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「国富流出論」、誤りの核心-再稼動原発の発電コストを問え!!

2014-03-05
 経産省自身が「国富流出論」の数字算定におけるごまかしを認めましたが、“それでも何兆かは国富流出しているんだから、やっぱり問題”とか言ってる連中もいるようなので、再度、書きます。国富流出論がいかにバカげているか。(ま~、そもそも原発再稼働しても、それで節約できるとされる燃料輸入、現今の貿易赤字状況に影響を与えるというほどの数字でもなく、大した額ではないので、マクロ経済的にはどうでもいいんですけどね・・・問題なのはアベノミクス)

 なぜ国富流出論がおかしいか、例えば国産小麦粉が300円/kg、輸入小麦粉が200円/kgだった時、国産だからといって300円/kgでパン焼いてたら、200円/kgでパン焼いている店と勝負にならない、という話です。しかも作ったパンを輸出しようと考えていたりしたら、絶望的です。もっともこの場合、特に「国産小麦使用」と銘打って、その価値が認められるならば、国産小麦でも良いわけですが、電気に「国産燃料使用電気」なんてないわけです(むしろ「原発使用電気」なら、「やめてくれ~」と思う人のほうが多いでしょう)。
 実際、石炭産業じゃ、割高の(低品質の)国産炭は姿を消し、割安の(高品質の)輸入炭になった、というのが前回の話です。つまり、国際的に競争力のない国内炭鉱従事者が、(少なくとも輸送コストで優位に立てるセメントといった)競争力のある他産業に移っていけば、日本の産業は構造強化されるのです。この結果、「輸出・輸入」といった数字を見れば、石炭では明らかに輸入超過・貿易赤字・定常化確定ですが、それは日本の経済状況悪化を意味しません。実際、炭鉱が次々と閉山となっていったこの時期こそ、日本の経済成長期です。貿易(≒国際分業)というものは、そういうものです。各国において得意な分野(比較優位のある分野)の商品を供給しあうのが、お互いに豊かになる道であって、個別品目の輸入超過は問題にならないのです。

 だから、ここで一番の問題は、輸出入の赤字/黒字ではなくて、原発再稼働電気は、「300円/kgの小麦粉」なのか、「200円/kgの小麦粉」なのか(再稼動された原発には発電として競争力があるか)、ということなのです。
 ここにおいて国富流出派は、大きな勘違いをしています。“原発は動かしていてもいなくても同じような費用がかかるのだから、追加費用は0円”というのが、国富流出派の大方の主張のようです。
 しかしまず、なんで原発廃止することを考えず、「動かしてなくても同じ金がかかる」ということになるのでしょうか。原発やめれば(廃炉すれば)、原発にかかっている費用は不要になり、まずそこからお釣りが来ます。まあ、当面は廃炉費用に相当な額、取られそうですが。ただし、これは今止めなくてもいずれは払わされる費用であり(廃炉の必要のない原発はないわけですから)、どこかの時点で払うことに変わりはありません。この額は別として考えなければなりません。また、バックエンド問題(使用済み核燃料をどう処分するか、核のゴミ問題)については、早く原発を廃止した方が、その分ゴミが溜まりませんから、当然安くつきます。
 そして、一番間違っているのが「追加費用0円」です。電力会社は“原子力発電では設備費が大きく、燃料費は非常に小さい、しかも、(再稼働しようとしているぶんについては)既に燃料は輸入済み・支払い済みだ(だから、再稼動電気は格安だ「追加費用0円みたいなものだ」)”と説明してきました。

 しかし、原発の運転にも、結構な費用がかかることが明らかになっています。

日本原電発電単価
(朝日新聞西部本社版朝刊 2014年1月20日)

 電力会社の決算書では、いろいろな部門に原発運転費用が分散してしまい(わざとそういう決算書を書くので)、原発の発電コストを突きとめるのは困難ですが、原子力発電専業の日本原電が電力会社に売る電気の価格ははっきりしています。2009年で11.1円/kWhです。火力や水力より高い!!
 朝日の記事内では、“古い原発なので稼働率が上げにくく、割高になる”とか書いてありますが、従前の電力会社の説明なら、原発で最も金のかかる設備費の減価償却は古いので既に済んでいるはずで、割安になっているはずです。いずれにせよ、電力会社自前の原発発電単価より著しく高ければ、(政治的判断がいろいろあるにせよ)、電力会社が日本原電から電気を買うはずもなく、原子力発電の実勢発電単価、11.1円/kWh、このあたりと考えられます。ただし、福島事故前の数値です。
 現在では、当時とは“次元の違う安全基準”とやらが適用されるはずで、安全面で金もかかるはずですし、事故の可能性が現実となった原発運転ですから、無保険運転させるわけにも行かず、相応の保険費用もかかるはずです。

 ということで、原発は再稼働しても「300円/kgの小麦粉」でしかありません何よりはっきりしているのが、福島事故前、原発全盛期において、日本の電気料金は世界的に見て高い電気だったのです。原発再稼働したところで、電力価格問題において、何の助けにもなりません。競争力は最初からなかったのです。

 ただ一点、考慮点は、現在実際に火力発電の焚き増しに使われている古い石油火力発電所の20円/kWhと較べるなら、再稼働した原発の電力でも、ちょっとは安いかもしれない(無保険運転あるいは不十分な保険での運転なら、安いかもしれない、というだけの話しですが)、という点です。
 火力発電所、計画から発電開始まで10年かかると言われるリードタイムがありますから、「その間は原発で」、という論理も成り立ちそうです(繰り返します、あくまで「無保険運転あるいは不十分な保険での運転」の場合に限られます。まともに保険かけたら20円/kWhなんて、簡単に突破します)。
 しかしこれも正しくありません。リードタイム10年は規制緩和によって短縮可能ですし、やる気になれば、実はどうとでも出来るのです。
 東北電力が行ったのが、まずは既存火力発電所へのシンプルサイクルガスタービン発電設備の導入、そして引き続き、発電開始後にコンパインドサイクル発電化をするという段階的方法です。こうした施策が功を奏したのか、東北電力は経営状況改善、先日、3期ぶりの復配を実現しています。東日本大震災のダメージを最も受けた地域なのにです。10年どころか3年、原子力規制委員会の審査結果が出る前に、既に一定の結果を出したのです。原発再稼動がどうのなどと言っているよりも、よほど現実的、効果的です。
 ここに原発廃止で不要になった原発維持・管理費を加えれば、原発再稼働するよりも遥かに経済にプラスの効果(電気料金の引き下げ)を得ることが可能です


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