川内原発は1000ガル揺れる!! (基準地震動は620ガル)
2014-03-17
九州電力が「エイヤっと」決めたいい加減な基準地震動、これ妥当なのでしょうか。「川内原発は昨年7月に安全審査を申請。これまでに最大規模の地震の揺れ(基準地震動)を540ガルから620ガルに引き上げ、最大の津波の高さ(基準津波)を約3.7メートルから約5.2メートルに修正。規制委から大筋で了承されていた。」(西日本新聞朝刊 3月13日)
特に明確な根拠があるわけではなく、「エイヤっと」決めたそうですが、とにかく了承された数値は620ガルです。
当然この数字、あちこちのブログで批判されてます→ここ とか ここ。
「2008年6月の岩手・宮城内陸地震で最大加速度4022ガルが記録され、世界最大加速度としてギネスに認定されたいっぽう、東日本大震災での最大加速度は2933ガル」ですから、620ガルってのは、あまりに小さい設定に見えます。
ただ、大飯原発や高浜原発が規制委から了承が得られないのに対して、川内原発が了承された理由は、川内原発については近くに危険性を考えなければならない断層がないから、とされています→「敷地内に活断層がなく津波の危険性も低い‐などの立地条件が決め手になった」(西日本新聞社社説)
直下型の大きな地震がないだろうと規制委は認定したわけです。では、それで大丈夫か?? ちょっと検討してみます。
東日本大震災での揺れについて、次のような分析があります。

(「pierres blanches と 《カガクするココロ》」さんブログからスクリーンショット)
東日本大震災を構成する3つの揺れのうちの1つの分析ですが、ここで注目したいのが千葉県佐倉、震源地から347km離れた地点で1053.5ガルとなっています。
ということで、川内原発から347kmの距離円を作成し、地図と重ねてみます。

(wikipedia「南海トラフ」の項の図と合成)
あらら、南海トラフは川内原発347km距離円の中に相当入り込んでいます。つまり、この辺の南海トラフで東日本大震災なみの地震が起きた場合、川内原発で1000ガル程度揺れる可能性があるのではないでしょうか。もちろん、地震波の到達の仕方は地層の状態次第ですから、単純なことは言えませんが。
「でもそんなこと、専門家が検討してるだろ」と、思ったあなた、甘い。
三陸沖なんて、さんざん研究されていたのに、予想を遥かに上回る東日本大震災のメカニズムについて、なんとか一応の理由付けがなされたのが、地震後3年も経ってから。要するに、研究したはずなのに全然わかっていなかった、というのが地震研究のお寒い現実。まして上図の場所は、研究が遅れていると言われている南海トラフです。
(なお、この辺りの南海トラフについては、「南海トラフから琉球海溝まで全長約1000kmに及ぶ断層が連動して破壊されることにより、震源域が2004年のスマトラ島沖地震の規模にも匹敵するM9クラスの超巨大地震となる可能性が指摘されている」(wikipedia「南海トラフ」)そうです。別のHPによれば、「西日本においても、東北地方太平洋沖地震と同じマグニチュード9クラスの地震が発生することもありうるという認識が、地震学者の間で広まりつつある」そうです。「広まりつつある」って、要するに研究始まったばかり。)
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