電気料金上昇、「原発のせい」なのか「原発停止のせい」なのか
2014-05-11
遂にここまで来ちゃいましたね~、東京電力の電気料金が沖縄電力を上回りました。沖縄電力は、離島対策のため、本来のコストより6%コスト高になっている上に、払わなくても良いはずの原発推進税まで払わされているわけですが、それより東電の電気料金、高くなった。
(朝日新聞西部本社版朝刊 5月11日)
真ん中んところのグラフ、HPからカラー版のスクリーンショットです↓

(朝日新聞HP 5月11日)
さて、こういう話になると、意見が合わないのが、脱原発派と原発推進派。脱原発派にとっては、こんなに電気料金が上がったのは「原発のせい」です。だから「早く原発廃炉を」です。でも、原発推進派にとっては「原発停止のせい」で、だから「早く原発再稼働を」となります。
原発推進派としては、上のグラフを見れば一目瞭然、「原発が動いていた頃と比べて電気料金上がってるじゃないか、原発止めるから電気料金上がるんだ、早く再稼働を!!」でしょう。
これに対し、上の記事では朝日新聞、ちょっとクセ球を投げています。「電気事業連合会長の八木誠・関西電力社長は『競争力ある料金には、原発再稼働が必要だ』と訴えるが、料金面でも『安さ』に疑問符がつき始めている。11年末に政府が試算した発電コストで、原発は1キロワット時当たり8.9円以上。04年の試算の5.9円から5割はねあがった。/廃炉までの期間が原則、運転開始後40年に短縮されたほか、原発の廃炉や使用済み燃料の最終処分などの費用が料金にさらに上乗せされる可能性もある。」としています。つまり、再稼働しても、“原発はもはや電気料金引き下げに貢献することはできない”という指摘です。
政府試算ではLNG発電コスト13円/kWh、石炭発電コスト5円/kWhです。これに対し、原発は8.9円/kWhプラス保険費用・損害賠償費用等で、結局、金子勝慶大教授の試算では「新潟県にある東京電力柏崎刈羽原発の発電単価は、(福島事故の)損害賠償費用4.1兆円を考慮した場合は13~15円に、10兆円を考慮した場合には19~21円」とのことです(おかしいな~、当ブログの試算だと保険費用考えると最低でも29.1円/kWhに跳ね上がるんですけどね)。
ま、いずれにせよ、保険も掛けず、廃炉費用も使用済み核燃料処理費も考えず(まともに積み立てず)、原発の暴走運転ができた黄金の日々は帰ってこないのですから、今さら原発再稼働しても電気料金値下げには役立ちません。
で、脱原発派として、もう一言、

(『エネルギー白書2012』から)
かつての“黄金の日々”の電気料金だって↑こんなもんです。粉飾決算で人々をごまかしていましたが、実際の電気料金は既に高かった。どういう粉飾決算・カラクリかと言うと→「どこまで無茶苦茶、電気料金査定・総括原価方式!!」
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