お薦め記事

スポンサーサイト

--------
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
カテゴリ :スポンサー広告 トラックバック:(-) コメント:(-)
tag :

これじゃ衰退する日本経済・・・経済人も経済記者も「国富流出」!!(2)

2014-02-24
 (前回からの続き)例えば経団連会長の米倉弘昌、“原発再稼動で貿易赤字の解消を”みたいなバカなことを言います。これがどこまで己の馬鹿さ加減を晒していることになっているのかは前回書きましたが、まあ、原子力ムラの一員ですから、そんなもんでしょう。経済界を代表するという立場でもあることを考えれば、こんなバカなこと言っていいのか、というのはありますが。
 それに対して、明らかに単純にバカなのがマスコミ、貿易収支、経常収支が赤字で「国富の流出」とか言ってます。

 「燃料コスト『9兆円超』の衝撃…原発停止で疲弊する日本、国富は流出する」(msn産経ニュースwest 2013年9月6日)

 3年間で9兆円というコスト計算もおかしいんですが、そのへんは産経ニュース(年額2兆6千億円となっています)でも勉強してもらうこととして、「国富の流出」って、いったい何世紀の経済学を学んできたのか??
 ちょっとでも経済学を齧ったことのある人には釈迦に説法になっちゃいますが、これ「重商主義の誤謬」の一言で終わる、無知蒙昧を絵に描いたような議論です。大航海時代の幕開け以降、ヨーロッパ諸国の経済運営は貿易で儲けること、この一点に集中し、諸国は金を貯めまくったが、ちっともうまくいかなかった、というお話です。だって、貿易で物を売りまくってお金を儲けるということは、使い道のある有用なもの(商品)を他人に渡し、自分は使い道のない金(当時は実際に金だった)を抱えこむだけ、なんですから。溜まった金を見てニヤニヤしていたって経済は発展しません。貿易収支や経常収支は、それ自体では何の意味もありません。しかも今や貨幣として金も使ってないので、眺めるのは単に帳簿の数字でしかありません。
 ちょいと日本の貿易黒字(輸出額-輸入額)の推移を見ておきましょう。「貿易収支」や「経常収支」となると統計の取り方がどうのこうのとなって、古いデータが使えなくなりますので、単純に輸出額と輸入額の差し引きです。

貿易黒字
(データソース: 1950年~2012年は財務省HPから、2013年は財務省速報から)

 すごいですね~、1990年からの“失われた10年”、さらに10年プラスして“失われた20年”、ずっと貿易黒字ですから、「国富の流出」的観点から言えば“黄金の20年”です。国富溜まりまくり、日本経済、絶好調だったことになります。
 現実は、外国に売るものはあっても外国から買うものはなく、一部では貯金を貯めこんだ人がいるものの、多くの人にとって生活が豊かになった実感などない、失われた20年です。生活が豊かになるのは外国から買った時、すなわち、貿易収支が悪化した時です。ここ間違えちゃいけない。
 え?“原発代替燃料を買い込んでも豊かじゃないだろ”ですか・・・あんな危ない原発を動かさずに生活していける、ってのは充分豊かな気分になりますけどねぇ~。(それに前回からの繰り返しになりますが、原発代替燃料費は現在の貿易赤字のほんの一部にすぎません・・・問題はもっと別のところにあります→本記事の最後【おまけ】をご覧ください。)

 それはともかく、それじゃ、貿易赤字は何の問題もないかというと、さすがにそうも言えません。アメリカのように覇権国家・基軸通貨国として、貿易赤字をカバーするだけの資金流入がある国ならば、いつまでも赤字でも良いのですが、日本はそうもいかないでしょう。赤字/黒字はともかくとして、金が回り続ける必要はありますから、あまり大きな不均衡(特に支払い能力がなくなってしまう赤字)は、そういつまでもやってる訳にはいかないでしょう。とりあえず当分は、外貨準備の状況、国外経済への依存度の低さ、などから慌てる必要はありませんが。

 それではどうやって貿易収支の赤字を改善するのか、ここでとんでもなく間違っているのが、原発絡みの「国富の流出」論です。
 エネルギー政策、日本は何をやれば良いのか、注目点は下図「日本のエネルギー構成」、1950~1970年の20年間です。

エネルギー構成比
(『原子力百科事典ATOMICA』から「日本の一次エネルギー供給構成と推移 (01-02-02-05)」)

 1950年~1970年、石炭(オレンジ)の構成比がグッと下がっていきます。言うまでもなく、石油へのシフトです。国内の産炭地では次々と閉山が進みます。福島ではフラガールたちが踊りだし、筑豊では麻生一族が石炭からセメントに乗り換え、夕張ではメロンが栽培され出します。なお、この後も20%程度、石炭は使用され続けていますが、すべて輸入炭です。
 「国富の流出」論から言えば、国産エネルギーを放棄して、外国産エネルギーにシフトして行くわけですから、とんでもない間違いをしていることになります。しかもこの時期、日本は貿易赤字状態ですから(上の方の図参照・・・数字は小さいですが、ほぼマイナス側です)、少しでも「国富の流出」を抑えなければならない時期なのに、ということになります。
 でも日本は国産石炭から、外国産エネルギーへの転換を図った。そして経済成長を達成し、その後の貿易黒字に結びつけています。
 これ、すごく、あたりまえのことです。使い勝手や効率の悪いエネルギー源から、より使いやすく効率の良いエネルギー源に乗り換えることにより、産業競争力が付いたのです。問題はエネルギー源単品の貿易赤字/黒字じゃないのです。貿易収支を黒字にするのは、日本全体の産業競争力の高さなのです。
 この時期の日本のエネルギー政策は、舞台で踊ったり、セメント焼いたり、メロン栽培したりしていればいい人まで、石炭で食わせることをやめた・・・合理化を進めたのです。斜陽化した炭鉱を切り捨て、ムダを省いたのです。

 つまり、現在、貿易収支・経常収支の赤字が問題なら、エネルギー政策として議論すべきは、燃料の輸入の多寡ではありません。エネルギー供給の効率化、言い換えれば低廉化、もっと具体的に言えば、電気料金をどう下げるかです。1950~1970年よりも遥かにグローバル化が進んだ現在、国産だからなんてことにこだわって高い原料(電気)使っていたら日本の産業、国際競争力なんて付くはずがありません
 原発再稼働派が、ここで、「だから原発再稼動、安くつくから」と言うなら、認識の間違いはともかく、理屈は通ります。しかし、「国富の流出」なんてのは、全くの見当外れです。
 経済学の初歩も理解してないやつに経済記事書かせているのが日本のメディアで、それに世論が(ミス)リードされるなら、前回の冒頭の言葉となります → 日本経済は激しく衰退します。なぜなら、日本の経済界、経済記者、人間が激しく無能、パカだからです。

 さてそれでは、原発再稼働は安い電気代となるのか? 「安いはずないだろ」というのが、当たり前の見方でしょう。独立系の電力会社(もちろん原発なんて持っていない)に契約変えたら、電気代が3割安くなった、なんてのはざらにある話です。そもそも、福島事故前、原発がフル回転していた状態で日本は世界的に高い電気料金だったのです。八木誠・電気事業連合会会長(関西電力社長)だって言っています、“原発は抱き合わせ販売でないと元が取れない”、と。日本よりもっとコストに厳しいアメリカでは、1979年以降、原発建設がなされていませんでした。先日、そのアメリカで新規原発建設のニュースが入ってきましたが、65億ドル(約6650億円)の資金援助でやっと可能になったものです。原発のコスト問題はまた別に議論しますが、明らかに原発は(効率の悪い=高額電気しか供給できない)衰退産業です。

 衰退産業にしがみついた国は衰退します


【おまけ】
201401貿易収支発表
(財務省 貿易統計発表「速報の概要」

 アベノミクスの円安効果で「輸出が伸びた」と、いうことになってますが、それは円が安くなったので円での受け取り額が増えただけです。なんと、数量指数はマイナスになっています。つまり、(円安で)2割引きで売ったのに、日本製品、売上が伸びるどころか、減ったのです(わずかですが・・・2割引セールやった上でです)。
 日本の産業競争力、実際、激しく衰退しています
 電力行政で言えば原発がどうのこうのと言っている場合ではありません。電気料金高止まりを狙う既得権益グループ「原発保有電力9社」の暗躍を許さず、抜本的改革、電力自由化を行い、電力価格の引き下げを行う必要があります。


tag :
コメント:












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック:
トラックバック URL:

http://fkuoka.blog.fc2.com/tb.php/1073-b20e2ea4

<< topページへこのページの先頭へ >>
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。