H4エリアE1井戸の現在・・・まだまだ26万ベクレル
2013-10-31
漏れ出た汚染水が“まとまった形で移動している”という福島第一原発H4エリアE1井戸周辺、その後の測定結果をフォローしておきます。
本日発表されたデータで、全β線、26万Bq/Lです。高値安定というか、またちょっと上昇気味です。
このあたりに住み着いてしまった“放射性スライム”(「まとまった形」の汚染水)、まだうろうろしているようです。
さすがに「このままではマズイ」と思ったらしく、対策が出てきました→「福島第一原子力発電所H4エリアの汚染拡大防止追加対策について」(東京電力HP 10月30日)
まずは地下水上流側に当たる(新たに見つかった)表面線量の高い場所にある配管を撤去、土壌を掘りあげて除去だそうです。その後、近くに汲み上げポイントを設けて、スライムを汲み上げる作戦だそうです。なお、まわりに追加の観測用の孔(井戸)も掘る、とのことです。
そりゃあ、何らかの対策、やる必要があるでしょう。ただし問題は、それで、“地下水バイパス・海への放出”作戦が実施できるかです。

この図の下側から大量の地下水が流れこんできています。揚水井で汲み上げて海に流すといった対策を取らずに遮水壁を作ったりしたら、水が溜まり、1号機~4号機、泥沼に沈むことになります。本来、「揚水井は事故原子炉より上流にあり、放射能で水が汚れる前に汲み上げるから大丈夫」だったはずが、そのさらに上流に放射性スライムを解き放ってしまっているわけです。
いつ汚染水スライムが揚水井から出てくるかわからず、危なくて地下水バイパス作戦ができなくなっているわけですが、今回の対策で汚染水スライムは完全退治されるのでしょうか?? 漁協はそれで汲み上げた水の海への放出に納得するのでしょうか??
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【放射性ヨウ素131の拡散】玄海原発だったら(13)北九州市
2013-10-30
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は引き続き九州電力玄海原発です。この原発、原子力規制委員会の更田委員の“印象”では、川内より「僅差で有利」とされ、かなり早い時期に再稼働へのゴーサインが出されそうな気配です。だけどちょっと待って下さい。この原発から50kmの距離円を描くと、福岡市のど真ん中を通ります。それも冬の季節風の風下位置です。この原発で冬、過酷事故が起きれば、福岡市だけで150万人を避難させる必要が発生します。はっきり言って不可能です。最悪事態を想定したら、最初から稼働できない位置にある原発です。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
今回は北九州市です。前回とは汚染地域図反対側の、10万Bq/m^3hr以上汚染される緑の領域の到達範囲を北九州市にあわせてみました。玄海原発から一番遠い門司区まで、しっかりこの濃度が到達するようです。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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佐賀県玄海原発
そして除染費用は国・税金負担となる!!
2013-10-29
朝日新聞がすっぱ抜いた、東電の除染費逃れ、もしかしたら政府・自民党関係者あたりの工作でネタ掴まされたのかもしれません。来ました、除染費は国が持つそうです。
(NHKホームページ 10月29日)
冗談じゃない!! 事故を起こした一私企業に、国費を投入して救済するなんて、言語道断です!! しかもやむを得ない事故じゃなくて、重大な責任があるんです、東京電力。巨大津波を予測していながら、隠していたのですから。
ただしもちろん、除染だけじゃない、事故処理費用も必要で、東電が支払えないことは明確ですから、国が金を出すことは避けられません。それに、東京電力に金出させると言ったって、どうせ電気料金に上乗せして利用者から取るだけの話ですから(それもたぶん東電管内だけではなく原子力損害賠償支援機構なんて通して全国から電気代として巻き上げるのですから)、税金だって同じことです。頭にきますが、これは不可避です。
しかしこの場合、次のようにすれば話は簡単です。まずちゃんと東電を法的に整理し(破綻処理し)、通常の発電や配電部門は会社更生し(同時に電力自由化すべきですが、それは後回しでも良い)、事故収束作業に当たる部分を国直轄もしくは公的団体として再組織し、そこに税金を投入すればいいだけのことです。(事故を起こした犯罪的)一私企業への援助ではなくなります。当然、銀行からの借入金や株はパー、経営陣は責任を問われることになります。
そうすりゃ簡単なのに、ごちゃごちゃするのは、やはり今回の事故の責任を負うべき自民党(上掲記事中で麻生が「国策で進めてきた」と言っている通り)や、東電という犯罪企業に金出してきた銀行や株主が責任を取らず、その上、政治献金したり、余計な政治工作してきたその東電を救済して、そこに国民の金をつぎ込もうとするからです。
茂木も麻生もごちゃごちゃ言ってないで、東電破綻処理の筋を通せ!! この間違った「国策」を推進してきた張本人の自民党政権が、またごちゃごちゃさせようとするのか!!
【追加】中間貯蔵施設も国の負担だそうです→「中間貯蔵施設建設 国が責任を」(NHKホームページ 10月29日)
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【放射性ヨウ素131の拡散】玄海原発だったら(12)豊前市
2013-10-28
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は引き続き九州電力玄海原発です。この原発、原子力規制委員会の更田委員の“印象”では、川内より「僅差で有利」とされ、かなり早い時期に再稼働へのゴーサインが出されそうな気配です。だけどちょっと待って下さい。この原発から50kmの距離円を描くと、福岡市のど真ん中を通ります。それも冬の季節風の風下位置です。この原発で冬、過酷事故が起きれば、福岡市だけで150万人を避難させる必要が発生します。はっきり言って不可能です。最悪事態を想定したら、最初から稼働できない位置にある原発です。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
今回は西方向に、10万Bq/m^3hr以上汚染される緑の領域がどこまで行くか、図を作成してみました。周防灘まで突き抜けるようです。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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佐賀県玄海原発
(東電)「除染費は払いません」(国)「はいそうですか」って!!
2013-10-27
本日の朝日新聞、驚くべき環境省官僚・政府の犯罪を指摘しています。
(朝日新聞10月27日西部本社版朝刊)
なんと、東京電力は「除染費の大半の項目について費用の支払に応じない考えを2月時点で国に明確に伝えていた」そうです。
環境省が「放射性物質汚染対処特別措置法」に基づいて東電に除染費404億円の支払いを請求した所、大半について個別に理由を挙げ、支払いを拒否したそうです。そして“文句があるなら原子力損害賠償紛争解説センター(ADR)にでも訴えればいいじゃないか”と、居直ったそうです。
まずこの時点で、東電は法律違反でしょ。少なくとも、この東電の暴挙に対し環境省は、「特措法の解釈権は国にあり東電に支払いの責任がある」という文書を送ったそうですから、環境省の立場から言えば、完全に法律違反ということになるはずです。
そして環境省は何をしたか? 何もしなかった、そうです。記事によれば「(環境省は)ADRへの申し立てなどの対抗策はとっていない」とのことです。(・・・いや、朝日はADRと書きますが、環境省の立場ではあくまで特措法の解釈権は環境省あるのですから、ADRなど介在させず、直接差し押さえの手続きに入るべきでしょう。そこで東電がとやかく言った時点で、初めて裁判所でしょう。ADRに申し立てるというのは、東電のペースじゃないですか・・・)
いずれにせよ、法律違反した事業者に対し、何の措置もとらず、国庫に穴を開けたわけですから、これは環境省もアウトでしょ。環境省の責任者は厳重に処罰の上、東電に対して再度の支払い要求を行ない、従わない場合は差し押さえでも何でもして東電に金を出させる必要があります。これを行うのが役人の仕事です。やらないのは明らかに怠業行為、犯罪です。
法律で定められた金の支払いをせず居直る東電も東電なら、それを「はいそうですか」と受け入れてしまう国も国です。こいつら、どこまでのさばり放題だ!!
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八木・電事連会長の世迷い言
2013-10-26
電気事業連合会会長・八木誠(関西電力社長)の定例記者会見(昨日、10月25日)での言葉が、共同通信のサイトに掲載されています。
(47NEWS=共同通信 10月25日)
「安定的なエネルギー供給には原発が必要と強調した」と、要約されています。記者会見発表の原稿は電気事業連合会のホームページで見ることができます↓
「今冬の電力需給見通しについて/国のエネルギー政策議論に対する私どもの考えについて/原子力緊急事態支援組織の整備状況について」(電気事業連合会HP 10月25日)
この文章、ありがちな、わざと論理関係を曖昧にする書き方で書かれていますので何も明確にならないのですが、この文章の第2項目「国のエネルギー政策議論に対する私どもの考えについて」で触れられている、電力政策の考え方のポイントは、前振り的に〔地球温暖化〕、そして〔S+3E・・・安全確保、安定供給、環境保全、経済性〕となっています。中でも安全確保は、「第一次オイルショックから丁度40年」であり、電力政策は「安全確保を大前提に」考える必要があるとされているところから、他の要素にまして重要とアピールされていることになります。そしてこの文脈の流れを受ける形で原子力の重要性が強調されています。
何を長々と書いているかというと、要するに共同通信の要約は妥当で、電事連八木誠会長は、“安全確保のために原発を”、と語ったことになります。
ここで注目しておきましょう、「原子力は経済的だ」という主張はなされなかった、ということを。既に「発送電分離したら原発は持てない」と発言し、原発の経済性を否定した当人ですから、これは当然のことといえば当然のことですが、やはり確認しておきましょう。
このところ安倍首相は毎年4兆円の国富が流出していると強調し、原発の再稼働を訴えています。そして「だから、原発は必要だ」と言っています。しかし、ここには大きな議論の飛躍があります。
効率的な発電システムに投資せず、原発にばかり投資してきたせいで、現在の日本の発電システムで原発止めておけば、経済的に不利になります。他の要因もいろいろありますが(特に燃料価格を円安で高騰させるアベノミクスとかですが)、そりゃあ、これまで金かけた原発寝かせとけば、余計な金がかかるのは当然です。
ただし、このことは、将来に渡ってもそうだということを意味しません。経済性のない原子力発電を行なうことは国富の浪費・消耗です。電事連会長でさえ認める経済性のない原子力発電は、速やかに終息する政策を推進しなければなりません。これが論理的帰結です。
実際、原発の不経済性は、今、顕になってきています。帳簿外に飛ばされていた廃炉費用、使用済み核燃料処理費用、様々なリスク負担費用、そして一旦事故が起きてしまった場合の事故処理費、等々、いろいろな金食い虫が顕在化してきています。最早こんなに高くつく発電方式を続行することは許されません。
さてそこで八木会長、“安全確保のために原発を”です。よく言いますよ、福島の後に。電気供給だけ安全でも、国土が住めなくなっちゃ、安全もへったくれもありません。それに今や、輸入燃料に依存した火力ばかりが原子力発電の競争相手じゃありません。再生可能エネルギーなら、ウラン鉱石みたいな輸入品も必要ありません。「不安定?」ご冗談を。地熱ほど安定な発電手段はありませんし、バイオマスだってあります。その気になればどうとでもできます。
高い電気料金となり、電力会社だけが儲かって都合の良い原子力発電、この発電の維持・推進を要求するとは、厚顔無恥に「俺に(お前たちの)金よこせ~」と叫ぶのと同じです。こんなことを言うために、よくもまあ恥ずかしげもなく、定例記者会見なんてできるものです。
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放射能漏洩しても平然と居直る東電にお灸??
2013-10-25
いろいろ漏れまくりの東京電力、ここ数日でも↓「福島第一原発 港外の海水からセシウム検出」(NHKホームページ 10月22日)
「排水溝5万9000ベクレル 第1原発・汚染水漏れタンク付近」(福島民友HP 10月24日)
「第1原発排水溝で14万ベクレル タンク付近で過去最高値」(共同通信 10月24日)
その都度、批判され叩かれるのですが、あまりに叩かれ続けて、もはや批判慣れ、叩かれ慣れし、何も感じなくなっているように見えます。
汚染水漏れは、今年前半から大きな話題となり、次から次へと問題が発生しているのに、東電は一向に真面目に事態改善に取り組みません。抜本的対策を講じることなく、必要最低限以下の部分的対処を不承不承行い、それが次の漏洩へと繋がっているような状況を繰り返しています(水漏れビニールシート地下貯蔵タンクとか、ネジで止めただけの組み立て式漏れ漏れタンクとか)。
これは要するに、問題を問題と認識していないからとしか考えられません。批判を「あ~、またなんか言ってますね」程度で聞き流しているということでしょう。
これが放射能汚染でなく、化学物質による環境汚染なら、基準値超えの廃液なんて流せば即座に法的処罰で、聞き流していることなどできないはずです。法の穴(意図的に自民党が作ってきたもの)をいいことに、「だって漏れちゃうもん、しょうがないでしょ」と、居直りです。
さすがにこの状態には何か感じるものがあったようです、原子力規制委員会田中委員長。
「汚染水、東電社長に認識確認へ 原子力規制委の委員長」(47ニュース=共同通信 10月23日)
少しは何か考えろと、直談判です。(東電に対して怒っているのか、東電がこんなことしてると世論の手前、他の原発の再稼働もしにくくなるじゃないかと怒っているのか、怪しい気もしますが・・・)
ただし、何か批判しても、どうせ感じない東京電力ですから、今回、田中委員長はお土産を付けました。
「広瀬社長との会談で(柏崎刈羽原発の安全)審査を話題にすることについて田中委員長は『福島第1と無関係ではないから、社長と会って話しをすることもある』と述べた一方で、『急いで(審査が)できるレベルの話しではない。審査会合をいつやるか、どうやってやるか私が答えることはできない』と指摘した。」(ロイター 10月23日)
福島原発の汚染水問題、ちゃんとやらないと柏崎刈羽原発の審査もしないぞ、と釘を差したように見えます。
このあたりの発言(たぶん「急いで(審査が)できるレベルの話しではない」という所だと思いますが)を受けて、河北新報は「安全審査は事実上、棚上げされた」と報道しています。

(河北新報HP 10月24日)
(まさか田中委員長、「会って話をしたら、東電の真面目な姿勢がわかった」とか言って、再稼働の話を進めるために、スタンドプレイをしに行くんじゃないですよね・・・)
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【放射性ヨウ素131の拡散】玄海原発だったら(11)飯塚市・北九州市・大分市
2013-10-24
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は引き続き九州電力玄海原発です。この原発、原子力規制委員会の更田委員の“印象”では、川内より「僅差で有利」とされ、かなり早い時期に再稼働へのゴーサインが出されそうな気配です。だけどちょっと待って下さい。この原発から50kmの距離円を描くと、福岡市のど真ん中を通ります。それも冬の季節風の風下位置です。この原発で冬、過酷事故が起きれば、福岡市だけで150万人を避難させる必要が発生します。はっきり言って不可能です。最悪事態を想定したら、最初から稼働できない位置にある原発です。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
今回は前々回より更に少し反時計回りに汚染地域図を回して、重ね合わせたものです。10万Bq/m^3hr以上汚染される緑の領域、福岡市を通りぬけ、麻生太郎元首相の邸宅のある飯塚市を蹂躙です。この汚染の流れは、濃度を下げつつも北九州市、そして大分市へと、1万Bq/m^3hr以上汚染される青の領域として到達です。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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佐賀県玄海原発
原発推進派の頭が悪くなっている?
2013-10-23
ん~、なんと言いましょうか、なんかこのごろ、原発推進派、頭悪くありませんか?典型的なのが読売の小泉“原発ゼロ発言”批判で、福島原発事故以前の、人々にインチキが知れ渡る前の原発賛美を、壊れたレコードみたいに、繰り返しています→「これじゃ撤退できない日本軍だ!!・・・読売社説『小泉“原発ゼロ”批判』」。“使用済み核燃料は地下に埋めれば問題解決”とか、今では誰も信じない馬鹿げた絵空事を、今さら恥ずかしげもなく記事に書いて満足しています。
一昨日の日本経済新聞の記事もヘンで、記事に掲げた表と、本文の間に何の論理性もなく、単に「原発代替燃料の輸入のせいで貿易が赤字だ」と、知能のないオウムのように繰り返しています→「支離滅裂、日経新聞“貿易赤字、発電燃料主犯説”」。
これ、一言書き添えただけで話は全然変わってくるんですけどね。つまり、「福島原発事故以前の水準と比較すると依然として中東からの燃料輸入費は大きく」と書けば良いだけで、今回の財務省発表の数字だけが問題じゃないんだよ、と話を跳ばしてしまうことができるわけです。でもそれもせず、財務省発表の話の中に無理に「発電用燃料費のせいで貿易が赤字だ」と割りこませようとして、議論の組み立てが支離滅裂になってしまっています。ほんとこの記事書いた記者、知能ないよな・・・。
まあ、原発推進派の頭が壊れてくれるのは、別にどうでもいいのですが、ただ、これ、実は極めて危険な徴候かもしれません。つまり、「もはや理屈で(ごまかして)説得するのは諦めた、後は強権的に原子力ムラの我利我欲を押し通すだけだ」となったように見えます。
でかい嘘は、嘘と解っていても、公然と1000回繰り返せば「真実」となるといった、「大きな嘘」の手法を採り出したとも言えます。
こうなれば最早、事実も真実も関係ありません。どんなに放射能が漏れていても「ブロックされている」と繰り返すだけです。あとは特定秘密保護法等の言論弾圧手段で、真実を語る人々の口をふさげば良いだけのことです。
極めて危険な事態が進行していると考えなければいけないかもしれません。なにしろ原子力ムラ、こんなバカな話を、堂々と進めているのですから→「今ならナント、19兆円払えば、9千億円が手に入る!!」
う~ん、バカに付き合っているとこっちもバカになりそうでイヤなんで、ちょっとだけ、数字を見ておきましょう。
現在の日本の貿易赤字、本当に電力用燃料費増加のせいでしょうか? もうちょっと真面目に見ておきましょう。一昨日発表された財務省統計数値を、福島原発事故以前の数字と比較してみます。日経が取り上げた数値と、原発事故以前の2010年の数字を突き合わせます。データはいずれも税関ホームページからのもので、全く同じ形式の表から同じ箇所を取り出したものです。
輸出額 | 輸入額 | 貿易収支 | |
総額(H25上半期) | 353,199 | 403,090 | ▲49,891 |
総額(H22上半期) | 340,969 | 307,653 | 33,316 |
米国(H25上半期) | 65,612 | 35,002 | 30,610 |
米国(H22上半期) | 52,167 | 30,242 | 21,924 |
EU(H25上半期) | 34,527 | 38,296 | ▲3,768 |
EU(H22上半期) | 37,789 | 29,464 | 8,325 |
アジア(H25上半期) | 193,035 | 178,366 | 14,669 |
アジア(H22上半期) | 192,262 | 140,242 | 52,020 |
うち中国(H25上半期) | 64,097 | 88,261 | ▲24,164 |
うち中国(H22上半期) | 65,569 | 68,507 | ▲2,938 |
中東(H25上半期) | 12,105 | 75,115 | ▲63,010 |
中東(H22上半期) | 10,962 | 50,019 | ▲39,057 |
中東から輸入、確かに増加しています。2兆5千億円ほど増えています(75,115-50,019=25,096億円)。この額、確かに大きな額ではあります。これがすべて発電用燃料かどうかは本当は検討が必要ですが、とりあえずは「燃料輸入費増額」としておきます。
これ、半年の数字ですから、ありがちな試算のように、原発停止で年4兆円、というのは、近い線かもしれません。もちろん、7兆円という試算は、何考えてるんだか、と言うほかありませんが。
ただし、この2兆5千億円という数字には、アベノミクスで作り出された円安と、高く燃料を仕入れた方が儲かる総括原価方式による電気料金決定システムの影響が入った数字であることは押さえておく必要があるでしょう。1ドル80円→100円となったアベノミクスがなければ20%は安くつき、総括原価方式がなくちゃんと価格に配慮して契約していれば、イギリスなみの仕入れ価格で3割安、アメリカ並みの仕入れ価格なら8割安となります。2兆5千億という数字は、グッと圧縮可能です。
さてところで、話を戻して、「それじゃあ、日本の貿易赤字の原因は発電用燃料費のせいなのか?」と言えば、「それはちょっと違う」と答えざるを得ません。なぜなら、上の表で日本の貿易収支、どう変化したのかといえば、33,316億円の輸出超過から49,891億円の輸入超過に転じているのですから、合計、83,207億円、書き換えれば8兆3千億円も輸入超過側に変化したのです。このうち、発電用燃料増加ぶんは2兆5千億円ですから、30%に過ぎません。7割は、発電用燃料費以外に原因がある、ということになります。(最大の要因はよく知られているようにスマホなどの電子機器について、日本が輸出国から輸入国に転じたということでしょう)
ですから、発電用燃料輸入費増加は、日本の貿易収支悪化に一定の寄与はしているが、3割程度にすぎない、ということになります。
とは言え、この3割、「放っておくわけにはいかない」と言う人もいるかもしれません。
この3割にどう対処するべきか? 原発を再稼働して、定常的な放射能汚染や、再度の原発事故のリスクを背負い込むというのは、福島原発事故経験国として、賢い選択とは思えません。どう見ても原発推進派の知能は劣化を続けています。まともに原発をマネージできるとは思えません。現場の技術者も流出中です。
それよりも、再稼働しなくても、この3割に対する対処方法はあります。まず、現行の電気料金決定方法、総括原価方式をやめ、電気料金に価格競争を持ち込めばよいのです。それによる燃料調達価格の適正化だけで、3割は2割程度へと圧縮できるでしょう(3割X0.7=2.1割・・・イギリスなみ調達価格の場合)。他方で、再生可能エネルギーの利用増によって燃料調達量総量を抑え、現状の古い火力発電所を無理して使っている状況を高効率のコンバインドサイクル発電に切り替えていけば、現在の「3割」、取るに足りない費用へと圧縮することが可能のはずです。
そうなって困るのは、誘導された電気料金高値で暴利を貪っている電力会社と原子力ムラ、そこからのおこぼれで生活している御用学者・御用マスコミの類、そして、同じくおこぼれから政治資金を獲得している電力系政治家連中ということになります。こいつら一掃すれば、日本経済はむしろ、強靭化するでしょう。経済の効率化ができるのですから。
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【放射性ヨウ素131の拡散】玄海原発だったら(10)日田市
2013-10-22
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は引き続き九州電力玄海原発です。この原発、原子力規制委員会の更田委員の“印象”では、川内より「僅差で有利」とされ、かなり早い時期に再稼働へのゴーサインが出されそうな気配です。だけどちょっと待って下さい。この原発から50kmの距離円を描くと、福岡市のど真ん中を通ります。それも冬の季節風の風下位置です。この原発で冬、過酷事故が起きれば、福岡市だけで150万人を避難させる必要が発生します。はっきり言って不可能です。最悪事態を想定したら、最初から稼働できない位置にある原発です。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
今回は汚染地域図をぐるっと半回転して、大分方面、10万Bq/m^3hr以上汚染される緑の領域がどこまで行くか、見てみました。日田市あたりは十分この濃度に達しそうです。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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佐賀県玄海原発
支離滅裂、日経新聞“貿易赤字、発電燃料主犯説”
2013-10-21
財務省が本日発表した4~9月の貿易統計速報について、日経新聞は「貿易赤字、半期で最大の4兆9891億円」と報じています。そしてその赤字の原因、「原子力発電所の稼働停止で中東からの燃料輸入が増えたことと円安が主な理由」と記しています。
(日本経済新聞HP 10月21日)
ところがこの記事、その先読んでいくと実に不思議な展開となります。「地域別に見ると中国からの輸入額が8兆8261億円と18.3%増え、過去最大となった」・・・はぁ、つまり中国からの輸入が1兆3653億円増えたわけですね。こりゃ、大変な額ですね・・・でもです、発電用の燃料って、中国から輸入してましたっけ?? いやいや、先の引用部分にも明確に書いてあるわけですが発電用燃料は「中東から」ですよね。
じゃ、次の項目は、中東か? 「EU向けの赤字額も3768億円と過去最大となった。ドイツからの医薬品や自動車、フランスからの航空機などの輸入が増えた」・・・はぁ、中東じゃないわけですね。
中東がどこで出てくるかと言うと、最後のところ「中東の燃料輸入が高水準であることに加えて」・・・それって、財務省の発表のどこですか? 本文には何も書いてありませんので、表で見れば・・・中東からの輸入額10.9%増の7兆5115億、つまり、額で言えば7382億円増です。対中国赤字増の半分でしかないじゃないですか。
いや~、発電用燃料輸入が一定程度、日本の貿易収支に影響しているという点まで否定するつもりはありませんが、この記事、無茶苦茶です。
もう一度引用します「(貿易赤字の原因は)原子力発電所の稼働停止で中東からの燃料輸入が増えたことと円安が主な理由」と、書いてありますが、この表の数字からみる限り、赤字の最大原因は中国からの輸入です。主役は、たぶんよく言われていますようにiPhoneなどのスマホやケータイでしょう。中国以外のアジアからの輸入増も、この表から電卓叩けば9206億増ですから(これも主役はたぶん電子機器)、燃料輸入費増以上に、今回の集計では貿易収支の足を引っ張っています。
で、最後に書いておきましょう。中東からの輸入増は10.9%です。アベノミクス以前の1ドル80円前後から、以後の100円程度という通貨事情を考えてみれば(80X1.25=100ですから)、25%増となっても良いのですが、それより遥かに小さい影響にとどまっています。「中東からの燃料輸入が増えたことと円安」って、いったい何考えて記事書いてるのか??
日経の記者って、こんな簡単な表も読めないのか??・・・まあ、原発再稼働のためのプロパガンダ、政治宣伝やってるんでしょうけど、こんな記事しか書けないって、どこまで低能だ?
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【放射性ヨウ素131の拡散】玄海原発だったら(9)福岡・久留米・高千穂
2013-10-20
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は引き続き九州電力玄海原発です。この原発、原子力規制委員会の更田委員の“印象”では、川内より「僅差で有利」とされ、かなり早い時期に再稼働へのゴーサインが出されそうな気配です。だけどちょっと待って下さい。この原発から50kmの距離円を描くと、福岡市のど真ん中を通ります。それも冬の季節風の風下位置です。この原発で冬、過酷事故が起きれば、福岡市だけで150万人を避難させる必要が発生します。はっきり言って不可能です。最悪事態を想定したら、最初から稼働できない位置にある原発です。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
今回は前回より更に少し反時計回りに汚染地域図を回して、重ね合わせたものです。糸島市西部の黄色の領域(100万Bq/m^3hr以上汚染)に始まり、10万Bq/m^3hr以上汚染される緑の領域が福岡市~久留米市・八女市と広がっていくのは似たようなところですが、前回は五ケ瀬町・椎葉村に届いていた1万Bq/m^3hr以上汚染される青の領域、今回は高千穂町・日之影町・諸塚村へと来ています。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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佐賀県玄海原発
グルっと回って一回転で79万ベクレル?
2013-10-19

↑とりあえずグラフです。ごちゃごちゃするので先月分を外し、今月ぶんだけにしました。福島第一原発H4エリアE1井戸の放射能汚染状況です。東電のホームページには14時30分現在、まだ18日のトリチウムの数値は出ていません。
(なお、先月~昨日のグラフは→こちら)

(朝日新聞10月19日西部本社版朝刊)
「東電は、地中に染み込んだ高濃度汚染水が、まとまった形で、井戸まで到達した可能性があるとみている。」とのことです。まあE-1井戸は、爆発した1~4号機からはちょっと距離がありますし、間にはさまっている地下水バイパス揚水井戸からは、今のところ、このような高濃度汚染水が出ていませんので、やはり原因は以前漏れた300トンの高濃度汚染水ということになるのでしょうか?

(図の説明は→既存記事)
それにしても、「まとまった形で」汚染水が地下を移動しているとは、なかなかシュールな状況です。スライムじゃあるまいし。なんせ、再掲になりますが、この“汚染水スライム”、一旦はここを去りかけていたのです。

その辺をウロウロしているうちに、グルっと回って一回転して、戻ってきた・・・のでしょうか??
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ついに40万ベクレル!! E1井戸・・・ウソっぽい東電のコメント
2013-10-18
当ブログで注視してきた福島第一原発H4エリアE1井戸の放射能汚染状況、なんかトンデモナイ展開となってきました。「井戸から40万ベクレル 福島第一原発、前日比1万倍」(朝日新聞HP 10月18日)
これまで、この井戸からは極めて高濃度の放射性物質が検出されてきましたが、それはトリチウムでした。しかし、今回は「全β線量」です。何が主成分なのかは、今後の分析に待つことになりますが、あっさり主役交代です。

(東電資料から作成←「福島第一原子力発電所構内H4エリアのタンクにおける水漏れに関するサンプリング結果 (H4エリア周辺)」といったタイトルを持つ各日のファイルから)
10月10日、トリチウムは32万Bq/Lを記録し、その後低下傾向にありました。ところが17日、突然、全β線40万Bq/Lです。
この事態について「今回検出された値について東電は『300トン漏れた汚染水の放射性物質がたどり着いた可能性はある』としつつ、『詳細は分析を続けて判断したい』と説明している」(前掲朝日新聞記事)そうです。
まあ、推測の形で語っていますから、東電もよく解っていないことを認めていることになりますが、それにしても、この推測、とてもウソっぽいです。
なぜなら、17日に全β線量が跳ね上がる前まで、上のグラフでベタッと平らに見える部分、拡大してみましょう。

17日の40万Bq/Lという数字があまりに大きいのでベタッと潰れていましたが、多少ともマトモなスケールで見れば、この井戸の全β線量、(東電HPに毎日掲載の始まった)9月8日の3200Bq/Lという、地下水汚染としては十分にブッとんだ高濃度汚染から順次低下してきていたのです。
東京電力が汚染水漏洩事故を認めたのが8月19日、その後、当該タンクの水は抜かれたのですから、いつまでもここで漏洩が続いているわけではありません。
問題のあったタンクとE-1井戸の位置関係は、次のとおりです。

(東電資料から切り出し)
この距離、いったいどう道草食えば、2ヶ月も経った10月17日になって、ひょっこりと高濃度汚染水がE-1井戸に到達するのでしょう。それよりも、東電の言う300トン漏洩汚染水は、9月以前に、既にこの井戸に到達していて、計測の始まった9月8日以降の数値に明らかなように、地下水に洗い流されて徐々に濃度を下げつつあった、ここから去りつつあった、と考えるべきではないしょうか。
と、すると、何か新しい脅威が始まっている、と考える必要があることになります。40万Bq/Lというのは、尋常な数値ではありません。
もっとも、この井戸や漏洩タンクの福島第一原発における位置は↓のようになります。

(図の説明は→既存記事)
いったいどこで、何が起これば、ここでこんなことになるのか? 爆発した1~4号機からちょっと離れたここで、何が進行しているのか? 東電は何をやらかしたのか?
まあいずれにせよ、この場所で(理解不能な)高濃度の放射性物質が検出されたということは、地下水バイパス計画は完全に実行不可能です。(地下水脈的にE-1井戸の下流にあたる)揚水井戸で、いつ高濃度の放射性物質が出るのか、全く予測もつきません。地下水パイパスができなければ、国の遮水壁計画も実行不可能です。流れこむ地下水をそのままにして遮水壁だけ作れば、福島第一原発、堰き止められた水でドロ沼化した大地に沈むほかありません。どうするんだ、政府・経産省・安倍政権、おまけに鹿島建設!?
【アップデート情報】「トリチウム濃度が最高値=79万ベクレル-漏えいタンク北の井戸水・福島第1」(時事通信 20:58)
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馬鹿にされた原子力規制委員会-電力会社の傲慢
2013-10-17
「こちらの趣旨を東電は矮小(わいしょう)化し、取り違えている面がある」とは、東電の汚染水漏洩事故報告書についての、原子力規制庁(原子力規制委員会の事務局)池田克彦長官の言葉。東京電力は原子力規制委員会の言うことなど、まともに聞く気はありません。「手順省略、雨水を排出 第一原発のせきから 対策不足が露呈」(福島民報 10月17日)
東電は一昨日の台風でも、「規制委が15日に東電に対し了承した雨水の排出手順」を省略し、さっさと放射能汚染雨水を排出です(直接これかどうかはわかりませんが→排水溝にストロンチウム90など2300Bq/L)。「緊急避難的措置」と、東電は言うものの、「台風が来ることは分かっていたはずで明らかに準備不足だ」と、原子力規制委員会。要するに東電は、規制委員会の言うことなんて、聞くつもりがない、ということです。
そしてこの態度、東京電力だけじゃありません。

(朝日新聞10月17日西部本社版朝刊)
原発再稼働のための審査を請求した各電力、規制委に提出を求められた29項目の書類のうち、最も多いところでも11項目しか出していません。「あとは政治的圧力で通せば良い」、ということでしょうか。原子力規制委員会の要求など、はなから満たす気がありません。
こいつらいったい何考えてるのか!!
冒頭で言及した漏洩報告書をめぐっての東京電力の傍若無人ぶり、上掲の朝日新聞の記事ではだいぶ抑えた言及になっていますが、特に東京電力、いったい何様なのか!?
「東電支援金の回収は最長31年、利払い負担794億円=検査院試算」(朝日新聞HP 10月17日)
「東電、『今年度は値上げなしで黒字』 金融機関に見通し」(朝日新聞HP 10月17日)
国費から莫大な金もらって、儲けを上げて、銀行にはいい顔するんだ。
どこまでもフザケたことしやがって。
電力族・甘利、首相・安倍が権力持っている限り、こいつらの傲慢は増長する一方ということか。
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進むか、電力自由化へ?
2013-10-16
前回の国会では、野党の無駄な悪あがきで廃案となった電気事業法改正案(「何やってんだ野党!! 問責決議で電気事業法改正案、廃案!!」)、国会に再提出となる見込みだそうです。なんと、法案成立の遅れにもかかわらず、実施時期をそのぶん先送りしないとのことです v(^o^)。
(西日本新聞10月16日朝刊)
いやいや、すごいすごい
・地域独占体制を見直し
・2015年をめどに、全国規模で「広域系統運用機関」を設立
・16年をめどに電力小売業への参入を全面自由化
・18~20年をめどに「発送電分離」を実現
です。
できるのか、政府・経産官僚?
かくなる上は、雑魚野党蹴散らして、絶対多数自民党の力、目にもの見せて下さい・・・って、なんかこのごろ ぽちたまみけ、ヘン!?
先日は小泉元首相を弁護しちゃったし(いや、弁護したわけじゃなくて、小泉脱原発発言を批判した読売社説の稚拙さを批判しただけなんだけど・・・「これじゃ撤退できない日本軍だ!!・・・読売社説『小泉“原発ゼロ”批判』」)、今日はなんと、経産官僚やら自民党支持だぁ~。
まあ、どうせ経産官僚と自民がやるのですから「猿の手」よろしく、願いは叶うが、けっして期待したような形ではなく、(得られるものと全く釣り合わないような)莫大な代償を伴うような形でしか実現しないのだろうということは予想できるのですが、しかし、現状のままではどうにもならないというのも一方の真実です。
ま、現在の国会では、どうせ野党ができる事はないわけですから、与党の気が変わらないうちに、形だけでも電力自由化をめざす法案を通してもらいましょう。後のことは、後の国会と政局で詰めていくしかないわけですから。
電力も認める、実際は不経済な原子力、電力自由化後にどうやって生き延びる細工をしてくるのか、どういうごまかしが盛り込まれて行くのか、注視して行く必要があるでしょう。
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【放射性ヨウ素131の拡散】玄海原発だったら(8)糸島・福岡・久留米・八女
2013-10-15
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は引き続き九州電力玄海原発です。この原発、原子力規制委員会の更田委員の“印象”では、川内より「僅差で有利」とされ、かなり早い時期に再稼働へのゴーサインが出されそうな気配です。だけどちょっと待って下さい。この原発から50kmの距離円を描くと、福岡市のど真ん中を通ります。それも冬の季節風の風下位置です。この原発で冬、過酷事故が起きれば、福岡市だけで150万人を避難させる必要が発生します。はっきり言って不可能です。最悪事態を想定したら、最初から稼働できない位置にある原発です。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
今回は前回・前々回より少し福岡市側に振ったものです。糸島市西部は100万Bq/m^3hr以上汚染される黄色の領域に覆われます。そして福岡市西部・中央部、久留米市、八女市と、10万Bq/m^3hr以上汚染される緑の領域が到来します。さらに1万Bq/m^3hr以上汚染される青の領域は九州内陸を深々と広がり、熊本・宮崎県境地帯を汚染する図となっています。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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佐賀県玄海原発
「放射能汚染、考えられて来たより更にひどかった」
2013-10-14
除染について助言を行うため、国際原子力機関(IAEA)の専門家チームが来日しているせいもあってか、外国でも改めて福島原発が報道対象になっています。
(アルジャジーラ 10月13日)
「国連“恐れられていたより更にひどかった福島の放射能”」と見出しに記されています。本文を読んでいくと原発労働者の被曝量について「日本の当局は実際の放射線量より20%過小評価していた」とのことです。
見出しは新聞社が手を入れますので、これと同じではありませんが、この記事、ロイターの配信ですので、世界中あちこちの新聞社のホームページでお目にかかることができます。なお、日本でも同じことについての報道はあります。
そうそう、ちょっと前の話になりますが、福一周辺の放射線量は東電発表より「18倍もひどかった」という記事もありました↓

(BBC 9月1日)
これは、東電が使用していた測定器が100mSvまでしか読めないもので、ちゃんと測れる測定器で見たら1800mSvだったというもの。お粗末というべきか、こんなのありかよ!! 意図してのごまかしかよ!?
当ブログでは、とりあえず「公式発表」ということで、東電や国の数値を使用することが多いのですが、なんかやっぱり信用できない数値なんですね~。
かくして、これまでの国の発表などは間違いで、福島はチェルノブイリよりひどい(つまり最悪の)核事故であるということになります。

(ENENEWS 10月12日)
「日本の原子力当局トップは“福島は空前の災害、恐らくはこれまで起こった中で世界最悪の核事故”と語った」と、ENENEWSは伝えています。
内容自体はちょっと古くて、今年4月に行われたPSAMでの原子力委員会・近藤駿介委員長の公演、および、鈴木達治郎委員長代理の話のことのようですが、要するに国の原子力委員会の認識として、福島原発事故は過去最悪の事故だということになります。
ひどいな~、日本の政府、そして、メディア。このこと認識して隠してるのか、認識してないのか? 「単に口に出してないだけ」?? いずれにせよ、最低だな。
日本の脱原発運動の伝え方についても、外国メディアの方が大きく感じるのは私の偏見か?
↓昨日の「原発ゼロ統一行動」の報道。

(RT network 10月13日)
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【放射性ヨウ素131の拡散】玄海原発だったら(7)熊本市
2013-10-13
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は引き続き九州電力玄海原発です。この原発、原子力規制委員会の更田委員の“印象”では、川内より「僅差で有利」とされ、かなり早い時期に再稼働へのゴーサインが出されそうな気配です。だけどちょっと待って下さい。この原発から50kmの距離円を描くと、福岡市のど真ん中を通ります。それも冬の季節風の風下位置です。この原発で冬、過酷事故が起きれば、福岡市だけで150万人を避難させる必要が発生します。はっきり言って不可能です。最悪事態を想定したら、最初から稼働できない位置にある原発です。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
前回、熊本市は1万Bq/m^3hr以上汚染される青の領域でした。しかし、汚染地域原図の到達点の遠い北側を合わせると、10万Bq/m^3hr以上汚染される緑の領域が到達します。原図が切れていますので、熊本市全域に及ぶのかは判然としませんが。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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佐賀県玄海原発
まだまだ上昇32万Bq/L!! フクイチH4エリアE-1井戸のトリチウム濃度
2013-10-12
いわゆる「汚染水漏洩事故」、東京電力が「漏れた汚染水は300トンでした」と、認めたのが2ヶ月ほど前、8月19日。「福島第一の高濃度汚染水漏れ、推計300トン 東電発表」(朝日新聞HP 8月20日)
その後、このタンクの水は抜かれ、解体され、継ぎ目の隙間なども見つかっています。つまり、そういつまでも漏洩が続いているわけではありません(少なくともこのタンクからは)。
なのになぜ上昇する、今ごろ、このタンク近場の観測井戸の汚染濃度?
本日の発表では32万Bq/Lです → 東電資料 10月12日

なんかヤバくないか?
まず、濃度がハンパじゃないです。トリチウム32万Bq/Lです。国の原発排水のトリチウム放出基準は6万Bq/Lですからその5倍超、古来飲料水に用いられてきたのが井戸水=地下水、ということで、WHOの飲料水基準(1万Bq/L)で見れば32倍です。
もっとも、タンクから漏れた汚染水の濃度は8000万Bq/L(ストロンチウムやら何やら、全部含めて)という話ですから、もっと高い値が出る可能性もあるのですが、しかし↓この距離、一ヶ月以上経ってから数値が上がり始め、今ごろ最高値更新中? どう考えたって、時期が合わないでしょう。

(東電資料から切り出し)
上の図のように、漏洩タンクと観測井戸E-1は、間に別のタンク一つを挟んだだけです。漏水が始まったのは7月か、とか言われていますが、8月末には水が抜かれてしまったため、それ以後このタンクからの漏洩はないはずです。わずかタンク1つぶんだけの距離、漏れた水が1ヶ月以上かけて、E-1井戸に到達するなんて、あり得るのか?
それにもう少し視点を大きくしてみると、さらに不思議な(危ない)状況が見えてきます。

(東電HP、東電資料、Google map航空写真を画面キャプチャし重ね合わせた図です)
1日300トンと言われる大量の地下水が、山側(地図の下側)からこの原発敷地に流れ込み、海側(上)へ向かって流れているのです。
その中で、漏洩タンクからの漏洩水が今ごろ、E-1井戸に到達したとするなら、なんとも不思議な地下水の流れ方です。いわゆるひとつのあれかぁ? 「地下水脈が放射能汚染を関東に運ぶ」ってやつの一端か?
それはともかく、この事態が深刻なのは、単に汚染水が観測されたというだけじゃなくて、上の図で明解ですが、地下水バイパスが、できなくなっていることです。遮水壁作ろうにも、毎日300トンと言われる地下水の流入、なんとかしなければなりません。そこで揚水井戸から地下水を汲み出してしまおうという作戦のようですが、当然汲み出した水はどこかに捨てなきゃならない。ただの(無汚染の)地下水なら海へ捨てればよいはずですが・・・。原子炉からバイパス用揚水井戸を超えて、山側から、汚染水が出ているわけで、これじゃあいつパイパス用井戸から汚染水が出るかわからず、汲み上げた水をジャンジャン海に流すというわけにはいかないでしょう。
遮水壁の方は出来レースで鹿島と契約がなされました。でも、揚水井戸バイパスなしで遮水したら原発、水溜まって、ドロ沼に沈むぞ・・・あ、既にドロ沼で、沈んでますけど・・・って、いやいや、比喩じゃなくて。
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【放射性ヨウ素131の拡散】玄海原発だったら(6)佐賀・熊本
2013-10-11
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は引き続き九州電力玄海原発です。この原発、原子力規制委員会の更田委員の“印象”では、川内より「僅差で有利」とされ、かなり早い時期に再稼働へのゴーサインが出されそうな気配です。だけどちょっと待って下さい。この原発から50kmの距離円を描くと、福岡市のど真ん中を通ります。それも冬の季節風の風下位置です。この原発で冬、過酷事故が起きれば、福岡市だけで150万人を避難させる必要が発生します。はっきり言って不可能です。最悪事態を想定したら、最初から稼働できない位置にある原発です。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
今回の図では、唐津市主要部が100万Bq/m^3hr以上汚染される黄色の領域、佐賀市全域が10万Bq/m^3hr以上汚染される緑の領域です。この緑の領域は更に広がり、柳川市、大牟田市といった福岡県内を抜け、熊本県の荒尾市まで到達しています。そして熊本市その他、熊本県のかなりの市町村が1万Bq/m^3hr以上汚染される青の領域となり、鹿児島県の伊佐市のかなりの部分も覆っています。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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佐賀県玄海原発
止まらない28万Bq/L!! フクイチH4エリアE-1井戸のトリチウム濃度
あちこち汚染が止まらない!!
2013-10-10
港湾内でセシウム濃度が上昇、って、これ、ハンパな数字じゃないでしょ。WHOの飲料水基準でセシウム濃度、Cs134とCs137で、それぞれ10Bq/L、国の告示濃度限度で(つまり、「電力会社さん気にしないでね、こんな値、出るはずないよね~」、の値で)、60Bq/Lと90Bq/Lなんですから、370Bq/Lと830Bq/Lとは、とんでもない値です。それも水溜りとかじゃなくて海、まあ防波堤やシルトフェンスで囲われているとはいえ、ざぶざぶ海水入れ替わり放題のところですから、膨大な量の放射性物質がまたもや放出です。
(朝日新聞10月10日西部本社版朝刊)
で、その理由が「水ガラスで地盤の改良工事」って、なに? その辺の地盤、ちょっと何かするとぼたぼた水分が漏れてくる水浸しスポンジ状態? で、その水が超濃厚放射能スープ?
メディアもメディアで、何この小さい扱い。もう完全に感覚が麻痺してますね。
ちなみにH4エリアE-1井戸、まだまだトリチウム汚染濃度上昇中です→東電資料10月10日。

ちょっと前の新聞記事、見てみましょう↓
「タンク近くの井戸水に放出限度超すトリチウム 福島第一」(朝日新聞HP 9月11日)
国のトリチウム放出基準、6万Bq/Lです。それを超えたことが話題になっていました。この程度のことで右往左往していた昔がなつかしい~・・・遠い目。
いやいや、わずか一ヶ月前なんですけどね。
今や26万Bq/L、井戸に出てくるということは、地下水が国の基準の4~5倍、汚染されちゃってるんです。
事態は急激に悪化してるのに、メディアも国民も完全に頭がいかれちまって何も感じなくなってるんじゃないか!! これもまた放射能が頭に来た汚染拡大の証拠か・・・
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上昇中25万Bq/L!! フクイチH4エリアE-1井戸のトリチウム濃度
2013-10-09
またもや、国際レベルの放射能汚染事故となった福島汚染水漏洩↓、「汚染水あふれ『レベル0相当』 福島第一、規制庁が見解」(朝日新聞HP 10月9日)
さらにまたもや、作業員のミスとやらで、作業員6人、汚染水浴びてます。
「福島第1原発、作業員6人が汚染水浴びる=東電」(朝日新聞HP 10月9日)
もう東京電力、完全に事態を管理する能力を失っています。「国が前へ出る」というのも掛け声だけで、国は何もしないし、どうするんでしょう?
まあもともと、アメリカやロシアなら軍を出動させるところでしょうが、日本にはそんな能力を持った部隊もないわけで、「国が前へ出」ようにも、何も動かせる組織がないわけです。ただし、この事態は何も急に発生したわけではないのですから、2011年3月11日から2年半も、国は何をやっていたのか、という問題で、実務作業集団を作ってこなければいけなかったのです。東電丸投げで逃げてきた経産省、再稼働がどうのというくだらぬ策動しかせず、事故収束に取り組まないとは、何やってんだ!!
さて、フクイチH4エリアE-1井戸のトリチウム濃度、過去最高を更新し、上昇を続けています → 東電資料 10月9日。
グラフつけときます。

この井戸の問題点 → ここ。
原発脇の井戸じゃありません、汚染水タンク脇の井戸です。何をどうやって漏らすと、こんなところの濃度がこんなに上昇していくのか、まともじゃありません(いや、フクイチ全体、まともじゃないんだけど・・・)。
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【放射性ヨウ素131の拡散】玄海原発だったら(5)島原・天草
2013-10-09
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は引き続き九州電力玄海原発です。この原発、原子力規制委員会の更田委員の“印象”では、川内より「僅差で有利」とされ、かなり早い時期に再稼働へのゴーサインが出されそうな気配です。だけどちょっと待って下さい。この原発から50kmの距離円を描くと、福岡市のど真ん中を通ります。それも冬の季節風の風下位置です。この原発で冬、過酷事故が起きれば、福岡市だけで150万人を避難させる必要が発生します。はっきり言って不可能です。最悪事態を想定したら、最初から稼働できない位置にある原発です。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
前回、諫早市が主題でしたが、風の強さによっては汚染地域はもっと遠くまで広がります。10万Bq/m^3hr以上汚染される緑の領域、汚染地域原図の到達点の遠い北側を合わせると、島原半島を超えて上天草市あたりまで届いています。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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佐賀県玄海原発
これじゃ撤退できない日本軍だ!!・・・読売社説「小泉“原発ゼロ”批判」
2013-10-08
読売新聞中興の祖“正力松太郎”が作った日本原子力発電、東海第二原発も敦賀原発も再稼働のめど立たず、会社存続の危機を迎えている現在、読売新聞社としては「何が何でも原発再稼働推進!!」というのがあまりにあからさまな社説です↓「小泉元首相発言 『原発ゼロ』掲げる見識を疑う」(10月8日読売新聞社説 読売オンライン)
小泉元首相の「原発ゼロ」発言に噛み付きました。
でもこの文書、信じられないほどの低レベルです。
まず最初の論点は、“原子力に代わる発電がないのに無責任”です→「小泉氏は原発の代替策について『知恵ある人が必ず出してくれる』と語るが、あまりに楽観的であり、無責任に過ぎよう。」
最初から、ちょっと待ってです。ニュージーランドはもちろん、イタリアもドイツも原発なしでやれると言っているわけで、「原子力に代わる発電がない」とは、日本人って、それほど低能か?
次がお決まりの経済論です→「現在、火力発電で原発を代替している結果、燃料の輸入費が増え、電気料金は上昇を続けている。このままでは、家計や経済活動に与える影響が大きい。」
この手の議論、脱原発派も原発推進派も、自分に都合の良い点を大きく主張するのはやむを得ないことですが、この書き方はただの政治宣伝です。最初から原発を作らずにやっていれば、どんなに高く見積もっても、電気料金は福島事故以前の水準と比較して、9%割高にまでしかなりません。最初から原発を持っていない沖縄電力の電気料金水準がそうなんですから、この程度です。つまり「電気料金は上昇を続け」ということにはなりません。燃料輸入費のせいならば、どこかで止まります。しかも、福島事故以後、東電などでは8%程度の値上げが既に実施されているわけですから、それも現状程度でそろそろ打ち止めです。
ただし、それでも電気料金は更に上昇するでしょう。なぜなら、原発のせいです。廃炉費用、核燃料処理費用、止まっている原発の維持費用、そして賠償金、除染費用等々が電気料金に上乗せされてきます。まあ多くは、原発やめる・やめないにかかわらず、既に原発作っちゃった以上、事故っちゃた以上、今後負担しなければならない費用なんですけど・・・なんてこったぁ。
ただもちろん、追加の燃料輸入なしで発電できる原発を動かせば、多少の燃料費ぶんは浮くことになります。で、それがいくらになるのか? この資料→ここ によると、年3.1兆円のコスト差ということだそうです(推計値・・・現実には電力需要が減ったので1.9兆円)。この金のために、今後も福島原発事故のようなリスクと付き合っていくのか、というのが、問題の焦点です。
まあ、本当のところを言えば、外国より1.5~5倍も高い値段で燃料買っている日本の電力会社の体質を改め(総括原価方式・地域独占をやめ)、ちゃんと価格競争させれば、この価格も75%とか5分の1とかに圧縮できますし、アベノミクスの無理な円安誘導止めれば、それでも輸入価格数割は低下させられるのですから、きちんと手当をすれば、福島賠償・除染費10兆円(東電ぶん)などと比較して、大した金額ではないはずです。
読売新聞の記述(そして原発推進派の決まり文句なんですが)、本当は原発が原因の電気料金値上げを燃料費増大のせいにした上、今後原発を稼働することの効能を信じられないほどデカく描いてます。まあ、新聞記事として評するなら、デマですな。
そして次の主張がまたもや決まり文句、地球温暖化問題です→「火力発電は、二酸化炭素(CO2)を多く排出し、地球温暖化が進む大きな要因である。」
しかし、ガスコンバインドサイクル発電のように、原発よりも熱効率のよい発電方式も普及中ですし、このごろでは、原発の排熱自体が地球温暖化させているという話まであります。
そしてまた決まり文句、再生可能エネルギーをけなします→「太陽光や風力を利用した再生可能エネルギーは、天候に左右されるなど弱点があり、主要電源になる展望は見えていない。」
これも問題のある記述です。まず、地熱やバイオマスといった安定的な再生可能エネルギーをなぜ無視するのか。そして、太陽光や風力も使い方一つで、安定的なエネルギー源になるんですけどね。
で、これです→「『原発ゼロ』が政策になれば、福島第一原発の廃炉などに必要な技術者も確保できまい。」
旧日本軍の末期症状です。撤退する方法がないからどこまでも突き進んで玉砕ですかぁ。
あ~あ、終わってます。
そしておまけです↓
「使用済み核燃料や、それを処理した際に出る放射性廃棄物の処分法は技術的に決着している。/専門家は地盤の安定した地層に埋めれば、安全に処分できると説明している。/・・・/放射能は、時間を経ると減り、1000年で99・95%が消滅する。有害性が消えない水銀など重金属の廃棄物とは事情が違う。」
なんというお花畑!! 日本学術会議の提言とか、知らないんですかね。
このお花畑が実現しないのは、単に最終処分場が決まらないからだそうです。そして、話が戻ってきます小泉元首相へ↓
「問題は、廃棄物を埋める最終処分場を確保できないことだ。/・・・/処分場の確保に道筋が付かないのは、政治の怠慢も一因と言える。首相だった小泉氏にも責任の一端があろう。」
はあ、八つ当たりですな。「今や脱原発」の小泉に、原発推進政府責任者だった頃に遡って、原発推進をちゃんとできなかったことの責任を問う、はは、なんとも面白いひねくれた論理です。
締めの言葉はこれです→「処分場選定を巡る議論を進めるべきである。」
こっちも面白くもない決まり文句と行きますかね~→「そんなに核廃棄物最終処分場が必要なら、読売新聞社の本社の土地とか、東京ドームとか提供したらどうですか~」
ちなみに、読売新聞社本社仮社屋は、大間原発建設中の電源開発の向かいです。
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言っちゃった「人の住めない福島」!! & 東電分社化 (脱原発も・・・)
2013-10-07
今さら脱原発に舵を切った小泉元首相の方向転換は、「何を目論んでるのか?」な、感じですが(たぶん、次の政局への仕込み)、次の2つは何の意図があるのか?
(朝日新聞10月7日西部本社版朝刊)
まあ、桜田副大臣の「放射能汚染灰は人の住めない福島に」発言は、単なるおバカが、いつも考えてることチョロっと言っちゃった、という感じにも見えます。
ただし、釈明の仕方は、朝日新聞が伝えるところと、共同通信が伝えるところで微妙な変遷をします。
朝日では「国会議員が発言の撤回を求めたが、『見解の相違』として取り合わなかった」となります。急には返答に窮したのでしょうか、特に釈明しなかったことになります。
これに対し共同通信では取材に対し「『福島県全体を指したものではない』と釈明した」(47NEWS 10月7日)とのことです。突っぱねてはみたけれど、やっぱヤバかったかな~、と思ったのでしょうか。
ただしいずれにせよ、桜田副大臣は、汚染灰は福島の汚染地域に持っていく、という考え自体は堅持しているということになります。このあたりちょっと危ない雰囲気はあって、政治家が世論の反発を測るために、あえて危ない発言をしてみるバロンデッセ・リークとも考えられます。
特に、大臣自身が発言してトチってしまうとおおごとになる事項を、取り巻きの雑魚に言わせてみる、というのは、極めてありそうで、“汚染灰は福島処分”というのは、自民党の実際の方針かもしれません。
ま、現実に、放射能汚染灰を引き受けようという地方自治体はそうおいそれと出ては来ないでしょうから、福島処分というのは極めて実現性のある方針ではあります。
これに対し、自民党政調会長代理という、副大臣よりはだいぶ格上の塩崎の発言、出るべき話が出てきた、という感じがします。
すべて東電に丸投げという現状、そろそろ限界に来ています。遮水壁等の470億円は財務省に了承させたが(たぶん消費増税実施を恩着せがましく売りつけた・・・実際は民主党が国会通したのに)、しかし、資本補強や債務保証など、とめどない国費投入、いつまでも1私企業に続けていくのは無理です。少なくとも現在のペースを維持しているだけだと、賠償が本格化した時点で東電潰れそうだし、だからと言って、追加投入を大幅増するのは、さすがに世論も財務省も、簡単には認めないでしょう。
自民党としては、“お仲間”東京電力を救済する、新たな枠組みが必要です。形だけは「東電解体」とか言って、税金をジャブジャブ投入できる体制を構築する必要があるということでしょう。
まあ、それでも状況は、次のステージへと進まざるをえないというところに来ている、ということを感じさせる様々な発言です。小泉・桜田・塩崎、いやどれも、そうなるんだろうな、という発言ではあるのですが、どれも悪巧みにしか見えない、というのは、こっちの見方が歪んでいるのかなぁ・・・。
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【放射性ヨウ素131の拡散】玄海原発だったら(4)佐賀県~諫早
2013-10-06
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は引き続き九州電力玄海原発です。この原発、原子力規制委員会の更田委員の“印象”では、川内より「僅差で有利」とされ、かなり早い時期に再稼働へのゴーサインが出されそうな気配です。だけどちょっと待って下さい。この原発から50kmの距離円を描くと、福岡市のど真ん中を通ります。それも冬の季節風の風下位置です。この原発で冬、過酷事故が起きれば、福岡市だけで150万人を避難させる必要が発生します。はっきり言って不可能です。最悪事態を想定したら、最初から稼働できない位置にある原発です。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
今回は諫早市です。もちろん10万Bq/m^3hr以上汚染される緑の領域がかかります。こちらへ汚染域が広がった場合、佐賀県の大部分が、10万Bq/m^3hr以上汚染される緑の領域となります。原発隣接市の唐津市はかなりの部分、100万Bq/m^3hr以上汚染される黄色の領域です。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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佐賀県玄海原発
海外からも大注目!! 「また漏れたぞ福島」
2013-10-05
もうどうしょうもない、「『コントロール』って、なに、その悪い冗談」という状況です。海外からも大注目されてます、止まらない福島汚染水漏洩問題。今、安倍が、国際オリンピック委員会での演説みたいなこと言ったら、鼻で笑われて終わりでしょう。まずはNBCニュース(10月3日)↓

「法的規制基準の6,700倍の汚染水漏れる」、です。「福島の破壊された生活」というスライドショーへのリンク付きです(甲状腺の超音波診断を受けている女の子の写真からリンク)。
次はSky News(10月3日)↓

「フクシマ、太平洋に放射能水を漏洩」です。たまった汚染水を処分する有効な計画もない、とも書いてあります。
アメリカyahooニュースも伝えています(10月3日)↓

見出しは「壊れた福島原発から新たな漏洩: 東京電力」と来ました。本文中では、「懐疑的な傾向を強める自国及び国際的な公衆の視線の中で、東京電力は一層信頼を失った」とか。
2011事故の際、放射能雲の流れに従って、ネット上でも「放射能」という言葉がたなびいて行きましたが↓
How Fukushima's Radioactive Cloud influenced Social Networks globally
Create a free website - Webnode.com東京電力の無能ぶり、安倍の無責任・嘘つきぶり、そして日本・日本人のいい加減さ、やはり世界に広がっていくでしょう。
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【放射性ヨウ素131の拡散】玄海原発だったら(3)長崎市-その2
2013-10-04
福島原発事故の際の放射性ヨウ素131による汚染状況図ならびに、放射能雲の広がり、非常に広大な地域に及ぶ放射能汚染の可能性を示唆しています(滝川雅之氏・鶴田治雄氏・岡野眞治氏の作成されたシミュレーション・・・NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」1月12日午後9時00分~10時13分 放送で紹介)。当ブログでは、汚染状況図と、ある一時点での放射能雲の広がり状況を重ね合わせた図など作成し、季節風との関係を考えてみたりしてみました。
さてそこで、他の原発で重大事故が起きた場合どうなるのか、この時の“汚染状況+一時点での放射能雲の広がり”図を、他の原発に重ねてみることにします。
今回は引き続き九州電力玄海原発です。この原発、原子力規制委員会の更田委員の“印象”では、川内より「僅差で有利」とされ、かなり早い時期に再稼働へのゴーサインが出されそうな気配です。だけどちょっと待って下さい。この原発から50kmの距離円を描くと、福岡市のど真ん中を通ります。それも冬の季節風の風下位置です。この原発で冬、過酷事故が起きれば、福岡市だけで150万人を避難させる必要が発生します。はっきり言って不可能です。最悪事態を想定したら、最初から稼働できない位置にある原発です。
この原発にヨウ素131汚染状況図を重ねてみます。事故が起きれば下図のようにもなりかねず、再稼働は勘弁願いたいものです。

ピンクの“放射能雲の広がり”は、あくまで2011年3月15日10時時点のもので、ゆらゆらたなびき広がる一瞬の姿ですから、「あ~、このあたりに放射能雲が掛かることもあるのだな」程度の意味ですが、気象・地形その他の条件によっては、このあたりまでホットスポットができる可能性があるということになるでしょう。また、汚染物質を含んだ気体は、一様に薄まるのではなく、濃いところと薄いところがマーブル状になって広がりますから、ちょうどピッタリのタイミングで、濃いところを吸い込めば、それなりの被曝をする可能性もあることになります。
今回も長崎市方面に汚染領域が広がった場合です。ただ重ね合わせる汚染図の上下を逆にしています。長崎市の南端まで、10万Bq/m^3hr以上汚染される緑の領域がかかります。玄海町隣接の唐津市は当然として、伊万里・有田といった陶磁器の名産地から、長崎県の松浦市・佐世保市・西海市といったところを経て長崎市まで、このこの緑の領域は広がっています。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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佐賀県玄海原発