【Cs137の降下】伊方原発だったら(6)東南東風
2013-12-31
福島原発の際、季節風の関係で、放射性物質の多くは太平洋方向に飛ばされていると考えられます。しかしリアルタイムで船を出して降下物質の観測をするなんてことはできようはずもなく(被曝の危険もあるし)、データとして上がってこないので、(事故後測定された)陸地に降った放射性物質の状況から福島原発事故の影響を考えがちです。しかし、他の原発で事故が起きた場合、風向き次第では、福島では“海に去った”状況が陸地で再現されることだってあり得ます。
そこで、福島事故の洋上シミュレーションを、他の原発に重ねる、重ねあわせ図を作成してみます。セシウム137に関するシミュレーションの重ね合わせです。原図などはこちらです。なお、原図と現在の状況を見比べてみると、オレンジの領域はほぼ帰還困難区域となり、黄色の領域は半分程度、居住制限区域となると考えられます。
今回は四国電力伊方原発の6回めです。福島事故のシミュレーション図を移動後、反時計回りに250度ほど回転して重ねてみました。夏の季節風、南風の状況です。国東半島が、人の住めない状況(帰還困難区域~居住制限区域)となる可能性があります。

・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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愛媛県伊方原発
自民党でも“脱原発議連”
2013-12-30
民主党に仙谷・前原や旧民社党系の原発推進勢力と、菅直人らの脱原発勢力があるように、(忘れてたけど)、自民党にもありました、脱原発勢力。河野太郎が一人だけ、というわけではなくて、「衆議院議員19名、参議院議員6名、そして支部長22名も加わって総勢47名」(牧島かれんHP 2011年6月16日)だったはずですが、「エネルギー議連」、今、何人なんでしょう?? ま、とにかくやっと声が上がるそうです。「エネルギー計画修正を提言へ 自民の『脱原発』議連」(47NEWS=共同通信 12月29日)
このところブログでも原発に言及していませんでしたから、もうやめちゃったのかと思っていましたが、そうではありませんでした、河野太郎氏。「原発を『過渡期の電源』と位置付け、原発が『重要なベース電源』だとして再稼働推進を明記する基本計画案と一線を画す」(上掲リンク先)そうです。まあ、自民党ですから、即刻原発ゼロは主張しませんが。
それでも一定の歯止めはしてくれなきゃ困ります。なんせ前の衆議院選挙では「たぶん、今回の政権公約のエネルギー政策は、70点はつけられるのではないかと思います/・・・略・・・/もちろん、まだ自民党のエネルギー政策は不十分かもしれませんが、自民党政権になればまた昔と同じように原発が推進されるというほどひどくはありません」(河野太郎ブログ 2012年11月23日)と、大見得を切ったわけですから。ちゃんと「ひどくない」ものにする責任があるぞぉ。
でも自民党の大勢はこっちじゃないのか→「原発推進派でつくる議員連盟は新増設などの必要性を指摘する提言をまとめている」(上掲共同通信記事)。
ま、時期も時期ですから、こんな歌でも歌っておきますか、「は~やくぅ来い来い、小泉『自民党をぶっ壊す』ぅ~、アンド、即原発ゼロぉ~」。
もちろん自民党政治家ってのは、仲井真沖縄県知事みたいに、金やら何やらでコロッと転びますから、何言っていても信用ならないわけですが・・・
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【Cs137の降下】伊方原発だったら(5)南東風
2013-12-29
福島原発の際、季節風の関係で、放射性物質の多くは太平洋方向に飛ばされていると考えられます。しかしリアルタイムで船を出して降下物質の観測をするなんてことはできようはずもなく(被曝の危険もあるし)、データとして上がってこないので、(事故後測定された)陸地に降った放射性物質の状況から福島原発事故の影響を考えがちです。しかし、他の原発で事故が起きた場合、風向き次第では、福島では“海に去った”状況が陸地で再現されることだってあり得ます。
そこで、福島事故の洋上シミュレーションを、他の原発に重ねる、重ねあわせ図を作成してみます。セシウム137に関するシミュレーションの重ね合わせです。原図などはこちらです。なお、原図と現在の状況を見比べてみると、オレンジの領域はほぼ帰還困難区域となり、黄色の領域は半分程度、居住制限区域となると考えられます。
今回は四国電力伊方原発の5回めです。福島事故のシミュレーション図を移動後、反時計回りに220度ほど回転して重ねてみました。夏の季節風、南東風の状況です。山口市が、人の住めない状況(帰還困難区域~居住制限区域)となる可能性があります。

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愛媛県伊方原発
もっとコアキャッチャーを!!
2013-12-28

(朝日新聞12月28日西部本社版朝刊)
まだ言ってます軍国主義者・安倍「世界で一番厳しい基準で安全」だそうです。これ、「ウソでしょ」と言って批判するのは簡単なんだけど、それよりも皆で原子力規制委員会をサポートした方が良いんじゃないでしょか。
なんせ原子力規制委員会・田中委員長、自民党の塩崎と会ってしまった。ということは中立性を守るためには、自民党以外の人とも会って話を聞かなければならないはずです。特に、各政党の意見を聞くべきです。
そこでです、皆で原子力規制委員会を盛り立てていきましょう、「なんてったって『世界で一番厳しい基準』ですから、当然コアキャッチャーは義務ですよね、頑張ってください」と。
いざ原子炉がメルトダウンしたとき、溶けた核燃料を受け止める設備、コアキャッチャー、絶対に必要です。そこが抜けてたら「世界で一番厳しい基準」になりません。なにしろヨーロッパじゃもう常識的な設備なんですから。
とにかく流行らせましょう「コアキャッチャー」、めざせUFOキャッチャー!!
ところで福島第一、また汚染濃度タイ記録です、観測井戸No.0-3-2、12月26日の試料、トリチウム69,000Bq/Lです→「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」。
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東電また「1兆ちょうだい」、で、また汚染悪化!!
2013-12-27
それにしても、止まりません、東電の金普請。「東電、1兆円の追加支援申請=賠償増加で5回目」(時事通信HP 12月27日)
この「追加が認められれば、原賠機構による資金支援は計4兆7888億円となる。これとは別に、原子力損害賠償法に基づく1200億円の補償金も受け取っており、国からの支援総額は5兆円近くに達する」そうです。ボロボロボロボロと、とめどなく金をつぎ込んで、どうするつもりだ~、国。これで「安い発電」とは聞いて呆れます。現在支払わないで済んでいる金額、そして将来払わなければならない金額(廃炉費用、各廃棄物処理費)、合算したらとても採算の取れる発電じゃありません。会計方式のインチキで電力会社がボロ儲けするだけの原子力、早くやめなはれ(うわっ、なぜに関西弁??)。
「東電再建、『原発頼り』に危うさ=再稼働で地元理解欠かせず」(時事通信HP 12月27日)
なんでも「東電の燃料調達費用は、12年度に2兆7885億円と10年度の2倍近くに急増。13年度も高水準で推移し、業績悪化の主因となっている。/東電は新再建計画に1000人規模の希望退職募集など経営合理化策を盛り込んだ。もっとも、12年度の人件費は3458億円と10年度から2割減少。東電幹部は『いくらリストラをしても、燃料費を圧縮しなければ経営再建は絵に描いた餅』」だそうです。
だからぁ、発電効率の悪い、燃料バカ食いの古い発電設備を使っているから、こんなことになるわけで、さっさとガスコンパインド発電等にシフトすれば良いだけのことです。そういう設備投資をする金の無いこんな企業に電力を独占させているのがそもそもの間違いです。日本の、国としての燃料調達費を削減しようとしたら、早く電力を自由化して、効率的に発電し安い電力を供給する企業へと、電力市場の主役交代をしてもらう必要があります。
「東電会長にJFEの数土氏=下河辺氏後任で最終調整-政府」(時事通信HP 12月27日)
首のすげ替えじゃありません。やるべきは電力制度の改革です。
ところで福島第一、また今日も海辺の井戸で記録更新です。
「地下水の放射能濃度急上昇=海から10メートルの井戸-福島第1」(時事通信HP 12月27日)
これに関する東電の発表はこれですが→「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」(東電発表資料 12月26日)
それよりも怖い、この写真↓

(東電発表資料 12月27日)
「4号機使用済燃料プール内の変形がある燃料集合体」のヒビだそうです。ああ、パキッ!!
でもって海水汚染、いろいろデータ出して来ていますが、このデータ↓なんて、悪化の一途っていう図になってます。

(東電発表資料 12月27日)
どうするつもりだ国!! 「そのうち何とかなる」とか、甘いこと考えてるんじゃないだろうな!!
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最大で225トン、漏れてるよ福島第一!!
2013-12-26
「首相が靖国神社参拝=在任中初、『不戦誓った』-中韓は反発」(時事通信HP 12月26日)はぁ、こっちへ世間の耳目は集中ですね。どうすんですか、近隣外交。アメリカだって、「ガックシ」だそうです。まあ安倍、じいちゃんがA級戦犯な人ですから、行って当然でしょうが。でもこのじいちゃん、ホントのA級戦犯な人や真面目な英霊からは恨まれてんじゃないのか、「アメリカの有力な協力者になることを交換条件に戦犯不起訴」にしてもらった裏切り者なわけですから。
それはともかく、最大225トンの汚染水漏洩です。

(東京電力HP掲載資料 12月26日)
「水位低下、巡回で気付かず=福島第1汚染水タンクせき-東電」(時事通信HP 12月25日)
東電HPの資料によれば、H4東エリアの方の堰内水のストロンチウム90は、440Bq/Lだそうです。
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蠢く白蟻vs二重詐欺師の陣・・・自民党塩崎vs原子力規制委員長田中
2013-12-25
自民党の原発推進議連が何やらゴチャゴチャやっている「<自民原発推進議連>政府へ新増設などの明記求める提言」(yahooニュース←毎日新聞 12月17日)
と思ったら、第一面ボスキャラ出陣です。
「規制委員長、自民議員と面談=25日に異例の対応」(時事通信HP 12月24日)
なんでも「原子力規制委員会は24日、田中俊一委員長が自民党の原子力規制に関するプロジェクトチームの塩崎恭久座長らと25日に面談すると発表した」(上掲時事通信HPリンク先)そうです。塩崎は既に『東洋経済』で「原子力規制委の“孤立”に世界は驚愕している」(東洋経済HP 12月19日)というインタビュー記事を発表済みで、原子力規制委に揺さぶりをかけています。
この記事、“原子力規制委は、いろいろな人からの助言を受け付けろ”というレトリックのもとに、要するに「規制委は自分たち政治家の意見を聞け」というもの。そして言うこと聞かないと「規制委の設置法を改正する」ぞ、という脅しもついています→「(自民党の)PTでは今日(12月17日)、そういう意見が出た」(上掲東洋経済HPリンク先)と。
しかし今や全く採算が取れないことが明らかになっている原発新増設をやれと、自民白蟻議員連、よくも恥ずかしげもなく主張できるものです。
来年度の予算だけでも、除染に9兆円、中間貯蔵施設に1兆1千億円、原子力発電施設等緊急時安全対策交付金に120億円、もんじゅに199億円、原子力人材育成に19億円、さらにはどこから金が回るのか原発事故に備えて福井県の道路整備に50億円などなど、いったいいくら、原子力につぎ込まれるのか。「除染費は原則東電負担で、国は貸すだけ」なんてのは財務省のごまかしで、結局、国から支払われなければ電気代で払わされるだけのこと。で、これでどう計算すれば原発が安い電力になるというのか。
自然エネルギー財団が計算しようが、国の「コスト等検証委員会」が計算しようが、経団連のシンクタンク「21世紀政策研究所」が計算しても、八木誠・電気事業連合会長・関西電力社長が計算してさえ、今や原発、これほど高くつく発電はない。かろうじて、今ある原子力燃料をありものの原発で使い切るまで燃やすなら、ちょっとは安い電力になるかもしれない、という程度。でももちろん、そこで安全対策なんてちゃんとやったらやっぱり赤字じゃないかとも、言われている。
なのに自民党原発推進議連、「新増設」と来ました。要するに、無駄に支出される国費と、強引に徴収される電気料金に群がる白蟻です。
で、白蟻の第一面ボスキャラ、塩崎出陣です。(もちろんもっと後の面のボスキャラには、茂木とか、甘利とか、安倍とかが控えているんですが)
さあ大変だ原子力規制委員会!! といっても、こっちも怪しいことこの上ない。原子力ムラ出身の田中俊一委員長、規制を強化したふりして、「だから大丈夫」と言って、原発を生き残らせようとしている二重詐欺師ですから。
「世界最高水準の安全基準」とか言いながら、コアキャッチャーは知らんぷり。原発がメルトダウンしそうになった時、核燃料を受け止めてメルトダウンを防ぐコアキャッチャー、ヨーロッパじゃ、もう付けてることが常識なのに、日本の原子炉には採用例何もなし。日本原子力学会のHPに掲載されている東芝の文書にだって「世界標準の安全設計」として「Core Catcher」がそこらじゅうに書き込まれているのに。これで「世界最高水準」とは、ただの詐欺師です。
でも、だから原発GO!GO!とは言わずに、原発推進派には「もうちょっとここがぁ~」とか言って、国民の代弁をしてみせるところが二重詐欺師、すぐに原発再稼働した日には原子力規制委があっという間にお払い箱になる。
かくして本日、「塩崎氏らは、原発事業者も含めた利害関係者から幅広く意見を聞くよう要求した。/・・・略・・・/面談で塩崎氏らは、事業者や原発立地地域の議員らとのコミュニケーションに努めるよう要求。また、現在の規制委はメンバーの専門性だけに頼っているとして、『(規制委にアドバイスをする)目付け役を持っていただいたらどうか』と述べた。/田中委員長は『ご指摘のように足らない面はいっぱいある』と返答。原子力分野の人材育成などに関して『助力をお願いしたい』と語った」そうです(時事通信HP 12月25日17:47)。
で、この規制委員会で大丈夫なんでしょうか、班目さん?
「いまだに専門知識がない。事業者との間に信頼関係もなく、非常事態に対応できるかは不安だ」(時事通信HP 12月24日)
“あんたには言われたくない”と言う声がどこかから聞こえてきたような気がしたのは私の空耳でしょうか。
それはともかく、やっば、安全審査、ちゃんと口にした通り「世界最高水準」でやれよ、原子力規制委!!
しかしそのあやしい現状の審査でさえ風前の灯火とは、どうなってんだ!!
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火砕流の直撃を受ければ、原発運転員は生きていない、川内・泊・東通・玄海・伊方・・・
2013-12-24
毎日新聞がアンケート調査をしました。火山学者に宛てて・・・原発が火山爆発に巻き込まれる恐れについて。「<原発リスク>巨大噴火の影響大…泊、川内など 学者が指摘」(yahooニュース←毎日新聞 12月20日)
「最長60年の稼働期間中に巨大噴火が発生し、火砕流の被害を受けるリスクがある原発を複数回答で選んでもらったところ、29人がいずれかの原発を選択した。その全員が「阿蘇(熊本県)や姶良(あいら)(鹿児島県)など多くのカルデラが周囲にある」として川内のリスクを指摘した」とのこと、川内原発、とっても危険!!
ところで、阿蘇ということになると、危ないのは川内だけではないという作図、以前行いました。

(川内原発・玄海原発、再稼働の見通しについて)
ということで、上掲の毎日記事でも、「カルデラは巨大噴火の後に形成される非常に大規模な陥没(盆地)地形で、同様に泊、東通(青森県)、玄海(佐賀県)も周辺にカルデラが存在することが懸念された」と、書いてありますが、この玄海、懸念対象は阿蘇じゃないのか??
もちろん伊方も、「他は伊方(愛媛県)11人▽女川(宮城県)9人▽島根(島根県)や東海第2(茨城県)など7人の順で、カルデラとの距離が遠くなるほどリスクの指摘は減っている」と書いてありますが、この伊方も、懸念されているのは阿蘇なのか、阿蘇以外のカルデラなのか??
まあ、日本にはあちこち火山がありますから↓

(火山噴火予知連絡会が監視している火山と原発の位置関係)
どこも危険です。
それに起こり得る事態の予測もいろいろ考えとかなければなりません。毎日新聞のアンケートで考えているのは、火砕流が原発を直撃、といった強烈なシナリオのようですが、もっとショボイのもあるかもしれません。
火山灰が降り積もり、深さ50cm、灰の重みや何やらで送電線が切れ、あるいは変電所が壊れ外部電源を喪失、いざ、電源車を動かそうとしたら降灰ですぐには動けず、灰掻きに悪戦苦闘しているうちにメルトダウン、なんていう間の抜けたシナリオもあり得るでしょう。
さらには、それでも電源車はなんとか動かせたんだが、追加の発電用燃料が降灰のため道路が使えず届かず、電源車のガス欠とともにメルトダウン、とかもあるでしょう。
なんせ九州はシラス台地が覆っている島ですから、どこかの火山がマジで噴火したら、火山灰は深刻なことになる可能性があるということになります。関東ローム層に連なる東海第二、浜岡も同じことですが(関東ローム層は、火山堆積物そのものではないという話もありますが・・・ま、富士山が噴火したらそんなことどっちでもいい状況でしょう)。
ちゃんと危険性を評価しろよ、原子力規制委員会!!
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【Cs137の降下】伊方原発だったら(4)南風
2013-12-23
福島原発の際、季節風の関係で、放射性物質の多くは太平洋方向に飛ばされていると考えられます。しかしリアルタイムで船を出して降下物質の観測をするなんてことはできようはずもなく(被曝の危険もあるし)、データとして上がってこないので、(事故後測定された)陸地に降った放射性物質の状況から福島原発事故の影響を考えがちです。しかし、他の原発で事故が起きた場合、風向き次第では、福島では“海に去った”状況が陸地で再現されることだってあり得ます。
そこで、福島事故の洋上シミュレーションを、他の原発に重ねる、重ねあわせ図を作成してみます。セシウム137に関するシミュレーションの重ね合わせです。原図などはこちらです。なお、原図と現在の状況を見比べてみると、オレンジの領域はほぼ帰還困難区域となり、黄色の領域は半分程度、居住制限区域となると考えられます。
今回は四国電力伊方原発の4回めです。福島事故のシミュレーション図を移動後、反時計回りに170度ほど回転して重ねてみました。夏の季節風、南風の状況です。広島市が、人の住めない状況(帰還困難区域~居住制限区域)となる可能性があります。

・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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愛媛県伊方原発
アメリカでも訴えられてるぞ、犯罪企業東京電力!!
2013-12-22
12月20日付けでFoxニュースは伝えています→「任務によって病気にされた:福島支援活動によって癌になったと訴えるアメリカ海軍兵が増加」というニュース↓
“福島での津波に対応して、航空母艦ロナルド・レーガンはすぐに現地に向かった。数カ月後、操舵員モーリス・イニスは全身に出来た腫物に気づいた。そして同時期に福島での救助活動に従事していた彼の婚約者や、同僚の体にも異変は起きていた・・・”といった感じで、合計51人のアメリカ海軍兵が訴訟です。
以前行なわれた同様の訴訟では、アメリカ政府と日本政府の連絡の行き違いが原因ということで、裁判所の権限外とされ、門前払いにされたそうですが、今回はちょっと違うそうです。なぜなら、東京電力の犯罪行為が訴状に組み込まれているからだとのこと。“これは裁判所の権限内のはずです”、と前回退けられた裁判で訴訟人代表を務め、今回の訴訟でも代表を務めると見られている、A.C.ボナー弁護士は述べているそうです。
で、何が東京電力の犯罪行為なのかと言うと、“事故当初、メルトダウンの事実を隠し、通告しなかった。そして、危険地域への救助人員突入方針をとったこと”とのことです。
“この東電の方針のため、アメリカ軍は事態を誤認し、部隊を危険地域に投入することになった”・・・ってのは、ホントかなという気もしますが(アメリカ軍って、かなり早くから飛行機飛ばしたりして事態を把握していたような気がするのだが)、裁判のための論理構成上、そして何より軍を敵に回さず裁判を行うためには、必要なレトリックなんでしょうね。
でもって、当時首相の菅直人が“津波の5時間後には最初のメルトダウンが発生していた”と最近(12月12日)の記者クラブでの発言で言っているわけだから、日本政府も知っていたはずで、それをアメリカに通告しなかった日本政府も同罪だ”、とのことです。う~ん、当時リアルタイムで菅直人は知っていたのか??
ま、いずれにせよ、東京電力、メルトダウン(スルー)をいつまでも隠し続けたあの事故後の隠蔽行為、あれは犯罪なんだと、ちゃんと認識しろ~。
なお、救援に行った日本人が癌になったといった話はメディア等には出てきていないのに(ブログにはいっぱいありますが)、なぜこんなにはっきりとした癌が多数、アメリカ海軍で発生したのか、その理由は、空母で使用した水が、海水を脱塩処理したものだったからと書いてあります。「『放射性プルームを逃れれば大丈夫』というのはウソだった、私たちは怒っている」、とか書かれていますが、そりゃあ、内部被曝の方が深刻な影響を及ぼしますわなぁ。
ここしばらく、当ブログでは“福島では海に去った放射性物質、陸地に来たらどうなるか”地図を作成・掲載中ですが、やっぱ海に行った放射性物質、生半可なものじゃなかったわけです。
そして今でも続く“汚染水”の海への垂れ流し、海産物は危ないですね~。
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手打ち式はあったのか、小泉と安倍?? NHK偏向報道!!
2013-12-21
まあ、どうでもいい話かもしれないんですけど、でもちょっと気になったので書いておきます。先日、NHKのニュースで報道されていた話↓

(NHKホームページ 12月18日)
題名、「安部首相 小泉元首相から激励受ける」です。あらら、原発ゼロとか言っていた小泉、言ってみただけで、もう手打ち式ですかぁ、なニュースでした。なんせ、小泉元首相、「安倍総理大臣の政権運営について、『しっかりやっている。今後もこの調子でやっていけばいい』と述べ、激励しました」とあります。な~んだ、あの原発ゼロはどこ行っちゃったの、安倍の原発政策を後押しですか。まあ、時の権力者に対しては、金魚の糞のようにくっついて行くのが自民党政治家の処世術ですもんね~、という感じですね~。
ところが、ふと時事通信の記事見たら、ん?? な感じです。

(時事通信HP 12月17日)
「小泉氏は席上、首相に対して『一番大事なのは国民の信だ。信なくば立たずだ』と助言。首相は『そうですね』と応じた」そうです。う~ん、激励といえば激励かもしれないけど、それよりは、お小言爺さんが、現役に一言、現役の方は当たり障りなく受け流した、という感じじゃないでしょうか。そしてこれです→「小泉氏が持論の『原発ゼロ』の話題を持ち出す場面もあった。首相は黙って聞き、最後は小泉氏と握手して別れた」。ま、でしょう、でしょう。あの性悪のジジイが、いったん掲げた原発ゼロの旗を、あっさり降ろすもんですか。ま、裏金その他、原子力ムラからの貢物の内容によってはそういうこともありそうですが。
で、実際、手打ち式だったのか??

(msn産経ニュース 12月17日)
「同席した森喜朗元首相は安倍、小泉両氏について『2人は握手していた。僕が真ん中にいた。けんかになると困ると思って』と説明。脱原発の話については『話していない。昔のことをいろいろ話した』と述べた」そうです。うむむ、一触即発のところ、森喜朗が間に入って、場を丸く収めた、という感じですか・・・。
結局、原発の話はしたんかい、しなかったんかい?? 手打ち式なのか、そうじゃないのか??
森喜朗の話からすると、結構ヤバそうな雰囲気だったのではないでしょうか。原発の話は、森喜朗が間に入る前にやっていたかもしれません。で、何やら不穏なものを感じた森が間に割って入ったとか・・・
それはともかく、NHKニュース、小泉元首相の原発ゼロが「終わった」と印象づけたい意図、見え見えではないですか。原子力ムラから指示されたか、原子力ムラから指示された安倍から指示された新会長から指示されたか。ひでぇな~。
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悪巧みする政府原子力災害対策本部、犯罪行為繰り返す東電、記録更新190万ベクレル/L!!
2013-12-20
本日開催の政府原子力災害対策本部会議↓、いろいろな悪巧みがなされたようです。Video streaming by Ustream
何やらかしたかというと・・・
「トリチウム海洋放出に含み=汚染水対策『あらゆる選択肢』-政府」(時事通信HP 12月20日)
まずは、基本的には処理できない、したら高くつきすぎて破産する、タンクにはいっぱい溜まってしまう、トリチウム、いよいよ海へ放出の算段です。そして・・・
「東電支援枠9兆円に拡大=国費投入、政策を転換-政府」(時事通信HP 12月20日)
まあ、これも既定の方針ですが、いよいよ東電支援に国費投入です。9兆円。いや、災害対策に必要な金はどうにかしなければならないでしょうが、津波が来るの分かっているのに、その情報を隠蔽して対策とらず、みごとビンゴした犯罪企業東電を支援する形で投入されるとはなんなんでしょうか。
実際、東京電力がいかに犯罪的かというと、今日もこれです↓
「『東電社員が談合助長』=関電工など課徴金7億円超-送電線工事で措置命令・公取委」(時事通信HP 12月20日)
国からの支援、ちょっと取り戻しました、って、7億円だけかよ・・・って問題じゃなくて、自分の立場わかってないのかよ、東電!! 税金貰って犯罪行為って、どういうことよ!!
でもって、今日も記録更新、全β線190万Bq/Lだ、地下水観測孔No.1‑16。

(東京電力発表資料 12月20日)
犯罪企業東電、事故対策もサボタージュ、なんてったって馬淵澄夫に遮水壁迫られた時には「金ないからできません」、なんてことだから、いつ迄経っても放射能ダダ漏れ。この犯罪企業に肩入れする犯罪国家に税金収めなきゃならないとは、なんてっこった!!
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【Cs137の降下】伊方原発だったら(3)西風
2013-12-19
福島原発の際、季節風の関係で、放射性物質の多くは太平洋方向に飛ばされていると考えられます。しかしリアルタイムで船を出して降下物質の観測をするなんてことはできようはずもなく(被曝の危険もあるし)、データとして上がってこないので、(事故後測定された)陸地に降った放射性物質の状況から福島原発事故の影響を考えがちです。しかし、他の原発で事故が起きた場合、風向き次第では、福島では“海に去った”状況が陸地で再現されることだってあり得ます。
そこで、福島事故の洋上シミュレーションを、他の原発に重ねる、重ねあわせ図を作成してみます。セシウム137に関するシミュレーションの重ね合わせです。原図などはこちらです。なお、原図と現在の状況を見比べてみると、オレンジの領域はほぼ帰還困難区域となり、黄色の領域は半分程度、居住制限区域となると考えられます。
今回は四国電力伊方原発の3回めです。福島事故のシミュレーション図を移動後、反時計回りに80度ほど回転して重ねてみました。冬の季節風、西風の状況です。高知市、人の住めない状況(帰還困難区域~居住制限区域)となりそうです。

・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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愛媛県伊方原発
「放射性物質が混入」って・・・&空中放射線量の状況
2013-12-18
昨日の当ブログ記事で、「東京電力~、まだなにか隠してるでしょ、早く出しなさい!!」とは書きましたが・・・出てきました隠し事ぉ??「高濃度検出は測定ミス=福島第1の海側地下水-東電」(時事通信HP 12月17日)
はいぃ!? 東電HP発表の文言だと、昨日発表の6万3千ベクレル/Lの汚染、「(その後測定限界以下なので)試料の採取から分析の過程で放射性物質が混入したと判断」したそうです。6万3千ベクレル/Lってのは、ありませんでした、とのこと。何混ぜ込んだんだよ~、と言いたくなりますが、かえって強まる疑惑「何かもっとヤバイことがあって、それに目を向けさせないために、こっちの方に気を引きつけているのではないか」です。
この件に関連して、当ブログ読者の方が教えて下さいました→「大熊町の放射線量が上昇中」(「めげ猫『タマ』の日記」さんブログ記事 12月17日)。
このブログ記事には、大熊町夫沢で、11月21日の34.2μSv/hから、12月12日の38μSv/hへと、空中放射線量が3.8μSv/hも上昇しているグラフが示されています。空間に拡散した後の空中の放射線量ですから、出もとでは、何か結構なことが起きているのではないかと疑われます。やっぱりなんかヤバイ・・・。
ということで、確認です。「新・全国の放射能情報一覧」さんでチェックです。

う~ん、測定ポイント「夫沢二」を見ると、ちょっと下がって元に戻った、という感じですかね。新たに上昇したというわけではなさそうです。
ただ、福島県は10μSv/hだとか20μSv/hだとか25μSv/hだとか、バックグラウンドの放射線量高すぎて、新たな放射性物質の放出があっても測定できない状況ですので、ちょっと周りを見てみましょう。ちなみに、以前この種のデータを検討した時には、恐らくは偏西風の影響で、南西から北東へと放射能雲が非常に安定して移動するパターンを確認していますので、山形と岩手を見てみます。


いくつか山が認められます。11月20日ころ、11月25~11月30日ころ、12月5~6日ころ、そして12月12日前後、といったところで、両県の風上側で放射性物質の放出があったと思われます。
なおここで宮城県を見なかったのは、福島原発事故の時もそうでしたが、なぜか放射能汚染は宮城を避け、飛び越えて岩手に行くためです。(と、いうのはちょっと楽観的すぎるかもしれませんが・・・宮城県のグラフ目盛は0.25μSv/hまでですから、山形・岩手の0.1μSv/hまでと較べると、もともとの汚染濃度が高く、変動は半分以下、0.4倍しか表現されない)まあ、要するに、宮城県のグラフは↓となり、変動はあまり見られません。

ここで、福島県の南側の状況は次のようなものです。




東京の12月10日のピークが気になりますが、これ、目盛が他のグラフより相当小さくなっているから目立つわけで、常にもっと大きな値を計測している上掲の他地域では、ちょっとしたギザギザに埋もれてしまう程度ということになります。
で、要するに、福島県の南側では、空中放射線量に大した変化はなく、北側で大きな変動が生じているということになります。
そこで目を引くのは、上昇よりむしろ、山形~宮城のグラフに見える、12月15日あたりの大きな落ち込みでしょうか。もっともこれは、福島県のグラフでは観測されていませんから(といっても、ちょっとした変動は、ここでは目盛が大きすぎて見えないのですが・・・)、風向きなどの影響と考えたほうが良さそうです。
ということで、とりあえず福島原発において何かクリティカルな変化が起きているかというと、上のグラフでは「特にそういったことは見られない」ということになりましょうか。
ただ見れば見るほどヤバイと思えるのは、福島県の南側では見られない放射能汚染、グラフの山谷が、北側では頻繁に発生しているということです。依然として福島原発(もしくは事故の際飛び散った放射性物質)は放射能汚染を撒き散らし中だということです。
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うわこっちも、6万3千ベクレル/L、なんか無気味な・・・
2013-12-17
「地下水の高濃度汚染を計測=港湾近く、6万3000ベクレル-福島第1」(時事通信HP 12月17日)あれっ、結局こっちも高濃度汚染ですか・・・

(東京電力発表資料 12月17日)
当ブログ、5日前にはこの井戸、汚染濃度が低いものの上昇してきたところで、海面の干満に従って水位がギザギザと変動する井戸なのか、動かない井戸なのか、とか、思い巡らせていましたが、何の事はない、高濃度に汚染する前の段階というだけのことだったようです。
でもって、時事通信は「汚染された地下水はそのまま港湾内に流れ込んでいるとみられる」と書いています。時事通信が単に記者の推測だけでこんなことを書くとは思えませんので、東電の記者会見でなにかこれに近い話しを聞き出したのでしょう。海に流れこんでて、(薄まりもせず)この数値とは、相当に危ないでしょう。海、汚染放題です。
いやしかし、当ブログで目をつけたNo.1-16、No.0-3-2、共に汚染濃度急上昇とは、「大当たり」なんてもんじゃなくて気持ち悪いですね~。何かもっとヤバイことがあって、それに目を向けさせないために、こっちの方に気を引きつけているのではないか、と考えさせられます。そもそも発表の仕方からして「なんかヘン!?」で、いかにもこれ見て見て的なものでしたから。
東京電力~、まだなにか隠してるでしょ、早く出しなさい!!
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ゾンビ企業東電を操り、原発を推進する銀行たち
2013-12-16
「金融機関は、東電本体への融資上限を4兆5千億円にする方向で最終調整に入った」(下掲リンク先)って、この文言だけ見ると、“そろそろ東電、見放されるのか”と、見えますが、全然そうじゃない!! 既に貸し込んだこの金額は必ず回収しますよ、だから東電、潰しません、潰させません、資金回収のために原発再稼動もやらせます、ってことなんですね。「東電融資枠、4.5兆円維持 国は支援増額へ」(朝日新聞HP 12月16日)
それでもって東電の足りない資金は政府が出す・・・「政府は、除染や賠償に充てるために東電に貸し出す公的資金の上限を今の5兆円から、9兆~10兆円まで引き上げる方向」(上掲リンク先)なのだそうです。
このへんの仕組みは紙の紙面でもしっかり解説です↓

(朝日新聞12月16日西部本社版朝刊)
銀行融資と国の支援、あわせて14~5兆円。これだけでもう自然エネルギー財団が“原子力の発電単価は、石炭火力やLNG火力の発電コストの1.52~1.68倍にも上る”と計算した際の原発リスク対応費20兆円に迫ってしまいます。電気料金上がるぞ~!!
銀行は融資回収(もちろん利子付き、儲け付き)、事故処理負債は取り敢えず国に付けといて、回収できるなら電気料金で、できなきゃ国が税金で負担します(国費支援貸し倒れ)、というやり方です。
結局すべては国民負担にして、電力会社も銀行もいっさい責任を負わない算段です。津波の可能性を知っていながら情報を抑圧し、危険な原発を金儲けのために動かしてきた犯罪者(社)東京電力、その片棒を担いだ銀行、こんな連中の後ろ盾にして政治献金受益者・自民党安倍政権、いったいいつまでのさばるのか!!
改めて書いておきましょう、犯罪企業東京電力の片棒を担いでいるのは、
三井住友銀行
みずほ銀行
みずほ信託銀行
日本政策投資銀行
三菱東京UFJ銀行
三菱UFJ信託銀行
三井住友信託銀行
日本生命保険
第一生命保険
明治安田生命保険
住友生命保険
及びその他あわせて77社
です。
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【Cs137の降下】伊方原発だったら(2)北西風
2013-12-15
福島原発の際、季節風の関係で、放射性物質の多くは太平洋方向に飛ばされていると考えられます。しかしリアルタイムで船を出して降下物質の観測をするなんてことはできようはずもなく(被曝の危険もあるし)、データとして上がってこないので、(事故後測定された)陸地に降った放射性物質の状況から福島原発事故の影響を考えがちです。しかし、他の原発で事故が起きた場合、風向き次第では、福島では“海に去った”状況が陸地で再現されることだってあり得ます。
そこで、福島事故の洋上シミュレーションを、他の原発に重ねる、重ねあわせ図を作成してみます。セシウム137に関するシミュレーションの重ね合わせです。原図などはこちらです。なお、原図と現在の状況を見比べてみると、オレンジの領域はほぼ帰還困難区域となり、黄色の領域は半分程度、居住制限区域となると考えられます。
今回は四国電力伊方原発の2回めです。福島事故のシミュレーション図を移動後、反時計回りに40度ほど回転して重ねてみました。冬の季節風、北西風の状況です。宿毛市、中村市、土佐清水市といったあたりが、人の住めない状況(帰還困難区域~居住制限区域)となりそうです。

・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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愛媛県伊方原発
大当たり!! 180万ベクレル/L 福島第一原発
2013-12-14
あれ、昨日夕刻、このブログの更新記事書いてた時にはなかったのに・・・「海側井戸で180万ベクレル=最高値を更新-福島第1」(時事通信HP 2013/12/13-20:22)
昨日何書いてたかというと・・・「この発表資料で斜線がひいてあるだけのNo.1‑16井戸、どうなっているのでしょうか?? 12月9日に全β線150万Bq/Lを記録した井戸なんですけど、その後、音沙汰なしです。もしかして、こっちの状況を隠すためにNo.0-3-2ばかり発表している??」。
うわ大当たりです!! 180万Bq/Lに上昇してるじゃないですか。
しかしこの180万Bq/L、発表資料では実にわかりにくい→「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」(12月13日)・・・この資料の3ページめ、左下に、今回新数値としての黒枠もなく、単に「1,800,000」です。まあ、最初からNo.1-16井戸と分かっているので、すぐに見つかりますが。
なお、12日の180万Bq/L、13日には140万Bq/Lに下がったそうです→「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果 護岸地下水汲み上げ水」(12月14日)。こっちの資料はとても見やすい・・・。
う~ん、都合の悪いことはグズグズこそっと発表して、改善した情報はでかでかとですね~。まあ、そんなもんでしょうが・・・。
で、実際、福島第一、どうなんでしょうね。昨日の東電発表資料です↓

(「タービン建屋東側における地下水および海水中の放射性物質濃度の状況等について」12月13日)
「ウェルポイントの稼働」開始以後、汚染濃度が下がっていると言いたのでしょうが、高濃度の井戸の数値が下がる一方、低濃度の井戸で急上昇しているものもあります。
そして、

(出典同上)
今回問題のNo.1-16井戸はと言うと、ウェルポイント可動以後、汚染濃度が急上昇しています。
さてでは、全体としてどうなんでしょうか。

(出典同上)
海洋汚染についての、いくつかあるグラフの一つですが、次の2点が読めるでしょうか。
1. 2013年8月15日、ウェルポイントが稼働するまで、海洋汚染は悪化を続けていた。
2. ウェルポイント稼働以後、放射能汚染濃度の上昇傾向は一応抑制されている。
さて、それならば福島第一原発汚染水問題は解決されつつあるのか?? いや、全然そうじゃないんですね。
「『安倍オリンピック演説は原発設計と矛盾』-毎日湾内の40%が流出」(2013-11-04)
「毎日600億ベクレル放出、福島原発」(2013-09-20)
港湾内から太平洋へ、常に海水は入れ替わっているわけですから、汚染濃度が安定ということは、常に放射性汚染物質が補給・放出・拡散され続けているということです。海洋汚染は進行しているのです。
ウェルポイントからの汚染水汲み上げは、一応何の役にも立たっていないというわけではない、しかし、それは事態改善というには程遠いと言わざるをえません。そもそも、汲み上げた水を入れるタンクも、もうないし・・・
どうやって放射性汚染物質の流出を止めるか、少しはちゃんと向き合えよ、安倍政権!!
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エネルギー基本計画、原発推進を更に明確化!!
2013-12-13
まずは前フリ。昨日突然、特別扱いになった福島第一原発の測定用井戸No.0-3-2、本日も特別扱いで観測値が発表されていました。12月12日12時採取サンプルで、セシウム137が昨日の検出限界値以下から0.56Bq/Lとなる一方、全β線は検出限界値以下に、また12月11日13時採取サンプルのトリチウムについての分析が済んで66,000Bq/Lとのことです。
東京電力としては、「値が低いでしょう」と言いたのでしょう。でも、海岸ぎりぎりの位置に、この井戸はありますから、“底が海につながっちゃったんじゃないの??”と疑えば、値が低いといっても、なんとも不気味です。海水で薄まっているのかどうかを知るために、塩分濃度も測ってもらいたいところです。
それにこの発表資料で斜線がひいてあるだけのNo.1‑16井戸、どうなっているのでしょうか?? 12月9日に全β線150万Bq/Lを記録した井戸なんですけど、その後、音沙汰なしです。もしかして、こっちの状況を隠すためにNo.0-3-2ばかり発表している??
それはさておき、福井県知事・西川一誠、相変わらず暗躍中です。
「経済産業省がまとめるエネルギー基本計画案で、原発の位置付けを『重要なベース電源』から『基盤となる重要なベース電源』に修正することが13日、わかった。基本政策分科会の委員から『(ベースという)カタカナ表現はわかりづらく、重要な基盤の表現が適切』(西川一誠福井県知事)との意見が出ていたことを反映して、原発の必要性をより明確に示した。」(日経新聞HP 12月13日)
なにがなんでも原発を再稼働し、たんまり利権を手中にしようという策動、相変わらずです。
でも、「死んじゃうんだよ、みんな」、また原発事故ったら。
そればかりか、総括原価方式・地域独占のインチキ電気料金算定方式によって、電気料金は必要以上に高額になるわけで→「電気料金高止まりは、原発固執のせい/自然エネルギー財団レポート」、冗談じゃない!!
産業だとか、貿易だとかの影響だって、こんなもの→「原発再稼働をうたったエネルギー基本計画素案の前提条件は合っているのか?」。
とにかくパブリックコメントで文句を言うしかないです→「新しい『エネルギー基本計画』策定に向けた御意見の募集について」。1月4日まで。
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なんかヘン!? 福島第一原発
2013-12-12
本日の東京電力HPの福島第一についての発表、なんかヘンです。
(東京電力HP「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果 護岸地下水汲み上げ水」12月12日)
井戸一個についての資料発表です。これまでは、全部の井戸の一覧表に更新されたデータが書き込まれていく見にくいものでしたが、1つだけ(斜線も入れれば2つですが)、しかも地図が一緒で分かりやすいです。
この井戸(No.0-3-2)、12月8日に当ブログで取り上げたものです。(当ブログ読んで、サービスしてくれたのかなぁ・・・それとも、そろそろ手を引かないと何かあるという警告だったりして・・・こわいよ~)
数値は全β線67Bq/L。まあ、昨日の150万Bq/Lとかで既に麻痺した感覚で言えば、「小さいですね」ということになるのかもしれません。もちろん、12月6日の全β線19Bq/Lですから、3.5倍以上の急上昇なんですけどね。
しかし問題は、この井戸が海際だということです。井戸の水位を見ていくと、2つのタイプが有ります。ギザギザと平坦です。

(東京電力HP「福島第一原子力発電所護岸エリアの状況について」12月11日)
矢印で示したNo.1とNo.1-9では、水面がギザギザと上下し、海面の干満と連動しています。まあ、どこかで海とつながっているのでしょう。つまり、放射性物質、海へ筒抜けで、この井戸が汚染されれば海洋を汚染する一方、井戸自体の汚染濃度は上昇しないということになるでしょう。
興味深いのが3-4号機間の井戸、No.3とNo.3-4です。

(東京電力HP「福島第一原子力発電所護岸エリアの状況について」12月11日)
枠で囲った部分についてはギザギザとなり、海に筒抜けであることを示唆する水位変動なんですが、2つの枠の間ではあまり変動せず、平坦な水位変化となっています。この間、海とつながった穴が詰まった??
と、いうことで、本日単独発表されたNo.0-3-2井戸、どっちのタイプなんでしょうかね??
ちなみに、ギザギザのタイプでは、最近測定された値と、過去の最高値、次のようになります。
No.1-9 12月8日 全β線120Bq/L トリチウム520Bq/L
過去最高値 全β線2,100Bq/L(11/17) トリチウム860Bq/L(11/14)
No.1 12月5日 全β線480Bq/L トリチウム230,000Bq/L
過去最高値 全β線1,900Bq/L(5/24) トリチウム500,000Bq/L(5/24 6/7)
No.3-4 12月4日 全β線ND(18未満) トリチウムND(120未満)
過去最高値 全β線ND トリチウム170Bq/L(9/18)
No.3 過去最高値 全β線1,400Bq/L(7/11) トリチウム3,200(H24 12/12)
(No.3はこの一ヶ月くらい資料見ましたが、計測されていないのか、最近の数値、見つけられませんでした。)
観測井戸No.1-9は、過去にβ線2,100Bq/Lとなったことがあり、海とつながることによって現在のβ線120Bq/Lとなっている・・・つまりその差は海にダダ漏れ、という可能性があります。
本日発表のNo.0-3-2も、海につながっていれば、相応の放射性物質の拡散元となっている可能性があります。
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やる気もなければ金もかけない東京電力・・・福島第一汚染水
2013-12-11
「効果あるのがわかっていても、やってません、汚染水対策」だそうです、東京電力。
(河北新報HP 12月11日)
当ブログでも取り上げてきた福島汚染水問題、特にH4エリアE1井戸の放射能汚染濃度上昇を何度も書いてきました。
で、その対策として設けられた「ウェルポイント」。そのすぐ近くで地下水を汲み上げてしまえば汚染水を取り除ける、という話しでした。
当方、“効果があるならやればいいんじゃない”、という程度のことしか考えませんでしたが、あれ、なんと、やめてた。
汲み上げた水をいれるタンクが足りないから、「いちやめた~」、ということだそうです。
そのせいで、せっかく一旦下がった汚染濃度、再上昇だそうです。
汲み上げ再開はしたものの、すぐにタンクを増設するというような話ではなく、“様子を見る”そうです。つまり、やる気がありません。
柏崎刈羽原発の再稼働なんぞにつぎ込む金はあっても、福島第一事故の対策に充てる金はない・・・そんなことが許されるのか!!
【追加】
「福島第1 護岸の井戸150万ベクレル 最高値また更新」(河北新報HP 12月11日)
「海側井戸、150万ベクレル=福島第1、濃度さらに上昇-東電」(時事通信HP 12月11日)
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【Cs137の降下】伊方原発だったら(1)北北西風
2013-12-10
福島原発の際、季節風の関係で、放射性物質の多くは太平洋方向に飛ばされていると考えられます。しかしリアルタイムで船を出して降下物質の観測をするなんてことはできようはずもなく(被曝の危険もあるし)、データとして上がってこないので、(事故後測定された)陸地に降った放射性物質の状況から福島原発事故の影響を考えがちです。しかし、他の原発で事故が起きた場合、風向き次第では、福島では“海に去った”状況が陸地で再現されることだってあり得ます。
そこで、福島事故の洋上シミュレーションを、他の原発に重ねる、重ねあわせ図を作成してみます。セシウム137に関するシミュレーションです。原図などはこちらです。なお、原図と現在の状況を見比べてみると、オレンジの領域はほぼ帰還困難区域となり、黄色の領域は半分程度、居住制限区域となると考えられます。
今回から四国電力伊方原発です。まず始めに福島事故のシミュレーションを移動し、そのまま重ねてみます。冬場の季節風、北北西風です。伊方原発では、この場合、風下側に人口稠密地帯はないようですが、豊後水道の四国側、御荘町などは人の住めない状況(居住制限区域)となります。

・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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愛媛県伊方原発
朝日新聞よ、お前もか!! 「原発停止で貿易赤字」の神話
2013-12-09
財務省の国際収支状況の速報が発表されました。ま、赤字です。それはそれとして、どう報道されたのか?「経常赤字は9カ月ぶり。原発が止まって燃料の輸入などがかさんだ結果、企業の海外でのもうけを還元する『所得収支』の黒字では補えなかった。」(朝日新聞HP記事「経常収支、9カ月ぶりに赤字 10月の国際収支」12月9日11時36分)
来ました、「“原発停止で貿易赤字”神話」。
これに対し、会長・経営委員会人事で安倍支配の強まるNHKですが、その報道ぶりは全く違います。
「ことし10月の日本の経常収支は、円安で原油などの輸入額が増えて貿易収支の赤字額が大きく拡大したことから、1279億円の赤字と、ことし1月以来、9か月ぶりの赤字となりました。」(NHKホームページ「10月経常収支9か月ぶりに赤字」 12月9日9時55分)
NHKは「原発」のゲの字も言及しません。昼12時のニュースでも確認しましたが、このトピックに関して、「原発停止」も「発電用燃料」といったことも、いっさい言いませんでした。原油の輸入額は単に「円安のため」増大したとされただけでした。また、アナウンサー記事では、これと並んで貿易赤字の原因として「中国からのスマホ輸入」が挙げられていました。
で、実際はどうなのか?
河野太郎氏のブログ記事「経産省の嘘」によると、「原発停止の影響による焚き増しのための燃料費の増加は1.4兆円から1.6兆円」、その後の円安のせいで実績額2.1兆円となったとあります。
これと比べるためには、年額で考えなくてはなりませんから、スマホその他、電子工業品目の輸出入の状況を年額で計算してみます。
今のところ、(社)電子情報技術産業協会のホームページで発表されている統計数値で輸出入揃っている最新のものは2013年9月ですので、2012年10月~2013年9月まで、電子工業輸出入実績を計算してみます。発表されているデータの形式から2012年分は月別の数値、2013年分はまとめての数値が得られ、次のようになります。
電子工業輸出入実績-現在
(単位:百万円) | 輸出 | 輸入 | 差引 |
2012年10月 | 726,882 | 744,832 | -17,950 |
2012年11月 | 712,440 | 789,235 | -76,795 |
2012年12月 | 709,894 | 670,685 | 39,209 |
2013年1-9月 | 6,733,406 | 7,063,622 | -330,216 |
12年10月-13年9月 | 8,882,622 | 9,268,374 | -385,752 |
3千9百億円程度の輸入超過、赤字です。
これに対し、福島原発事故以前の同時期の数字は次のようになります。
電子工業輸出入実績-福島原発事故以前
(単位:百万円) | 輸出 | 輸入 | 差引 |
2009年10月 | 917,003 | 599,533 | 317,470 |
2009年11月 | 849,081 | 625,525 | 223,556 |
2009年12月 | 852,184 | 604,998 | 247,186 |
2010年1-9月 | 7,805,879 | 5,993,281 | 1,812,598 |
09年10月-10年9月 | 10,424,147 | 7,823,337 | 2,600,810 |
2兆6千億円の輸出超過、黒字でした(過去形だにゃ~)。
かくして、福島原発事故以前と現在で、電子工業品の輸出入、差し引き3兆円ほど(2,986,562百万円)、貿易収支を悪化させています。
ということで、福島原発事故以前と比較した現在の貿易赤字の主犯は、電子工業品の3兆円です。これに対し、実績値で2.1兆円、アベノミクス円安がなければ1.4~1.6兆円の影響で済んだ原発代替燃料費は、これより格下ということになります。
しかるに(あ、文語だ~)、朝日新聞の記事では「原発が止まって燃料の輸入などがかさんだ結果」貿易赤字です。これが唯一最大の赤字原因という記事です。とんだ見当外れです。原子力ムラに洗脳されたか、あるいはもっと具体的に金貰っているのか?
まったく、朝日新聞ともあろうものが言論統制くらっているNHKよりしょうもない記事を書いて、どうするんだ!!
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昨日発表の放射能汚染最高濃度更新井戸/福島第一原発
2013-12-08
完全に慣れてきました、福島第一原発の観測井戸などの汚染濃度上昇。はい、また本日もいくつかのポイントで最高汚染濃度が更新されています、チャンチャカチャンと~。って、危ない、危ない。どんどん感覚が麻痺していく。

(東京電力発表資料に着色および矢印加筆)
まずは「2,3号機間ウェルポイント汲み上げ水」、記録更新、12月6日、全β線180,000Bq/Lです。なんと、海に流れる汚染物質を少しでも減らすために、じゃんじゃん汲み上げている地下水がこの濃度です。18万ベクレル/Lです。ちょろっと高濃度の水が出てきたんじゃありません。“次から次へと出てくる出てくる高濃度汚染水”、じりじりと濃度上昇です。
次が「地下水観測孔No.0-3-2」、記録更新、12月6日、全β線19Bq/Lです。ウェルポイントより何ケタも低いですが、図を見れば海のすぐ隣り。海水と入り混じって薄められているのではないか、それでこの値か、という疑念がわきます。
もう一つ、「地下水観測孔No.2-3」、記録更新、12月6日、全β線1,500Bq/Lです。
なんというか、福島原発事故、まだまだ汚染拡大中です。慣れちゃいけないです。
【追記/12月9日】
本日発表された東電資料では、問題の「2,3号機間ウェルポイント汲み上げ水」、またまた記録更新です。12月7日、全β線190,000Bq/Lです。1万ベクレル/L上昇して、19万ベクレル/Lになりました。
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【Cs137の降下】東通原発だったら(3)北東風
2013-12-07
福島原発の際、季節風の関係で、放射性物質の多くは太平洋方向に飛ばされていると考えられます。しかしリアルタイムで船を出して降下物質の観測をするなんてことはできようはずもなく(被曝の危険もあるし)、データとして上がってこないので、(事故後測定された)陸地に降った放射性物質の状況から福島原発事故の影響を考えがちです。しかし、他の原発で事故が起きた場合、風向き次第では、福島では“海に去った”状況が陸地で再現されることだってあり得ます。
そこで、福島事故の洋上シミュレーションを、他の原発に重ねる、重ねあわせ図を作成してみます。セシウム137に関するシミュレーションです。原図などはこちらです。なお、原図と現在の状況を見比べてみると、オレンジの領域はほぼ帰還困難区域となり、黄色の領域は半分程度、居住制限区域となると考えられます。
今回は東北電力東通原発の3回めです。福島事故のシミュレーションを移動し、回転してみます。この風向はあまり多くないのですが、北東風です。青森県の広範な部分が、人の住めない状況(居住制限区域)となります。

・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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青森県東通原発
ウソばっか「エネルギー基本計画」・・・茂木はもちろんメディアも!!
2013-12-06
茂木経産相は総合資源エネルギー調査会・基本政策分科会で検討中で、年明けに閣議決定予定の「エネルギー基本計画」において、原子力の利用を推進する方針を明らかにしました。「原発『重要なベース電源』 エネ基本計画『ゼロ』から転換」(日経新聞HP 12月6日)
「原発ゼロ政策の転換考え改めて示す」(NHKホームページ 12月6日)
「『原発ゼロ』否定、活用方針明記 エネルギー計画素案」(47NEWS=共同通信 12月6日)
しかしひどいな~、茂木の言うことがプロパガンダなのは分かりきっているのに、NHKも共同通信もそのまま無批判に紹介です。
「『原子力発電は、安定供給、コスト低減、温暖化対策の観点から・・・』」(NHK)
「原発を『優れた安定供給性と効率性を有し、運転コストが低廉で、運転時に温室効果ガスの排出もない』と評価。『エネルギー需給構造の安定性を支える重要なベース電源である』として活用方針を明記した。」(共同通信)
いや、まあ、どちらもカギ括弧付きで、あくまで茂木の発言であることを明示しています。読者が判断すれば良いという体裁にはなっていますから、こんなものと言えばこんなものですが・・・
福島を見れば分かる通り、原発が一旦事故ったらどんなことになるのか、こんな発電を「安定」というのはおかしくないか? 日本はいつでもどこでも、地震や噴火の自然災害に見舞われる可能性あるのですから。
そして「コスト低減」だとか、「運転コストが低廉」とか、何計算しているのか? 福島事故につぎ込まれている倍賞費用・除染費用・廃炉費用・その他事故処理費用、どこに帳簿忘れてきたんだ? そして次回の事故に備えて払わなければならない保険料・積立金等、何も考えてないだろ。さらに使用済み核燃料の処分にも多額の費用を要するぞ。こういう金額含めりゃ、あっという間に原子力はLNGや石炭火力発電の1.5倍以上のコストになってしまう。さらに放射能環境汚染、国民の健康・生命の危機まで計算に入れれば、原子力ほど高く付く発電方式はない。
温室効果ガスだって、原発の建設や廃棄、さらに核燃料の精製・廃棄で充分排出されるわけで、発電運転中にわずかに節約されるに過ぎないわけです。発電施設のライフサイクル全体で見れば、最新鋭のガスコンバインド発電と同等と言われているわけで、何言ってんだ?
世迷い言もいい加減にしろ、というところなのに、メディアは単に茂木のプロパガンダを拡散中。
そして特にひどいのが日経、
「一方、原発停止による燃料費の増加は家計や経済の重荷となっている。震災前と比べ家庭の電気料金は月1千円前後増え、12年の貿易赤字は過去最大の6.9兆円まで膨らんだ。」(上掲記事、有料部分・・・無料登録でも個人利用制限超えてなければ読めます)
と、地の文で書いています。
貿易赤字のいったいいくらが電力燃料のせいなのか、日経の記者ともあろうものがまさか知らないわけないですよね。原発停止による火力発電用燃料の貿易赤字への寄与はわずか1割~1.6割ほどに過ぎません。それをまるで全貿易赤字が電力燃料のせいのように思わせる書きっぷり、日経は自ら嘘八百プロパガンダを生産してまき散らしです。
まったくこいつらぁ、何とかならんのか!!
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電気料金高止まりは、原発固執のせい/自然エネルギー財団レポート
2013-12-05
孫正義ソフトバンク会長が立ち上げた自然エネルギー財団が、「『エネルギー基本計画』への提言--『原発ゼロ』の成長戦略を--」と題されたレポートを発表しました。
太陽光発電の可能性を非常に大きく評価しているところ(「各論1 自然エネルギー拡大の可能性」のシメの部分「今後の予測」では、太陽光発電以外の自然エネルギーの話がなくなってしまって、太陽光発電礼賛ばかりになっている・・・16ページなど)は、まあ、多少割り引いて読むにしても、いろいろと重要な指摘がなされています。
まずはこれです↓(3ページ)

原子力の発電単価を試算したところ、かつての政府試算などより遥かに高く、石炭火力やLNG火力の発電コストの1.52~1.68倍にも上るとのこと。
ちなみに、政府試算より高くなる理由は、「事故リスク対策」「廃炉処理費用」「追加安全対策」「建設費用(親切のみ)」といった項目で、政府試算より現実的な数値を考えているためです(33ページ)。

さて上掲の各種発電方式コストのグラフで注意が必要なのは、現在の技術水準でのコスト計算であることです。
現在日本で動いている、(原発にばかり投資していて最新鋭設備への投資が進んでいない石炭やLNGの)老朽化した発電施設についてのコスト計算ではない、ということです。老朽化した施設では発電効率が悪く、コストはかなり高くなっています。
ここから簡単にわかることは、石炭火力やLNGの最新鋭発電設備に投資していけば電気料金は大幅に値下げできる、ということです。
しかし現状では、原発の再稼働に期待をかける電力会社は、原発以外の発電設備に本格的に投資することなど考えていませんし、新規参入をめざす独立発電事業者も、もし原発が動いてしまって電気を買ってもらえなくなると困るので、本気で投資ができないという状況になっています。
従って、政府が原発ゼロを宣言すれば、それだけで最新鋭設備への投資が始まり、発電コストは下がると、このレポートは解説します。もちろん、無駄に支出されている原発維持費の節約効果も大きいという指摘もしています。
さて、このレポートは、原発を動かさなくても気候変動対策は可能であるとか、固定価格買取制度と費用負担の問題をどう考えるかとか、いろいろと面白い議論を展開していますが、当ブロクでもう一つ、特に注目したいのは「各論3 系統接続問題」です。
当ブログでは、「自然エネルギーは不安定と言われるが、一定の広がりで見れば安定しており(日本全体に雲がかかることもなければ、日本全体で風が吹いていない状態もない・・・太陽光発電にしても風力発電にしても、日本全体といった広さの発電総量で見ればかなり安定している)、問題は地域間送電網が整備されていないことだ」と議論してきました。そして、「地域独占(とそれに伴う暴利)を守りたい電力会社こそが送電網の整備を遅らせ、自然エネルギーの利用を阻んでいる」、と書いてきました↓
「逆風下の風力発電: 発送分離の必要性」(2011-09-29)
「太陽光・風力発電はダメという洗脳工作に必死、伊藤敏憲」(2012-02-10)
この点についてこのレポートは記します、「日本の連系線は『足りない』のではなく『使われていない』」(23ページ)のだと。
このレポートは記します、日本の電力会社は規模が大きく、「北海道電力はデンマークと、東京電力は英国と、中部電力はポルトガルとそれぞれ同規模である」。だから、ヨーロッパ各国間の連系線容量と、日本の電力会社間の連系線容量とを比較してみれば良いのだが、一番容量が小さく孤立している北海道電力のピーク電力に対する連系線容量で13%。これに対して、自然エネルギー比率が30%程度のスペインで、連系線容量は10%に過ぎない、と(23~24ページ)。連系線容量から見る限り、日本の電力システムで、自然エネルギーを活用できない理由はない、ということになります。

問題は、日本の各電力会社が「連携可能量」などという、他国にはない訳の分からない概念=制限を設け、電力の買取を拒否し、電力の自由な流通を妨げていることにあると、論じています。日本は系統接続ルールを見直して、自然エネルギーの利用を大幅に増大させるべきだとしています。
いやはや、日本の電力システム、ちょっと手を入れれば相当な改善ができるじゃないですか。それを阻んでいる既存電力会社、こいつら、自らの利権のために電気料金を高止まりさせ、自然エネルギーの普及を妨害し、原発の事故被害を広範に深刻に撒き散らす、許しがたい連中です。
ということで、孫正義氏が一番読ませたいところ(太陽光発電)以外のところを拾い読みしてみました (^_^;;
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港湾外でもセシウム最高濃度更新/福島第一原発
2013-12-05
「セシウム最高値 第一原発フェンス外の海水」(福島民報 12月5日)「セシウムじわり上昇 地下水混ざり海洋汚染 福島第一」(東京新聞 12月5日)
ダダ漏れ福島第一原発、港湾外の汚染濃度も上昇しました。
【関連記事】
「『安倍オリンピック演説は原発設計と矛盾』-毎日湾内の40%が流出」(2013-11-04)
「毎日600億ベクレル放出、福島原発」(2013-09-20)
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トリチウム放出を進言/IAEA調査団
2013-12-04
まあ、国連に所属する国際機関で、実質は核保有国の利益確保が目的の組織ですから、こんな発言を行うのも不思議ではありません↓が・・・「『トリチウム水放出も選択肢』=福島第1廃炉でIAEA調査団」(時事通信HP 12月4日)
溜まり続ける汚染水、ALPSを使おうが、何を使おうが、取り除くのがひどく困難な放射性物質、トリチウムは、“海に流してしまえ”と勧告です。
IAEAにおいてアメリカの意図を汲んで忠勤励んできた日本(IAEAの事務局長は日本人・天野之弥、世界に2ヶ所しかない地域事務所の1つは日本)が、原子力開発をやめたりしないように(でもってIAEAで日本の影響力が小さくなったりしないように)、日本の原子力ムラに都合の良い勧告です。
しかしトリチウムが、“専門家”の言うように「安全」なのか、そこは極めて怪しいわけですから、とんでもない話しです。

前にも掲載したDNAの図ですが、白の玉が水素です。化学的に水素とトリチウムは全く同等ですから、ここにトリチウムが入り込む可能性があります。トリチウムが崩壊した際に出る放射線は弱いとされていますが、トリチウムが崩壊すれば、今まで水素(トリチウム)だったものがヘリウムに変わってしまうのですから、DNAの分子構造は破壊されるでしょう(→「有害?無害?トリチウム「40兆ベクレル放出」の衝撃」)。
またまたNo.1-16観測井戸の放射能汚染濃度が記録更新した今日このごろ、
「海側井戸から130万ベクレル 福島第1原発、過去最高値」(47NEWS=共同通信 12月4日)
自分たちの利益しか考えない、天野も属す国際規模の原子力ムラの策動、極めて腹立たしいものがあります。
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【Cs137の降下】東通原発だったら(2)南東風
2013-12-03
福島原発の際、季節風の関係で、放射性物質の多くは太平洋方向に飛ばされていると考えられます。しかしリアルタイムで船を出して降下物質の観測をするなんてことはできようはずもなく(被曝の危険もあるし)、データとして上がってこないので、(事故後測定された)陸地に降った放射性物質の状況から福島原発事故の影響を考えがちです。しかし、他の原発で事故が起きた場合、風向き次第では、福島では“海に去った”状況が陸地で再現されることだってあり得ます。
そこで、福島事故の洋上シミュレーションを、他の原発に重ねる、重ねあわせ図を作成してみます。セシウム137に関するシミュレーションです。原図などはこちらです。なお、原図と現在の状況を見比べてみると、オレンジの領域はほぼ帰還困難区域となり、黄色の領域は半分程度、居住制限区域となると考えられます。
今回は東北電力東通原発の2回めです。福島事故のシミュレーションを移動し、夏場の南東風を想定して回転してみました。函館市、人の住めない状況(居住制限区域)となりそうです。

・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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青森県東通原発