「もう除染は終わりだから、あとは自分で被曝線量、管理してね」
2013-06-30
まあ、そんなもんだろうと思っていましたが、来ました。「放射線被曝、自分で管理してね」だそうです。
(朝日新聞6月29日西部本社版朝刊)
福島原発事故、一度放射能汚染しちまったもの、「水に流してくれ」と言えるほど甘くはない。
除染なんて、所詮は水掛けて流せるところを流すだけ。で、流したところで大して流れないし、流れた先も汚染される。いずれ行き詰まるのは目に見えていました。
もうこれ以上、金を注ぎ込んだ所で、大した効果は見込めない。しかもその金、国や電力会社を介して、日本人一人一人に重くのしかかってくる・・・まあ、どこかで止めるしかないですわな。
そこでまあ、政府の責任、「水に流してくれ」という話し。あとはお得意の“自己責任で”ということのようで・・・。
まあ、原発立地自治体なら、原発誘致した自己責任はあるでしょうが、隣接の田村市って、どの程度、恩恵受けていたのか?
重度汚染地帯で除染なんて、そもそも出来っこないんだから、そのぶん最初から移転補助金出すとか、もっと別のやり方があったのではないでしょうか。
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【放射性ヨウ素131の拡散】美浜原発だったら(3)岐阜市・瀬戸市
2013-06-29
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は、原発敷地内の活断層が議論されている美浜原発です。この原発、1号機、2号機は建設後40年を過ぎ、本当は廃炉にすべきなのに、廃炉のための積立金が最も不足している原発ということで、どうするんでしょう? でもって現在、例によって停止中なんですが、止まっているにも関わらず、今年2月には煙モクモクの事故を起こすという、ほんとうにしょうもない原発です。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
今回の図の汚染域東端は原図が切れているのでどこまで届くのかはっきりしませんが、10万Bq/m^3hr以上汚染される緑の領域、岐阜市を通りぬけ、瀬戸市に到達しています。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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福井(高浜・大飯・美浜・敦賀・もんじゅ)
福島市は大丈夫?? 日本原子力研究開発機構、怪しいヨウ素汚染図
2013-06-28
日本原子力研究開発機構は昨日、6月27日、福島原発事故で発生したヨウ素汚染の推計地図を発表しました → プレスリリース。半減期が8日と短いヨウ素131の拡散・汚染状況、事故直後のデータが不十分であるため、なんらかの推計によって事態を再構築してみないと、様子がつかめません。当プログではNHKが報道する、滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏のグループの活動に注目して来ました → その1、その2の1、その2の2、その2の3、その2の4。
しかし“民間”にばかりやらせといてはマズイ、と思ったのか“公的”な機関による分析結果の発表です。
この発表、なんといっても目を引くのが、4つの図です。

(「研究の背景/研究内容と成果」、スクリーンショット切り出し)
簡単に言えば、左上の図ように飛行機を飛ばして記録した放射線データがあるので、その記録からヨウ素131汚染を抽出する計算法を開発して地図を作成すれば、右上の図になる。でもって、これをかつて文科省が土壌の放射能汚染データから作成した図、左下と比べてみれば非常によく似ている。だから新規開発のデータ解析方法は使えまっせ~、という内容。なお右下の図は文科省作成のセシウム134汚染図で、ヨウ素131の汚染は、セシウム134と違って南側にも広がっていますね~、という参考図ということになります。
話の主題は、“空からの測定だけでお手軽に汚染地図が作成できます、新規開発手法、ぜひあなたも”というものですので(いや「ぜひあなたも」とは言ってないか~、「当社にご用命を」か)、ま、特に何と言うことはないのですが、気になるのが地図・・・右上の図を部分拡大してみましょう。

この図を見ると「汚染の濃いところ(黄緑以上)は川俣あたりで終わり、福島市は無事だ~」と思いませんか。
しかしです、4つの図の左下の図だと福島市あたり、地上測定データとして、黄緑の点がいっぱいあります。

ここんところです↓ 輪で囲った部分。

えい、着色しちゃえ!! ↓

福島市、この辺って、市街地じゃなかったか?? こんな所に住んでいて大丈夫か?? このあたりまで、黄緑の汚染域は広がっていると考えるべきだと思うのですが、でも、4つの図の右上(部分拡大図の一番上)の図では「ああよかったね」となりそうな・・・
いや、今回の発表は、「あくまで“解析方法ができました”っていう発表で、(飛行機で取ったデータが元なんですから)飛行機が飛んでない福島市近辺は図の着色領域から外れたというだけのことです」、と言われると、まあ、そうなんでしょうけど、結局、右上の図が広まっていくことになる(←朝日新聞、みごとに引っ掛かってます)んですよね。臭いものには蓋的な、なんかそこはかとない悪意を感じる今日このごろです。なんてったって、日本原子力研究開発機構ですもんね。
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【放射性ヨウ素131の拡散】美浜原発だったら(2)高山市
2013-06-27
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は、原発敷地内の活断層が議論されている美浜原発です。この原発、1号機、2号機は建設後40年を過ぎ、本当は廃炉にすべきなのに、廃炉のための積立金が最も不足している原発ということで、どうするんでしょう? でもって現在、例によって停止中なんですが、止まっているにも関わらず、今年2月には煙モクモクの事故を起こすという、ほんとうにしょうもない原発です。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
今回の図の汚染域東端は原図が切れているのでどこまで届くのかはっきりしませんが、高山市市街地まで10万Bq/m^3hr以上汚染される緑の領域が到達するのではないでしょうか。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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福井(高浜・大飯・美浜・敦賀・もんじゅ)
ご用心、メディア戦略にひっかかるな!! 経済に役立たない原発
2013-06-26
本日は電力各社で株主総会が開かれました。
(47ニュースHP=共同通信 6月26日)
この件について、テレビニュースの内容は大抵、各社とも経営危機を訴え原発再稼働を要求しているというありきたりの議事紹介と、時間があれば、会場外で脱原発を訴えている人々の紹介、そして、株主総会場から出てくる(へと入っていく)株主と思われる人々へのインタビューから構成されています。
そこでです、番組内で紹介される株主インタビュー回答がとても危ない。
「やっぱり経済のこと考えれば原発再稼働が必要でしょう」
こういった発言をニュースで何回も見ました。これ、間違っています。原発は経済には役立ちません。今の電力会社の経営、今の体制維持に役立つだけです。ですからもちろん、株主たちには役立つわけで、彼らがこう言いたくなるのは解ります。しかし、ウソです → 「『安全か経済か』という議論の間違い」。
原子力発電は、地域独占と総括原価方式という強引な電気料金制度によって、割高な電気料金を利用者から強制徴収できるようになっています。だから、電力会社は儲かります。しかし社会全体で負担しなければならないコストは、大幅に増大します。たとえば電力会社がサボっている廃炉のための積立金(→「電力5社が1千億円超不足 原発廃炉の引当金」)、結局は利用者が負担させられるでしょう。
ですから、上記のような発言は、現在の電力体制から利益を得ている既得権益者たちのたわごとです。原発は、彼らの経済にだけ役立つものです。言い換えれば、原発は、原発利権関係者が、他の者の財布に手を突っ込み、金をむしりとる手段です。
しかしメディアが、“安全性を主張する脱原発グループ”と“経済性を主張する電力経営者・株主”という図式で報道すると、なんか、「原発は安全性に問題があるが経済には役立つ」というような錯覚が醸成されます。原発利権集団のたわごとを何度も繰り返し報道するメディア、この報道姿勢には要注意です。
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何やってんだ野党!! 問責決議で電気事業法改正案、廃案!!
2013-06-26
「安倍首相への問責決議案 参院で可決」(NHKホームページ 6月26日 13時8分)参議院選挙が目の前にちらついて、気勢を上げたくなるのは解りますが、「これ(問責決議)を受けて、参議院では審議が行われなくなり、自民党と民主党が今の国会で成立させることで合意していた電気事業法の改正案などは、採決が行われないまま廃案になりました。」(上掲リンク先)
やっておくべきことやらずして勢いだけに流れていく野党、馬鹿かぁ。
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【放射性ヨウ素131の拡散】美浜原発だったら(1)金沢・鳥取・関西
2013-06-25
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は、原発敷地内の活断層が議論されている美浜原発です。この原発、1号機、2号機は建設後40年を過ぎ、本当は廃炉にすべきなのに、廃炉のための積立金が最も不足している原発ということで、どうするんでしょう? でもって現在、例によって停止中なんですが、止まっているにも関わらず、今年2月には煙モクモクの事故を起こすという、ほんとうにしょうもない原発です。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
今回の図の汚染域北側では原図が切れているのでどこまで届くのかはっきりしませんが、少なくとも金沢市には10万Bq/m^3hr以上汚染される緑の領域が到達しています。1万Bq/m^3hr以上汚染される青の領域について見れば、鳥取市から、神戸市・大阪市・京都市・大津市・奈良市といった関西一帯、どこにも到達する可能性があるということが解ります。
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福井(高浜・大飯・美浜・敦賀・もんじゅ)
終わっている民主党
2013-06-24
あ、15議席、民主党。共産党が17議席・・・。言うまでもなく昨日の都議選の結果ですが、終わってますね~、民主党。

(朝日新聞6月24日西部本社版朝刊)
改選前で43議席、前回選挙獲得議席ならば54議席ですから、民主党は3分の1に落ち込んだ(「3分の1落ち込んだ」んじゃなくて、「3分の2減って、3分の1へと落ち込んだ」)わけです。
昨夜は12時頃のNHK番組での細野幹事長の発言を聞きましたが、「そりゃそうなるよな」と極めて納得しやすいものがありました。参議院選挙に向けての課題は「福祉制度改革と行財政改革」だそうです。いや~、そんな政党色の出しにくいもの出してきて、なんか選挙の役に立つとでも思っているのでしょうかね?
いまだに抜けない与党ボケ、ここまでくると笑っちゃいますね~。福祉とか行財政改革とか、どの政党も(自民党だって)何かやると言っているわけで、そこでどう独自色出せると思っているのでしょうか。いや、福祉を争点とすることも別にできないわけではなくて、「特に低所得層の福祉は安倍政権の倍は手厚くします」とでも言って突っかかっていけばそれなりに特色は出るでしょうに、意味不明な「福祉制度改革」です。
政権党との違いがはっきりし、国民の支持が得られる政治課題、それを前面に大きく打ち出さなければ野党なんですから、最初から選挙に勝ち目など無いということが解ってないようです。
ということで、困るのが、当ブログの主題、脱原発を前面に打ち出してくれる政党が、実際、共産党くらいしか無いということです。なお実際は朝日の見出しと違って、「電力自由化の結果として、脱原発実現へ」と、ワンクッション挟まるにしても、みんなの党も脱原発を主張していて、この都議選では、共産党と同じく無党派層からの支持19%を得ています(上掲記事中の数字)ので、脱原発票の受け皿はもう一つあったわけですが。
もちろん都議選だけなら、東京生活者ネットワークがありましたし、都議選当選ゼロでも、国政では、社民党やみどりの風、生活の党が加わりますが・・・いやはや、どこも小さいな~。
まったくもう、民主党は電力総連系を切り離して、態度を鮮明にしてくれんもんかな。えっ? 電力総連系を切り離したら、そっちの方が残りより大きい??
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【放射性ヨウ素131の拡散】高浜原発だったら(8)兵庫県南東部
2013-06-23
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は、関西電力が再稼働一番乗りを目指している高浜原発です。ここは猛毒プルトニウム・MOX燃料を使用することが予定されており、事故った場合、極めて危険な原発です。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
今回の図では原図の南側で兵庫県南東部に合わせてみました。10万Bq/m^3hr以上汚染される緑の領域の到達距離は原図北側より短くなりますが面的な広がりがよくわかる図となります。以前の図 その1 その2 とあわせて状況を想像してみると良いかもしれません。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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福井(高浜・大飯・美浜・敦賀・もんじゅ)
悪意? 無能? 九電の断層評価!!
2013-06-22
川内原発・玄海原発を再稼働させようと躍起になっている九州電力、しかしやっていることは異常。悪意なのか、それとも、危険をまともに評価する能力がないのか?
(西日本新聞6月21日朝刊)
(川内原発周辺の断層について)「・・・九州電力が示した断層図及び解釈図は非常に疑わしいと言わざるを得ない』『解釈はとにかくひどいものである』『誰が見ても明らかに活断層であると判断できるものが複数ある』・・・」(上掲記事)と、政府の地震調査委員会の分科会で評価されたそうです。
原発を再稼働したいばかりに、誰が見てもはっきりしている活断層を「無いことにしよう」と工作しているというのが、まあ、普通の解釈でしょうか。この解釈だと、「九州電力は安全性を無視する“悪意”に満ちている」、ということになります。
しかし、25mも離れたところにあるレバーを取り違えて火力発電所を6時間半も停止させ、送電線を爆発させて街を吹き飛ばし、原発内の通信機器工事のミスでは全国の原発監視システムを停止させるという九州電力、そもそも地層図なんて読めなかったのでは、という疑いも捨てがたい・・・。北風と南風の吹く向きもわからなかった“無能”な連中ですから。
いずれにせよ、この組織に原発を扱わせるのはあまりに危険です。原子力規制委員会は、組織審査もすべきです。まあ、原子力規制委員会は、自らが「規制」組織として適正か(業界利害関係からの影響を排した組織となりえているか)、まず審査する必要もありますが。
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【放射性ヨウ素131の拡散】高浜原発だったら(7)大阪~その2
2013-06-21
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は、関西電力が再稼働一番乗りを目指している高浜原発です。ここは猛毒プルトニウム・MOX燃料を使用することが予定されており、事故った場合、極めて危険な原発です。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
今回の図では原図の南側で大阪に合わせてみました。10万Bq/m^3hr以上汚染される緑の領域の到達距離は原図北側より短くなりますが面的な広がりがよくわかる図となります。前回の図とあわせて状況を想像してみると良いかもしれません。
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福井(高浜・大飯・美浜・敦賀・もんじゅ)
いい加減な原発規制“新基準”
2013-06-20
原発の新たな規制基準が決まりました。「原発の新規制基準決定 12基、再稼働を早期申請」(47ニュースHP 6月19日)
で、何が決まったのだろう?

(西日本新聞6月19日朝刊)
「新基準は『必要に応じて不確かさを組み合わせる』とするのみで、不確かさの具体的な内容や組み合わせについては明示していない。/・・・略・・・関電と規制庁の『暗黙のルール』で地震動が決まったことをうかがわせるケースがあった。」(上掲記事)、つまり、電力会社と規制庁でいい加減に妥協すればそれでOKという規定になっているとのことです。
ちなみに、ここで取り上げられている「ケース」とは、大飯原発での3連動地震ですから、当ブログで取り上げた、このケースです →「大丈夫か? 原子力規制委員会!!」。あまりに妖しさ満載です。
所詮、“襟を正さなければ国民の反発で全原発が廃止になってしまう、それでは困る”という動機で原子力規制委員長やっている田中俊一に指揮される原子力規制委員会ですから、自民党政権の下、原発ゼロ政策がなくなれば、規制なんて甘々で良いとなるのは必定。
“新規制基準”は、電力と規制庁の馴れ合いでどうとでもなるように最初からできている、きわめて危険なシロモノです。
我々が身を守るためには、政治状況を転換するしかありません。

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【放射性ヨウ素131の拡散】高浜原発だったら(6)京都・大津・伊賀
2013-06-19
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は、関西電力が再稼働一番乗りを目指している高浜原発です。ここは猛毒プルトニウム・MOX燃料を使用することが予定されており、事故った場合、極めて危険な原発です。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
原図が切れているので途中までしか判りませんが今回の図では、10万Bq/m^3hr以上汚染される緑の領域、京都市から大津市・伊賀市を汚染し、さらに延びています。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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福井(高浜・大飯・美浜・敦賀・もんじゅ)
原発事故死者を踏みにじる自民党
2013-06-18

(朝日新聞6月18日西部本社版朝刊)
また出ました、としかコメントしようのない妄言。かつてのパブリックコメント公募の際の“やらせ”で電力社員が口にして、大顰蹙を買った言葉、「原発事故で死んだものはいない」、今度は自民党政調会長、高市早苗から出てきました。
「原発事故後50人死亡、双葉病院の4遺族が東電を提訴 東京地裁」(MSN産経ニュース 6月10日)
原発推進の産経ニュースにもこんな見出しがあります。高市早苗は、「事故後」は「事故」ではない、とでも言うのでしょうか。50人のうち何人かは、確かに後日にお亡くなりになったでしょうが(それも何のせいでしょうか)、事故が進行する最中、病院から移送中のバスの中で命を落とした患者が数多くいました。
「東京電力福島第一原子力発電所の事故で設定された福島県の避難区域内で、自宅などに取り残されて餓死した疑いの強い人が少なくとも5人いることがNHKの取材で分かりました。」(NHKホームページ 2012年3月5日)
原発事故がなければ、消防や救助隊に救助されていた可能性の高かった5人、死んでいます。
高市早苗の常識では、爆風や放射能を浴びて死んだのでなければ、原発事故で死んだ事にはならない、と言うことでしょう。
原子力ムラと自民党では、とんでもない都市伝説がまかり通っているのか、あるいは、「原子力ムラ関係者で死んだものはいない」という意味でしょうか。原発事故のせいで周りで何人死んでいても、それをすべて無視するのが原子力ムラと自民党の作法のようです。上のリンク記事で言及された人々、「人間としてカウントされていない」と、記しておきましょう。
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【放射性ヨウ素131の拡散】高浜原発だったら(5)京都・奈良
2013-06-17
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は、関西電力が再稼働一番乗りを目指している高浜原発です。ここは猛毒プルトニウム・MOX燃料を使用することが予定されており、事故った場合、極めて危険な原発です。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
原図が切れているので途中までしか判りませんが今回の図では、10万Bq/m^3hr以上汚染される緑の領域、京都市から奈良市を汚染し、さらに延びています。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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福井(高浜・大飯・美浜・敦賀・もんじゅ)
原子力規制委員会が、規制どころか、再稼働したくてしょうがない件について
2013-06-16
あちこちで報道されていますが、原子力規制委員会の更田豊志委員、大飯原発をざっと見て、「再稼働OK」です。現地を見た結果、何か検討するということもなく、印象だけで「Goサイン」です。既に結論ありきで、現地行ってみせて、格好をつけただけ、というのがミエミエ。なんと露骨な原子力暴走推進委員会ぶり。この更田、大飯原発のみならず、そもそも原発の新基準自体を前倒しして、さっさとあちこち再稼働を行なうつもり。

(47ニュースHP 6月15日)
そもそも、田中委員長も今やアクセル全開、再稼働全力推進です。

(時事通信HP 6月12日)
原子力規制委員会で、安全審査作業を行なうのは3チーム。審査に半年かかるとすれば、半年に3つのペースでしか原発再稼働できない。それじゃああまりに遅すぎると、電力会社の希望を実現するために邁進しています。
もう、安全性の審査なんてどうでもいいのでしょう。電力会社にスリスリし、安倍政権にスリスリし、とにかく原発再稼働です。
このまま事態の推移を容認したら、また原発事故必至です。
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【放射性ヨウ素131の拡散】高浜原発だったら(4)大阪
2013-06-15
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は、関西電力が再稼働一番乗りを目指している高浜原発です。ここは猛毒プルトニウム・MOX燃料を使用することが予定されており、事故った場合、極めて危険な原発です。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
原図が切れているので途中までしか判りませんが今回の図では、大阪府のかなりの部分が、10万Bq/m^3hr以上汚染される緑の領域となっています。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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福井(高浜・大飯・美浜・敦賀・もんじゅ)
これは冗談じゃすまないぞ・・・そこまで無能か電力!!
2013-06-14
福島原発事故の時には格納容器の圧力を1ケタ読み間違え、はたまた、放射能汚染水を無駄に増大させる地下水をバイパスして海に流そうとして放射性セシウム濃度を測り間違える東京電力、“こりゃトンデモなく無能だぁ~”、と書いて揶揄していたのは今月5日のことでした。折も折、九州電力は、25mも離れたところにある別のバルブと間違えてバルブを閉め、火力発電機を6時間半も停止してしまうという失態をやらかしてくれ、これまた“電力会社、無能の証明”と書いたのが、その2日後でした。
いや、ここでまたダメ押ししてくれなくても、いいんだけど・・・

(朝日新聞6月13日西部本社版朝刊)
「最初のミスを受け、セシウムが検出された水と同じ日に採取した水を第三者機関で分析。その結果、セシウムの値は1桁小さかった。」(上掲記事)
東電検体へのセシウム誤混入の可能性だそうです。「二重のミスとなった」と、記事中にはありますが、東京電力、どこまで無能だ・・・。
ここまで来ると、電力会社を揶揄する気も起こらないというか、マジで背筋が寒い。彼らに原発を触らせとくのはホント危ない。あまりに危ない。
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【放射性ヨウ素131の拡散】高浜原発だったら(3)神戸市
2013-06-13
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は、関西電力が再稼働一番乗りを目指している高浜原発です。ここは猛毒プルトニウム・MOX燃料を使用することが予定されており、事故った場合、極めて危険な原発です。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
今回の図は、神戸市方向へ汚染が流れた場合を考えて重ねあわせ図を作成しました。神戸市が10万Bq/m^3hr以上汚染される可能性があることが見て取れます。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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福井(高浜・大飯・美浜・敦賀・もんじゅ)
大丈夫か? 原子力規制委員会!!
2013-06-12
大飯原発の安全性評価で、電力側と原子力規制委員会側とで大きな対立点となっていた3連動地震の危険性の評価、あまりにあっけない幕切れです。
(読売新聞HP 6月12日)
そもそも、規制委が活断層3連動を考慮せよと要求したのに対して、「必要ない」と、関西電力は拒否、これに対して規制委は要求に応じないならば安全性審査はしない、と再度要求していた問題です。それが急に、突然、関電は手のひらを返すように「評価します」、で、規制委の方は規制委の方で、いきなり「関電の説明、了承しました」(上掲記事)です。
どう見たってこの展開、怪しくないか? 規制委との間で手打ちの裏約束ができたから、関電は3連動評価をしたんじゃないか? 少なくともこんな急な判断、規制委は関電の資料を充分に検討したのか?
原子力規制委員会・島崎委員、またとちってるんじゃないか。
活断層関係の議論は、そもそも1月ごろから話がおかしい方向に向かってはいました。
「なぜ『40万年前以降』? 活断層の定義に研究者ら疑問」(MSN産経ニュースHP 2月9日)
原発推進・産経新聞は、原子力規制委員会での議論で、活断層の定義が、「13万~12万年前以降」(福島事故を防げなかった旧安全基準そのまま)に近づいたと、紹介しています。
「同チーム(規制委の検討チーム)の12月の会合では、ある委員が『なぜ40万年前なのか、一番の理由を教えていただきたい』と根本的な質問を行った。島崎委員長代理の提案が、他の委員にとって、いかに“唐突”なものだったかを、如実に物語っている。/このときには、規制委側から『(13万~12万年前以降の)地形面や地層で判断できなければ、40万年前以降を総合的に検討する』という弾力的な案がうち出され、検討チームは今年1月末に了承した。」(上掲リンク先、および、その次ページ)
産経の解説では、日本の地質学的特徴から13~12万年前の境は観察しやすいが、その前はどうなっているか見て取るのが困難、だから、有効な判断は「13~12万年前以降」で為されるべきであり、それ以前は無意味、ということになります。そして、その13~12万年前の境さえ不明確な場所の原発では、まあ、40万年前まで遡って考えるというのが、結局、原子力規制委員会での検討結果だった、と総括されています。
このまとめ方だと、“原発安全性新基準”は運用上、旧基準と同じことになってしまいます。実際、こんなものを島崎委員は了承したのか?
この産経の記事は次のように記します。
「つまり『40万年前』は、地層などから断層の痕跡を見つけだせる限界の年代で、報告書にあるように判断の一つの“目安”でしかない。地層にかかる大きな力が変わらない期間の定義は、『最近数十万年の間』と幅広く、研究者の間に諸説があることは、報告書も認めている。」
40万年という島崎委員の主張はいかにも根拠が無く、単に観測可能な限界年代を“基準”に流用しているだけのように記しています。しかし、そう主張する中で、あっけなく馬脚を顕にもしています。「最近数十万年」というのは、「13~12万年前以降」と「40万年前以降」のどちらに近いか、ちょっと考えてみれば、というか、考えてみるまでもなく、後者でしょう。
安全基準が、「観測しやすいから」などという理由で定められてはたまったものではありません。地層に、かつて大地震を引き起こしたのと同じ力が掛かっているならば、今も同じような大地震が起きる可能性があるのですから、観測のしやすさの如何に関わらず、その期間を念頭に置いた基準を作らなければ、安全基準など、何の意味もないはずです。「(13万~12万年前以降の)地形面や地層で判断できなければ、40万年前以降を総合的に検討する」で良いのか。
こんなものを島崎委員は了承したのか?
で、結局、原子力規制委員会の新安全基準は骨抜きにされたのか? 本記事冒頭の大飯原発3連動地震の評価・対応を覧る限り、やっぱり骨抜きにされているようです。

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【放射性ヨウ素131の拡散】高浜原発だったら(2)兵庫県南西部へ
2013-06-11
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は、関西電力が再稼働一番乗りを目指している高浜原発です。ここは猛毒プルトニウム・MOX燃料を使用することが予定されており、事故った場合、極めて危険な原発です。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
原図が切れているので途中までしか判りませんが今回の図では、兵庫県では岡山県境の近くまで、10万Bq/m^3hr以上汚染される緑の領域が達する可能性があることが見て取れます。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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福井(高浜・大飯・美浜・敦賀・もんじゅ)
またも出ました矛盾語法!! 柏崎刈羽原発沖の断層
2013-06-10
東電: 「専門家の意見を軽んじてきたことが福島第一原発事故の一因でした」住民: 「では、専門家がかねて指摘している柏崎刈羽原発沖の断層について、調べ直すんですね」
東電: 「調査する必要はありません」

(朝日新聞HP 6月9日 スクリーンショット縮小)
またです、電力会社の矛盾語法。彼ら、矛盾していることを平然と言い放ちますので、唖然としますし、全く信用できないということになります。(なお、上掲の記事全文は無料登録で読めます)
柏崎刈羽原発の沖合には、佐渡海盆東縁断層があり、議論が繰り返されてきました。
【全体状況】
「柏崎刈羽原子力発電所、東京電力の耐震性再評価は誤り-佐渡海盆東縁断層・M7.5直下型地震を想定せず」(janjan)
【東電の主張】
「佐渡海盆東縁部の東傾斜の断層の可能性について」(by 東京電力 in 新潟県HP)
【渡辺満久・東洋大教授の反論】
「佐渡海盆東縁部の活断層」(by 渡辺満久・東洋大教授 in 新潟県HP)
で、次々と応報がありますが、要するに東電の主張では「なお、5月29日の国の意見聴取会において、F-B断層については応力を解放したものとする、という原子力安全・保安院の見解が示され、F-B断層を連動の対象に加える必要はないという当社の主張が認められております。 」(会場でお答えできなかった質疑応答の概要 - 東京電力 2012/09/20 3頁)ということで「もう終わり」ということのようです。
しかし、渡辺教授が主張しているのは、1980年代ころから主流となった“撓曲変形による活断層認定”をすべきだということです。この考え方については、2007年以降、東電は了承しているのに、なぜか佐渡海盆東縁断層についての議論になると、全然別の話を持ってきて(昔の主張・・・上掲リンク先のものと同じ)、あとは、昔の原子力安全・保安院の「了承済み」で話を済まそうとする、そこが問題だということです(「佐渡海盆東縁断層と2007中越沖地震」『活断層研究』33号、2010年、27-28頁)。
ま、要するに、「東電としては何が何でも柏崎刈羽原発を再稼働したい。安全性など知ったことか。」ということのようです。
PS. 関係ないといえば関係ないですが、安全無視、こっちもまたやっています、日本原子力研究開発機構。「もんじゅ」ナトリウム・ヒーター停止事故、および、その事故隠し。→ 「もんじゅ、ヒーター停止 ナトリウム一時保温できず」(47ニュースHP)
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【放射性ヨウ素131の拡散】高浜原発だったら(1)鳥取市
2013-06-09
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は、関西電力が再稼働一番乗りを目指している高浜原発です。ここは猛毒プルトニウム・MOX燃料を使用することが予定されており、事故った場合、極めて危険な原発です。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
原図が切れているので途中までしか判りませんが今回の図では、鳥取市に、10万Bq/m^3hr以上汚染される緑の領域が達しています。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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福井(高浜・大飯・美浜・敦賀・もんじゅ)
明日はどっちだ!?
2013-06-08
民主党がゴニョゴニョ言っていた発送電分離法案、結局、自民党のゴニョゴニョ(2015年という期限を、単に努力義務としてしまうという骨抜き)を加えて、それでもまあ、今国会で成立の方向となったようです。
(朝日新聞6月8日西部本社版朝刊)
まあ、現在の国会情勢では、こんなところが精一杯のところか。
一方、先日インドと原子力協定を結んで来た安倍政権、今度はフランスと原発推進だそうです。

(朝日新聞6月8日西部本社版朝刊)
そもそも安倍首相は、4~5月には、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、トルコと、原子力協定もしくは、原子力協定の協議に入ることを決めてきた上に、さらに、今月中旬には、ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリーの4ヶ国への原発売り込みのために、ポーランドへ行くそうです。
福島事故の収束もできていないのに、なんなんでしょう、この暴走!!
「原発廃炉、三菱重工に賠償請求へ 米電力会社」(47ニュースHP 6月8日)
しかしこの世界、状況はそんな甘くないんですけどね。輸出先で事故が起きれば、巨額な倍賞を要求されることになります。
脱原発か、原発推進か、明日はどっちだ!?

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あ、ホント無能だ・・・
2013-06-07
電力会社はとてつもなく無能で、原子力発電所を管理・運営する能力などないんじゃないか・・・と、当ブログで書いたのは一昨日のことでした。で、本日、朝、ブッ、吹いた~~

(朝日新聞6月7日西部本社版朝刊)
なんでも九電の作業員、火力発電所1号機の燃料バルブを締めようとして、間違えて2号機のバルブを閉めてしまったとのこと。おかげで豊前火力2号機は6時間半運転停止したそうな・・・。
間違える、ったって、25mも離れたところにあるバルブ、どうやって間違えるのか・・・。
これが原発なら、次のようなシナリオもあり得るんじゃないか。
作業員A ××原発1号機の出力低下を発見、出力上昇レバーを引く、ただし、間違えて2号機の
作業員B ××原発2号機の出力上昇を発見、出力低下レバーを引く、ただし、間違えて1号機の
作業員A ××原発1号機の更なる出力低下を認識、出力上昇レバーを更に引く、もちろん2号機の
作業員B ××原発2号機の更なる出力上昇を認識、出力低下レバーを更に引く、もちろん1号機の
(以下繰り返し)
↓
Boom!!
う~ん、それにしても、良いタイミングで、当ブログの記述の正しさをみごとに証明する、絶妙のボケかましてくれる九電でした。
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【放射性ヨウ素131の拡散】女川原発だったら(11)陸前高田
2013-06-06
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は、防潮堤の高さ(建設予定)が浜岡を超えて国内最高高度となった女川原発です。そこまで津波の恐れが大きな場所に原発を建てておくのはやめたほうがよいと思うのですが・・・。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
今回の図では、陸前高田市、10万Bq/m^3hr以上汚染される緑の領域にすっぽり収まってしまっています。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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宮城県女川原発
どうしようもなく無能なのに・・・
2013-06-05
福島原発事故直後、東京電力は福島第一原発2号機の格納容器内の圧力を“勘違い”していたことが明らかとなりました。
(朝日新聞6月5日西部本社版朝刊)
なんでも「換算式を間違え」、実際の10倍の圧力が掛かっていると思い込んでいたそうです。
その後このことに気づき、事故記録などでは、こそっと数値を差し替ているということですので、東電は悪質なミス隠しを行なっているということになります。それは、当時のミスの責任逃れであると共に、今後の事故検証などにおいて混乱を招きかねない危険な行為をまだ重ねているということです。
倫理性において極めて問題のある行為ですので、強く批判されるべきですが、しかし、このところの動きを見ると、倫理性以前にも、もっと重大な問題がありそうです。

(朝日新聞6月5日西部本社版朝刊)
溜まり続ける放射性汚染水対策として、原発に流入する前の地下水をバイパスして海に流そうとする計画、漁協に了承してもらうためには、本当に海に流される水はきれいなのか、ちゃんと測定結果を見せて、漁協に納得してもらうしかありません。そこで、測定し、検出限界以下という結果を得た、はずだったのが・・・原子力規制委員会から測定方法がおかしくないかと指摘を受け、測りなおしたらセシウム検出とのことです。
数値はそれなりに低いので、最初からその数値を漁協に示して交渉に入れば、了承が得られた可能性もあったでしょう。しかし、“ないと言っていましたが、ありました放射能”という、この経緯では“東電、全く信用出来ない”ということになり、地下水放出計画頓挫の可能性が高いとのことです。
これ、東電が意図的に測定方法をごまかしていた、というなら悪質ですが、ただそれならあまりに浅はか、原子力規制委員会に見破られる程度の偽装とは何とお粗末な企みかと思いますが、それよりも・・・、実は意図的でなかったとしたら、それはもっと困ったことのように思えます。要するに、無能。東電は、地下水の放射能汚染状況一つまともに測定する能力もないということです。
格納容器内部の圧力を計算間違い、そして、地下水放射線量測定では測定方法間違い、要するに東電には、原子力を扱う能力なんて全然無い、ということがいよいよ顕になっているのが昨今の状況です。
さてそこでふと思うわけですが、東京電力は電力業界でも屈指の技術力を持っていたのではないでしょうか。少なくとも、送電線を爆発させている九電などよりも、はるかに技術はしっかりしていたはずです。

(西日本新聞6月4日朝刊)
なんでも、原子力規制委員会の再稼働審査チームが3チームしかないので、第一弾として原発再稼働できるのは3箇所に絞られてしまう・・・そこで、各電力はこの3枠に何とか入ろうと睨み合っているとのこと。
原子力を扱う能力のない連中が、欲の皮だけ突っ張らせて再稼働一番乗りを争っている・・・、心底恐ろしい状況が、今、ここにあります。
(後日談)→ 「あ、ホント無能だ・・・」
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【放射性ヨウ素131の拡散】女川原発だったら(10)岩手県
2013-06-04
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は、防潮堤の高さ(建設予定)が浜岡を超えて国内最高高度となった女川原発です。そこまで津波の恐れが大きな場所に原発を建てておくのはやめたほうがよいと思うのですが・・・。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
今回の図では、前回より更に汚染域を右に回してみました。岩手県が広範に汚染される状況です。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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宮城県女川原発
廃炉について2つの動き
2013-06-03
当ブログで廃炉費用について検討してみたのはちょうど2週間前のことでした → 「廃炉って、なんぼのもんや?」。確かに、安くはありませんが、廃炉処理には30年くらいはかかると考えられますので分割払いにし、電力会社の経営規模も考えてみれば、2%も電気料金を押し上げないで済むところがほとんどでした(廃炉費用について、政府・電力の発表を鵜呑みにすれば、の話しですが)。ただし会計処理は、単年度で計算しなければならないので、これが最大の問題かも~、と記しましたが、さすが経産省、この問題について検討するそうです。
「廃炉にしやすく会計規則変更へ 経産省が検討」(47ニュースHP 6月1日)

(朝日新聞6月2日西部本社版朝刊)
やってもらいましょう。
それに、廃炉費用、実際はもっと安く計算できるという話も、
「全原発の廃炉費用1兆7千億円 ゼロの会、国の試算大幅下回る」(47ニュースHP 5月30日)
いや~、私なんぞは、実際は高くつく廃炉費用を、電力・経産は安く偽装して積立金負担を軽減しているだろうと勘ぐっていましたが、原発続行しようとした場合の改修費用と相殺してみれば、そりゃもっと安く見積もることもできると、こう来ました、「原発ゼロの会」です。頑張ってください。
まあ、廃炉そのものはこんな費用なら気は少し楽になりますが、使用済み核燃料処分の問題まで片付くわけではありませんので、やはり早く原発やめたほうが良いでしょう。原発動かしていれば、処分しなければならない核のごみがさらに溜まるわけですから。
はいぃぃぃ?? 「九電みたいな小さな電力会社でも、原発動かせば毎日10億円は儲かる。だから動かしましょう」ですかぁ~。いや、この「儲け」と言うのは、結局、電気料金をバカ高く絞りとるから出てくるだけの話ですし、それになにより、電力会社はその金、ガメちゃうだけで、積立金に回さないのですから、電気利用者には後でまた高額請求書が来るだけです。ホント、やめて欲しいんですけどね。
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【放射性ヨウ素131の拡散】女川原発だったら(9)盛岡市
2013-06-02
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は、防潮堤の高さ(建設予定)が浜岡を超えて国内最高高度となった女川原発です。そこまで津波の恐れが大きな場所に原発を建てておくのはやめたほうがよいと思うのですが・・・。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
今回の図では、前回より更に北に振れた場合です。盛岡市、1万Bq/m^3hr以上汚染される青の領域です。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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宮城県女川原発