驚愕の放射性ヨウ素の拡散 その3
2013-01-31
NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」(1月12日午後9時00分~10時13分)については、これまで2回ほど言及しました(その1、その2)。この番組、録画を見返すたびに思うのですが、放射能雲、とんでもなく広がっています。滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の地道なシミュレーション作成作業に拍手です。もちろん、政府や電力側の専門家に言わせれば「低濃度だから健康への影響はない」ということでしょうし、番組中でも立体的な広がり方について触れられていたように、上空に放射性プルームが広がった場合には、地上の人間にはほとんど関係がないかもしれません。しかし、低レベル被曝についても、“2倍被曝すれば、やはり発がん性も2倍になる”ということがあり、自分の頭の上にこんなものが広がっていたら、やはり気持ちのよいものではありません。
そこでちょっと、この放射性ヨウ素131の放射能雲、どこまで広がっているのか、フォトレタッチソフトなど使って、よく見えるようにしてみました。

一番左、2011年3月15日10:00時点の放射性ヨウ素131の放射能雲のシミュレーションです。関東平野外縁の山沿いに放射能雲が淀んでいるあたりははっきりとわかるのですが、海の上が黒バックで濃度も低いために広がりがよく解りません。そこで色反転をかけてみました(左から2番めの図)。これでだいぶ分かりやすくなりましたので、着色してみたのが右2枚です。いやはや、やはり広大です。
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【PAZ・UPZ・PPAとウクライナ基準】高浜原発(11)神戸・大阪・和歌山/京都・大阪府北部
2013-01-30
原子力規制庁は、政府関係者が“幸運だった”(無神経な言葉使いですが)とした福島原発事故の汚染地域を参考に、7日間で100mSvという基準で図を描き、原子力防災対策地域を考えています。しかし、そうそういつも“幸運”というわけにも行かないでしょうし、また、国際的な原発業界の代理人ICRPでさえ、人工物からの許容放射線量は年間1mSvとしているわけで、もう少し考えてみる必要があるはずです。ということで、高浜原発について考えてみる11回目です。
日本の原子力規制庁の「7日間で100mSv」という基準に対し、ウクライナではチェルノブイリ事故による放射能汚染に対応して2種類の「移住ゾーン」が設定されました。移住が義務となる「移住義務ゾーン」(1.0μSv/h以上)と、権利として移住できる「移住権利ゾーン」(0.2μSv/h以上)です。
福島原発事故による我が国の汚染状況では、どのあたりが該当するのか、当ブログでは4回に渡って検討してみました(その1、その2、その3,番外編)。日本政府は何も言いませんが、ウクライナ基準であれば、日本でもかなり広範な地域が「移住ゾーン」に該当していることが解りました。
そのウクライナでも新生児に、“チェルノブイリ・ハート”と呼ばれる心臓の奇形を始めとして、脊柱側弯症・多指症・兎唇などの奇形が多く発生し、また、堕胎が増加していると言われています。日本より厳格なウクライナ基準でも、何かが起こっているようです。
高浜原発で福島級の事故が起きたら、この「移住ゾーン」はどうなるのでしょうか。福島事故汚染地域の図をこの地に重ねてみます。なお、図には日本の原子力防災対策地域の区割り、UPZ緊急時防護措置区域とPPA放射性ヨウ素防護地域も書き込んでみました(PAZ予防的防護措置区域も円だけは書き込んでいます)。我々は一体何を指針に避難行動を考えたら良いのでしょうか。いろいろと考える必要があると思わせてくれる図ではないかとブログ主は思っていますが、いかがでしょうか。

今回は、前回の図から、さらに汚染地域を反時計回りに回してみました。神戸・大阪・和歌山と移住権利ゾーンがかかり、京都市から大阪府北部、移住義務ゾーンがかかっています。
・ウクライナ基準による福島事故移住ゾーンの広がりは、文科省の放射線量等分布マップ拡大サイトで公開されているデータから作成しました。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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福井(高浜・大飯・美浜・敦賀・もんじゅ)
なんじゃこりゃ!! 東京電力
2013-01-29
なんと言うべきか・・・、口あんぐりです。
(47ニュース=共同通信1月28日スクリーンショット)
福島原発の原子炉の中がどうなっているのか、「メルトダウンした原子炉の中なんか、ボロボロで、誰もわからない」と、言われていましたが、いえいえ、東電、もともと自分とこの原子炉の中がどうなっているのか、わかっちゃいなかったのです。
原子力規制委員会には、ストレステストなんたらじゃなくて、まず、原発担当者・基礎知識テストを実施して貰いたいものです。原子炉や付帯設備を実地調査し、電力各社や原電(日本原子力発電)の原発担当者がどこまで実態を把握しているかについて(単に、どの管がどこ通っているかを尋ねる程度)のテストです。そうじゃないと、事故の時、間違った管を塞いだり、繋いだりして、ただの事故が大事故になりそうです。いや、日常業務でもこういった間違いが起き、それが事故を起こす可能性もあります。
実際、敦賀原発の活断層調査のための原電のボーリング作業は、原発の配管を直撃、パイプに大穴開けてましたし。
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【PAZ・UPZ・PPAとウクライナ基準】高浜原発(10)大阪・神戸・徳島/京都・亀岡・三田
2013-01-28
原子力規制庁は、政府関係者が“幸運だった”(無神経な言葉使いですが)とした福島原発事故の汚染地域を参考に、7日間で100mSvという基準で図を描き、原子力防災対策地域を考えています。しかし、そうそういつも“幸運”というわけにも行かないでしょうし、また、国際的な原発業界の代理人ICRPでさえ、人工物からの許容放射線量は年間1mSvとしているわけで、もう少し考えてみる必要があるはずです。ということで、高浜原発について考えてみる10回目です。
日本の原子力規制庁の「7日間で100mSv」という基準に対し、ウクライナではチェルノブイリ事故による放射能汚染に対応して2種類の「移住ゾーン」が設定されました。移住が義務となる「移住義務ゾーン」(1.0μSv/h以上)と、権利として移住できる「移住権利ゾーン」(0.2μSv/h以上)です。
福島原発事故による我が国の汚染状況では、どのあたりが該当するのか、当ブログでは4回に渡って検討してみました(その1、その2、その3,番外編)。日本政府は何も言いませんが、ウクライナ基準であれば、日本でもかなり広範な地域が「移住ゾーン」に該当していることが解りました。
そのウクライナでも新生児に、“チェルノブイリ・ハート”と呼ばれる心臓の奇形を始めとして、脊柱側弯症・多指症・兎唇などの奇形が多く発生し、また、堕胎が増加していると言われています。日本より厳格なウクライナ基準でも、何かが起こっているようです。
高浜原発で福島級の事故が起きたら、この「移住ゾーン」はどうなるのでしょうか。福島事故汚染地域の図をこの地に重ねてみます。なお、図には日本の原子力防災対策地域の区割り、UPZ緊急時防護措置区域とPPA放射性ヨウ素防護地域も書き込んでみました(PAZ予防的防護措置区域も円だけは書き込んでいます)。我々は一体何を指針に避難行動を考えたら良いのでしょうか。いろいろと考える必要があると思わせてくれる図ではないかとブログ主は思っていますが、いかがでしょうか。

今回は、前回の図から、さらに汚染地域を反時計回りに回してみました。大阪・神戸そして徳島と移住権利ゾーンがかかりました。そして、京都市北部・亀岡市~三田市あたり、移住義務ゾーンとなっています。
・ウクライナ基準による福島事故移住ゾーンの広がりは、文科省の放射線量等分布マップ拡大サイトで公開されているデータから作成しました。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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福井(高浜・大飯・美浜・敦賀・もんじゅ)
まじめにやろう規制緩和
2013-01-27
安倍首相は2030年代原発ゼロ政策の見直しを指示したとか→「首相指示、原発ゼロ政策を見直し 経済連携も」(47ニュース=共同通信 1月25日)。そうそう、もっと早く原発ゼロにすべきですからねっ。ただ、これは何やってんでしょうかね→「日本経済再生本部」(首相官邸ホームページ)。安倍首相の行なった挨拶では、「私としては、『成長戦略』を次の5つの視点で進めていくべきと考えております。/(第1に)規制改革、技術開発、企業や産業の新陳代謝も含めた社会全体のイノベーション・・・」となっているのに、ちっとも動いてませんな。そうですよ、規制緩和です、規制緩和。これまで経済浮揚を狙って行なわれた規制緩和、国鉄→JR、専売公社→JT、電電公社→NTT、郵便局→JP、と、何やら怪しげなアルファベットに置き換えられてる・・・のはともかくとして、国鉄解体では汐留再開発、電電公社民営化ではNTT株パブルと、見事な経済刺激ができたわけです、郵便局で何ができたのかは知りませんが。はっきり言って残っている大物の規制緩和対象、誰が考えたって、もう電力しかないじゃないですか。電力会社の地域独占・総括原価方式をやめ、電力自由化、市場競争実現で経済刺激、これです。これっきゃないじゃないですか。これより大きな規制緩和案件が思いつく人は今時いないと思いますよ。
え゛!! 「電力小売り自由化 3年後めどで調整」(NHKホームページ1月26日)
なんとなんと「発電と送電部門を分社化する時期についても、平成29年以降とする方向となっています」とか、ご冗談でしょう経済産業省。安倍政権はロケットスタートなんですよ。こんな悠長なこと言っていて、いいんですか。
ちゃんとまじめにやりましょう、規制緩和。まさか規制緩和は掛け声だけで、まじめにやらないのがアベノミクス、なんてことになったら安倍政権の汚点ですからね。
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進行する放射能汚染
2013-01-27
政治家たちがバカな駆け引き遊びをし、勝った負けたで、勝ったのが有頂天で浮かれているのは彼らの性(さが)ですから、なんとも言いようがありませんが、放射能汚染は待ってはくれません。「ムラソイに基準2千倍超セシウム 福島第1原発の港湾内」(47ニュース=共同通信 1月18日)
「セシウム、母牛より子牛が高濃度 東北大、セシウム調査」(47ニュース=共同通信 1月24日)
「干しシイタケ基準超 一部消費、出荷自粛要請 放射性物質検査 成田市」(千葉日報HP 1月25日)
なんかあちこちから無気味な数値のお知らせが届いています・・・。
あっ、そうそう、数値といえば、これもまあ、数字ではあります↓
「九電の玄海1号、廃炉費用が不足 原発停止で引き当てられず」(47ニュース=共同通信 1月26日)
省令(経産省)で定められている程度の費用くらい、ちゃんと手当しろ~。役員ばかりが金をフトコロに入れて何やってんだ、九電。
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【PAZ・UPZ・PPAとウクライナ基準】高浜原発(9)岡山・高松・鳥取/京都・大津
2013-01-26
原子力規制庁は、政府関係者が“幸運だった”(無神経な言葉使いですが)とした福島原発事故の汚染地域を参考に、7日間で100mSvという基準で図を描き、原子力防災対策地域を考えています。しかし、そうそういつも“幸運”というわけにも行かないでしょうし、また、国際的な原発業界の代理人ICRPでさえ、人工物からの許容放射線量は年間1mSvとしているわけで、もう少し考えてみる必要があるはずです。ということで、高浜原発について考えてみる9回目です。
日本の原子力規制庁の「7日間で100mSv」という基準に対し、ウクライナではチェルノブイリ事故による放射能汚染に対応して2種類の「移住ゾーン」が設定されました。移住が義務となる「移住義務ゾーン」(1.0μSv/h以上)と、権利として移住できる「移住権利ゾーン」(0.2μSv/h以上)です。
福島原発事故による我が国の汚染状況では、どのあたりが該当するのか、当ブログでは4回に渡って検討してみました(その1、その2、その3,番外編)。日本政府は何も言いませんが、ウクライナ基準であれば、日本でもかなり広範な地域が「移住ゾーン」に該当していることが解りました。
そのウクライナでも新生児に、“チェルノブイリ・ハート”と呼ばれる心臓の奇形を始めとして、脊柱側弯症・多指症・兎唇などの奇形が多く発生し、また、堕胎が増加していると言われています。日本より厳格なウクライナ基準でも、何かが起こっているようです。
高浜原発で福島級の事故が起きたら、この「移住ゾーン」はどうなるのでしょうか。福島事故汚染地域の図をこの地に重ねてみます。なお、図には日本の原子力防災対策地域の区割り、UPZ緊急時防護措置区域とPPA放射性ヨウ素防護地域も書き込んでみました(PAZ予防的防護措置区域も円だけは書き込んでいます)。我々は一体何を指針に避難行動を考えたら良いのでしょうか。いろいろと考える必要があると思わせてくれる図ではないかとブログ主は思っていますが、いかがでしょうか。

今回は、汚染地域を裏返して回転し、当地に重ねてみた前回の図から、汚染地域を反時計回りに回してみました。岡山市・高松市、そして鳥取市に移住権利ゾーンがかかりました。そして、京都市・大津市には移住義務ゾーンがかかっています。
・ウクライナ基準による福島事故移住ゾーンの広がりは、文科省の放射線量等分布マップ拡大サイトで公開されているデータから作成しました。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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福井(高浜・大飯・美浜・敦賀・もんじゅ)
古傷が疼く!! 柏崎・刈羽原発
2013-01-25
原子力規制委員会が22日に示した“原発の地震・津波対策の新安全基準案の骨子”で示された「活断層の考え方」、単にちょっと古い断層まで危険性を考えようとしただけなのですが、それで結構大変です。
(朝日新聞1月25日西部本社版朝刊)
上の記事の図の部分、取り出して着色してみました。

げっ、まじ!? 断層だらけじゃないですか。
「古い断層だからもう動かないだろう」と、今まで安心していたのでしょうか??
断層そのものの評価については、どうせこれから東電と原子力規制委員会の間で議論になるのでしょうが、はっきり言って、細かい話はどうでもいいです。この断層の状況が示すのは、この場所が繰り返し地震や地殻変動に見舞われてきたということです。そして2007年7月にも、新潟県中越沖地震で事故が発生するほど揺すられたように、その状況は変化していないということです。こんなところに原発を置いておくのは間違っています。早く廃炉すべきです。
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【PAZ・UPZ・PPAとウクライナ基準】高浜原発(8)鳥取/大阪
2013-01-24
原子力規制庁は、政府関係者が“幸運だった”(無神経な言葉使いですが)とした福島原発事故の汚染地域を参考に、7日間で100mSvという基準で図を描き、原子力防災対策地域を考えています。しかし、そうそういつも“幸運”というわけにも行かないでしょうし、また、国際的な原発業界の代理人ICRPでさえ、人工物からの許容放射線量は年間1mSvとしているわけで、もう少し考えてみる必要があるはずです。ということで、高浜原発について考えてみる8回目です。
日本の原子力規制庁の「7日間で100mSv」という基準に対し、ウクライナではチェルノブイリ事故による放射能汚染に対応して2種類の「移住ゾーン」が設定されました。移住が義務となる「移住義務ゾーン」(1.0μSv/h以上)と、権利として移住できる「移住権利ゾーン」(0.2μSv/h以上)です。
福島原発事故による我が国の汚染状況では、どのあたりが該当するのか、当ブログでは4回に渡って検討してみました(その1、その2、その3,番外編)。日本政府は何も言いませんが、ウクライナ基準であれば、日本でもかなり広範な地域が「移住ゾーン」に該当していることが解りました。
そのウクライナでも新生児に、“チェルノブイリ・ハート”と呼ばれる心臓の奇形を始めとして、脊柱側弯症・多指症・兎唇などの奇形が多く発生し、また、堕胎が増加していると言われています。日本より厳格なウクライナ基準でも、何かが起こっているようです。
高浜原発で福島級の事故が起きたら、この「移住ゾーン」はどうなるのでしょうか。福島事故汚染地域の図をこの地に重ねてみます。なお、図には日本の原子力防災対策地域の区割り、UPZ緊急時防護措置区域とPPA放射性ヨウ素防護地域も書き込んでみました(PAZ予防的防護措置区域も円だけは書き込んでいます)。我々は一体何を指針に避難行動を考えたら良いのでしょうか。いろいろと考える必要があると思わせてくれる図ではないかとブログ主は思っていますが、いかがでしょうか。

今回は、汚染地域を裏返して回転し、当地に重ねてみました。鳥取県全域が移住権利ゾーンでしょう。ところで、福島のケースでは汚染域は奥羽山脈で曲がりましたが、曲がらなかったらどうなるでしょう。ここには奥羽山脈のような都合の良い衝立はありません。

想像するだけですが、大阪府全域、移住義務ゾーンとなりそうです。
・ウクライナ基準による福島事故移住ゾーンの広がりは、文科省の放射線量等分布マップ拡大サイトで公開されているデータから作成しました。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
・奥羽山脈の図は、「早川由紀夫の火山ブログ」の「放射能汚染地図(四訂版)」Adobe CS3版(http://kipuka.blog70.fc2.com/blog-entry-418.htmlに掲載、リンク先はhttp://gunma.zamurai.jp/pub/2011/0911aimap.zip)を加工させていただきました。早川先生、ならびに協力者の皆様、ありがとうございました。なお、背景地図は電子国土によるとのことです。
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福井(高浜・大飯・美浜・敦賀・もんじゅ)
ただの二枚舌で終わるか、竹中平蔵!!
2013-01-23
本人は円高是正に成功したつもりの安倍晋三、アベノミクス・・・そりゃあ、「お札、刷りまくれば良い」とか言ってみたり、中央銀行の政府からの独立性を奪う共同声明を日銀に強要したり、要するに日本の通貨政策と「円」の信用をガタ落ちにしたわけですから、当然「円」は下がるはずで、首相なら誰だってできる暴走に過ぎないんじゃないか、と思うわけですが、さてこのアベノミクス、どこまで真面目にやる気があるのでしょうか。「産業競争力会議が初会合、6月めどに成長戦略を策定」(朝日新聞HP 1月23日)
ということで、本日、行なわれたのがアベノミクスの中核、成長戦略を検討する「産業競争力会議」。出席者の中に、この人がいます → 竹中平蔵。
この人については評価する人もボロクロに言う人もいくらでもいますが、「電力自由化を主張する人」であることは間違いありません。
最近の発言を見ても、それはそれはブレることなく電力自由化路線を主張しています。
「そもそも電力業界の根本的な問題点は、9電力による地域独占の下で、電力小売りの95%を支配していること、また価格が固定化されており需給調整が行われないことにある。したがって電力の自由化を本格的に進めることが必要であり・・・」(日経HP 2012年7月4日 リンク先は有料コンテンツですが、無料登録でもお試し購読できます)
規制緩和論者として当然といえば当然の話なのですが、それで、原発についてはどうかというと、
「原発の問題でも、2人(もう一人は榊原英資)の答えは一致していた。「原発ゼロ」である。/そのうえで、竹中さんは/「電力を自由化し、市場メカニズムを働かせるべき」/と訴え・・・」(田原総一朗 公式ブログ 2012年10月29日)
ということです。つまり、原子力発電に競争力があるとは考えておらず、市場メカニズムが働けば原子力発電は退場になると考えています。まあ、当然の話だと思いますが。
で、具体的には何をどうすべきか、
「我々の国はエネルギーのために約1兆円の予算を使っています。そのうちの40%以上が実に原子力のために使われているんです。一方で、私たちが期待するクリーンエネルギーに使われているのは6%ぐらいですよね。その予算配分を変えるというのが第一に重要なこと。2番目には、今例えばクリーンエネルギーの買取法案を審議することになっています。この政策は、実は電力の自由化、競争をしてもらいますと。その競争の中でコストを下げてもらいますと。その電力の自由化と相まって初めて意味があるわけです。さらに、第3の方策として、これも国民的な議論があると思いますが、私はいわゆる炭素税、カーボンタックスは必要だと思います。すべてのカーボン、炭素に税金をかけて、そこであがった税金でクリーンエネルギーの研究開発を進めて、技術開発でクリーンエネルギーのコストを下げていくと。この3つを同時にやらなければいけないと思うんですね。」(報道ステーション「原発 私はこう思う」での発言-2011年8月8日-書き起こし)
と、具体的方策についても、案を持っています。
ただし、スケジュール的には、
「日本が核政策を本格化させたのは1970年で、電力の25%くらいを担うのにちょうど20年ほどかかりました。・・・略・・・20年かけて育てたものから、同じ時間をかけて撤退する。そして20年かけて自然エネルギーを育てる、というのが私の持論です。」(【骨太対談】竹中平蔵 VS ジェイアイエヌ 代表取締役 田中 仁)
ということで、必ずしも脱原発に積極的というわけではありませんが。
結局、脱原発についての態度は??ですが、この人、人として、少なくとも電力自由化には取り組む必要があるでしょう。ちゃんとやらなければ、“国民向けには電力自由化、政権内部ではそんなこと知らんぷり”という、単なる二枚舌男ということになります。なんせ、自らが経済財政政策担当大臣・金融担当大臣・内閣府特命担当大臣(経済財政政策)といった権力の中枢にあった時に、電力自由化できなかったという前科があるのですから。竹中平蔵、「電力自由化を主張するだけの人」です。
朝日新聞は次のように伝えています。

(朝日新聞HP 1月23日 スクリーンショット切り出し)
「電力システム改革がじりじり後退し始めた」とのことです。
いいのか、竹中平蔵!! また手をこまねいているだけなのか。
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【PAZ・UPZ・PPAとウクライナ基準】高浜原発(7)岡山県/京丹後市
2013-01-22
原子力規制庁は、政府関係者が“幸運だった”(無神経な言葉使いですが)とした福島原発事故の汚染地域を参考に、7日間で100mSvという基準で図を描き、原子力防災対策地域を考えています。しかし、そうそういつも“幸運”というわけにも行かないでしょうし、また、国際的な原発業界の代理人ICRPでさえ、人工物からの許容放射線量は年間1mSvとしているわけで、もう少し考えてみる必要があるはずです。ということで、高浜原発について考えてみる7回目です。
日本の原子力規制庁の「7日間で100mSv」という基準に対し、ウクライナではチェルノブイリ事故による放射能汚染に対応して2種類の「移住ゾーン」が設定されました。移住が義務となる「移住義務ゾーン」(1.0μSv/h以上)と、権利として移住できる「移住権利ゾーン」(0.2μSv/h以上)です。
福島原発事故による我が国の汚染状況では、どのあたりが該当するのか、当ブログでは4回に渡って検討してみました(その1、その2、その3,番外編)。日本政府は何も言いませんが、ウクライナ基準であれば、日本でもかなり広範な地域が「移住ゾーン」に該当していることが解りました。
そのウクライナでも新生児に、“チェルノブイリ・ハート”と呼ばれる心臓の奇形を始めとして、脊柱側弯症・多指症・兎唇などの奇形が多く発生し、また、堕胎が増加していると言われています。日本より厳格なウクライナ基準でも、何かが起こっているようです。
高浜原発で福島級の事故が起きたら、この「移住ゾーン」はどうなるのでしょうか。福島事故汚染地域の図をこの地に重ねてみます。なお、図には日本の原子力防災対策地域の区割り、UPZ緊急時防護措置区域とPPA放射性ヨウ素防護地域も書き込んでみました(PAZ予防的防護措置区域も円だけは書き込んでいます)。我々は一体何を指針に避難行動を考えたら良いのでしょうか。いろいろと考える必要があると思わせてくれる図ではないかとブログ主は思っていますが、いかがでしょうか。

前回に続けて、さらにさらに、汚染地域をもう少し時計回りに回してみました。図の角度しだいで岡山県のどこでも、移住権利ゾーンに含まれることが分かります。神戸市、徳島市、依然として移住権利ゾーンに入っています(汚染地域の別の“足”に取り込まれてしまいました)。一方、若狭湾西部から京丹後市までの海岸線、移住義務ゾーンです。
・ウクライナ基準による福島事故移住ゾーンの広がりは、文科省の放射線量等分布マップ拡大サイトで公開されているデータから作成しました。
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福井(高浜・大飯・美浜・敦賀・もんじゅ)
寄付金80億円!! 原発立地自治体、濡れ手で粟/NHK調べ
2013-01-21
NHKによると、「全国9つの電力会社が、平成20年以降に電気料金に組み込んでいた原子力発電所が立地する自治体への寄付金が年間80億円余りに上っていた」とのことです。
(NHKホームページ1月21日 スクリーンショット部分)
これ例えば、青森県が電源3法交付金のうち「核燃料サイクル交付金」として受け取る予定額が180億円ですから、それと較べると、全国で80億円ですから、大した額ではないですね~~~。
どこからどこまで金でギトギト、それが原子力・・・そしてその金の出どころは電気料金にせよ税金にせよ、わしらの財布。どうにかならんのか!!
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【PAZ・UPZ・PPAとウクライナ基準】高浜原発(6)徳島市/西脇市
2013-01-20
原子力規制庁は、政府関係者が“幸運だった”(無神経な言葉使いですが)とした福島原発事故の汚染地域を参考に、7日間で100mSvという基準で図を描き、原子力防災対策地域を考えています。しかし、そうそういつも“幸運”というわけにも行かないでしょうし、また、国際的な原発業界の代理人ICRPでさえ、人工物からの許容放射線量は年間1mSvとしているわけで、もう少し考えてみる必要があるはずです。ということで、高浜原発について考えてみる6回目です。
日本の原子力規制庁の「7日間で100mSv」という基準に対し、ウクライナではチェルノブイリ事故による放射能汚染に対応して2種類の「移住ゾーン」が設定されました。移住が義務となる「移住義務ゾーン」(1.0μSv/h以上)と、権利として移住できる「移住権利ゾーン」(0.2μSv/h以上)です。
福島原発事故による我が国の汚染状況では、どのあたりが該当するのか、当ブログでは4回に渡って検討してみました(その1、その2、その3,番外編)。日本政府は何も言いませんが、ウクライナ基準であれば、日本でもかなり広範な地域が「移住ゾーン」に該当していることが解りました。
そのウクライナでも新生児に、“チェルノブイリ・ハート”と呼ばれる心臓の奇形を始めとして、脊柱側弯症・多指症・兎唇などの奇形が多く発生し、また、堕胎が増加していると言われています。日本より厳格なウクライナ基準でも、何かが起こっているようです。
高浜原発で福島級の事故が起きたら、この「移住ゾーン」はどうなるのでしょうか。福島事故汚染地域の図をこの地に重ねてみます。なお、図には日本の原子力防災対策地域の区割り、UPZ緊急時防護措置区域とPPA放射性ヨウ素防護地域も書き込んでみました(PAZ予防的防護措置区域も円だけは書き込んでいます)。我々は一体何を指針に避難行動を考えたら良いのでしょうか。いろいろと考える必要があると思わせてくれる図ではないかとブログ主は思っていますが、いかがでしょうか。

前回に続けて、さらに、汚染地域をもう少し時計回りに回してみました。神戸市、淡路島、徳島市と、移住権利ゾーンに入っています。また兵庫県豊岡市から西脇市あたりに、移住義務ゾーンがかかっています。
・ウクライナ基準による福島事故移住ゾーンの広がりは、文科省の放射線量等分布マップ拡大サイトで公開されているデータから作成しました。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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福井(高浜・大飯・美浜・敦賀・もんじゅ)
やっぱり継続、自民党、核燃料サイクル!!
2013-01-19
民主党はもたもたしていましたが、自民党はきっぱりと言います、「核燃料サイクル継続」と。
(朝日新聞1月18日西部本社版朝刊)
この件については、これまで何度も当ブログで言及して来ました。原発関係でこれほど最低の政策はないのですが・・・
1. 経済的に引き合わない・・・“使用済み核燃料を処理して高速増殖炉で燃やすことによりまた使える核燃料とすることができる”というのが核燃料サイクルの骨子です。使用→再生(再処理)→使用→再生(再処理)→(元に戻る)・・・・と、何度も繰り返すので「サイクル」です。しかし、再処理した燃料が、新しい燃料を買うよりも高くついてしまっては、何のためにやるのか訳がわかりません。赤字です。そもそも、“採算が取れる”とした、大昔の試算では、このサイクル、延々と繰り返せることになっていました。そして延々とやった挙げ句の果てに、最後に採算レベルに達するというものでした。ところが、「そんなに何回も繰り返すのはムリ」と原子力委員会自身が認めています。とすると、採算レベルに達しません。まず基本的問題です。しかも、実際にどれくらい高く付くかというと、高速増殖炉原型炉もんじゅの発電コストは従来型原発の1000倍、もんじゅが使えないので使用済み核燃料を無理やり再処理して作り出したMOX燃料の値段は通常の核燃料の2倍、で、全体として核燃料再処理するよりも使用済み核燃料は直接処分したほうが格安と、政府自体が試算している、くらいです。おまけに、高く付き過ぎるので電力会社も金払えてないのです。
2. 危険性が極めて高い・・・高速増殖炉、現在考えられているものは一次冷却材にナトリウムを使用するものですが、ナトリウムというのは、水かけると大爆発します。福島原発事故では、結局、水を掛けるしかありませんでした。高速増殖炉という原子炉は、それができない原子炉です。何か事故があった場合、どうするんでしょう? それに、再処理して作られる核燃料、主体はプルトニウム・・・それ自体、発がん性の強烈な危険物質である上に、核兵器の原材料です。その上、再処理というのは、原子炉に閉じ込めてある核燃料を炉外に出して処理するのですから、漏れ出るぶんがあり、放射性物質による環境汚染は(原子炉内に核物質を閉じ込めている)原発の比ではありません。
3. 実現可能性がない・・・高速増殖炉原型炉もんじゅは、1995年に運転開始しようとして事故って以来、トラブル続きで未だに運転できていない。一方、核燃料再処理工場も失敗ばかりです。
という三拍子揃った悪政策。それが単に電力会社の利益を守るためだけに推進されるのです。民主党政権もこの件については最低でしたが、自民党は極悪です。
それにしても、上のリンク先で書いたように、核燃料再処理やめると、一瞬にして電気料金、下がるのですけど。ま、だから核燃料サイクル政策、やめられないのでしょうね。
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【PAZ・UPZ・PPAとウクライナ基準】高浜原発(5)大阪湾岸地帯/兵庫県東部
2013-01-18
原子力規制庁は、政府関係者が“幸運だった”(無神経な言葉使いですが)とした福島原発事故の汚染地域を参考に、7日間で100mSvという基準で図を描き、原子力防災対策地域を考えています。しかし、そうそういつも“幸運”というわけにも行かないでしょうし、また、国際的な原発業界の代理人ICRPでさえ、人工物からの許容放射線量は年間1mSvとしているわけで、もう少し考えてみる必要があるはずです。ということで、高浜原発について考えてみる5回目です。
日本の原子力規制庁の「7日間で100mSv」という基準に対し、ウクライナではチェルノブイリ事故による放射能汚染に対応して2種類の「移住ゾーン」が設定されました。移住が義務となる「移住義務ゾーン」(1.0μSv/h以上)と、権利として移住できる「移住権利ゾーン」(0.2μSv/h以上)です。
福島原発事故による我が国の汚染状況では、どのあたりが該当するのか、当ブログでは4回に渡って検討してみました(その1、その2、その3,番外編)。日本政府は何も言いませんが、ウクライナ基準であれば、日本でもかなり広範な地域が「移住ゾーン」に該当していることが解りました。
そのウクライナでも新生児に、“チェルノブイリ・ハート”と呼ばれる心臓の奇形を始めとして、脊柱側弯症・多指症・兎唇などの奇形が多く発生し、また、堕胎が増加していると言われています。日本より厳格なウクライナ基準でも、何かが起こっているようです。
高浜原発で福島級の事故が起きたら、この「移住ゾーン」はどうなるのでしょうか。福島事故汚染地域の図をこの地に重ねてみます。なお、図には日本の原子力防災対策地域の区割り、UPZ緊急時防護措置区域とPPA放射性ヨウ素防護地域も書き込んでみました(PAZ予防的防護措置区域も円だけは書き込んでいます)。我々は一体何を指針に避難行動を考えたら良いのでしょうか。いろいろと考える必要があると思わせてくれる図ではないかとブログ主は思っていますが、いかがでしょうか。

今回はまた前回よりさらに、汚染地域をもう少し時計回りに回してみました。大阪湾岸地帯、移住権利ゾーンに入っています。また兵庫県豊岡市、丹波市、篠山市、そして三田市と、移住義務ゾーンがかかっています。
・ウクライナ基準による福島事故移住ゾーンの広がりは、文科省の放射線量等分布マップ拡大サイトで公開されているデータから作成しました。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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福井(高浜・大飯・美浜・敦賀・もんじゅ)
驚愕の放射性ヨウ素の拡散 その2
2013-01-17
NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」(1月12日午後9時00分~10時13分)で放送された放射能雲の広がる様、なんとかネットに載せられないかと思い、撮りなおして、まとめてみました。一部分ですが。
色調が暗く、見やすくはないかもしれませんが、まずは関東地方に広がった後、仙台方面へと向きを変える様が判ると思います。
まだ見てない方は必見だと思います → 再放送1月19日(土)午前1時30分~2時43分(18日深夜)です。
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【PAZ・UPZ・PPAとウクライナ基準】高浜原発(4)奈良県/舞鶴市
2013-01-16
原子力規制庁は、政府関係者が“幸運だった”(無神経な言葉使いですが)とした福島原発事故の汚染地域を参考に、7日間で100mSvという基準で図を描き、原子力防災対策地域を考えています。しかし、そうそういつも“幸運”というわけにも行かないでしょうし、また、国際的な原発業界の代理人ICRPでさえ、人工物からの許容放射線量は年間1mSvとしているわけで、もう少し考えてみる必要があるはずです。ということで、高浜原発について考えてみる4回目です。
日本の原子力規制庁の「7日間で100mSv」という基準に対し、ウクライナではチェルノブイリ事故による放射能汚染に対応して2種類の「移住ゾーン」が設定されました。移住が義務となる「移住義務ゾーン」(1.0μSv/h以上)と、権利として移住できる「移住権利ゾーン」(0.2μSv/h以上)です。
福島原発事故による我が国の汚染状況では、どのあたりが該当するのか、当ブログでは4回に渡って検討してみました(その1、その2、その3,番外編)。日本政府は何も言いませんが、ウクライナ基準であれば、日本でもかなり広範な地域が「移住ゾーン」に該当していることが解りました。
そのウクライナでも新生児に、“チェルノブイリ・ハート”と呼ばれる心臓の奇形を始めとして、脊柱側弯症・多指症・兎唇などの奇形が多く発生し、また、堕胎が増加していると言われています。日本より厳格なウクライナ基準でも、何かが起こっているようです。
高浜原発で福島級の事故が起きたら、この「移住ゾーン」はどうなるのでしょうか。福島事故汚染地域の図をこの地に重ねてみます。なお、図には日本の原子力防災対策地域の区割り、UPZ緊急時防護措置区域とPPA放射性ヨウ素防護地域も書き込んでみました(PAZ予防的防護措置区域も円だけは書き込んでいます)。我々は一体何を指針に避難行動を考えたら良いのでしょうか。いろいろと考える必要があると思わせてくれる図ではないかとブログ主は思っていますが、いかがでしょうか。

今回はまた前回より、汚染地域をもう少し時計回りに回してみました。奈良県の人口集中地帯が移住権利ゾーンになりました。また舞鶴市は移住義務ゾーンとなっています。
・ウクライナ基準による福島事故移住ゾーンの広がりは、文科省の放射線量等分布マップ拡大サイトで公開されているデータから作成しました。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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福井(高浜・大飯・美浜・敦賀・もんじゅ)
原発止めると、なぜ上がる? 電気料金 その2
2013-01-15
現在、発電をしていない売電会社「日本原子力発電」へ、電力会社から760億円が支払われていると、朝日新聞は報道しています。
(朝日新聞1月11日西部本社版朝刊)
この金、結局は人々から徴収された電気料金から支払われているわけで、“怨嗟の声がネット上に満ち満ちて”います。
「日本原電 発電せずに760億円 電気料金にツケ」(とある原発の溶融貫通(メルトスルー) さんブログ)
「原子力ムラが電気料金を流用、原発稼動ゼロで電力供給ゼロで最高益出す日本原子力発電」(Shimarny さんブログ)
「日本原電 発電ゼロで209億円最高益の理由 電気料金で徴収し勝俣恒久の報酬に」(ざまあみやがれい さんブログ)
怒るのはもちろん当然のこととして、ここでせっかく数字が出てきたのですから、少し考えてみましょう。原発止めるとなぜ電気料金が上がるのか、それも、どこにいくらかかっているのか。
当ブログでは、電気料金値上げの主要な理由が、燃料代ではなく、実は動かない原発関連費用のせいだと見て来ました。この見方の妥当性はどんなものでしょうか。
今回、日本原子力発電に支払われる額がわかったことから、(動いてない)原発関係に要している大体の額が推定できます。原子力発電には原子力発電所にかかっている費用だけではなく、管理部門コストやいろいろな付帯費用(役員の取り分とか政治家にバラまく分、御用学者の飼育費用などなど)があり、それが電力会社各社の様々な部門に割り振られていますから、正確な計算は困難なのですが、原子力発電専業会社の料金から、他社も同程度と見なして推計できるだろう、という考えです。
1. まずは原子力発電量です。wikipedia から、各地原発の定格発電量を足しあわてみます。一覧表になってないのでちょっと手間取りますが、泊原発から川内原発まで合計で4527.3万kw(9社合計)でした。
2. 同様にして日本原子力発電の定格発電量は合計261.7万kwでした。
3. この発電量の比率を、日本原子力発電に支払われた額(760億円)に掛けて、電力9社の(止まっている)原子力発電関係支出と見なします。
760億円 × (4527.3万kw/261.7万kw)≒ 1兆3148億円
4. ところで、電力9社の全支出合計は電気事業連合会の統計で2010年(福島原発事故前)、16,517,775百万円≒16兆5178億円です。
5. 従って、電力9社の全支出に占める、(止まっている)原子力発電関連支出のパーセンテージは、次のように推計されます。
(1兆3148億円 + 760億円)/16兆5178億円 ≒ 8.42%
こうして見ると、震災後、東京電力に認められた電気料金値上げ率、8.46%というのは、実に絶妙な値上げ率であったと言わざるを得ない気がします。値上げ率の算定方法は今回の推計試算とは全く関係ないものなのですが。
電力会社が故意に高く買い込んでいる燃料代による値上げ分、0.04%程度ということでしょうか (^_^;;
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【PAZ・UPZ・PPAとウクライナ基準】高浜原発(3)津市・大阪市/京都市・大津市
2013-01-14
原子力規制庁は、政府関係者が“幸運だった”(無神経な言葉使いですが)とした福島原発事故の汚染地域を参考に、7日間で100mSvという基準で図を描き、原子力防災対策地域を考えています。しかし、そうそういつも“幸運”というわけにも行かないでしょうし、また、国際的な原発業界の代理人ICRPでさえ、人工物からの許容放射線量は年間1mSvとしているわけで、もう少し考えてみる必要があるはずです。ということで、高浜原発について考えてみる3回目です。
日本の原子力規制庁の「7日間で100mSv」という基準に対し、ウクライナではチェルノブイリ事故による放射能汚染に対応して2種類の「移住ゾーン」が設定されました。移住が義務となる「移住義務ゾーン」(1.0μSv/h以上)と、権利として移住できる「移住権利ゾーン」(0.2μSv/h以上)です。
福島原発事故による我が国の汚染状況では、どのあたりが該当するのか、当ブログでは4回に渡って検討してみました(その1、その2、その3,番外編)。日本政府は何も言いませんが、ウクライナ基準であれば、日本でもかなり広範な地域が「移住ゾーン」に該当していることが解りました。
そのウクライナでも新生児に、“チェルノブイリ・ハート”と呼ばれる心臓の奇形を始めとして、脊柱側弯症・多指症・兎唇などの奇形が多く発生し、また、堕胎が増加していると言われています。日本より厳格なウクライナ基準でも、何かが起こっているようです。
高浜原発で福島級の事故が起きたら、この「移住ゾーン」はどうなるのでしょうか。福島事故汚染地域の図をこの地に重ねてみます。なお、図には日本の原子力防災対策地域の区割り、UPZ緊急時防護措置区域とPPA放射性ヨウ素防護地域も書き込んでみました(PAZ予防的防護措置区域も円だけは書き込んでいます)。我々は一体何を指針に避難行動を考えたら良いのでしょうか。いろいろと考える必要があると思わせてくれる図ではないかとブログ主は思っていますが、いかがでしょうか。

今回は前回より、汚染地域をもう少し時計回りに回してみました。津市・大阪市が移住権利ゾーンになり、京都市・大津市の中心部が移住義務ゾーンとなっています。
・ウクライナ基準による福島事故移住ゾーンの広がりは、文科省の放射線量等分布マップ拡大サイトで公開されているデータから作成しました。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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福井(高浜・大飯・美浜・敦賀・もんじゅ)
驚愕の放射性ヨウ素の拡散
2013-01-13
NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」が放送されました(1月12日午後9時00分~10時13分)。まずは画面をデジカメで撮ったものです。(凡例の位置は移動しています)
福島原発事故時、3月15日11:00の放射性ヨウ素131の拡散状況のシミュレーション画像です。ちょっと撮影に失敗してまして色が抜けてしまっていますが、関東地方すっぽりと汚染されています。
シミュレーションで描出された放射能雲、ゆらゆらと揺れて広がり、まるで線香の煙を見ているようです。問題は、それが放射性ヨウ素131だということです。
ゆらゆらと広がったり吹き流されたりしていますから、この図のような状態はそう長くない(といっても数時間は同じようなもの)ですが、この時間帯、屋外で大気を吸い込めば、一定の被爆は避けられません。上の写真は関東方面ですが、もちろん仙台・盛岡方向に“煙”がかかる時間帯もあります。いずれにせよ新たに掘り起こされたデータによるシミュレーションでは、今までのSPEEDIの予測図とは大幅に異なる状況が見て取れます。
さて、上は一時点のものですが、これに対し累積量としては次の図のようになります。テレビで示された図は福島近県のものでしたが、多少とも広い視点で見るとどうなるか考えたくて(のちのちの布石もあって・・・)、汚染域を撮影したものを独自に地図に重ねてみました。かえって小さく見えるようになっているかもしれません。また、もともとの図がそうだからですが、汚染域の北の方は切れています。

やっぱりかなり深刻です。放射性ヨウ素131の総排出量は20.6京ベクレルと推定されていました。チェルノブイリ事故の1/10相当だそうです。
番組内容は以前放送され、当ブログでも紹介した、NHK教育「ETV特集『ネットワークでつくる放射能汚染地図(5)埋もれた初期被ばくを追え』」のまんまなフォローアップでしたが、やはりシミュレーションの画像など見ていると強烈な印象を残す内容でした。再放送は、1月19日(土)午前1時30分~2時43分(18日深夜)とのことです。
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【PAZ・UPZ・PPAとウクライナ基準】高浜原発(2)名古屋市・浜松市/川西市
2013-01-12
原子力規制庁は、政府関係者が“幸運だった”(無神経な言葉使いですが)とした福島原発事故の汚染地域を参考に、7日間で100mSvという基準で図を描き、原子力防災対策地域を考えています。しかし、そうそういつも“幸運”というわけにも行かないでしょうし、また、国際的な原発業界の代理人ICRPでさえ、人工物からの許容放射線量は年間1mSvとしているわけで、もう少し考えてみる必要があるはずです。ということで、高浜原発について考えてみる2回目です。
日本の原子力規制庁の「7日間で100mSv」という基準に対し、ウクライナではチェルノブイリ事故による放射能汚染に対応して2種類の「移住ゾーン」が設定されました。移住が義務となる「移住義務ゾーン」(1.0μSv/h以上)と、権利として移住できる「移住権利ゾーン」(0.2μSv/h以上)です。
福島原発事故による我が国の汚染状況では、どのあたりが該当するのか、当ブログでは4回に渡って検討してみました(その1、その2、その3,番外編)。日本政府は何も言いませんが、ウクライナ基準であれば、日本でもかなり広範な地域が「移住ゾーン」に該当していることが解りました。
そのウクライナでも新生児に、“チェルノブイリ・ハート”と呼ばれる心臓の奇形を始めとして、脊柱側弯症・多指症・兎唇などの奇形が多く発生し、また、堕胎が増加していると言われています。日本より厳格なウクライナ基準でも、何かが起こっているようです。
高浜原発で福島級の事故が起きたら、この「移住ゾーン」はどうなるのでしょうか。福島事故汚染地域の図をこの地に重ねてみます。なお、図には日本の原子力防災対策地域の区割り、UPZ緊急時防護措置区域とPPA放射性ヨウ素防護地域も書き込んでみました(PAZ予防的防護措置区域も円だけは書き込んでいます)。我々は一体何を指針に避難行動を考えたら良いのでしょうか。いろいろと考える必要があると思わせてくれる図ではないかとブログ主は思っていますが、いかがでしょうか。

今回は汚染地域の“足”の一本が名古屋方面に向かう位置に、福島事故汚染地域図を重ねてみました。高浜原発は原発銀座の西端の原発ではありますが、名古屋市も浜松市も、こんな風向きなら、充分に移住権利ゾーンとなりそうです。一方、移住権利ゾーンは、川西市に達しています。
・ウクライナ基準による福島事故移住ゾーンの広がりは、文科省の放射線量等分布マップ拡大サイトで公開されているデータから作成しました。
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福井(高浜・大飯・美浜・敦賀・もんじゅ)
浜岡原発では、原発給付金辞退者5名
2013-01-11
原発の“地元”になると電力会社が届けに来る“鼻ぐすり金”(原発給付金)、浜岡原発では、5人が突き返しました・・・パチパチパチ。「原発給付金、県内初の辞退 浜岡周辺5契約者」(中日新聞HP 1月9日)
記事によると、「家庭や中小企業への一一年度の給付額は旧浜岡町が一契約者当たり年一万二千八百五十二円、旧御前崎町が同九千六百三十六円、旧相良、大東、小笠町が同六千四百二十円だった」とのことです。う~ん、漢字で書かれると読みにくいな~。旧浜岡町12,852円、旧御前崎町9,636円、旧相良・大東・小笠町6,420円、ということですね。そして総額が「(計算方式の違う)大口も含めた一一年度の給付実績は十六億五千七百五十七万円に上る」ということで、16億5,757万円だったとのことです。
玄海原発では37年間で813億円の国費が投入されたという話しもありましたが、いったい原発できると“地元”にはいくら金が落ちてくるのか・・・「核燃料再処理工場を誘致した六ヶ所村の村民所得は年1364万円 (SAPIO)」ってなことになるわけですね。
こりゃあ、やめられないわ、福井県西川一誠知事 ↓
「原発再稼働、方針明確に 福井県知事、経産相に要望」(47ニュース=共同通信 1月8日)
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国費投入813億円/玄海原発
2013-01-11
朝日新聞デジタルが、玄海原発に国から投入された交付金を集計し、記事としています。
(朝日新聞デジタルHP 2013年1月9日03時00分)
有料コンテンツですが、図はリンク先から見ることができます。
813億円÷37年≒22億円/年 ということで、平均すると毎年、国費22億円が投入されている計算になります。全国17ヶ所の原発を合計すると毎年いったいいくら、金をドブに捨てている(というか、爆発物に金をつぎ込んでいる)ことになるのでしょう。電力会社がやっている金儲け(電力事業)に、なんで国からこんな金がつぎ込まれなければならないのでしょうか?
それでもって玄海原発ならば、九電社員の平均年収833万円です。大企業(従業員1千人以上)の平均年収596万円の4割増しです。いったい国(特に経済産業省)は何考えているのか!!
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【PAZ・UPZ・PPAとウクライナ基準】高浜原発(1)福井市・金沢市・富山市/京都市
2013-01-10
原子力規制庁は、政府関係者が“幸運だった”(無神経な言葉使いですが)とした福島原発事故の汚染地域を参考に、7日間で100mSvという基準で図を描き、原子力防災対策地域を考えています。しかし、そうそういつも“幸運”というわけにも行かないでしょうし、また、国際的な原発業界の代理人ICRPでさえ、人工物からの許容放射線量は年間1mSvとしているわけで、もう少し考えてみる必要があるはずです。これまで福井原発銀座の東に位置する美浜原発を見てきましたが、今回からは西端の高浜原発について見てみることにします。
まずは高浜原発について原子力規制委員会の「拡散シミュレーションの試算結果 総点検版」を一応見ておきましょう。

(「拡散シミュレーションの試算結果(総点検版)」34頁)
7日間で100mSvということなら、97%の確率でこの範囲、というのが、原子力規制庁の計算です。この図をどう見るか・・・「残りの3%では100mSv/週という濃い汚染地域が京都市右京区に達する」と見るか、はたまた「50mSv/週程度の汚染なら、普通に京都市に達する」と見るか・・・どう見ても、京都市にとってかなり物騒な原発であることは間違いありません。
さて、チェルノブイリ事故による放射能汚染に対応してウクライナでは2種類の「移住ゾーン」が設定されました。移住が義務となる「移住義務ゾーン」(1.0μSv/h以上)と、権利として移住できる「移住権利ゾーン」(0.2μSv/h以上)です。
福島原発事故による我が国の汚染状況では、どのあたりが該当するのか、当ブログでは4回に渡って検討してみました(その1、その2、その3,番外編)。日本政府は何も言いませんが、ウクライナ基準であれば、日本でもかなり広範な地域が「移住ゾーン」に該当していることが解りました。
そのウクライナでも新生児に、“チェルノブイリ・ハート”と呼ばれる心臓の奇形を始めとして、脊柱側弯症・多指症・兎唇などの奇形が多く発生し、また、堕胎が増加していると言われています。日本より厳格なウクライナ基準でも、何かが起こっているようです。
高浜原発で福島級の事故が起きたら、この「移住ゾーン」はどうなるのでしょうか。福島事故汚染地域の図をこの地に重ねてみます。なお、図には日本の原子力防災対策地域の区割り、UPZ緊急時防護措置区域とPPA放射性ヨウ素防護地域も書き込んでみました(PAZ予防的防護措置区域も円だけは書き込んでいます)。我々は一体何を指針に避難行動を考えたら良いのでしょうか。いろいろと考える必要があると思わせてくれる図ではないかとブログ主は思っていますが、いかがでしょうか。

まずは「お約束」で、汚染地域の“足”の一本が当原発の県庁所在地、福井市へ向かう位置に、福島事故汚染地域図を重ねてみました。高浜原発は原発銀座の西端の原発ではありますが、福井市はおろか、金沢市・富山市も移住権利ゾーンとなっています。そして京都市、ほぼ全域が移住義務ゾーンとなっています。
・ウクライナ基準による福島事故移住ゾーンの広がりは、文科省の放射線量等分布マップ拡大サイトで公開されているデータから作成しました。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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福井(高浜・大飯・美浜・敦賀・もんじゅ)
北九州市もネット監視!! 資源エネルギー庁も!!
2013-01-09
ネット言論の監視を行なっているのは佐賀県だけではないようで・・・
(朝日新聞1月6日西部本社版朝刊)
朝日新聞の企画記事「ビリオメディア」の1コーナーということになりますが、北九州市、そして記事を読んでいくと経産省資源エネルギー庁も、ネット監視を行なっているとのことです。
「(北九州)市は7月以降、約1200万円の予算で民間業者に委託してツイッターなどの投稿を集計」しているそうです。この予算を使った結果、どのような情報が得られ、それをどの様に使ったか、私が北九州市民なら、情報公開請求したいところです。市の業務なのですから、それがちゃんと市民サービスに結びついているのか、市は説明責任を負っています。ツイッター投稿を収集して何を得、市は何をしたのか、それは1200万円に見合うものだったのか、市議会だって追求すべきです。
そして記事の終わりの方、「経済産業省資源エネルギー庁も11年8月~12年2月、ツイッターなどの投稿を収集」していたとのことです。「『風評被害』を把握し、『正確な情報』を発信するため」と説明されているようですが、資源エネルギー庁がどのような風評被害をネット上で把握し、どう「『正確な情報』を発信」したのか、これは国会議員に追求してもらいたいものです。
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【PAZ・UPZ・PPAとウクライナ基準】美浜原発(10)そして岡山市・高松市へ
2013-01-08
原子力規制庁は、政府関係者が“幸運だった”(無神経な言葉使いですが)とした福島原発事故の汚染地域を参考に、7日間で100mSvという基準で図を描き、原子力防災対策地域を考えています。しかし、そうそういつも“幸運”というわけにも行かないでしょうし、また、国際的な原発業界の代理人ICRPでさえ、人工物からの許容放射線量は年間1mSvとしているわけで、もう少し考えてみる必要があるはずです。ということで、美浜原発について考えてみる10回目です。
日本の原子力規制庁の「7日間で100mSv」という基準に対し、ウクライナではチェルノブイリ事故による放射能汚染に対応して2種類の「移住ゾーン」が設定されました。移住が義務となる「移住義務ゾーン」(1.0μSv/h以上)と、権利として移住できる「移住権利ゾーン」(0.2μSv/h以上)です。
福島原発事故による我が国の汚染状況では、どのあたりが該当するのか、当ブログでは4回に渡って検討してみました(その1、その2、その3,番外編)。日本政府は何も言いませんが、ウクライナ基準であれば、日本でもかなり広範な地域が「移住ゾーン」に該当していることが解りました。
そのウクライナでも新生児に、“チェルノブイリ・ハート”と呼ばれる心臓の奇形を始めとして、脊柱側弯症・多指症・兎唇などの奇形が多く発生し、また、堕胎が増加していると言われています。日本より厳格なウクライナ基準でも、何かが起こっているようです。
美浜原発で福島級の事故が起きたら、この「移住ゾーン」はどうなるのでしょうか。福島事故汚染地域の図をこの地に重ねてみます。なお、図には日本の原子力防災対策地域の区割り、UPZ緊急時防護措置区域とPPA放射性ヨウ素防護地域も書き込んでみました(PAZ予防的防護措置区域も円だけは書き込んでいます)。我々は一体何を指針に避難行動を考えたら良いのでしょうか。いろいろと考える必要があると思わせてくれる図ではないかとブログ主は思っていますが、いかがでしょうか。

これまで見てきたように、結構遠くまで美浜原発事故の影響が届く可能性がありそうです。今回の図は、前回の図からさらに汚染地域を回転させてみたものです。岡山市も、移住権利ゾーンとなる可能性があるようです。もう作成しませんが、事故で放出される放射性物質の量と気象条件次第では、高松市もまた、移住権利ゾーンとなる可能性がないわけではないでしょう。距離的にたいして変わりません。
・ウクライナ基準による福島事故移住ゾーンの広がりは、文科省の放射線量等分布マップ拡大サイトで公開されているデータから作成しました。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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福井(高浜・大飯・美浜・敦賀・もんじゅ)
研究者を手なずける電力業界・・・大学へ寄付金17億円
2013-01-07
安倍内閣は原子力規制委員会、すなわち“専門家まかせ”という形式で、原発の再稼働の道筋をつけようとしています。しかしこの専門家たるや・・・
(西日本新聞1月4日←共同通信)
事実上、電力会社の子飼い連中、ということになるでしょう。
以前、御用学者「出光一哉」について書いた時にも、アゴアシ付き(交通費・食事代タダ)で学生たちを原発見学に連れて行く、金回りの良い原子力工学(今は別の名前「エネルギー量子工学」に偽装しているようですが)の姿の一端が現れていましたが、まあ、こんな金がそこらじゅうに転がっているということでしょう。
だいたい電力会社、余った金があるなら利用者に還元すべきじゃないのでしょうか。地域独占を認められた半公共団体なのですから。勝手に政治家や、わけの分からない施設や、学生をタダで原発見学に連れて行く学者、そして役員報酬などに回してよいものでしょうか。
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【PAZ・UPZ・PPAとウクライナ基準】美浜原発(9)大阪湾岸から徳島市へ
2013-01-06
原子力規制庁は、政府関係者が“幸運だった”(無神経な言葉使いですが)とした福島原発事故の汚染地域を参考に、7日間で100mSvという基準で図を描き、原子力防災対策地域を考えています。しかし、そうそういつも“幸運”というわけにも行かないでしょうし、また、国際的な原発業界の代理人ICRPでさえ、人工物からの許容放射線量は年間1mSvとしているわけで、もう少し考えてみる必要があるはずです。ということで、美浜原発について考えてみる9回目です。
日本の原子力規制庁の「7日間で100mSv」という基準に対し、ウクライナではチェルノブイリ事故による放射能汚染に対応して2種類の「移住ゾーン」が設定されました。移住が義務となる「移住義務ゾーン」(1.0μSv/h以上)と、権利として移住できる「移住権利ゾーン」(0.2μSv/h以上)です。
福島原発事故による我が国の汚染状況では、どのあたりが該当するのか、当ブログでは4回に渡って検討してみました(その1、その2、その3,番外編)。日本政府は何も言いませんが、ウクライナ基準であれば、日本でもかなり広範な地域が「移住ゾーン」に該当していることが解りました。
そのウクライナでも新生児に、“チェルノブイリ・ハート”と呼ばれる心臓の奇形を始めとして、脊柱側弯症・多指症・兎唇などの奇形が多く発生し、また、堕胎が増加していると言われています。日本より厳格なウクライナ基準でも、何かが起こっているようです。
美浜原発で福島級の事故が起きたら、この「移住ゾーン」はどうなるのでしょうか。福島事故汚染地域の図をこの地に重ねてみます。なお、図には日本の原子力防災対策地域の区割り、UPZ緊急時防護措置区域とPPA放射性ヨウ素防護地域も書き込んでみました(PAZ予防的防護措置区域も円だけは書き込んでいます)。我々は一体何を指針に避難行動を考えたら良いのでしょうか。いろいろと考える必要があると思わせてくれる図ではないかとブログ主は思っていますが、いかがでしょうか。

前回、「大阪湾岸一帯、神戸も含めて移住権利ゾーンとなる可能性がある」と書きました。しかし前回の図では、徳島市はなんとか移住権利ゾーンとなることを免れているように見えます。美浜原発事故は“対岸の火事”で済みそうです。まあ、大阪湾の汚染によって漁業が被害を被るとしても、ですが。でもちょっと前回の図の汚染地域を裏返して、汚染域の広がりの「足」の部分、別の方が迫るようにしてみましょう。事故で放出される放射性物質の量と気象条件次第ですが、徳島市も移住権利ゾーンとなる可能性がないわけではなさそうです。
・ウクライナ基準による福島事故移住ゾーンの広がりは、文科省の放射線量等分布マップ拡大サイトで公開されているデータから作成しました。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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福井(高浜・大飯・美浜・敦賀・もんじゅ)
仕事始めは、朝日と毎日
2013-01-05
昨日、1月4日は「仕事始め」、ということで、メディアも活動開始です(取材は、これより先に行なわれていますが)。気合いを見せてくれたのが朝日と毎日でした。「『手抜き除染』横行 回収した土、川に投棄」(朝日新聞HP 1月4日)
「除染」「除染」と言いながら、実際に作業員が行なっていたことは、放射性汚染物質を掃き散らかす事だった、という実態、朝日新聞取材班の撮った証拠写真付きで、スクープです。それも複数ヶ所でしっかり取材しています。
これには除染依頼主の環境省も対応せざるを得ない模様です。
「除染作業で請負業者が不法投棄か 環境省が実態調査へ」(47ニュース←共同通信 1月4日)
一方、福島事故当時の、東電の作業員に関する被曝管理のいい加減さを掘り起こしたのが毎日新聞。
「作業員、手足被ばく測定せず 事故後2〜3カ月、東電『胸部で線量管理』」(毎日新聞 1月4日朝刊)
この記事によると、元東電社員らの証言により、福島事故当時、作業員の放射線被曝管理は胸部の測定器のみで行なわれていたことが明らかになったとのこと。当時の作業員の談話として「足元には直接測ると100ミリシーベルト超のがれきもあった」中、「水たまりに何度か足を突っ込んだ」が、測定は胸部のみだったといった話しが紹介されています。「事故から2〜3カ月後には(手・足の被曝を測定する)リングバッジが行き渡ったが、元東電社員の男性は『そんなに(手足の被ばくが多い)危ない作業をしていたのか』と同僚と心配しあった」とのことです。
東電は当然、“被曝管理は適切だった”と強弁していますが、それに対する専門家の談話も掲載されています。
「手足被ばく:適切対処、信じがたい…専門家、東電を批判」(毎日新聞 1月4日)
どちらの話しにしても、要は、一旦ばら撒かれてしまった放射性物質は手に負えない、ということを示しています。
そして埼玉県三郷市の放射線量は大丈夫か?とか、茨城県取手市の市立小中学校の学校検診では心電図異常が急増とか、いろいろ薄気味悪い事態は、現在も拡散進行中です。
こんな中、「原子力の再稼働に全力を尽くそう」などと言っている関電・九電、自分たちの金欲だけのために、いったいどれだけの人々を危険に曝すつもりなのか!!
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【PAZ・UPZ・PPAとウクライナ基準】美浜原発(8)大阪湾・神戸
2013-01-04
原子力規制庁は、政府関係者が“幸運だった”(無神経な言葉使いですが)とした福島原発事故の汚染地域を参考に、7日間で100mSvという基準で図を描き、原子力防災対策地域を考えています。しかし、そうそういつも“幸運”というわけにも行かないでしょうし、また、国際的な原発業界の代理人ICRPでさえ、人工物からの許容放射線量は年間1mSvとしているわけで、もう少し考えてみる必要があるはずです。ということで、美浜原発について考えてみる8回目です。
日本の原子力規制庁の「7日間で100mSv」という基準に対し、ウクライナではチェルノブイリ事故による放射能汚染に対応して2種類の「移住ゾーン」が設定されました。移住が義務となる「移住義務ゾーン」(1.0μSv/h以上)と、権利として移住できる「移住権利ゾーン」(0.2μSv/h以上)です。
福島原発事故による我が国の汚染状況では、どのあたりが該当するのか、当ブログでは4回に渡って検討してみました(その1、その2、その3,番外編)。日本政府は何も言いませんが、ウクライナ基準であれば、日本でもかなり広範な地域が「移住ゾーン」に該当していることが解りました。
そのウクライナでも新生児に、“チェルノブイリ・ハート”と呼ばれる心臓の奇形を始めとして、脊柱側弯症・多指症・兎唇などの奇形が多く発生し、また、堕胎が増加していると言われています。日本より厳格なウクライナ基準でも、何かが起こっているようです。
美浜原発で福島級の事故が起きたら、この「移住ゾーン」はどうなるのでしょうか。福島事故汚染地域の図をこの地に重ねてみます。なお、図には日本の原子力防災対策地域の区割り、UPZ緊急時防護措置区域とPPA放射性ヨウ素防護地域も書き込んでみました(PAZ予防的防護措置区域も円だけは書き込んでいます)。我々は一体何を指針に避難行動を考えたら良いのでしょうか。いろいろと考える必要があると思わせてくれる図ではないかとブログ主は思っていますが、いかがでしょうか。

前回、「要するに関西全域が移住権利ゾーンとなる可能性がある」と書きましたが、神戸市は汚染地域の外でした。今回の図は、そこで、もう少し汚染地域を回しこんでみたものです。大阪湾岸一帯、神戸も含めて移住権利ゾーンとなる可能性があるようです。
・ウクライナ基準による福島事故移住ゾーンの広がりは、文科省の放射線量等分布マップ拡大サイトで公開されているデータから作成しました。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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福井(高浜・大飯・美浜・敦賀・もんじゅ)