【Cs137の降下】玄海原発だったら(5)西風・・・福岡市壊滅
2014-03-07
福島原発の際、季節風の関係で、放射性物質の多くは太平洋方向に飛ばされていると考えられます。しかしリアルタイムで船を出して降下物質の観測をするなんてことはできようはずもなく(被曝の危険もあるし)、データとして上がってこないので、(事故後測定された)陸地に降った放射性物質の状況から福島原発事故の影響を考えがちです。しかし、他の原発で事故が起きた場合、風向き次第では、福島では“海に去った”状況が陸地で再現されることだってあり得ます。
そこで、福島事故の洋上シミュレーションを、他の原発に重ねる、重ねあわせ図を作成してみます。セシウム137に関するシミュレーションの重ね合わせです。原図などはこちらです。なお、原図と現在の状況を見比べてみると、オレンジの領域はほぼ帰還困難区域となり、黄色の領域は半分程度、居住制限区域となると考えられます。
今回は、佐賀県玄海原発についての5回めです。福島事故のシミュレーション図を並行移動した上で、反時計回りに90度ほど回転してみました。今回もこのあたりの冬の季節風として珍しくもない、西風の場合です。実際、福岡・佐賀・長崎の3県合同避難訓練の日が、このような風でした→「放射能雲への突撃/玄海原発3県合同避難訓練」。このような風の場合、福岡市はかなりの部分、平方kmあたり10万~25万メガベクレルというオレンジの領域となります。福岡市全域、人の住めない状況(帰還困難区域~居住制限区域)となるでしょう。北九州市あたりでも、べったり黄色の領域の中ですから居住制限区域になるところがかなりありそうです。

この原発、および、やはり九電が運営する川内原発では、原子力規制委員会の安全性審査で、一昨日にかなりの動きがありました。
「玄海原発の揺れ想定 九電、基準引き上げ」(佐賀新聞 3月6日)
「優先審査、川内前進 原子力規制委 [鹿児島県]」(西日本新聞 3月6日)
「川内原発の基準地震動想定『ほぼ妥当』 規制委、優先審査へ前進か」(南日本新聞 3月6日)
規制委審査の最大の山とされる基準地震動(想定される最大の揺れ)の確定、川内では了承されたようです。玄海ではまだ一部検討項目が残っているようですが、各記事の書きぶりでは、これも時間の問題のような雰囲気です。まあ、そろそろ再稼働したくてしょうがない規制委でしょうから、九電がもっともらしく作文して提出すればOKとなるでしょう。極めて危険な状況です。
・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。
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