目先の利益しか見ない愚か者たち--産業競争力会議
2013-03-31
政府の産業競争力会議では、発送電自由化よりも原発再稼動が、産業競争力強化策として提言されるようです。
(朝日新聞3月30日東京本社版朝刊)
しかし既にバレバレとなっているように、原子力が経済的に見えるのは、国・経産省の原子力振興政策として採用された、特異な会計方式によって採算性が粉飾されているからに過ぎません。
もちろん現在の電気料金は、原子力発電と火力発電への二重払い状態ですから、この重荷をなんとかしたいと、産業競争力会議が考えるのは、当然のことではあります。この際、原子力発電終息への道筋がついておらず、原子力発電設備・人員維持への支払いが止められない以上、火力発電をやめ原子力に頼るしかない、と、そういう議論になったのでしょう(好意的に解釈すれば・・・原子力業界の私利私欲に振り回されたのでなければ)。
しかし、もともと採算がとれていないもので経済が救済されると考えるのは、あまりに馬鹿げています。不採算部分、(帳簿上じゃない)現実の赤字は、どこかに「飛ばされて」、蓄積しているのです。実際、福島事故での補償金支払いは滞り、どうにも処理しようのない核廃棄物も山積しています。また、将来の事故に備えた保険・積立金の話しなど、全然なされていません。
ここに目をつぶり、目先の経済性を優先するのは、本来、経営者として極めて問題のある態度と言うことになります。隠れた負債をきちんと察知し、手当てを行なっておくことこそ、本来の経営者の役割です。隠れた負債「飛ばし」を増大させていくのは、経営者として失格、というか、背任です。
この馬鹿げた提言、アベノミクスの三本めの矢とやら、三流経済政策の馬脚があまりにも露です。
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【放射性ヨウ素131の拡散】伊方原発だったら(10)
2013-03-30
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は、3月5日に電気料金値上げの審査が始まった四国電力の伊方原発です。四国電力は今後、3年間をかけて、安全対策としてこの原発に電気料金のうちから730億円を投入する予定です。一方、再稼働は安全対策完成よりはるかに前、今年7月を目指しています。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
今回の図では、10万Bq/m^3hr以上の汚染地域、高知県を横断して太平洋まで達することがあるのか、という点を見てみました。ぎりぎりのようです。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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愛媛県伊方原発
まだまだ、途絶えることなき官邸前デモの人の波
2013-03-29
春風に誘われて、ちょっと行って来ました官邸前・・・いや実際は、昼までは暖かかったのですが、夕刻からは寒かった~。でも、ちゃんといるじゃないですか、人。メディアではもはや人が集まらないようなこと言っていますが、結構いるいる。


まあ本日は国会前抗議をやめて、官邸前に集中したということですので、人間の数が少ないことは確かなのでしょうが、それでもいるいる。
本日はスピーチ希望者が多かったそうで、1人1分と制限されていましたが、喋り出せばなかなか止まらないのもよくある話で、思いの丈を皆さん、語っておられました。スピーカーの中には共産党の志位委員長もいました。
これから本格的に気候も良くなってくるでしょう。どうですか皆さん、ふらりと抗議行動に参加してみませんか!!
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このごろの九州電力
2013-03-28
一昨年6月には“やらせメール問題”で大顰蹙を買った九州電力、8年前にも社員を動員して国の公聴会をねじ曲げていたことを公表しました。「九電 過去の公聴会で社員らを動員」(NHKホームページ 3月28日)
なんでも「平成17年8月に佐賀市で開かれた、国の『原子力政策大綱』についての住民の意見を聴く公聴会で、九州電力が社員や関連会社に参加を呼びかけていた・・・略・・・この公聴会の募集人員は200人でしたが、その7割に当たる150人に参加が呼びかけられ・・・略・・・公聴会で発言した21人のうち、半数に当たる10人が九州電力の社員、1人が元社員で、いずれも『原子力は必要』という趣旨の発言をしていた・・・略。」そうです。
やらせメールは、九州電力にとって“あたりまえのこと”をしただけだったのでしょう。どうしょうもない体質の組織です。福島原発事故で原子力を巡る環境が激変しているのについていけず、相変わらずの九電をやってしまったわけです。
この九州電力、電気料金の値上げは6.2%とすると、茂木経産相が決定したそうです。
「九電値上げ6.2%に圧縮、月額220円」(47ニュースHP←佐賀新聞 3月28日)
しかし九州電力、「経営が苦しい、苦しい」と言いながら、あらかじめ報道されているところでは、高額役員報酬、やめるつもりはなさそうです。

(朝日新聞3月26日西部本社版朝刊)
相変わらずの九電です。
ところで新聞紙の中のこのちっちゃな記事 ↓ (ピンクのところ・・・こんな段組って、ありなんだ)

拡大 ↓

(朝日新聞3月22日西部本社版朝刊)
九州電力苓北火力発電所の停止を報道するものです。ボイラーから蒸気が漏れたそうです。復旧には1週間以上かかるそうです。石炭火力でさえ、すぐに事故る・・・
相変わらずの九電です。
そしてまた ↓

(西日本新聞HP 3月26日 スクリーンショット切り出し)
変電所で配線ショートして火災です。そう言えば、送電線大爆発なんてこともありました。そもそもまともな技術力持っていないんじゃないか?
相変わらずの九電です。
そう言えば、玄海原発3号機では“よく起きている冷却水漏れがあった”と発表したものの放射能漏洩が発覚、“最大規模の冷却水漏れ”へと表現変更、で、結局、事態は深刻で“ポンプの主軸が折れていた”なんてこともありました。技術力・誠実さの両方がなく、役員も社員も金を貪るだけ貪るというのが、「相変わらずの九電」、原子力企業・九電の真骨頂ということになるでしょう。
こんな九州電力の原発再稼働、激しく、してもらいたくないぞ。
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【放射性ヨウ素131の拡散】伊方原発だったら(9)愛媛県・高知市
2013-03-27
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は、3月5日に電気料金値上げの審査が始まった四国電力の伊方原発です。四国電力は今後、3年間をかけて、安全対策としてこの原発に電気料金のうちから730億円を投入する予定です。一方、再稼働は安全対策完成よりはるかに前、今年7月を目指しています。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
今回の図では、愛媛県のほぼ全域、そして高知市などが1万Bq/m^3hr以上汚染される地域となっています。愛媛県の伊方原発に近い場所ではもちろん、10万Bq/m^3hr以上、100万Bq/m^3hr以上、1000万Bq/m^3hr以上汚染される地域が発生しています。
と、ここしばらく伊方原発をやっていたら、本日、次のような新聞記事が出ていました。

(朝日新聞3月27日西部本社版朝刊)
伊方原発の沖、別府湾に、長さ26~43キロの3つの断層帯だそうです。マグニチュード7と予想されているようですが、これもまた伊方原発の不安材料ということになります。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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愛媛県伊方原発
国の福島原発事故処理スキームが破綻している件について
2013-03-26
家からだけ放射性物質を取り除いても地域が汚染されたままでは帰還もできず、意味はないのではないかなどと陰口の叩かれている「除染」、とんでもない費用がかかります。「原発事故除染費用10兆円と試算 環境放射能除染学会」(47ニュースHP 3月12日)
2013年度の日本の国家予算(一般会計)が92兆6115億円ですから、その10.8%ほどになります。どうやってこんな金、捻出するのでしょう?
「東電、除染費105億円未払い 環境省請求に」(47ニュースHP 3月22日)
「未払い」という言葉はちょっと語弊があります。「未だ」ではなくて、そもそも東京電力は金出す気がないそうです。記事中の言葉によれば「東電は『特措法に基づく請求かどうか判断できない』として、今のところ支払う意思を示していない」とあります。
その東京電力を救済するための原子力損害賠償支援機構への負担金、電力各社は値切りに値切りました。
「原発事故賠償負担金1008億円 12年度、電力各社」(47ニュースHP 3月21日)
本来なら1630億円だったところ、1008億円のみ支払いです。もっとも、「電力側と13年度以降は1630億円とすることでも合意した」とも書いてあります。これ、裏約束として2013年度以降の原発再稼働が保証されていたりしないでしょうね。
さてしかし、除染するも何も、そもそも放射性物質のダダ漏れ状態、依然として継続中という話もあります。
「セシウム17兆ベクレル流出か 原発港湾内濃度から試算」(47ニュースHP 3月23日)
地下水を通じた海への放出ですが、このとんでもない膨大な流出、原子炉からの放射性物質拡散が全然止まっていない可能性が考えられます(と、いうか、普通、そう考える)。
福島原発事故の後始末に、どこから金持ってきて何をするのか、予想されていたように、国の計画はボロボロです。終わってます。(いや、これじゃいつまで経っても終わらないんですけど・・・)
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【放射性ヨウ素131の拡散】伊方原発だったら(8)徳島県
2013-03-25
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は、3月5日に電気料金値上げの審査が始まった四国電力の伊方原発です。四国電力は今後、3年間をかけて、安全対策としてこの原発に電気料金のうちから730億円を投入する予定です。一方、再稼働は安全対策完成よりはるかに前、今年7月を目指しています。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
今回の図では、徳島県・吉野川の上流部が1万Bq/m^3hr以上汚染される地域となっています。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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愛媛県伊方原発
やっぱり電気料金値上げは、原発維持費のせいだった!!
2013-03-24
当ブログでは、原発停止による電気料金値上げは、燃料代増加のせいではなく、止まっている原発維持費のせいだと、議論して来ました → 「原発止めると、なぜ上がる? 電気料金 その2」 (こちらが→その1)。行なってみた試算では、9電力平均で、原発維持費を電気料金に転嫁すると、8.42%の値上げにあたるという結果でした。
さて、本日の朝日新聞記事です。

(朝日新聞3月24日西部本社版朝刊にマーカー着色)
朝日新聞の集計によると(記事中の表)、9電力売上高に占める原子力発電費の比率は6.1%とのことです。当ブログ試算からは2.3ポイントほどずれましたが、まあ、一般管理経費等、可能なものは帳簿上で原発関連から外され、できるだけ原子力発電費が低く見えるよう操作されていることを考えれば、当ブログ試算は妥当な数字であったのではないでしょうか。
これに対して燃料費の増加、マーカーで着色した部分、2012年4月~12月で1兆1千億円増だそうです。これをこの期間の売上高(記事表中の数字)12兆8574億円で割ると、8.56%となります。
つまり、昨今電力会社に認められている8%程度の値上げは、原発維持費、燃料費増加分のどちらかぶんであって、両方ぶんではない、ということになります。片方分は企業努力で吸収されているということになります。というか、電力会社に、今まで貪っていた暴利を吐き出させれば、片方ぶん程度は出てくる、ということです。
で結局、電気料金の値上げとは何なのか。実際に電気を生み出している燃料費と、無駄に金を食っている原発維持費のどちらがエクストラなのか、と考えてみれば、やっぱりこの値上げ、原発維持費を払わされていると考えざるをえないでしょう。上掲新聞記事の小見出しにもあります「電気料金へ上乗せ」と。原発維持費こそ、電気料金値上げの本質です。
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【放射性ヨウ素131の拡散】伊方原発だったら(7)香川県
2013-03-23
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は、3月5日に電気料金値上げの審査が始まった四国電力の伊方原発です。四国電力は今後、3年間をかけて、安全対策としてこの原発に電気料金のうちから730億円を投入する予定です。一方、再稼働は安全対策完成よりはるかに前、今年7月を目指しています。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
今回の図では、1万Bq/m^3hr以上汚染される地域が高松市の一部を含む香川県に到達しています。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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愛媛県伊方原発
プルトニウムをどうするんだ、電力&経産省!!
2013-03-22
西日本新聞(たぶん共同通信からの配信記事)は、2013年度生産予定のプルトニウムの使用計画を、電気事業連合会(電事連)が作成できなかったと伝えています。
(西日本新聞3月22日朝刊)
核兵器原料となるプルトニウム、作ったならば、使い切ることが国際的に要請されています。ところが電事連は使う算段をつけることが出来なかったのです。にもかかわらず再処理は実施予定です。まあ、19回もトラブルを繰り返した六ケ所村での使用済み核燃料再処理、記事中で言うように「本格運転開始が現実味を帯びている」かどうかは、まだ眉唾だと思いますが、いずれにせよ、プルトニウムの使い道もないのに、プルトニウムを生産する使用済み核燃料再処理を開始しようとするのは問題でしょう。
さてそこで、プルトニウム使用計画が立てば、それならば再処理して良いかというと、これがまたとんでもない話しです。安全性その他の問題は別にしても、そんなことされたら電気料金が上がります。

(佐賀新聞HP 12月20日)
もともとプルトニウムは、高速増殖炉で使用することが前提だったはずで、それがままならないからと言ってMOX燃料として使ったりしたら、燃料価格として通常核燃料の2倍、さらに原子炉に施さなければならない改修費用などもありますから、全く経済的に引き合いません。
こんなことをしておいて、「電気料金を上げさせて下さい」とは、あまりにもバカバカしい話しです、電力会社。
それでも電力会社はなぜ再処理にこだわるのか、上の西日本新聞の記事では、「たまり続ける使用済み燃料を減らし、原発の運転を続けられるようにしたいから」と記してありますが、それは理由の一部分に過ぎません。
経産省の規定で「資産」扱いされる核燃料を使えば、普通の燃料を使うよりも4倍以上、儲かるからです → 「自己資本なら儲け6.28%、でなきゃ1.49%、だから原発!!」。
そして、核燃料サイクル(を行なうのだという架空の想定)が止まると、この利権が失われ、原発関連施設が巨大な負債となり、電力会社の存続も危ういからです。
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【放射性ヨウ素131の拡散】伊方原発だったら(6)広島市
2013-03-21
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は、3月5日に電気料金値上げの審査が始まった四国電力の伊方原発です。四国電力は今後、3年間をかけて、安全対策としてこの原発に電気料金のうちから730億円を投入する予定です。一方、再稼働は安全対策完成よりはるかに前、今年7月を目指しています。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
今回の図では、広島市・岩国市、そして広島県南部が1万Bq/m^3hr以上汚染される地域となっています。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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愛媛県伊方原発
原発維持には最低11兆円、さらに毎年4000億円づつ加算必要
2013-03-20
東京新聞の試算によると、今後、原発維持に必要とされる積立金、11兆3889億円、これとは別に「規制機関の人件費や原発の保険料など」毎年必要になる経費4000億円とのことです。「原発維持に最低11兆円 別途支出 年4000億円超」(東京新聞HP 3月19日、ミラー)
なお、廃炉費用は含まれず、です。しかも「原子力規制委員会が策定する新しい規制基準に対応するため、全体の費用はまだ膨らむ可能性が高い」そうです。

(上掲記事よりスクリーンショット切り出し)
この記事、しかし最後の部分はどうなるかな、というところがあります。
「また、電力各社は原発ごとに最大千二百億円が支払われる損害賠償保険に加入しているが、東京電力福島第一原発事故の賠償額が兆円単位になることを考えれば、現行額では全く足りない。保険料総額は各社合わせて二十八億円だが、はね上がるのは間違いない。」(上掲記事)
最大1200億円という損害賠償保険額は、原子力賠償法の規定で決まっている額ですから、安倍政権が法律改定しなければ、そのままです。はね上がりません。いわば「無保険運転」ということになりますが、無責任に原発再稼働を図る安倍政権なら、やりかねません。
ま、これは安く済む話ですが(そのぶん恐ろしい話ですが)、上の見積りよりも相当高く付きそうなのが、使用済み核燃料の再処理、処分関係。
六ヶ所村の使用済み核燃料再処理工場、失敗を重ねること19回。未だに、まともに稼働する目算も立たない状態。にもかかわらず、赤字倒産を避けるためだけのために無駄な試験運転を敢行。それをもって、積立金喰い尽くし中。表中「再処理など核燃料サイクル関連の積立金」とある6兆4407億円なんて、まったく無意味な数字です。実際はこの何倍、あるいは何十倍になることか・・・。もちろん、1985年の着工以来、1兆円以上をつぎ込むも、まともに稼働できていない(されたらかないませんが・・・)「もんじゅ」(ちなみに、昨日また不始末発覚)もこの関連でしょう。
そしてやはりいくらになるのか見当がつかないのが「核のごみの最終処分の積立金」。なんせ最初にやらなければならない処分地探しを担当しているのは原子力発電環境整備機構(NUMO)。ここ、いくら金をつぎ込んでも何の仕事もしません。なんせ487億円かけて、パンフレット刷って配って、自治体担当者と茶飲み話してきただけ。実質的成果は何もなしです。経産官僚の天下り先としてだけの存在です。こんなものが金を食っていきます。
いやはや、「東電だけでも10兆円」と前に書きましたが、ここで別に11兆円です。政府試算では、TPPのすべての効果あわせて年額3.2兆円です。最低20年分は原発関連で軽~くふっとんで行きます。しかも3.2兆円のほとんどは“勝ち組”のフトコロへと消えるわけですから、それで原発関連費用を支払うというわけにもいきません。どこから金を集めることになるのでしょうか。
“燃料費が高くつくので電気料金値上げ”ですか・・・ご冗談でしょ、安倍首相。
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原子力の檻の中
2013-03-20
原子力には金がかかる。その金、どこから取るのか。はっきりしているのは、発送電分離などしたら、人々は逃げてしまって原発の尻拭い費用など出さなくなるということです。ならば、とばかり・・・

(朝日新聞3月20日西部本社版朝刊)
当然の展開といえばあまりにも当然なのですが、自民党経済産業部会その他合同部会、発送電分離の骨抜き工作です。電力の購入先を自由に選ぶことが出来ないよう、電力自由化阻止です。
これはもう原子力の檻です。国民が逃げ出さないよう、送電網という金網の中へ、監禁です。
自民党に政権を取らせておけば、我々は檻の中です。
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【放射性ヨウ素131の拡散】伊方原発だったら(5)山口県
2013-03-19
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は、3月5日に電気料金値上げの審査が始まった四国電力の伊方原発です。四国電力は今後、3年間をかけて、安全対策としてこの原発に電気料金のうちから730億円を投入する予定です。一方、再稼働は安全対策完成よりはるかに前、今年7月を目指しています。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
今回の図では、山口県の大部分が1万Bq/m^3hr以上汚染される地域となっています。また周南市などでは10万Bq/m^3hr以上汚染される地域が発生しています。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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愛媛県伊方原発
メルトダウンの危機、再び!!
2013-03-19
福島第一原発での停電が依然として続いています。「原発停電は配電盤の不具合原因か 冷却復旧のめど立たず」(47ニュース=共同通信3月19日12:49)
テレビなどもこの事故を伝えていますが、まだまだのんびりしたムードです。まあ、東電の発表では温度上昇のペースから、危険域到達までに4日間の猶予があるということなので、切迫感はないのかもしれません。
しかしそれにしても水冷式の核燃料貯蔵プールの危険姓は際立っています。電気と水が確保でき、常に冷却装置を動かしていない限り、貯蔵された核燃料は過熱しメルトダウンするのですから。
この危険性を解消すべく原子力規制委員会・田中俊一・委員長から出された要請を、国と電力はきちんと履行すべきです。
「使用済み核燃料、空冷式金属容器での保管要請へ」(読売新聞2012年10月10日)
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玄海原発・川内原発の安全対策は不十分/NHK特報フロンティア
2013-03-18
NHKの九州ローカル番組「特報フロンティア」、九州の原発の安全対策を取り上げています。
(NHK福岡3月15日19:30~19:55・再放送17日7:45~8:10)
番組中で言わずと知れた原発推進派、澤昭裕のコメントが紹介されます。まずはNHKのナレーションです
NHK「『九州電力の対策は充分ではない』、経済産業省の元官僚でエネルギー政策に詳しい澤紹裕さんです。原発の再開を支持していますが、今の九州電力の取り組みでは世間の理解を得られないと指摘しています。」
そして澤昭裕へのインタビューを字幕付きで紹介していきます
「国の安全基準は単に必要条件で、原子力事業をやっていくときに
最低限守らないといけない安全基準
そういう認識でさらに安全を確保するには それぞれのサイト(原発)ごとに工夫をして
九州電力なりの基準で こういう安全対策をやっていきますと
各社が各サイト(原発)ごとに決めていく 安全対策が非常に重要で
そこで事業者によって工夫が行われる 競争が行われてる世界でないと-
原子力の本質的な安全は担保されない」
そりゃあ、各社が競って安全対策競争をしたほうが、しないよりも安全性が高まりはするでしょうが、だからといって「安全性が担保」されたとまで言って良いというわけではないと思いますが・・・
いや、それはともかく、このあと紹介される“脱原発を主張”(番組テロップ)する吉岡斉九大副学長のコメントが「安全対策不十分」なのは当然なのですが、原発推進派の方の澤昭裕からも不十分と言われるとは、九州電力の安全対策とは何なのか。
原発再稼働などされた日にはたまったものではありません。
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【放射性ヨウ素131の拡散】伊方原発だったら(4)北九州市・門司市
2013-03-17
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は、3月5日に電気料金値上げの審査が始まった四国電力の伊方原発です。四国電力は今後、3年間をかけて、安全対策としてこの原発に電気料金のうちから730億円を投入する予定です。一方、再稼働は安全対策完成よりはるかに前、今年7月を目指しています。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
今回の図では、北九州市・門司市の大部分が1万Bq/m^3hr以上汚染される地域となっています。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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愛媛県伊方原発
東電だけで10兆円、TPP試算3年ぶん
2013-03-16
TPPによるわが国の経済的利益は年3.2兆円とか。怪しい政府試算ですが、さて、このうち、電気料金への支払いはいかほどで、税金の増収はどれくらいになるのでしょうか。
(朝日新聞3月12日西部本社版朝刊)
東電の「賠償や除染の費用が『10兆円を超える』」そうです。この費用、どうやって賄うのでしょうか。今や政府が筆頭株主ですから、すべての算段は政府が付けなければならないことになりますが、こんな費用、どこから捻出するつもりなのでしょう。
“原発を動かせば利益が入る”という前提で東電の再建計画は立てられていますが、まず、東電のどの原発が動かせるのか?? 中越沖地震でガタの来ている柏崎刈羽?? それとも地元意向無視して福島第二?? さらには福島第一5・6号機?? そしてたとえ動かした所で、処分の必要な使用済み核燃料の処分費用は用意できていない・・・赤字があとからやってくる、のです。
もともと、原子力発電は、真面目に事故保険をかけたら元が取れない赤字の発電方式ですから、(さらに言えば、保険の話を別にしても、怪しげな経理操作をする前のストレートな原価で既に他の発電方式と比べて割高ですから)、原発が救世主になるということはありえないのです。
このあたりどう破綻処理するのか、経産官僚、自分の退職・天下りまでの問題先送りではなく、ちゃんと仕事しろ、です。
で、もっと緊急に破綻処理しなければならないのが、こっち ↓。


(朝日新聞3月9日西部本社版朝刊/朝日新聞3月16日西部本社版朝刊)
日本原子力発電(原電)、既にこの年度末(正確には4月26日)、越せない状態なのですが・・・。電力や左の記事では原燃の支援(というか、読んでみれば単なる経理操作)で、破綻の先送りを目論んでいますが、破綻の先送りを続けた所で、原子力発電専業の原電の所有する原発、地元が再稼働に同意していない東海第二原発、原子力規制委員会から“活断層の上”認定を受けた敦賀原発2号機、そして、運転開始1970年3月14日と廃炉基準40年に既に到達している敦賀原発1号機、で、すべてです。いくら自民党安倍政権が原発再稼働を推進しても、いささか筋の悪すぎる原発ばかりです。目前の負債支払期限だけクリアしたところで、どうにかなるわけもないでしょう。
どうするんだ経産省、しっかり破綻処理の仕事しろ!!
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【放射性ヨウ素131の拡散】伊方原発だったら(3)福岡市・熊本市
2013-03-15
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は、3月5日に電気料金値上げの審査が始まった四国電力の伊方原発です。四国電力は今後、3年間をかけて、安全対策としてこの原発に電気料金のうちから730億円を投入する予定です。一方、再稼働は安全対策完成よりはるかに前、今年7月を目指しています。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
今回の図では、福岡市、熊本市のかなり部分が、1万Bq/m^3hr以上汚染される地域となっています。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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愛媛県伊方原発
堕ちた維新「低線量セシウムは無害」!!
2013-03-14
日本維新の会の西田譲・衆院議員、予算委員会の質問において、「(福島原発事故の)低線量セシウムは人体に無害・・・略・・・『セシウム強制避難』を全面解除すべき」と主張したとのことです。
(朝日新聞3月14日西部本社版朝刊)
低線量被曝の問題については(原発推進派御用学者を中心とする)危険性を否定する議論がありますが、西田議員の発言はそのレベルの話しとさえ全く関係のない妄想です。なにしろ「全面解除」です。“比較的低線量な場所は”といった修辞は一切ありません。

(西日本新聞3月11日朝刊)
空間放射線量、予想より速いペースで低下をしているようですが、まだまだ19.0μSv/h以上の場所、大熊町、双葉町はもちろん、浪江町でも結構広々と残っています。国の換算式に則って計算すると、この値、年間100mSv以上ということになります。典型的御用学者、“ミスター100ミリシーベルト”こと山下俊一でさえ、健康被害を認める数値です。もちろん、国の基準、年間1mSv(追加線量)とは比べ物にならない強烈な被曝環境です。
こんな所もあるのに、日本維新の会・西田議員、「全面解除」ですから、お話にならない妄言です。
これに対する橋下代表のコメント、「個人の意見として述べたんでしょう。表現方法に未熟さがあった」(上掲記事)です。
事務所で酒呑んで話したのではなく、記者会見でもなく、予算委員会での質問内の発言ですから、「個人の意見」はないでしょう。西田議員は、「日本維新の会の代表」として衆議院予算委員会で発言の機会を得ているのです。
そして「表現方法に未熟さがあった」とはどういう意味なのでしょう。“老獪な表現方法で避難解除を主張せよ”というのが、橋下代表の考えということになります。
堕ちたもんです、維新の会。
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【放射性ヨウ素131の拡散】伊方原発だったら(2)大分市から佐賀県へ
2013-03-13
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は、3月5日に電気料金値上げの審査が始まった四国電力の伊方原発です。四国電力は今後、3年間をかけて、安全対策としてこの原発に電気料金のうちから730億円を投入する予定です。一方、再稼働は安全対策完成よりはるかに前、今年7月を目指しています。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
今回の図では、大分市の大部分が10万Bq/m^3hr以上汚染される地域となるほか、1万Bq/m^3hr以上汚染される地域は佐賀県に達しています。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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愛媛県伊方原発
電力制度が異常だという認識はあるらしい・・・
2013-03-12
朝日新聞は福岡の第二地銀「西日本シティ銀行」の頭取に、電力制度についてインタビューしています。
(朝日新聞3月12日西部本社版朝刊)
「こんな法律がいま国会を通るだろうかと思う。それぐらいすごい規定だ。かかった費用に利潤をのせて販売価格が決まる電力業界は、市場原理の中できわめて異例。」
ことあるごとに電力を擁護する財界、電力の「地域独占・総括原価方式」制度に何の疑問も持っていないように見えますが、中には異常さを認識している人もいるようです。
もっとも、大蔵省からの天下り、久保田頭取は、この発言の直後に問題のすり替えを図ります。
「特殊な体制をつくった監督官庁は、電力会社が最大限の経営努力をしているかを、よほど厳しくチェックしないといけないということ。そこが最大のポイントだ」
制度が「異例だ」という認識を示していながら、問題とすべき問題はそこではなく、「最大のポイント」は運用担当者である監督官庁にあると、話を逸らしにかかっています。まあ、出身母体の財務省(旧大蔵省)にとって、最大の問題は宿敵の経産省(旧通産省)、ということかもしれません。もちろん銀行頭取が具体的にお付き合いのある電力会社に対して、「お前の存在自体が異常だ」とは言えない、という事情もあるでしょう。
とは言うものの、結局、次のようなことも言います。
「いま話し合われているのは、党や大臣の趣味の問題ではない。そのことに電力会社は気づくべきだ。制度の根幹にかかわる議論だ」
この人、やっぱり制度こそが問題であることを強く認識しています。まあ、ちょっとものを考えられる人間なら、問題はそこにしかないことは明白ですから、ここから目をそらすわけにはいかないでしょう。
かくして頭取は「(電力会社は)『早く原発を動かさないと費用がかさんで、大変なことになる』というような話ばかりではなく、10~20年先をみたときに自分たちは何ができるのかに知恵を絞って、政府の議論に参画していってもらいたい」と提言します。しかしこれ、電力から言えば、それは語りたくないから(語れば地域独占・総括原価方式という既得権益を失うことになりかねないから)、いつまでもグダグダと原発再稼働の話をしていたい、ということに、かえってなっているような気もします。
やっぱりちゃんと仕事してもらいましょう→ 竹中平蔵
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【放射性ヨウ素131の拡散】伊方原発だったら(1)宮崎県方向
2013-03-11
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は、3月5日に電気料金値上げの審査が始まった四国電力の伊方原発です。四国電力は今後、3年間をかけて、安全対策としてこの原発に電気料金のうちから730億円を投入する予定です。一方、再稼働は安全対策完成よりはるかに前、今年7月を目指しています。ま、県民は再稼働反対ですけど。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
今回の図では、1万Bq/m^3hr以上汚染される地域が宮崎県を横断し熊本県に達しています。放射能雲は九州の南半分を覆っています。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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愛媛県伊方原発
解消が急務なのに増設を語る茂木経産相
2013-03-10
茂木経産相はテレビ東京の番組内で、原発内の使用済み核燃料保管施設の増設に言及しました。「解消」ではなく、「保管方式変更と改築」でもなく、「増設」です。
(朝日新聞3月10日西部本社版朝刊)
福島第一原発4号機のことは、彼の頭にはないようです。4号機では事故当時、原子炉は停止中で核燃料は炉内にありませんでした。核燃料は、使用済み核燃料保管施設=核燃料貯蔵プールにありました。ならばちょっとは安全そうなのに、全然そうではありませんでした。しっかりボカーンです。
国会事故調等の報告書では、一応、4号機の爆発は3号機から流れ込んだ水素のせいということになっています。しかし報告書はこの一応の結論に続けて次のように記します。「以上から、4号機R/B内に不燃限界濃度を超える水素が蓄積され、金属摩擦によって着火し、R/B内で爆発が生じた可能性が考えられる。しかし、今回の水素ガス爆発の着火要因については依然として不明な点が多く、今後、規制官庁を中心とする国、事業者、学会といった原子力関係者において徹底した解明がなされることを期待する」(99ページ)と。爆発原因については一応考えてみたが、「可能性が考えられる」程度の確信しか持っていないし、着火原因については未解明、要するに未だによくわからないのです。
こんな状態ですから、原子力規制委員会の田中委員長でさえ、使用済み核燃料の保管方法について、変更の必要があるとしています。
「使用済み核燃料、空冷式金属容器での保管要請へ」(読売 ONLINE 2012年10月10日 )
はっきり言って今しなければならないのは、原発内で使用済み核燃料を保管するというやり方の変更です。安全に保管するためには、常に水を流しておかなければならない(従って電源喪失等々の事故によって原子炉と同じくメルトダウンする)貯蔵プールでの保管ではなく、自然空冷でもメルトダウンしないくらいゆったりとまばらに核燃料を配置して保管する体制に切り替えることです。当然、狭い原子力発電所内に使用済み核燃料を置いておくことはできなくなるはずです。政府・電気事業者は用地確保等、早急に作業に着手しなければならないはずです。
次の自然災害や人為災害がいつ起きるかはわからないわけですから、安全性について決定的な不安が生じている核燃料保管方法の変更は急務なのですが、茂木経産相はのんきなことに、「暫定的な置き場を増やすことも選択肢の一つ」とか言っています。なに考えているんでしょう。
(以上、あえて「ジルコニウム火災」「4号機燃料プールの危険性」については触れていません。政府側の立場に立ったとしても、茂木経産相の言っていることはデタラメだ、ということです)
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【放射性ヨウ素131の拡散】東通原発だったら(5)苫小牧市~えりも岬
2013-03-09
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は、原子力規制委員会から敷地内活断層の指摘がなされ、さらに原子炉直下についても検討が必要とされた青森県東通原発です。ただし東北電力は活断層の存在を認めてはいません。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
今回の図は、北海道対岸(?)方向に汚染地帯の帯が伸びた場合です。その時の風次第ですが、白老町・苫小牧市から浦河町・えりも岬まで、どこでも1万Bq/m^3hr以上汚染される可能性があるようです。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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青森県東通原発
小さき者たちの受難
2013-03-08
昨日3月7日、NHK地デジ総合、夕刻の生活情報番組「ゆうどきネットワーク」で、福島における鳥の放射能汚染について放送していました。
鳥自体については、“食べるものでもありませんので、日常生活への問題はない”そうです。
一方、巣については、一つ異常に高い汚染が測定されたものがあって、

取り扱い注意とのことです。

今回見つかった鳥の巣は、なんと指定廃棄物の基準値の160倍です。
何で鳥がらみだとこんなに大きな値が出るのかといえば、汚染された虫を食べ続けた生物濃縮という話と、もっと直接的に、放射性汚染物質を含んだ雨水が流れこみ、よどみとなるところで繁茂して、放射性汚染物質を蓄積しやすいコケを集めたから、といった理由によるようです。
で、番組、「(コケや泥を使った巣には)・・・ぜひ注意していただきたいと思います。野鳥の放射能汚染の実態についてお伝えしました」。
う~ん、こんなもんなんだろうか。この番組コーナーの視点、私はまったく馴染めませんでした。徹頭徹尾、人間の都合からしか語らない、いや、それも重要ではあるのですが、ここで一番被害にあっているのは鳥じゃないですか。鳥のことを思いやる視点は全くなし。人間の勝手で抹殺されていく鳥たちに何も感じないこの感性こそ、自らの銭勘定で原発を作り、事故が起き多くの者が苦しんでいるのに、無反省に原発再稼動などと言う神経そのものじゃないでしょうか。
番組コーナー途中の電話コメントに登場するパリ第11大学の鳥類学アンダース・メラー教授、
「あなたたちの巣材のデータから考えるに福島の野鳥の卵がふ化するまでの2週間/そして その後も高い放射線量を鳥は浴び続けることになります/(略)/その鳥に異常が起きる可能性は考えられます」
と述べています。彼は、鳥に何が起きるか、それを語っています。たぶん心配しています。
これを受けるNHKアナウンサー、メラー教授のコメント直後の語り、「油断できない野鳥の汚染、今後野鳥の会は鳥のサンプル数をもっと増やし、調査範囲を広げていく計画です」です。鳥が受けるダメージなどどうでもよいのです。鳥は単なる汚染源に過ぎないという認識です。
ここに現われているのは、放射能汚染という無差別暴力を環境や他の種に振るっておいて、自分だけ無事でいようという考え。それで済むと思っているのだろうか、この人たちは。

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【放射性ヨウ素131の拡散】東通原発だったら(4)札幌市・室蘭市
2013-03-07
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は、原子力規制委員会から敷地内活断層の指摘がなされ、さらに原子炉直下についても検討が必要とされた青森県東通原発です。ただし東北電力は活断層の存在を認めてはいません。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
今回の図は、札幌市方向に汚染地帯の帯が伸びた場合です。札幌市については、南端のわずかな地域が1万Bq/m^3hr以上汚染される地域となっていますが、室蘭市については全域、1万Bq/m^3hr以上汚染される地域となっています。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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青森県東通原発
自己資本なら儲け6.28%、でなきゃ1.49%、だから原発!!
2013-03-06
電力会社が濡れ手で粟を得る“打ち出の小槌”、総括原価方式について、当ブログは何度も批判して来ました。公的に認められた独占企業である電力会社の販売する電気の価格は、経産省お墨付きの計算式によって決まるわけですが、これがとんでもないことになっています。要するに原子力発電すれば儲かる。その実態、新聞でも公然と書かれるようになりました。

(朝日新聞3月5日西部本社版朝刊)
電力会社も私企業、ということで、発電にかかった費用に対して「適正な」儲けが認められています(経産省の規定によって)。記事によれば現在、その計算方法、儲けの額は自己資本に対しては6.28%、それ以外の費用に対して1.49%です。この儲けの額が原価に上乗せされたのが電気料金です。
これだけでは、だからなんだろう? という話ですが、計算にあたって、原子力燃料は「資本」扱い、石油や石炭といった他の燃料は「それ以外」扱いです。そして、原子力発電では燃料燃やした後の使用済み核燃料つまりごみも「資本」扱いです(「加工中等核燃料」・・・“核燃料サイクルで再処理予定だからね”という話しです)。さらには、使用済み核燃料を処理するための積立金、これも「資本」です。発電設備を加えて、これらすべて、賃借対照表で「資産」として計上されています。

(関西電力第88期有価証券報告書から賃借対照表)
これじゃあ電力会社、原発作りたがるはずです。もともと他人の金である電気利用者の金で原発を作り、核燃料を買い込めば、他の発電設備や燃料を買うより遥かに儲かるわけですから。
しかしそれにしても、ここまで原子力を優遇する経産省、何考えてるんだ!!
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【放射性ヨウ素131の拡散】東通原発だったら(3)函館市
2013-03-05
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は、原子力規制委員会から敷地内活断層の指摘がなされ、さらに原子炉直下についても検討が必要とされた青森県東通原発です。ただし東北電力は活断層の存在を認めてはいません。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
今回の図は、函館市に濃厚汚染地帯が広がった場合です。函館市はかなりの部分、10万Bq/m^3hr以上汚染される地域となっています。また、1万Bq/m^3hr以上汚染される地域は噴火湾を超え、ニセコ町あたりまで達しています。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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青森県東通原発
金遣い無茶苦茶!! 電力会社、特に九州電力
2013-03-04
ここしばらくの朝日新聞の記事を並べてみましょう。「(教えて!電気料金:3)進まぬ再処理、積立金なぜ減る?」(朝日新聞HP 2月16日)
六ケ所村、現実には使用済み核燃料再処理の目処がたってもいないのに、原燃への料金の支払いだけは始まっているというとんでもない状況があります。それも、わざわざ、この余計な金を払うために、技術的めども立ってないのに原燃に無意味な試験運転だけさせ、それで支払いを始めたという無茶苦茶さ。かくして、朝日報道の通り、再処理積立金は減っていきます。本来は使用済み核燃料の処理に使うべき費用、我々から集めた電気料金は、無意味に消えていきます。
「電力9社、原電支援へ 破綻回避へ1200億円超検討」(朝日新聞HP 2月22日)
地元が再稼働に同意していない東海第二原発、原子力規制委員会から“活断層の上”認定を受けた敦賀原発2号機、そして、運転開始1970年3月14日と廃炉基準40年に既に到達している敦賀原発1号機、と、どう考えたって使いものにならない原発だけ3つ抱えている発電会社、倒産確定の日本原子力発電、ここへ電力9社は支援資金・債務保証の提供です。我々から集めた電気料金は、無意味に消えていきます。
「原発安全対策に計1兆円 電力10社、さらに膨脹の恐れ」(朝日新聞HP 2月28日)
国の新安全基準に適合するため、各電力は巨額資金を原発につぎ込もうとしています。それも、菅元首相から停止勧告を受けた浜岡原発とか、活断層認定受けた東通原発とか、もうやめたほうがいいだろう、という原発でも片っ端からです。金つぎ込んだって再稼働には問題あり過ぎの原発からは撤退しようという発想がいっさい出てこない。かくして我々から集めた電気料金は、無意味に消えていきます。
「関電と九電、原燃地元に迂回寄付 審査委「原価」認めず」(朝日新聞HP 3月1日)
電気料金値上げ申請で国の審査を受けた関電と九電、原燃に支払う金の中に、地元への寄付が含まれていたことがバレました。このぶんについては電気料金への加算を許さず、と、さすがになりました。我々から集めた電気料金が、無意味に消えていくところ、ちょっと踏みとどまった。

(朝日新聞2月16日西部本社版朝刊)
しかし、その国の制度のせい、ということになるのかもしれませんが、毎年200億円以上、過大な資金調達コストが計上され、九電の収入となっています。我々から集めた電気料金、・・・って、これほとんど詐欺じゃないか!!
で、その金がどこへ消えるのか・・・


(朝日新聞西部本社版朝刊、どちらも3月2日)
業界団体の事務所経費やら、選挙に干渉するため無駄に多く社員を雇っておくための費用、こんなことに使われているのでしょう。我々から集めた電気料金は、業界活動という名の政治活動、そして、公的特権(地域独占・総括原価方式)を与えられた事業体が、自己の既得権益を守るために政治そのものに干渉するという民主主義の破壊のために使われています。
たかだか3週間ぶんの記事を並べてみただけですが、こんなです。こんなことが許されていいのか!!
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