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福島の鼻血については、もうちょっと科学的な議論をした方が良いと思うのだが・・・

2014-05-15
 まだやってますね~、政府閣僚、『美味しんぼ』の鼻血描写批判。

 「麻生財務相『裏取れずに描いた』=美味しんぼ鼻血描写」(時事通信HP 5月15日)

 よほど原発推進派の弱みのツボにはまってしまったのでしょうか。
 よくある批判に「原因不明の鼻血などの症状を訴える町民が大勢いるという事実はない」というのがあります。いや、結構なんですけどね、これ、本気で主張するなら、ちゃんとデータを取った上で言ってほしいわけです。その辺の医者に聞いてみた、なんて話じゃなくてね。ちゃんと疫学調査をしてほしいわけです。
 その辺の医者に聞いてみたというレベルなら、作者の雁屋哲氏が実際に鼻血を出した、そして取材先で鼻血の話をよく聞いた、というレベルと違わないわけで、雁屋氏の取材先にも、医者もいれば井戸川町長もいるわけです。
 必要なのは、きちんとした科学的な調査です。福島と、他地域についての、比較可能な正確なデータこそが重要です。ごちゃごちゃ言ってないで、国は正確なデータを取るべきです。

 で、どう見ても一番あてにならないのが、放射線医学の専門家とかいう医者たちのコメントです。

 「『科学的にありえない』美味しんぼ鼻血描写で遠藤啓吾・京都医療科学大学長」(msn産経ニュース 5月12日)

 この遠藤とかいう人は、「1千ミリシーベルト以上の被曝をした場合であり、それ以下の被曝では影響がない。・・・略・・・住民の被曝線量は大半が10ミリシーベルト以下。原発作業員の中に、白血球や血小板の数値に異常がある人がいるとは聞いていない。もし低線量被曝の影響で鼻血が出るのだとしたら、一般の人々より被曝線量の高い放射線技師や宇宙飛行士は鼻血が止まらないことになる」とか言っています。
 まずおかしいのは、そりゃあ1千ミリシーベルトも浴びたら、血小板が減ったり、いろいろな全身症状の一環として鼻血も出るでしょう。これは深刻です。でも、今、いろいろ言われているのは、そんな話じゃないということです。結局、医者に行かなくなてもなんとかなるくらいのものです。ただの鼻血なら(多少出血量が多いくらいは「ただの鼻血」の仲間です)、鼻粘膜がちょっと傷つけばすぐに出ます。鼻粘膜の局所被曝なら、たいした放射線量(総量)はいりません。
 で、もう一点、この人がおかしいいのは、完全に数字の使い方を間違えている点です。上の引用の言葉を見る限り、この人は、平均的な被曝で、すべてを語れると思っているようです。この人は、次のようなニュースに何というのでしょうか??

 「福島市中心部で170万ベクレル超のコケ 緊急除染へ」(朝日新聞HP 2013年7月3日)

 この人はこの記事に対して、“福島市でそんなに高い汚染レベルが検出されるはずがありません”、とでも言うのでしょうか。今回のように大量の汚染物質が撒き散らされた場合、一般的な汚染レベルとは別に、ホットスポットができるのは当たり前のことです。
 上の記事もそうですが、水が流れて集中したところのコケで高濃度汚染ケースが良く発見されています。流れが集まるところはホットスポットになりやすい、と考えてみれば、人間の呼吸量は一日14,400L、20kgにもなります。それがほぼ全部鼻を通って行くのですから、鼻の粘膜に「マイクロ・ホットスポット」ができたって不思議はないと思えますが・・・。それも、偶然に高濃度汚染状況に行き当たっていたとか、の場合に。
 遠藤とかいう人は、放射線技師や宇宙飛行士を取りあげて反例としていますが、これは全く見当外れです。これらの人では平均的な被曝量から逸脱するケースがほとんど考えられないからです。宇宙という放射線的に比較的均質な状況、医療機器による被曝という管理された被曝状況では、ホットスポットの発生のしようがありませんし、被曝と言っても外部被曝だけです。実際に放射性物質がそこらじゅうに濃淡をもってバラ撒かれ、行き当たりばったりで吸入してしまう福島事故とは比べようもありません。

 で、吸着・濃縮系のホットスポットとは別の話になりますが、やはり、平均値で語るのは今回のようなケースでは不適だということを、もう少し一般的に書いておきましょう。

ポアソン分布

 統計学やったことのある人なら誰でも知ってるポアソン分布です。比較的起きることがレアな場合に使う分布ですが、まあ、具体的に、何個の放射性元素が崩壊したかというのに使うと良い分布です。
 当然、平均発生回数(平均的な原子崩壊回数)が多くなれば、より多く崩壊が発生する確率が高くなっていきますが、ここで注目すべきは、平均発生回数が多くなると、単に平均値(グラフの山)が右へ移動していくというだけではない、ということです。山の裾野がなだらかになっています。
 これがどういうことを意味するかというと、

ポアソン分布2

 平均発生回数2のオレンジの線を右へ2、ずらして平均値が4になったとしても、それだけなら、9回も発生する可能性はほとんど無いと思えます。ところが実際は、山の裾野がなだらかになるため、ホントの平均値4のケース、黄色の線で見てみれば、この事態、ちょっとですが、発生する可能性が見て取れます(青い線だと、オレンジ線をさらに1、右に動かしたものと比較することになります。想像してみれば・・・劇的に可能性が高まりますね~)。
 つまり、汚染数値(平均値)が上がるということは、逸脱的な事態が発生する可能性をも高めるのです。
 環境の汚染数値が大きくバラついている状態(あっちこっちにホットスポットがある状況)での、鼻の中の粘膜の上という、微小環境におけるホットスポットの発生可能性と考えた場合、統計的なゆらぎは極めて大きくなると考えられます。鼻血を出すほど部分的に被曝した人が多数発生している、という事態は、統計的に考えてみれば、何も不思議はないように思えます。
 少なくとも、鼻血を出す人が多数いるという報告があるのに、頭ごなしに「そんなはずはない」というのは、とても科学的な態度とは言えないでしょう。まずはしっかりと調査を行い、分析する必要があるはずです。

 とはいえ、『美味しんぼ』はマンガです。作者が自分の経験に基いて(あるいは基づかなくたって)、何書いたって、政府が目くじら立てるほどのものでしょうか?? やはり原発推進派の、何かよほどの弱点のツボ・・・ホットスポットに、はまってしまったようです。


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コメント:
新聞テレビは抑え込んだのに、こんな漫画如きに足元を掬われるとは思っていなかったでしょう。自分達のやっている事には落ち度がない、と勘違いしていたんでしょうね。
それこそ想定外だった(笑)
麻生さん漫画大好きなのに気付かなかったのかなぁ??ケッヶ
[2014/05/16 21:36] | hotaka43 #mWyI0ZzU | [edit]
「鼻の粘膜のマイクロ・ホットスポット」説が正しいと仮定するならば、同様にポワソン分布にもとづいて「肺まで達して肺癌発生」やら「眼球付着で眼の毛細血管負傷からの出血」の率も増加するはずではないでしょうか?

鼻血以外、とくに眼球出血という鼻血以上に目立つ特殊な状況が増えたという話も聞きませんので、「鼻の粘膜に着いた何か」が原因としても、それはマイクロ・ホットスポットになるような放射性物質ではなく、PM2.5のような非放射性物質の微粒子であると考えるのが妥当では?

実際、大阪で処理した瓦礫は岩手県の津波被害のもの。また処理した時期は中国からのPM2.5が大量飛来してた時期です。また、大阪は地理構造からも中国飛来のPM2.5た淀みやすい地域だとか。
[2014/05/26 11:02] | えまのん #ftr86F3A | [edit]












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