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訂正です。事態はもっと悪いものでした・・・地下水位。

2013-08-31
 申し訳ありませんm(_ _)m 訂正です。
 福島原発の地下水位、だんだんと上昇というのが頭にありましたので、東電発表の図を見て、「はて、地表から地下水の水面(地下水位)までの距離を測っているのかしらん」と思ってきましたが、そうではなくて、地下水位そのものが表示されていました。「OP」は、福島県小名浜地方の平均海面でした。

OP.png
(「2. 福島第一原子力発電所の現状とこれまでに実施してきた対策」東京電力HPより)

 ということで、地下水位、そもそも7月には既に海面より高く、しかもより高くなり続けていました。

地下水位7月
(「福島第一原子力発電所 地下水位観測孔について」東京電力 7月31日)

 当然、地下水は海へジャカジャカ流出です。
 その流出量について、東電自身が推計していました。

流出量推計
(「福島第一原子力発電所周辺の地質・地下水および解析」東京電力 8月23日 30頁)

 この文書では、「修正」前より少なく見積もっていますが、約400m3/日となっています。つまり、毎日、400トンほどの地下水が、海へジャカジャカ流出です。
 この水にどの程度、3.11以後のメルトダウンで放出された放射性物質が含まれるのか、あるいは、ここ数ヶ月の高濃度汚染水が混ざっているのか、事態は極めて恐ろしいことになっています。


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地下水位の現状と、政府の怠慢

2013-08-30
 福島原発の汚染水漏洩問題、レベル3確定ですから、「第2次福島原発事故」と呼ぶべきでしょう。この原発事故を無視し、放射能汚染の拡大を傍観してきた安倍政権、さすがにゼネコンに金を渡すだけでは済まないと思ったのか、「政府も前へ出る」とか言っていますが・・・

 「第1原発汚染水抜本策を来週公表 政府、国費投入も検討」(47NEWS=共同通信 8月29日)

 だとか。
 「来週」、それも対策を実施するのじゃなくて、「公表」と来ました。手をこまねいてる間も、放射性物質はじゃんじゃん漏れてるよ~~。

 「汚染水、後手の政権 腰上げたが妙案なし 自民から『危機感足りぬ』 福島第一原発」(朝日新聞HP 8月30日)

 身内からも苦情です。当然でしょう、太平洋の魚、いよいよ食えなくなります。自民党政治家の大好きな料亭料理にも影響が出るでしょう。

 東電からは地下水位の発表も出ていますので、とりあえず↓

地下水位その後0830
東京電力プレスリリース 8月30日

 部分をクローズアップしておきましょう。

地下水位その後0830部分

 なんか、多少、上昇傾向で改善傾向にあるようにも見えますが、いろいろな色の地下水位、一番下の水色のライン・・・海水面高とのクロスオーバー状態を脱したとまでは言いがたい、怪しい状況にあります。これから台風も来ますし、一雨くればどうなることか・・・。

 それにそもそも、地下水位が海面より低くなったところで、陸から海へジャバジャバ流れ放題ではなくなる、という程度の意味でしかありませんが(元栓は閉まっていない・・・3.11と、今回の漏洩事故で漏れた放射性物質はたぶん地下水と混じったまま地中にあり、いつでも流出の可能性がある)。


【訂正】グラフの読み方を間違っていました。→「訂正です。事態はもっと悪いものでした・・・地下水位。



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【放射性ヨウ素131の拡散】浜岡原発だったら(1)駒ヶ根市

2013-08-29
 福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。
 当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
 さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
 今回は、中部電力の浜岡原子力発電所です。言うまでもなく、東海・東南海・南海連動地震が起きれば、真っ向から揺れも津波も到来する位置にあります。そして、大事故となれば、日本の東西交通の大動脈、東海道を真っ二つに断ち切る放射能の壁を発生させかねず、しかも風向き次第では、東京か名古屋を壊滅させることも考えられるという、ほんと、すごい位置にあります。菅前首相がまず止めようとした原発がこれです。
 この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ヨウ素131浜岡00

 ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
 今回の図は、福島の汚染状況をそのまま平行移動してみたものです。原図が切れていますので、何とも言えませんが、10万Bq/m^3hr以上汚染される緑の領域、駒ヶ根市付近まで到達しています。


・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。


大気中にも放射性物質漏洩!! 東京電力

2013-08-28
 「漏えい、民間業者も罰則 政府の秘密保護法案」(47NEWS=共同通信 8月28日)

 情報は漏洩すると10年以下の懲役、・・・でも、放射性物質はいくら漏洩しても、おとがめ無しです。

 「大気中のセシウム濃度一時上昇 福島県『放出源は原発』」(47NEWS=共同通信 8月27日)

 汚染水だけじゃありません、空中にも放射性物質「放出」しています、福島第一原発。


 問題とされているのは、双葉町内に設置されたモニタリングポストで観測された8月19日の放射線量急上昇です。福島県の公表データでは次のようになっています。

8月19日、午前8時には、1.09μSv/h

モニタリングポスト19日午前
(福島県「各地方 環境放射能測定結果(暫定値)(第1011報)」部分)

 それが午後5時には、1.17μSv/hとなっています。

モニタリングポスト19日午後
(福島県「各地方 環境放射能測定結果(暫定値)(第1012報)」部分)

 福島民友新聞によれば、午後1時50分には1.19μSv/hまで上昇していたとのことです。

 「双葉の放射線量上昇、放出源は福島第1原発か」(福島民友HP 8月28日)

 かつて、作業員がミストで汚染されたとされた(のちにミスト原因説は否定)事件が2連発でありましたが、その2回めの日のできごとです。風向き等の気象条件から言って、県は、原発から放射性物質漏洩との判断に至ったそうです。
 これはたぶん、放射能汚染された髪の毛がムズムズして頭をバサバサっと両手で払ったりしたせいで、放射性物質の埃がたったんんじゃないか・・・ないない、さすがに。ですが、「19日午前に、第1原発の免震重要棟前で一時的に放射性セシウムの濃度が上昇。東電はこの原因や、付近で頭部を放射性物質に汚染された作業員2人との関連を調べており『双葉町との関連も含め調査を続けたい』としている」(47NEWS=共同通信 8月27日)とのことです。

 あっちもこっちも(海にも大気にも)放射能漏洩、こういったことを大っぴらに言えなくするために、情報漏えいに罰則設けようとしているんじゃないだろうな!!


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ついに国費投入!! 福島原発、汚染水対策/本格実現篇

2013-08-27
 当ブログ、8月7日の記事は、「ついに国費投入!! 福島原発、汚染水対策」という表題だったのですが、本格的な実現までには、今までかかりました。

国費投入汚染水
(朝日新聞8月27日西部本社版朝刊)

 まあ、8月7日の時点では、鹿島建設に遮水壁を発注するための調査費を付ける、というだけの意味のようでしたが(・・・要する国民から取った税金でゼネコンに儲け話を持っていきます、という発表でした)。
 しかし当時から分かっていましたが、今年は見積りのための調査だけして、遮水壁の本工事は来年度から、なんていうのんびりした話しでは済まないのが、現在の汚染水問題=福島原発放射能再漏洩事件。
 あっさり広島原爆一発分の放射能が、これまでの放射能汚染に加えて、タンク一個から漏洩し、地下水に追加なんてことが、なにげに平然と起こるのですから。
 そしてそれが海へとジャパジャパ流出です。なんてったって、地下水位、海面より高いのですから。
 東電もはやお手上げです。このままじゃ、放射能汚染、拡大の一途です。国費投入でも何でもして、緊急事態対応体制でやってもらわなければ困ります。

 ただしこの国費投入、前にも書きましたが、「やる気のない対応で国の関与を引き出したということであれば、東電の大勝利」です。事故を起こしといて、やる気のない対応をして、事故処理費に国民から税金をまきあげる、なんてこと、許されて良いのでしょうか。
 事故処理の責任主体としての責務を果たすことができないことがはっきりした東電、今や解体しない理由を探すことのほうが困難です。責任能力のない東京電力は原発関連部門とそれ以外に分け、原発関連部門は国がきちっと管理する一方、それ以外は会社更生手続きによって再生していく必要があります。そして、これまでの経営者、株主、融資銀行に対しては、きちっと責任追及しなければなりません。
 それなくして税金の投入は、ありえません。問題を起こした私企業が国費の投入を仰ぐ時の、世界的常識です。安倍政権、やることやれよ、速やかな事故対応を含めて。

(もっとも、「速やかな事故対応」として何ができるのか、結局、何もできないんじゃないか、とも思えますが・・・安倍〈8月6日〉も、茂木〈8月26日〉も、記者会見では胸を張って「国が前面に出る」とか言ったけど、さて、何ができる? 恥かくだけじゃないのか・・・結局、放射能汚染進行じゃ、実に困るぞ!!)


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【放射性ヨウ素131の拡散】志賀原発だったら(9)新潟県西部その2

2013-08-26
 福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。
 当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
 さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
 今回は、北陸電力の志賀原子力発電所です。この原発、活断層でレッドカードを貰い、ご多分に漏れず反論しようとしたものの、それさえ困難なようで、報告書の提出は9月末予定と延期され、再稼働審査の請求さえできていません。もともと、1999年6月には臨界事故を起こしており、そのせいもあり、通常は70~80%程度となる設備利用率が1号機で約64%、2号機で約35%と、まともに動いていない(リンク先は日経新聞HP・・・無料登録で閲覧可)ことこの上ない原発です。しかも、炉の形式が福島第一原発と同じ沸騰水型(2号機は改良沸騰水型)ですからフィルターベント装置も必要と、ホント、さっさと諦めて廃炉にした方が経営上もプラスだろうと思いますが、北陸電力は600億円以上をかけて改修工事をするそうです。まあ、この原発、関西電力の値上げ原価に算入されていますから、そっちの方からだけでも維持しているだけで(発電をしていなくても)年間百数十億円の収入を北陸電力にもたらしてくれるわけですが・・・。
 この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ヨウ素131志賀r-60

 ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
 新潟県西部への汚染の到来、前回は10万Bq/m^3hr以上汚染される緑の領域の到達距離の遠い原図北端をあわせてみましたが、今回は広がりのイメージがつかみやすい原図南端を合わせてみました。1万Bq/m^3hr以上汚染される青の領域、柏崎刈羽原発に到達しています。なお本図では汚染状況図を裏返しています。


・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。


汚染水タンクが地盤沈下で漏水なら、4号機は??

2013-08-25
 本日の朝日新聞は、福島原発の漏水タンクについて、地盤沈下で傾いたため移設・再組立てしたものだったと報じています。

漏水タンク地盤沈下
(朝日新聞8月25日西部本社版朝刊)

 同じことなのですが、共同通信はもっと問題点をストレートに表現する見出しで書いています→「第1原発、地盤沈下でゆがみか 汚染水タンク解体再利用」(47ニュース=共同通信 8月24日)

 タンク一個で、広島原爆一個分もの放射性物質を溜め込むのですから、建設会社の言いなりで中古(移設)瑕疵品タンクを平気で使用するとは、東京電力、全く許しがたいものがありますが、もっと注目せざるを得ない点、もしくは単語があります・・・「地盤沈下」です。
 一昨日の当ブログでは、地下水位が海面高を超えたことを取り上げました。地下水位の変動と、地盤沈下・隆起が密接に関わっていることは、よく知られています。(地盤沈下と地下水位の問題に関する国交省のページ → ここ とか、いろいろ。地盤隆起だと、これ、とか。)
 現在、東電(と国)は汚染水・地下水問題に頭を悩ませ、遮水壁を作るとか、ポンプで水を汲み上げるとか、山沿いの地下水をパイパスして流すとか、ごちゃごちゃ言っていますが(実際の対策はほとんど取られてないが・・・)、とにかく、地下水位、現在は海面高を超えるほど大きく上昇していますし、ポンプでの汲み上げが成功すれば(大量に組み上げる必要があるでしょう・・・その水はどこにやるのか知りませんが)、今度は地下水位が下がっていくでしょう。
 で、こういったことは地盤を持ち上げたり、沈下させたりすることになります。
 地盤沈下の結果、今回は「タンクのゆがみ」が問題として発生していました。
 それで済むのでしょうか??

 2011年の事故発生後、ほどなくしてガンターセン氏の発言などによって注目を浴びた福島第1原発4号機の傾き、地下水をごちゃごちゃいじると、加速する可能性があります。元駐スイス大使の村田光平氏は「菅総理の元政策秘書が明らかにしたところによれば、80cmの不等沈下が発生している」と紹介しています。“菅総理の秘書”ですから、2011年の前半には既にこれだけ傾いていたわけです。
 地震のような衝撃がなくとも、これはかなり危ない。燃料プールが、ひび割れするだけで、ここは十分な破局となるわけですから。
 改めて記すまでもないかもしれませんが、4号機の燃料プールには使用済み核燃料1331体と未使用の核燃料202体(「使用済み核燃料棒264トン」という表現もよく見かけます)の核燃料が入っており、水が抜け、これが空中に露出すれば、福島事故のこれまでの10倍に登る放射能が放出されると見込まれています。東京は当然終わりとして、その先、どこまで終わりになることでしょう。


 なお、東京電力による以前の地盤沈下の評価は → こんなところ ・・・ちなみに「・構造物の際で沈下大(地下水位低)/・埋戻し土厚いところで沈下大/・海側で沈下大(地下水位高)」と、不等沈下を証明している文言もあります。
 またなお、4号機の燃料棒取り出しは、本年11月開始の予定です → 東電の4号機ページ


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やはりそうなる、海、放射能汚染深刻!!

2013-08-24
 20日に日付が変わるころから、地下水位が干潮時、海面より高くなる状態となっている福島第一原発、当然、地下水はジャブジャブと海に流れ込みますから、放射能汚染された地下水に含まれている放射性物質、海へ大量流出です。

海洋汚染上昇
(朝日新聞8月24日西部本社版朝刊)

 この事態となること、随分と前からわかっていたのに、国は何をやっていたのか、怠慢にもほどがあります。

 そう言えば、昨今の状況、あまりにひどいので、タンクの状況について視察に来た原子力規制委員会の更田委員、あまりのずさんな管理ぶりに、色をなして叱責していました。彼は最も業界寄りの委員のはずなのですが(原子炉そのものの専門家として、業界から選ぶしかなかったわけですが)、その彼でさえ唖然です。

 「タンクの点検記録なし 東電の監視は『ずさん』」(47ニュース=福島民友 8月24日)

 なんか東電はもう、投げてしまったようにも見えます。東電を叱責しても何もできない、何もしない状態になった時、どうするのか、これまで原発政策を推進してきた連中、どう手当するつもりだ!!

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地下水位、海面を超えました!! /福島放射能汚染水

2013-08-23
 本日、東京電力から発表された地下水位、海面高を超えています。つまり、地下水、じゃぶじゃぶと海へ流出です。水面下で染み出す、なんて甘いものではなく(実際の主要流路は水面下かもしれませんが)、海へ流れ放題です。

地下水位1
福島第一原子力発電所地下水観測孔の地下水位について8月23日 に書き込み)

 21日から23日の降雨も一因かもしれませんが、それ以前から地下水位は急上昇しています(グラフは上下逆で、地下水位を示す線はグッと下がっていきます)。そして、19日~20日の日付が変わる頃の干潮時から毎日、干潮時には地下水位が小名浜の潮位を越えています。
 地下水位の方が海面より高いのですから、ジャブジャブ海へ流れ放題です。
 この地下水には当然、このところ報道が相次いでいるレベル3原発事故相当の高濃度汚染水漏洩事故で漏れた、放射性物質も混ざっていることでしょう。

 ちょっと見やすいように、問題の部分、切り取って、凡例なども貼り付けときましょう。

地下水位2

 オリンピックの誘致なんてに出かけられる状況か、安倍首相!! 現状は新たな原発事故と言うべき状況なのに、事故処理を放り出して、お祭りの誘致のために外遊とは、あきれた心がけです。

【訂正】グラフの読み方を間違っていました。→「訂正です。事態はもっと悪いものでした・・・地下水位。


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「もうダメポ、東電」・・・か、「もうダメポ、我々」か。

2013-08-22
 あ~、もう~、ひっちゃかめっちゃかだ!! 東京電力。

 「福島第1汚染水漏れ、レベル3に事故評価引き上げ=原子力規制委」(朝日新聞HP 8月21日)
 「ストロンチウム流出、10兆ベクレル 地下水通じ海へ」(朝日新聞HP 8月21日)

 福島原発の高濃度汚染水流出問題、結局、原発事故をもう一つ起こしたのと同じことではないですか。レベル3です。そして、これまでの漏洩の流出量の推定で、ストロンチウムは10兆Bqと出ました。ストロンチウムと言えば、骨に取り込まれ、重大なガンを引き起こす、極めて危険性の高い放射性物質ではないですか。それが10兆Bqです。

 これじゃどうにもならない福島の汚染水漏れ、政府も関与ということだったはずですが、でもホント、どうするんでしょう東電そのもの。

東電黒字化?
(朝日新聞8月14日西部本社版朝刊)

 ちょっと古い新聞記事ですが、「東電が抱える賠償や除染、廃炉などの負担は10兆円に達する可能性があり、国が支援の上限としている5兆円を超えるのは確実だ」とのことです。
 全体として言えば、どうせ国が負担という形を取るにせよ、東電が負担するという形を取るにせよ、つけは税金か電気料金という形で国民に回すほかないわけですが、具体的にどういう形にするのでしょう?

 (上掲記事で東電は、柏崎刈羽原発を再稼働すれば黒字化するようなことを言っていますが、国のコスト検討委員会においてさえ原発と他の発電方式との差は1~数円/kwh程度、そんなに大きく黒字になるはずはありません。まあ、既に発電所は建設済み、燃料も確保済みで、(安全対策強化ぶんのほかは)追加の資金があまりかからないので、既存原発使い切るまでは黒字だという計算なのでしょうが。ただ、これも取り敢えずの帳簿上の帳尻合わせに過ぎず、使用済み核燃料をどうにか処理しなければならなくなった時点で、再び大赤字のはずです。)

 ということで、現状、除染も事故処理も賠償も、請求書が東電に行く仕組みになっていますが、再稼働できなければすぐに、再稼働できてもいずれは、東電は資金繰りができなくなります。
 まあ、大勝した自民党政権、取り敢えずは再稼働強行、後から核燃料再処理資金を手当て、というシナリオでしょうか。そんなことされたら、我々はずっと原発事故の危険と放射能汚染を背負ったままの状態に置かれ、しまいに核のごみの処分費用を負担させられる、という最悪の展開です。
 いやしかしシナリオがどうのこうのと言ってられる事態じゃなくて東電、既にもう全然、福島の事故物件、管理できてないじゃないですか、安倍首相。レベル3です。要するに、また原発事故起こしたわけです。放射性物質のダダ漏れ状態、進行中です。
 これじゃ「もうダメポ、東電」じゃありません。「もうダメポ、我々」です。放射能は浴びせかけられる、賠償金は負担させられる、再処理費用も負担させられる、も、もう、ダメポォ・・・


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【放射性ヨウ素131の拡散】志賀原発だったら(8)新潟県西部

2013-08-21
 福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。
 当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
 さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
 今回は、北陸電力の志賀原子力発電所です。この原発、活断層でレッドカードを貰い、ご多分に漏れず反論しようとしたものの、それさえ困難なようで、報告書の提出は9月末予定と延期され、再稼働審査の請求さえできていません。もともと、1999年6月には臨界事故を起こしており、そのせいもあり、通常は70~80%程度となる設備利用率が1号機で約64%、2号機で約35%と、まともに動いていない(リンク先は日経新聞HP・・・無料登録で閲覧可)ことこの上ない原発です。しかも、炉の形式が福島第一原発と同じ沸騰水型(2号機は改良沸騰水型)ですからフィルターベント装置も必要と、ホント、さっさと諦めて廃炉にした方が経営上もプラスだろうと思いますが、北陸電力は600億円以上をかけて改修工事をするそうです。まあ、この原発、関西電力の値上げ原価に算入されていますから、そっちの方からだけでも維持しているだけで(発電をしていなくても)年間百数十億円の収入を北陸電力にもたらしてくれるわけですが・・・。
 この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ヨウ素131志賀95

 ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
 今回は新潟県西部です。原図が切れていますのではっきりしませんが、10万Bq/m^3hr以上汚染される緑の領域、糸魚川市には到達し、上越市まで届くか、という感じとなっています。


・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。


とても非人間的な感じがします、東京電力

2013-08-20
 本日は、かの最大規模汚染水漏洩漁業者への説明会で大顰蹙を買った東電ですが、ちょっと前の話し、東京電力の作業員放射能汚染問題、当初はミストが疑われていましたが、結局違ったようです。

 「作業員2人に身体汚染 東電基準の3倍 福島第一原発」(朝日新聞HP 8月19日)

 今回はミストは動いていなかったとのことです。

 はっきり言って、この事件、どうでもいい問題と思っていました。東電の作業員がこの程度汚染され、原発外に放射性物質を持ち出したところで、既にまわりはもっとひどく汚染されていますから、何も起こらない。ミストが放射性物質をばらまいていたところで、この程度、同じことです。単に作業員が危険にさらされる、東電の身内問題です。勝手にやってよ、というところでしょうか。だからこんなに何回もブログで言及する気もありませんでした。
 しかしです、東電のプレスリリースを見ているうちに気が変わりました。

 上掲リンク先の朝日新聞の記事のもととなった東電の発表資料と思われるものはこれです↓

 「福島第一原子力発電所 免震重要棟前に設置されたダストモニタの警報発生について」(東京電力プレスリリース 8月19日)

 このプレスリリースで、重要なこととして記載されているのは「ダストモニタの警報発生」です。作業員の放射能汚染は、その説明の中で、一項目として書き込んであるだけです。一人は13Bq/cm2だそうです。

 そもそも、16日のプレスリリースでも、なんか変な感じでした。

 「福島第一原子力発電所 免震重要棟前における連続ダストモニタ警報の発生、および汚染確認者の発生についての調査状況」(東京電力プレスリリース 8月16日)

 放射能汚染の原因追求が行われ、既にミストは関係ないと言っているようなものなのですが、ここでは、汚染してしまった作業員16名、「今後、行動調査」と記されています。汚染原因を特定するため、どういった行動をしていたのか調査する、といった意味に取れ、放射能汚染の影響について医学的に経過観察をする、というのとは、どうも違うようです。一人は東電の社内基準4Bq/cm2を超える、6.9Bq/cm2汚染されていたのですが。

 結局、どちらのプレスリリースにしても、問題だったのは“ダストモニタの警報発生”で、従業員の放射能汚染は、どうでもいい問題のように扱われています。
 しかも、16日のプレスリリースの方では、最も汚染された作業員は東電所属、19日のプレスリリースでは、最も汚染された作業員は協力会社となっています。16日のプレスリリースでは、表題に「汚染確認者」が上がっていますが、19日のプレスリリース表題では人については何もなし。前者の倍の13Bq/cm2なんですけどね。

 東電、これまでも被曝下請け労働者の切り捨てで悪名高かったですが、今回もひどいものです。こんな非人間的な会社、存続させていいのでしょうか。


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【放射性ヨウ素131の拡散】志賀原発だったら(7)富山市

2013-08-19
 福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。
 当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
 さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
 今回は、北陸電力の志賀原子力発電所です。この原発、活断層でレッドカードを貰い、ご多分に漏れず反論しようとしたものの、それさえ困難なようで、報告書の提出は9月末予定と延期され、再稼働審査の請求さえできていません。もともと、1999年6月には臨界事故を起こしており、そのせいもあり、通常は70~80%程度となる設備利用率が1号機で約64%、2号機で約35%と、まともに動いていない(リンク先は日経新聞HP・・・無料登録で閲覧可)ことこの上ない原発です。しかも、炉の形式が福島第一原発と同じ沸騰水型(2号機は改良沸騰水型)ですからフィルターベント装置も必要と、ホント、さっさと諦めて廃炉にした方が経営上もプラスだろうと思いますが、北陸電力は600億円以上をかけて改修工事をするそうです。まあ、この原発、関西電力の値上げ原価に算入されていますから、そっちの方からだけでも維持しているだけで(発電をしていなくても)年間百数十億円の収入を北陸電力にもたらしてくれるわけですが・・・。
 この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ヨウ素131志賀r-30

 ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
 前回までは、原図を回転させて作図してきました。今回はちょっと裏焼きしてから回転しています。前回・前々回と同じく富山・長野方向へと放射能雲が広がるケースですが、10万Bq/m^3hr以上汚染される緑の領域、富山湾に沿って広がった場合です。


・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。


そうだバイオマスがあったじゃないか。

2013-08-18
 お盆休みの影響か、原発関係の動きが鈍くなっているような気がします。福島原発の汚染水漏れは待ってはくれず、少ない量ながら始めた地下水の汲み上げも、汲み上げれば汲み上げるほど、水を入れるタンクの限界も近づきますし、しかも、井戸から汲み上げられる汚染水の汚染濃度が上昇中という困った事態を迎えていますから、そうのんびりしていられるはずはないのですが。
 しかもこれです↓

 「掘削機故障で遅れ 第一原発海側地下水くみ上げ設備の設置」(47ニュース 8月18日←福島民報)

 汲み上げ体制の整備、遅れてます。

 あ~もう、何やってんだよ~、というところですが、ふと、NHKニュース、汚染水問題とは全然関係ないけど、時には明るい話題も提供してくれます↓

バイオマスs
NHKホームページ 8月18日

 昭和シェル石油に王子製紙、それぞれバイオマス発電に参入です。
 昭和シェル石油の「採算性に一定のめどが立った」という点が非常に良いですね~。石油火力にwelcomeなこの会社で、採算性にめどが立つのですから、もともとパルプかす抱えている製紙会社は、当然のことながら黒字を出せるでしょう。
 こうなると原発の採算性なんて(もともとインチキ計算ですが)、ますます怪しくなっていくでしょう。

 それにしても、電力不足なんて、これだけの猛暑でも、なんてことなく過ごせてますね~。電力会社ってウソばかり、いよいよ明白です。


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原発なんて100年早い!! 火力もボロボロ、九州電力

2013-08-17
 あっという間にボロが出ました九州電力、再稼働申請した玄海原発の事故対策、新基準を満たしていないことが早々と判明です↓

 「玄海原発新基準満たさず、事故対策で水位計未設置」(読売新聞HP 8月16日)

 何のためにどういう対策を施すのか、理解できていれば当然必要なことがわかる水位計、設置せずに申請を行うとは、原発で安全性を高めるための方策の理解がまったくできてないんじゃないか!?


 そもそもこのところ九電は、火力発電さえ、まともに運用できていません。

松浦火力損傷
(朝日新聞8月14日西部本社版朝刊)

苅田火力停止
(朝日新聞8月15日西部本社版朝刊)

 松浦火力では配管損傷・蒸気漏れ、苅田火力では取水口でクラゲ除去装置が故障、と、いずれも原発で起こったらなんかイヤ~な展開になりそうな壊れ方。まあ、火力と原発では作りも仕様も、かけている金も違うでしょうから、そのまま再現されることないでしょうが(と信じたいが)、相変わらず低レベルな、九州電力の技術力を見せつける出来事です。
 九州電力が原発を運用するなんて、100年早いんじゃないか~~
 (100年後もごめんだが・・・)


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【放射性ヨウ素131の拡散】志賀原発だったら(6)長野市

2013-08-16
 福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。
 当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
 さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
 今回は、北陸電力の志賀原子力発電所です。この原発、活断層でレッドカードを貰い、ご多分に漏れず反論しようとしたものの、それさえ困難なようで、報告書の提出は9月末予定と延期され、再稼働審査の請求さえできていません。もともと、1999年6月には臨界事故を起こしており、そのせいもあり、通常は70~80%程度となる設備利用率が1号機で約64%、2号機で約35%と、まともに動いていない(リンク先は日経新聞HP・・・無料登録で閲覧可)ことこの上ない原発です。しかも、炉の形式が福島第一原発と同じ沸騰水型(2号機は改良沸騰水型)ですからフィルターベント装置も必要と、ホント、さっさと諦めて廃炉にした方が経営上もプラスだろうと思いますが、北陸電力は600億円以上をかけて改修工事をするそうです。まあ、この原発、関西電力の値上げ原価に算入されていますから、そっちの方からだけでも維持しているだけで(発電をしていなくても)年間百数十億円の収入を北陸電力にもたらしてくれるわけですが・・・。
 この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ヨウ素131志賀115

 ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
 前々回、前回と長野方向へ放射能雲が広がるケースを考えて重ね合わせ図を作成しましたが、さて、汚染濃度が上る可能性はどんなものか、今回は、汚染領域原図の北側を長野市に向けてみました。原図が切れていますので、よくわかりませんが、少なくとも長野市の西端には10万Bq/m^3hr以上汚染される緑の領域が到達しています。


・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。


こんな所でも数値偽装!! 東京電力

2013-08-15
 メディアに取り上げられる第一報では、数値を小さめに出しておいて世間の反発を受け流し、後から本来の値に差し替える、という、原子力関係の常套手段、またやってます、東京電力↓

 「福島第一原子力発電所 免震重要棟前でのバス待ち時における身体汚染確認者の状況について」(東電プレスリリース 8月14日)

ミスト訂正b

 放射能をこよなく愛している東電、福島第一原発で、自らの作業員に放射能ミストを降りかけていましたが、その汚染レベルの数値、訂正です。

 (1)「顔面・頭部が最大10Bq/cm2」汚染されていたとしていた12日の発表、「現場の記録を確認したところ、最大19Bq/cm2」でした、と訂正
 (2)「身体汚染者は拭き取り等を行い、身体汚染レベルが社内運用管理値(4Bq/cm2)以下であることを確認」
 →「身体汚染レベルがスクリーニングレベル(40Bq/cm2)を下回っていることを確認。なお、拭き取り後の10名の最大汚染レベルは6.9Bq/cm2であったことを確認」

 だそうです。

 なんと不思議な発表でしょう。
 まず(1)。そもそも東電の発表っていうのは、現場の記録を確認せずに行われるのでしょうか。10Bq/cm2という数字は、どこから出てきたのでしょう?? 「東電の発表って、発表担当者が当てずっぽうの数値を言っているだけで、実際の測定値とは関係ないんじゃないか」という疑念さえ浮かびます。
 そして(2)。拭き取り後の最大汚染レベルが6.9Bq/cm2って、訂正前の文書に書いてある社内運用管理値4Bq/cm2を超えているんですけど、結局どうしたんでしょう??

 それにしても、身内の被曝状況まで偽装して何がしたい?? 東電。


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【放射性ヨウ素131の拡散】志賀原発だったら(5)富山・長野その3

2013-08-14
 福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。
 当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
 さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
 今回は、北陸電力の志賀原子力発電所です。この原発、活断層でレッドカードを貰い、ご多分に漏れず反論しようとしたものの、それさえ困難なようで、報告書の提出は9月末予定と延期され、再稼働審査の請求さえできていません。もともと、1999年6月には臨界事故を起こしており、そのせいもあり、通常は70~80%程度となる設備利用率が1号機で約64%、2号機で約35%と、まともに動いていない(リンク先は日経新聞HP・・・無料登録で閲覧可)ことこの上ない原発です。しかも、炉の形式が福島第一原発と同じ沸騰水型(2号機は改良沸騰水型)ですからフィルターベント装置も必要と、ホント、さっさと諦めて廃炉にした方が経営上もプラスだろうと思いますが、北陸電力は600億円以上をかけて改修工事をするそうです。まあ、この原発、関西電力の値上げ原価に算入されていますから、そっちの方からだけでも維持しているだけで(発電をしていなくても)年間百数十億円の収入を北陸電力にもたらしてくれるわけですが・・・。
 この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ヨウ素131志賀-80

 ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
 前回から更に角度を回してみました。長野県は広いので、けっこう角度回しているのですが、あまり違いがわからないかもしれません。依然として富山から長野、広範に汚染されそうです。


・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。


もうダメポ、東電・・・

2013-08-13
 いや~、暑いですね~。で、ミストで涼しく、とは日本中のテーマパークや、大型商業施設などでやっていますが・・・

 「ミストシャワーか、社員10人汚染確認 福島第一原発」(朝日新聞HP 8月12日)

 福島第一原発でもやっていたんですね、ミスト。暑いですからね~。でもそのミストに放射性物質が混ざっていたとは、さすが東電です。もう、放射能、愛しちゃってますね。
 まあ、好きで放射能の霧を浴びるのなら、「勝手にやってくれ」ですが(でも治療費だ何だのを電気料金に転嫁は、なしですよ)、しかし、しかし、

 「放射線監視モニターで警報=原因特定できず-福島第1」(時事通信HP 8月12日)

 放射線監視モニターで警報が出た原因は、そのミストらしいと、そこまでは推定できたそうですが、その先、じゃあそのミストに含まれていた放射性物質はどこから来たのか?? 「ワッカリマセーン」とのことです。終わってますね、東電。ボロボロのようです。
 一方、汚染水対策として始めた地下水の汲み上げ、今やってる日量24トンのくみ上げじゃ足りなくて60トン必要と原子力規制委員会から指摘を受けたそうです。

 「日量60トンのくみ上げ必要=汚染地下水流出で東電-1号機北側の調査指示・規制委」(時事通信HP 8月12日)

 ちゃんとやってもらいましょう60トン。でもこれで、本当に放射性物質の海への漏洩が防げるのか、怪しいですが。なんせ、ミストが風に飛ばされて海へ流れる可能性も検討しなければならなくなったのですから・・・。(と、いうか、海へ流出していたのは、300トンじゃありませんでしたっけ??)
 それにしても、東電に原発事故対策を行う能力があるのか、付いていた疑問符がますます大きく拡大しました。どこから紛れ込んだかわからない放射性物質を自らの作業員にふりかけてしまうのですから。


 あ、そうそう、これ見落としていました→「事故発生から間もない時期に、地下水が原発の敷地の地下を横切って海に流れ出ているのを防ぐためには敷地全体を地下の岩盤まで届く鉄板で囲むことが必要という提案を外部の専門家から受けました。早速、政府と東電の統合対策本部に検討するように指示しました。約一千億円かかるということで東電が難色を示し、残念ながら今日まで部分的な対策しかとられていません。」(菅直人オフィシャルブログ 8月2日)
 遮水壁、1000億円かかる工法は、原発の地下を鉄板で囲む方法でした。鹿島建設の方法だと(また決めてかかってるよ~)、これよりどれだけ安くなるのでしょうかね?? 
 ま、菅元首相も復活したようなので(ネット発言が復活しただけですが・・・)、脱原発、頑張ってもらいたいものです。原発ゼロの会にも参加だそうです。
 とは言え不安材料もあって(^o^;;、菅直人オフィシャルブログの置かれたAmeba、ハックされたみたいです。 菅元首相のブログ、ハックされてないといいですね。踏んだり蹴ったりになりやすい体質の人みたいですから・・・


 そうそうもう一つ、これはちゃんと記憶しておきましょう。

 「泊原発敷地に火砕流到達か 11万年前の洞爺カルデラ大噴火 原子力規制委が指摘」(北海道新聞 8月11日)

 洞爺カルデラの火砕流、北海道泊原発敷地に到達していた可能性があるそうです。さっさとやめましょうね、こういう危ない原発は。ホント、下手に原発なんぞ動かしてて事故ったら、北海道電力も東京電力みたいにメロメロになってしまうかも、ですよ、北海道電力さん。そもそもシビアアクシデントについては、弥縫策はあっても、対策なんてありえないのですから。


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【放射性ヨウ素131の拡散】志賀原発だったら(4)富山・長野

2013-08-12
 福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。
 当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
 さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
 今回は、北陸電力の志賀原子力発電所です。この原発、活断層でレッドカードを貰い、ご多分に漏れず反論しようとしたものの、それさえ困難なようで、報告書の提出は9月末予定と延期され、再稼働審査の請求さえできていません。もともと、1999年6月には臨界事故を起こしており、そのせいもあり、通常は70~80%程度となる設備利用率が1号機で約64%、2号機で約35%と、まともに動いていない(リンク先は日経新聞HP・・・無料登録で閲覧可)ことこの上ない原発です。しかも、炉の形式が福島第一原発と同じ沸騰水型(2号機は改良沸騰水型)ですからフィルターベント装置も必要と、ホント、さっさと諦めて廃炉にした方が経営上もプラスだろうと思いますが、北陸電力は600億円以上をかけて改修工事をするそうです。まあ、この原発、関西電力の値上げ原価に算入されていますから、そっちの方からだけでも維持しているだけで(発電をしていなくても)年間百数十億円の収入を北陸電力にもたらしてくれるわけですが・・・。
 この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ヨウ素131志賀-62

 ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
 前回既に岐阜・長野方向について見てみましたが、この両県、広いので、もうちょっと角度を回してみました。富山から長野、広範に汚染されそうです。


・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。


いくらかかるんだ??「遮水壁」

2013-08-11
 福島原発の汚染水の海への流出、東京電力も認めました↓

 「土の壁越え、原発の汚染水流出 地下水上昇し海側に」(47ニュース=共同通信 8月10日)

 この放射能汚染水の海洋漏洩問題で、国は「遮水壁」なるものを建設する予定とのことです。このために税金が投入されます・・・明確な国民負担ですな。まあ、「国民負担ではなく“東電負担”だ」となったところで東電が金を払うわけではなく(払えるわけもなく)、電気料金で利用者から集めるだけのことですから、全国の人々から金を集めるのか、東電管内の人々から金を集めるのかの違いしかないわけですが・・・しかも東電管内といったところで、額が大きくなれば経産省主導で他電力にも拠出が求められることになりますから、さらに違いは分からなくなっていきますが・・・
 ともあれ、国民負担です。いくら負担させられるのでしょうか?

 答え → わからない

 なぜなら、今まさに、「いくらかかるのか研究してくれ」と、3億円で見積書作成をやってくれるところを募集し終わったところだからです→「平成25年度『発電用原子炉等廃炉・安全技術基盤整備事業(地下水の流入抑制のための凍土方式による遮水技術に関するフィージビリティ・スタディ事業)』に係る企画競争募集要領」(経産省・資源エネルギー庁)。結果が出るのは、事業実施期間の終わり=見積書作成作業の終わる「平成26年3月31日」ころということになります。
 とは言え、おおよその額は出ていると思われます。この見積書作成の応募申し込み締切日が8月6日となっていますから、ここで何らかの感触を得て、前出の8月7日の国費投入の発表になったと思われます。まあ、鹿島建設との出来レースっぽいので、大体の金額を鹿島の担当者に提示させ、その結果、「なんとか予算確保できそう」、となったのではないでしょうか。

 で、いくらになるのか?
 「最終的には数百億円の設置費用がかかる見込み」(日本経済新聞5月30日)という記事があります。上掲鹿島建設との出来レースっぽいリンク先文章が4月26日付けですから、5月30日付けのこの記事の想定も鹿島建設の可能性が高いでしょう。「数百億円」かぁ・・・でも、200~300億円と、700~800億円じゃあ、だいぶ違う・・・。
 ググって行くと「(東京電力は)遮水壁の設置費用に1000億円を見込む」というのを見つけました。2011年6月29日付けのブログ記事ですのでだいぶ古く、この時想定していた工法と鹿島建設の工法が違うとあてになりませんが(いやそもそも鹿島と決まったわけではありませんが)、まあ、数百億円といっても、安い方では無さそうです。


 そうそう、先月号の中央公論のコラムは、このごろ見かけることの少なくなった、原発のコスト問題でした。事故処理費を考えれば中長期的には原発がコスト高となったことは明らかだが、短期的には投資回収のために原発を動かす必要もあるかも、と論じた上で、それはまるで次の世代にゴミを投げ捨てるようなものだ、としていました。

原発コスト松井
(中央公論2013年8月号)

 ここで「コスト計算には遮水壁の金額も加わったぞ!!」と言いたいですが、なんせ「東電は昨年11月に賠償、廃炉、除染の費用が10兆円規模になり」(日本経済新聞8月7日・・・無料登録で閲覧可)とのことですから、「10兆円規模」と比べれば「数百億円」の遮水壁は、まあ、ゴミのようなものでしょうかね。
 いや、そういう問題じゃなくて、一体全体、我々はいくら(「10兆円規模」の方も当然我々が負担させられるわけですから)、負担させられることになるのでしょうか。完全に赤字です、原発。

 (数千年に一度の重大事故発生といった条件で行った原発コスト計算の経済性のレベルに近づくためには、これから数千年の間、原発を無事故で運転し続けなければなりません。逆に言えば、今、既に事故ってしまった以上、今後事故がなくても数千年間はずっと赤字が続くということになります。そもそもバカバカしくてやってられません、こんなコスト計算!! ・・・というのが、ホンネですが。)


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【放射性ヨウ素131の拡散】志賀原発だったら(3)富山・岐阜・長野

2013-08-10
 福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。
 当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
 さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
 今回は、北陸電力の志賀原子力発電所です。この原発、活断層でレッドカードを貰い、ご多分に漏れず反論しようとしたものの、それさえ困難なようで、報告書の提出は9月末予定と延期され、再稼働審査の請求さえできていません。もともと、1999年6月には臨界事故を起こしており、そのせいもあり、通常は70~80%程度となる設備利用率が1号機で約64%、2号機で約35%と、まともに動いていない(リンク先は日経新聞HP・・・無料登録で閲覧可)ことこの上ない原発です。しかも、炉の形式が福島第一原発と同じ沸騰水型(2号機は改良沸騰水型)ですからフィルターベント装置も必要と、ホント、さっさと諦めて廃炉にした方が経営上もプラスだろうと思いますが、北陸電力は600億円以上をかけて改修工事をするそうです。まあ、この原発、関西電力の値上げ原価に算入されていますから、そっちの方からだけでも維持しているだけで(発電をしていなくても)年間百数十億円の収入を北陸電力にもたらしてくれるわけですが・・・。
 この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ヨウ素131志賀-45

 ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
 今回は内陸部に汚染地帯が広がった場合です。富山市には10万Bq/m^3hr以上汚染される緑の領域、岐阜市と長野市には1万Bq/m^3hr以上汚染される青の領域が到達しています。


・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。


官邸前デモ、続行中!!

2013-08-09
 メディアが取り上げないので、地方では状況がよくわからなくなっていますが、官邸前デモ、続行中です。今、戻ってきたところです。暑い夏は、こういうので盛り上がらなければいけません!!

 国会前スピーチでは福島汚染水問題も取り上げられていました。

国会前

 人が少なくなったとは言われますが、まだまだ結構います。官邸前はこんな具合↓

官邸前

 そして、いろいろなやり方で訴える人々↓

キャンドル
 キャンドルを焚く人、

チャリデモ
 自転車デモの体験参加もできます。

 もちろんファミリーエリアはファミリーエリアで人の集まりがあり、別の一角にはブトー派の方もいれば(いえ、暴力に訴えているのではなくて、「舞踏」で訴えているのですけど)、イラスト・ポスターをズラっと並べた美術系の方もいれば、太鼓に金管という「デモ向き」音楽系ばかりではなく、合唱されている集団もいらっしゃいました。
 国会・官邸周辺の広範なエリアに広がって、依然として原発再稼働反対・抗議、そして原発廃絶の声は大きく響きわたっています。


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【放射性ヨウ素131の拡散】志賀原発だったら(2)福井市・能登

2013-08-08
 福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。
 当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
 さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
 今回は、北陸電力の志賀原子力発電所です。この原発、活断層でレッドカードを貰い、ご多分に漏れず反論しようとしたものの、それさえ困難なようで、報告書の提出は9月末予定と延期され、再稼働審査の請求さえできていません。もともと、1999年6月には臨界事故を起こしており、そのせいもあり、通常は70~80%程度となる設備利用率が1号機で約64%、2号機で約35%と、まともに動いていない(リンク先は日経新聞HP・・・無料登録で閲覧可)ことこの上ない原発です。しかも、炉の形式が福島第一原発と同じ沸騰水型(2号機は改良沸騰水型)ですからフィルターベント装置も必要と、ホント、さっさと諦めて廃炉にした方が経営上もプラスだろうと思いますが、北陸電力は600億円以上をかけて改修工事をするそうです。まあ、この原発、関西電力の値上げ原価に算入されていますから、そっちの方からだけでも維持しているだけで(発電をしていなくても)年間百数十億円の収入を北陸電力にもたらしてくれるわけですが・・・。
 この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ヨウ素131志賀212

 ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
 今回は福井市に原図の北端をあわせてみました。原図が切れているのではっきりしませんが、福井市主要部にも10万Bq/m^3hr以上汚染される緑の領域が到達していそうです。一方、能登半島、北端の珠洲市まで、10万Bq/m^3hr以上汚染される緑の領域に入っています。なおこの図では、柏崎刈羽原発のあたり、海上を通った1万Bq/m^3hr以上汚染される青の領域が到達しています。


・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。


ついに国費投入!! 福島原発、汚染水対策

2013-08-07
 いやはや良いことなのか悪いことなのか、なんとでも読めてしまう事態展開ですが、とにかく事故対応、一歩進んだことは間違いないようです。

 「福島原発、汚染水対策に国費投入へ 政府」(Yahoo News ←AFP=時事)

 福島原発の漏水問題で、要するに手のうちようのなくなった東京電力、やる気のない対応で国の関与を引き出したということであれば、東電の大勝利ということでしょう。そして、やる気のない東電にお座なりな対応を続けられるよりは、国費投入されたほうが、国民にとっても多少は事態改善ということになるでしょう。もっとも、これでまた東電の事故処理責任は不明瞭化したことになり、事故処理負担は明確に国民負担となりました。
 しかも、「建屋周辺の土を凍らせる『凍土遮水壁』の関連費用を2014年度予算の概算要求に盛り込む方向だ」って、今漏れてる放射能汚染水をどうするつもりなんだ経産省!! 安倍首相の「東京電力福島第1原発の汚染水問題について『東電に任せるのではなく、国としてしっかり対策を講じていく』」というのは、緊急対策を含むんでしょうな・・・。
 しかしそれにしても国というのも、アレな東電とグルな連中ですから、事故処理と言いながら何しでかすか、あてになったものではありませんが。単に遮水壁建設費をゼネコンにバラマキたいだけとか。

 「室井佑月氏 『政府も東電もマスコミも、グルだな』」〈週刊朝日〉


 ほかにも、なんか今日はいろいろ報道がありました。

 「汚染水漏えい『東電は抜本的な対策を』福島県廃炉協が現地調査」(47ニュース=河北新報)
 「福島第1原発の汚染水流出 規制委、異例の陣頭指揮」(47ニュース=河北新報)
 「いわき沿岸の『シラス試験操業』延期 汚染水問題」(47ニュース=福島民友)

 そうですよ、福島県が海水調査はじめた途端、“やっぱり海水、汚染されてました”と言い出す東電ですから、汚染水漏洩も福島県が行かなければ、東電にウヤムヤにされるでしょう。でも、もう原子力規制委員会が「陣頭指揮」を取っていたはずなんですけどね・・・。ま、こんな状況じゃ、いつまで経ってもシラス操業なんて無理でしょう。実際トリチウムもあるし、海のホットスポットの存在も確認されたりもしていますから、シラス獲って市場に流されても困るんですけどね。

 そうそう、これも重要、昨日のニュースですが↓

 「運転終了後も積み立て可能に 原発廃炉会計制度」(msn産経ニュース)

 今の制度では、電力会社、廃炉したくてもできない状態ですから、そこは変えてもらわないと


 (あ、今、NHKニュースで言ってる、福島流出汚染水、1日あたり300トンですって・・・あ、安倍首相、「喫緊の課題」って、言ってはいる)


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汚染水漏出お手上げ状態なのに再稼働策動!! 東京電力

2013-08-06
 「柏崎刈羽原発の安全審査 柏崎市と刈羽村了承へ」(NHKホームページ 8月5日)
 「東電の安全審査申請容認 柏崎市長『事業者が判断すべき』」(47ニュース=共同通信 8月6日)

 まだ残っている新潟県知事という関門攻略のためか、東京電力、柏崎刈羽原発の再稼働に向けて、せっせと工作中です。
 しかしです、そんなことしてる場合じゃないんですけど・・・

 「放射性物質濃度が46倍に 第1原発・観測用井戸」(47ニュース=福島民友 8月6日)
 「第1原発3号機で再び湯気 東電『低温多湿で出現か』」(47ニュース=福島民友 8月6日)

 もう、地下水も湯気噴出も、ひっちゃかめっちゃかじゃないですか。改めて書いておきますが、地下水は既に海洋流出状態、湯気は原子炉内部から噴き出しています
 BBCだって、「緊急事態」と伝えています。

BBC.png
BBCホームページ8月5日

 “Weak sense of crisis”「(東電は)危機感が足りない」という Shinji Kinjo のコメントを紹介しています。この人かな? この記事(たぶんBBCの元ネタ)だと、原子力規制庁・東京電力福島第1原子力発電所事故対策室長・金城慎司ということになるけど、前の方のリンク先で経歴見る限り、原子力ムラ系住人のようだけど・・・。今は立場上“もっと危機感を”を言っているのか、実際に“東電は危機感足りない!!”と思っているのか、どっちなんでしょう?
 いずれにせよ危機感足りないぞ、東京電力!!

 「【福島第1原発の現状】汚染域『土の壁』で包囲へ 地下水くみ上げ対策急ぐ」(47ニュース=共同通信 8月5日)

 「東電は今月末にも、水を集める溝を掘り、ポンプで1日約100トンのくみ上げを始める方針」(上掲記事リンク先)って、どこが「対策急ぐ」ことになるわけ? 今月末まで放置する気? 既に海に漏れてる(原子力規制委の指摘)のに・・・。

 なんせ福島県が海水調査はじめた途端、“実は放射能汚染してました”なんて発表する東電ですから、危機感が足りないどころか、ほんとは“放射能汚染なんて、どうでもいい”と思っているのでしょう。そもそも頭の中には新潟行って原発再稼働して金儲けすることしかないのです。


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【放射性ヨウ素131の拡散】志賀原発だったら(1)金沢市・福井市・富山市

2013-08-05
 福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。
 当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
 さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
 今回は、北陸電力の志賀原子力発電所です。この原発、活断層でレッドカードを貰い、ご多分に漏れず反論しようとしたものの、それさえ困難なようで、報告書の提出は9月末予定と延期され、再稼働審査の請求さえできていません。もともと、1999年6月には臨界事故を起こしており、そのせいもあり、通常は70~80%程度となる設備利用率が1号機で約64%、2号機で約35%と、まともに動いていない(リンク先は日経新聞HP・・・無料登録で閲覧可)ことこの上ない原発です。しかも、炉の形式が福島第一原発と同じ沸騰水型(2号機は改良沸騰水型)ですからフィルターベント装置も必要と、ホント、さっさと諦めて廃炉にした方が経営上もプラスだろうと思いますが、北陸電力は600億円以上をかけて改修工事をするそうです。まあ、この原発、関西電力の値上げ原価に算入されていますから、そっちの方からだけでも維持しているだけで(発電をしていなくても)年間百数十億円の収入を北陸電力にもたらしてくれるわけですが・・・。
 この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ヨウ素131志賀00

 ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
 今回はまず、福島事故の汚染状況図をそのまま平行移動して志賀原発の上に重ねてみました。金沢市は10万Bq/m^3hr以上汚染される緑の領域、福井市・富山市は1万Bq/m^3hr以上汚染される青の領域が到達しています。このほか、ピンクの放射性プルーム通過域は琵琶湖を覆っています。関西圏の水、どうなるのでしょうか。


・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。


有害?無害?トリチウム「40兆ベクレル放出」の衝撃

2013-08-04
 「【福島第1原発の汚染水】トリチウム40兆ベクレル/規制委『土の壁』越え流出指摘/対策怠り大量流出に」(47ニュース=共同通信8月3日)

 数字が大きすぎてなんとも目まいがするのですが、「東京電力は2日、2011年5月から今年7月にかけ、汚染水に含まれて流出した放射性物質のトリチウムの量が20兆~40兆ベクレルに上るとの試算を明らかにした」(上掲リンク先)そうです。
 もっとも、産経新聞によれば、「保安規定上のトリチウムの年間放出基準値は22兆ベクレル」で、「各地の原発でも年間数百億~100兆ベクレルが放出されている」そうですから、ま、そんなものかと、原発推進派にとっては何ということもない数字なのでしょう。
 一方、脱原発派にとっては、「福島はもちろん、ほかでもそんなに垂れ流しているのか!!」という重大事ということになります。
 福島について言えば、既に7月23日に めげ猫「たま」さんが警告していたように、近日中に地下水位は上昇し、堤防を超え、大量の汚染水が海へ流出するでしょうから、また現状から飛躍的に放出トリチウム量が増えることが予想されます。

 で、ところで「トリチウム」って何? 毒なの? と、いうことになりますが、一部の脱原発関係ブログには「猛毒」と書いてあるものの、多くの原子力関係機関のHPでは、ほとんど害はないようなことが書いてあります。そして「原子力資料情報室」のような反原発運動の理論的支柱を担ってきたHPでも、強い毒性が強調されてはいません

 さてトリチウム、ほんとのところはどうなのでしょうか?
 まず、害がないという主張、これはトリチウムが出す放射線がとても弱いことを根拠にします。崩壊する際に出るβ線は弱く、皮膚すら貫通できない程度ですので外部被曝は無視できるとされます。一方、内部被曝は、(水素と同じ化学的挙動を示す物質ですから)水として体内に取り込まれ、それなりの影響を及ぼすかもしれませんので、検討されます。そして、これについても比較的低レベルの被曝で済むといったことが言われています
 ということで、これまで、国の基準もひどく緩い、上掲の産経記事のような22兆ベクレルとかなっているわけです。

 さてしかし問題は、そこから先です。トリチウムはβ崩壊しβ線を出しますが、放射線の方はともかくとして、本体はβ崩壊した後、ヘリウムになります。つまり、化学物質として、水素からヘリウムになります。このことの方が、実は問題ではないのか、というのが、トリチウム猛毒説の根拠となります。『放射線被ばくによる健康影響とリスク評価』(欧州放射線リスク委員会 ECRR著)によれば、「同位体トリチウムは水素のひとつの形態であり、生命体における生化学的プロセスは水素結合(Hydrogen Bond)と呼ばれる弱い結合に依存しており、それは、すべての酵素系を橋渡しして支えており、DNAのらせん構造を一つにまとめあげている。そのようなトリチウム原子のヘリウム原子(それは不活性で、化学結合を担えない)への突然の崩壊は、そのような巨大分子の機能や通常のプロセスに対して壊滅的な影響を与える可能性がある。」(p.80)ということになります。

DNAモデル図Rasmolによって理想DNA-B-DNA PDB-を描画)

 上図はDNAのモデル図で、白い丸が水素です。多数ある白丸のどこかにトリチウムが入り込み、突然ヘリウムになります。これが水素結合を崩壊させると、上掲『リスク評価』は記載します。
 しかし水素結合も重要そうではありますが、でもここにはもっと重要な問題がありそうに見えます。水素が突然ヘリウムになると、電子バランスが崩れます。電子1個の水素原子が電子2個のヘリウム原子になるのですから、電子が足りなくなって外から電子を取り込みそうです。フリーラジカルの出現と酸化・還元反応が起こるはずです。これは水素結合がどうのという弱いレベルの反応ではなくて、強力な化学反応です。上掲『リスク評価』はなぜこっちを問題にしないのか、理解に苦しみます。つまり、フリーラジカルが老化に作用していると、タニタも指摘するような事態(結局DNAの損傷なんですけど)が、DNAの外部からの攻撃としてではなく、極めてミクロなレベル、DNAの内部で出現する可能性があります。そしてもちろん、老化の1つの現れがガンの発生です。

 さてそこで問題は、「ほんとにDNAにトリチウムは取り込まれるの?」ということでしょう。トリチウムは化学的にはただの水素、ただの水ですから、選択的に取り込まれるかどうかは判りませんが、取り込まれないはずはないということになるでしょう。

 ただここで研究上、大きな問題がありそうです。DNAは、どんどん代謝していくようなものではなくて(生命の設計図ですから)、新しい細胞が作られるときに半分づつ(設計図のコピーをとって)作成されていきます。トリチウムの取り込みもゆっくりとしたものとなるでしょう。トリチウムの半減期は12.32年ですから、ゆっくり取り込まれても充分に残留し、しかも取り込んだ人間のライフタイムの間に崩壊するくらいの“都合良い(恐ろしい)”崩壊ペースですが、研究者にとっては都合良くはありません。多くの研究プロジェクトは、単年度から2~3年程度の日程で組まれます。長期的・慢性的な影響の研究は、検体を自前で用意しなければならないとしたら、バリバリと成果を上げようとする研究者は取り組みません。
 そして実際、ネットで検索しても、トリチウムの慢性毒性についての研究はほとんどなく、「今後の課題」とのみ言及されるくらいです。
 と、いうことで、結局、あまり研究されないまま、放置されそうです。

 う~ん、困った・・・。


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【放射性ヨウ素131の拡散】東海第二原発だったら(10)福島県

2013-08-03
 福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。
 当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
 さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
 今回は、7月11日、日本原電が再稼働方針を表明した東海第二原発です。そもそもこの原発の営業運転開始は1978年11月28日、既に35年目に突入しています。40年廃炉原則から言って、使えてあと5年、バックフィット安全対策費用など考えれば、どうせ赤字なんですから、さっさとやめればいいのに・・・。まあ、原発専業の日本原電にはやめられない事情があるのでしょうが、それで関東地方全域が事故で全滅させられたりしたらたまったものではありません。
 この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ヨウ素131東海第二b160

 ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
 東海第二原発が福島級事故を起こした場合の関東地方への影響を考えてきた今回のシリーズ、最後に、関東地方ではなく、お隣り、福島県への影響を見てみます。いわき市あたりは10万Bq/m^3hr以上汚染される緑の領域が到達するようです。


・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。


“ナチスに学べ、憲法改正” !?

2013-08-02
 原発問題専業の当ブログではありますが・・・(と、最近、同じことを書いた気がする)・・・しかし、これはあまりにヒドイ・・・



 「ブラックジョーク」、「うけなかったから取り消し」、ということで、話を済ませようとしている麻生太郎、しかし、「ナチスに学べ」というのが実は本心ではないのか、と感じざるをえないところが今回の問題の本質でしょう。この点についての理解は、実はウヨもサヨも同じで、だからこそ、サヨは騒ぎ、ウヨは擁護するのでしょう。ただのジョークなら、どちらも熱くなる必要はないわけです。これを形式だけ捉えて「国語力の問題」などと言う橋下、まず問題外
 またたとえジョークだったとしても、問題は残ります。“日本では広島・長崎の原爆をジョークにしますか”という、ユダヤ人団体サイモン・ウィーゼンタール・センターのエーブラハム・クーパー氏の指摘、彼の批判(ナチスによって人口の9割が虐殺されたと言われるユダヤ人の痛み)が理解できない人間は政治家をやっている資格が無い、と言うよりも、人間としての資質が疑われると、まずは記しておきましょう。
 さてところで、“ナチスはいつのまにか改憲をやっていた”というご高説、どこから仕入れたのでしょうか? ナチスがやったのは全権委任法による憲法の実質的停止だったはずですが・・・。
 そもそも憲法とは、子を殺された親が犯人に復讐する自由、決まりに反した人間を私刑(リンチ)に処する自由、個人的に武装して身を守る自由、こういった様々な自由(なんか強烈な例ばかり並べた気がする・・・)を放棄し、暴力の実行を国(特に警察と軍)に任せる一方、権力者(暴力行使者)側のやってはいけないことを明確に規定し権力(暴力)の濫用を規制する、国民と国との契約書です。
 それを改正するとは、権力者を縛る縛り方を変えるということで、依然として権力者は縛られるわけですから、そんなまわりくどいことをナチスがやるはずがないのです。
 「権力者は好きな事をする」つまり権力者を縛る憲法を廃止する(実際は事実上の無効化でしたが)のが、まさに独裁権力至上主義ナチスの“正しい”方針であり、それを実際、きちんと実行したのがナチスです。ナチスはしてません、憲法改正なんて。ただの無効化です。ワイマール憲法は改正されないまま、1949年のドイツ連邦共和国基本法施行まで存続しています、もちろん形式的にですが。

 ということで麻生発言、まず、人間として失格、次に、歴史的事実を知らない知識不足、そして、ナチスの行なったことの政治的意義も理解できていない頭の悪さ、という3点を露見した恥ずかしい発言でした。こんな人間を政府のナンバー2に戴いてる日本、ホントみっともない話しです。


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