版朝刊)

 原発持たない沖縄電力、「8月のモデル家庭の料金は、計算方法が同じ本土の6電力の平均が7007円なのに対し、沖縄電力は8070円」(上記事)です。8070÷7007=1.15 つまり、15%高に過ぎません。しかも記事中に色々書いてありますが、この割高な沖縄電力の電気料金、多くの原因は離島が広範に散在している上、払わなくても良いはずの原発推進税まで払わされているからです。記事中に示された離島によるコスト増6%を15%から差し引くと9%。原発なくても9%以上電気料金が高くつくなどということは、あり得ません。

 “でも廃原発を理由に、強引に値上げするのでは”、という危惧を抱く向きもあるかと思います。ところが、そうはならないのです。経済産業省・電力システム改革専門委員会は、発送電分離、総括原価方式廃止・家庭用電力自由化の方針を決めていますもし電気料金が実質15%以上値上がりするならば、沖縄電力にとって素晴らしいビジネスチャンスです。“本土という離島”が、巨大な未開拓市場となります。あれだけ広範な離島に電力供給する沖縄電力にとって、この程度の離島、電力供給できない理由がありません。
 もちろん、離島分を含んで料金設定しなければならない沖縄電力では、15%高よりも安く本土に電力供給するのは難しいかもしれません。沖縄15%高、本土9%高、といった料金設定では、沖縄人が納得しないでしょう。しかし、普通の民間業者が、沖縄電力がやっていることを真似すれば、9%高より安い価格で電力供給を行なえるということです。

 と、いうことで、9%以上、電気料金が値上がりするはずがないのです。それどころか、スケール・メリットで劣る沖縄電力が料金実質9%増で済むということは、原発抜きの発電、これよりもまだ安い、ということです。

 政府・電力の電気料金試算はインチキだ!! と、声を大にして主張しましょう。



【19:25追記】 あ、NHKニュースで言ってる。またまたまた、“やらせ”。名古屋の聴取会でも、中部電力の社員が「原発安全」と主張した・・・あ、これか


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発送電分離!! 総括原価方式廃止!!!

2012-07-16
 抜け道なしにこれが実現したなら、かなりのことです。

発送電分離
(朝日新聞7月14日西部本社版朝刊)

 記事には、「経済産業省の電力システム改革専門委員会は13日、『電力システム改革の基本方針』を決めた。(…略…)電力販売をすべて自由化し、電力会社の発電と送配電を分ける発送電分離も進める。(…略…)家庭向け電気料金(…略…)今は(…略…)「総括原価方式」で決め、政府が認可しているが、この決め方をやめる」と、書いてあります。これが実現したら我が国電力行政の革命的大転換です。電力会社は真面目に効率の良い発電方式を考えなければならなくなります。
 発送電が分離され、発電が事業主間の市場競争に委ねられた場合、原子力は立ち行かなくなることが予想されます。現在、原子力は訳の分からない補助金だらけで利益確保しているようなものだからです。まあ、再生可能エネルギーにも全量買い取り制度などで支援を行なっていることを理由に、原子力にも支援を行なう、ということで、電力会社と裏約束ができているのかもしれませんが。


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これが「国民的議論」の正体ですか!?

2012-07-15
 よほど猿芝居の好きな野田内閣、大飯原発再稼働・安全審査どさ回り大喜劇に次いで、「国民的議論」の猿芝居です。

国民的議論?b
(朝日新聞7月15日西部本社版朝刊)

 世論誘導付き世論調査(既に問題点を指摘しました・・・その1その2)と、上の記事が伝える各地での聴取会、ひととおりやっただけで、「国民的議論」とは、あまりに「国民」をバカにした話です。
 それも世論調査にしても聴取会にしても、そもそも提案されている3案中2案は実質原発温存案で、3案それぞれを同等の時間主張させる・・・つまり原発温存案に2/3の時間を割り振るという偏ったものです。
 実際、15%案なるものが、どんなにインチキかは、あの人も証言しています。

>  3案の中で、15%案が「徐々に減らす」案とメデイアでは紹介されて
> いる。しかし、15%案は2030年に15%と言うだけで、その後ゼロに向か
> うのか、原発を増やすのか不明。しかもその間、使用済み燃料からプル
> トニウムを取り出す再処理や高速増速炉「もんじゅ」は両論併記で、膨
> 大な費用をかけて研究開発を継続させる案となっている。これでは「徐
> 々に減らす」案ではなく、原発事業継続案だ。
>
>  GDP への影響についても、原発停止だけの影響で、原発に替わる再生
> 可能エネルギーへの投資によるプラス効果は含まれていない。
菅直人オフィシャルブログ7月15日

 だいたい、「原発新規建設取りやめ&40年廃炉」という方針、ちゃんとやっただけで原発は減り、15%は下回るはずなので、野田内閣がこんな選択肢を提示するとは、自ら、自分たちの言ったことを真面目にやる気がないと言っているのと等しいのですけどね(真面目にやる気なら、15%、0%、その間、の3案で議論すべき)。
 このような猿芝居で原発温存を図る野田政権、早く打倒すべきです。


(ところで菅前首相、今選挙したら落選という報道もあるわけで、ここは頃合いを見て、民主党離党、脱原発新党旗揚げで闘うしかないんじゃないか---衆院12議席以上で民主過半数割れ、参院6議席以上で民主第二党転落=参院議長職喪失といった数字の議員を引き連れて離党できるか?)


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上関原発(計画中)、福島級事故でウクライナなら

2012-07-15
 日本の原発事故避難地域指定、とても限定的で、住民の健康をどこまで守れるのか不安があります。チェルノブイリ事故の際のウクライナの避難基準を福島原発事故に当てはめてみたのが→ こちらの図 ですが、ならば現在計画中の上関原発だったらどうなるのでしょうか。重ね合わせ図を作成してみました。

ウクライナ上関山口

 山口市に移住義務ゾーンがかかると共に、山口県・中国地方だけでなく、九州も広範に移住権利ゾーンとなるところがあります。


・汚染状況は、群馬大学早川教授作成の「放射能汚染地図(五訂版)」(Adobe Illustrator CS1版)から、汚染状況のレイヤーを抜き出し、着色しなおしたものです。早川先生と協力者の皆様、貴重な図の公表、ありがとうございます。ウクライナ基準とどう対応させたかについては→ こちら

・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。



危険な世論調査、第三者委で検証!?

2012-07-14
 政府が怪しげな世論調査(世論誘導付き?)を企画していることについて、書きましたが、やはり怪しげと思う人はいるようで、指摘を受けて第三者検証委員会まで作るという、いよいよ大仰な話しです。

いんちき世論調査
(朝日新聞7月13日西部本社版朝刊)

 野田内閣、これまで何も議論せず、ただ大飯原発再稼働しただけ、という行状ですから、何か自分たちの決定を正当化するための道具立てが必要なのでしょう。しかし今までの行状ですから、何をやっても信用されないと思いますけどね・・・。


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関東地方の「移住権利ゾーン」/福島がチェルノブイリなら

2012-07-13
 一昨日は福島原発事故の放射能汚染地域の広がり、チェルノブイリ事故の際のウクライナの基準であれば、どこまでがどのような対策地域なのか、おおまかに広域で見てみました。「移住権利ゾーン(0.2μSv/h以上)」、関東にも広範に広がっていました(0.2μSv/hという基準についてはやはり一昨日の記事をご参照ください)。
 そこで本日はもっと詳しく見てみます。文部科学省のモニタリングデータ、その中から、「走行サーベイ」で得られているデータを利用してみます。実際に自動車で走り回って測定したデータです。最新は「平成23年12月05日~12月28日」となっています。関東地方を表示させ、「移住権利ゾーン」相当地域のアウトラインを示す赤線を書き込むと次のようになります。

移住権利ゾーン関東

 ここがウクライナなら、この地域は移住の権利があるゾーンということになります。引越しするかしないか思い悩まなくて済む日本に生まれ合わせたことに感謝するしかない幸福な(もちろん反語です)状況です。
 (それにしても船橋市住民、こんな状況で再稼働ゴリ押しの野田佳彦に投票するのだろうか? まあ船橋市自体は大半「放射能管理強化ゾーン(0.1~0.2μSv/h)」相当の値だから良い、ってか??)


責任者は「文化」!? 国会事故調のお粗末な総括

2012-07-12
 「安全神話」というストーリーで無責任体制が構築されていくことに、当ブログは異議を叫び続けてきました(「悪質な世論誘導?NHKスペシャル・・・」、「再論NHKスペシャル・・・」、「国の避難訓練『メルトダウン想定外』・・・」)が、今度は「文化」だそうです。

文化責任批判
(朝日新聞7月12日西部本社版朝刊)

 国会事故調報告書英語版にはなんと、黒川清委員長が、付けなくてもいい序文を付けていたのでした。曰く、“福島原発事故は日本文化のせい”と。で、これだけの大事故にもかかわらず、責任者と名指された者がいない事故調査報告書の不思議な論述、これで正当化されたのでした。

 もともと今回の事故調査、2つの調査委員会の間で、あるねじれがあったようです。政府が立ち上げた政府事故調、当然、責任追及されたくない政府は、目的を文字通り“事故の真相解明=調査”に絞るように設定、これに対し、政府の責任追及をしたい自民党は国会事故調を立ち上げた、のですが、これがうまく行かないようになっているのです。

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ウクライナの避難地域(チェルノブイリ事故)と福島事故

2012-07-11
 もうこれは描かれた方もいらっしゃるのですが、やはりちょっと気になりますので、ウクライナの避難地域、福島原発事故のどのあたりになるのか、再度描き直してみました。

ウクライナ福島

 いつものようにKenmapで背景地図を作成し、そこへ早川先生の放射能汚染地図(5訂版)の汚染状況をウクライナの避難地域指定に合わせて着色しなおし、重ねたものです。
 早川先生の地図では単位が「μSv/h(マイクロシーベルト/毎時)」となっていますが、ウクライナの地域指定で参考にしたホームページでは「mSv/y(ミリシーベルト/年)」となっていました。この両者の換算は、単に時間を年にする(24×365を掛ける)と良いのかと思いましたが、政府のホームページに、実効被曝量の換算表がありましたので、そちらの値を使用しました。屋内に居る時間は被曝量が少なくなるとして割り引いた換算になります。つまり、前者の方法よりも数字が小さく出る(避難範囲が小さくなる)ことになります。具体的には、

> ●1年の間、屋外に毎日8時間、屋内に毎日16時間いると仮定した場合、
> 木造の建屋の遮蔽係数0.4を考慮して約20ミリシーベルトになるような
> 空間線量率は毎時3.8マイクロシーベルト(自然放射線による影響も含
> む。)である。
中略
> ●具体的には、
> 0.1マイクロシーベルト/時は、年間約0.5ミリシーベルト
> 0.2マイクロシーベルト/時は、年間約1ミリシーベルト
> 0.5マイクロシーベルト/時は、年間約2.5ミリシーベルト
> 1.0マイクロシーベルト/時は、年間約5ミリシーベルト
> 1.9マイクロシーベルト/時は、年間約10ミリシーベルト
> 9.5マイクロシーベルト/時は、年間約50ミリシーベルト
> である。

と書いてあります。

 改めて、やっぱりすごい状況です。福島市など、かなりの部分、移住義務ゾーンに入ってます。茨木・千葉・埼玉・東京東部、栃木・群馬、宮城・岩手、移住権利ゾーンに入っている部分があります。
 既に除染や、半減期で汚染状態は低減しているでしょうが、これまでの経緯を考えると日本政府、住民の安全なんて全く考えていなかったことが分ります(福島原発直近の数町を除き、避難の話しなんて出なかった)。
 

危険な世論調査

2012-07-10
 毎度のことながら、世論調査は実施メディアによってバラつきます。

 「2030年の原発依存度 0%支持、最多42%
  世論調査朝日
  (朝日新聞7月10日西部本社版朝刊)

 「原発割合 『15%程度』の回答最多」(NHKオンライン7月10日)
 > NHKが行った世論調査で、震災の前の年には、国内の電力のおよそ26%を
 > まかなっていた原子力発電について、2030年の時点で望ましいと考える割合
 > を、政府が示している3つの選択肢の中から選んでもらったところ、「15%程度」
 > が最も多く、40%でした。

 朝日新聞の質問の仕方がリンクの中の通りだとすると、大飯原発再稼働の是非を聞いた次の質問として、この質問をしていますので、否定的な雰囲が醸しだされたのだろうと推測されます。一方、NHKの世論調査は上記引用文がそのまま調査の質問だとすると「震災の前の年には、国内の電力のおよそ26%をまかなっていた原子力発電」について聞いたのですから、この「26%」に引っ張られたのだろうと推測されます。
 ま、いずれにせよ、世論調査の結果としては・・・

 「世論」は、2030年度において、朝日新聞では原発依存度0%、NHKでは原発依存度15%を支持していますということになります。

 さて、かくしてこれだけばらつく「世論」、政府は“討論型世論調査”なるものを企画しています。

  討論型世論調査
  (朝日新聞6月20日西部本社版朝刊)

 “専門家による討論”なるものを見せた上で、世論調査アンケート用紙に答えるようにするようです。またどうせ、口達者な原発推進派と、朴訥な脱原発派を出演者として選び、その討論を見せて、「世論」誘導を図るのでしょう、としか思えません。非常に危険な香りがします。


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どうなったPAZ・UPZ・PPA? 大飯原発と避難区域

2012-07-09
 信じられないほど不手際な大飯原発の再稼働、原発事故事前対策地域PAZ(予防的措置範囲 5km圏)・UPZ(緊急防護措置区域 30km圏)・PPA(放射性ヨウ素防護地域 50km圏)といった話も吹っ飛んでいるように見えます。そもそも専門家が根拠にならないとしたストレステスト1次評価を根拠にするというド素人政治家の安全宣言(つまりデータの読み方が解っていない人たちの安全宣言!!)によって運転されている大飯原発、事故ったらどうなるのでしょうか。既に何枚も重ね合わせ図を作成しましたが、さらに具体的な重ね合わせ図を何枚か、掲載しておきます。

 まずは北風のケースを想定した、福島原発事故避難区域と大飯原発の重ね合わせ図です。

避難地域大飯京都2

 大飯原発と京都市右京区・左京区あたりの位置関係、福島第一原発と飯舘村のような位置関係になります。

 さて次 ↓ は、北西の風、滋賀県高島市あたり、やはり飯舘村相当ということになりますが、琵琶湖汚染もまた深刻でしょう。

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政府の東電処理スキーム、破綻!!

2012-07-08
 「東電値上げ2%過大 積算、実態を反映せず」(朝日新聞HP 7月8日)

 発電にかかった費用に応じて電気料金を決める「総括原価方式」、政府・経産省は、これまで、使用済み核燃料(ようするにゴミ)を資産(再処理すれば燃料になる・・・再処理できるめど立っていないのに)として評価するような経理操作によって、“原子力発電すれば電力会社が儲かる”体制を作って来ました。ところが、この計算式の基礎となる数字の一つ「自己資本比率」、東電、事故処理等によって大幅に減少しています。もともと倒産状態の東京電力に、自己資本なんて本来、残っているはず無いわけです。で、そうなると、電気料金の算定、大幅に狂ってしまうわけです。上記の朝日新聞HPの末尾には非常にさらっと書いてありますが、それでは困るので、経産省は省令で自己資本比率の“見なし”計算を認め、過大な自己資本数値を元に、電力料金の計算をさせているとのこと。ちゃんと計算すれば、電気料金、東電の申請より2%も安くするべきだというわけです。
 「もっと真面目にやれ~」と、消費者は叫ぶべきでしょう。経産省の勝手な計算指導で、根拠の無い金を払わされてはたまったものではありません
 でももちろん、ここで電気料金、予定通り値上げできなかったら東電はにっちもさっちも行かなくなるわけで、大株主の日本国政府としては、何が何でも値上げしない訳にはいかないということで、強引な手段に打って出るのではないでしょうか。

 先日は、ごく一部の政府・電力関係者を除く多くの日本人(とりわけ福島県民)を驚かせた、福島第二原発再稼働策動が明らかになりました。福島県が再稼働に同意するはずもない福島第二原発に、東電は2000人もの要員を留め、保守作業を続けているのです。

福島第二2000人
(朝日新聞7月5日西部本社版朝刊)

 非難の矛先は、「東電なにやってんだ!!」というのが多かったように記憶しておりますが、実態は上記記事の末尾で指摘されているように、東京電力ではなんともしようがない状況であると考えられます。既に経産省も計算しちゃったように、廃炉なんてこと言ったら、原発の資産価値ゼロ、いわば“抵当に入れている財産、用をなさなくなる”わけですから、あっという間に東電は銀行決済その他の場面でお金動かせなくなり、発電もなにもかもアウト!!な訳です。だから、たとえ東電自身が「こりゃムダな資金・人員投入だよな~」と思っていも(思っていないかもしれませんが)、営々と原発再稼働へ向けて、作業を続けていくしなかないのが現在の状況なわけです。そしてその費用は結局、電気料金となり、電気使用者に回ってくる・・・何を生み出すこともない、心底無駄な出費が回ってくることになります。

 要するに野田政権・チーム仙谷の東電処理スキーム、破綻しています。きちんと東電を倒産させ、不良資産(原発)や債務(原発事故損害賠償)は国が引き取り、整理を行なわなれけば、事態はさらに悪化の一途をたどることになります。国民の反対を押し切ってもすべての原発を再稼働しようとしている野田政権(福島第二原発を再稼働しようとしている-そういう状況に東電を追い込んでいる-ということは、それよりも再稼働しやすい他の原発は全て再稼働しようとしているということでしょう)、彼らを早く政権から引きずり下ろすべきです。


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上関原発、どうなるのか?

2012-07-07
 明日は鹿児島県知事選の投票日です。選挙期間中、ネットで特定候補を応援したら選挙違反、というネット後進国ですので、とりあえず参考資料へのリンク
 で、本日は薩摩じゃなくて長州(山口県)の地図、追加掲載しておきます。今回の選挙では、ある意味、福島原発事故の責任者の一人とも言える人間が立候補予定とのことです。
 まずは、福島原発事故によって放出された放射性セシウムによる汚染状況を上関原発(計画中)の地図に重ねてみます。

上関山口b

 上図はKenmapで作成した白地図に、群馬大学早川教授作成の「放射能汚染地図(五訂版)」(Adobe Illustrator CS1版)から、汚染状況のレイヤーを抜き出し、裏返し、回転し、重ねてみたものです。福島では奥羽山脈の影響で汚染域が曲がりました。しかし、ダイレクトに風が吹いた場合は、前回のようになります

 下図は同じくKenmapで作成した白地図に、福島原発事故の避難区域を重ねてみたものです。

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国と電力会社が行なったサボタージュ行為の動かぬ証拠

2012-07-06
 (昨日、国会事故調の報告書が提出されましたので、本日は各メディア、それに対するコメントを多数掲載しています。
 個人的には、一番重要な事故の技術的解明が不十分という不満が大きいですが、「【当委員会で扱わなかった事項】3)原子炉の実地検証を必要とする事項で、当面線量が高くて実施ができない施設の検証に関する事項」(報告書9ページ)ということで、困難なところもあるのでしょう。
 それでも「政府事故調のいう『フェイルセーフ』は、そもそも必ずしもそのような設計意図ではなかったものを、恣意的にそのように呼んでいるようにも見受けられる。」(報告書273ページ)といったような、政府事故調と張り合う記述が多数あったりして、けっこう興味深くもあります。
 そして、東電のお手盛り事故調報告の、“すべては津波が原因”と早々に決め付けるやり方を、明確に否定したのは良かったのではないでしょうか。
 自民党系の事故調ということで、事故後対応の問題は“すべて菅前首相の不手際”と話を持って行く方向性は保持されていたようですが、結局、事前リークされていたほど露骨にはできなかったようです。東電清水社長の曖昧な態度が原因で行き違いが生じたのだから、東電は菅前首相についてとやかく言える立場ではない、となったようです(報告書252ページ)。
 この話題についてはまだまだ色々ありそうですが、当ブログ本日は、ちょっと別の話題を・・・)


 いや、別に大したものではないのですが、東北電力のプレスリリースです。

 「八戸火力発電所5号機の営業運転開始について」(東北電力プレスリリース)

 東北電力は7月2日に、八戸火力発電所5号機の営業運転を開始しました。「当社は、東日本大震災により甚大な設備被害を受けた、太平洋側に立地する火力発電所の復旧作業を鋭意進めるとともに、短期間で設置可能な電源の新設に取り組んでおり、シンプルサイクルガスタービン発電設備を採用して、八戸火力発電所構内に建設を進めてきた」とのことです。現在はまだシンプルサイクル方式なのでエネルギー効率はあまり良くないものの、追加工事で高効率なコンバインドサイクル発電設備とする予定だそうです。とりあえず発電開始し、後に改良して恒久的施設とする・・・投資を無駄にせず、急ぎの必要にも対応する、頭の良い方法です。

 「電力足りない、もうだめだ、原発だ」と言っていた連中、何だったのでしょう? この夏に間に合わせる電力供給力増強策、やればできるのに、無為のまま過ごし、「電気が足りないので原発再稼働が必要ですよぉ」というシナリオに持ち込んだ野田内閣、関西電力、そして相変わらず「発電が間に合わない、計画停電だ」と言い続けている九州電力、北海道電力、四国電力、こいつらの悪質なサボタージュ行為のため、とんでもない安全基準で、やらなくて済んだ原発再稼働が実行されたのです。


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