いつまで言ってる読売、「原発停止で貿易赤字」という真っ赤な大嘘!!
2014-09-18
本日、8月の貿易統計が発表されました。まだ言ってます読売新聞、“貿易赤字は原発代替燃料のせい”→「輸入額は、1・5%減の6兆6545億円だった。原子力発電所の停止に伴う火力発電向け燃料の割合は大きいが、豪雨など全国的な天候不順で電力需要が落ちたため、前年同月より減った。」(読売新聞HP「8月貿易収支は26か月連続赤字、9485億円」 9月18日)
毎日新聞だと「7〜8月の天候不順による電力需要の低下などから、火力発電用燃料などの原粗油(5.2%減)や石炭(17.4%減)の減少が目立った。」(毎日新聞HP「8月貿易:9485億円赤字 幅は2カ月連続縮小」 9月18日)となるのですけどね。
他紙も、朝日、日経、そしてなんと産経も、書き方は淡々と“燃料の輸入が減った”、です。取り残されました、原子力ムラ、読売新聞。
ま、そもそも、これまでの報道、日本の輸入において最大のウェイトを持つ原油全体の輸入額増大(主原因は円安と国際価格の高騰による3割以上高)を、せいぜい原油輸入量の15%しか使っていない原発のせいにするのがおかしかったんですけどね。
さて読売、月単位での発電向け燃料の輸入統計が、現在の時点でどう手に入るのか不思議ではありますが、まあ、読売新聞は入手して、8月の貿易赤字に占める原発代替燃料の割合、「大きい」と評価したのでしょう (^_^;; 。 さて、それがどの程度「大きい」のか、ちょっと推計しておきましょう。
他紙はすべて「減っている」と評価しており、8月に突出して多くの燃料輸入があったとは考えられませんから、年平均程度と考えて計算してみます。
まず原油輸入量に占める原発代替燃料費の推定です。

(データは、2010年については資源エネルギー庁HP【第214-4-2】図、2012年については石油連盟HP資料10ページから)
福島事故前の2010年度と、ほぼ全原発が停止完了した2012年度で、9.5ポイント(15.0%-5.5%)ほど、電力に使用される石油製品(重油など)が増えています。ということで、今回発表の「原油及び粗油」輸入額1,140,115百万円(リンク先4ページ)の9.5%程度、つまり、1083億円程度が、原発停止による原油輸入額増加分と大雑把に推定できます。
次にLNG輸入量に占める原発代替燃料費の推定です。

(データは、『資源エネルギー白書』の図、2010年度図【第213-1-11】、2012年度図【第213-1-11】から)
同様に福島事故前と後とで、5.6ポイント(68.2%-62.6%)ほど、電力に使用されるLNGが増えていますから、今回発表の「液化天然ガス」輸入額594,235百万円(リンク先4ページ)の5.6%程度、つまり、333億円程度が、原発停止によるLNG輸入額増加分とやはり大雑把に推定できます。
原油とLNG合わせて、1083+333≒1400億円程度が、原発停止による化石燃料輸入増加分と推定されます。なお、東通原発や志賀原発のように断層問題を抱えていたり、老朽化による残存運転可能期間の短さから安全対策投資の回収が困難、等の理由により、たとえ安倍政権が暴走しても再稼働困難な原発も多く、国が原発再稼働を進めても、この半分も燃料輸入額の低減は出来ないということも理解しておいて良いことだと思います。
さてと、本題です。財務省報道発表によれば、先月の貿易赤字は9485億円です。1400/9485≒15%ですから、貿易赤字の85%は、原発代替燃料以外のせいであることになります。
ま、要するにアベノミクスの失敗を原発停止のせいにしてるだけやね。触れ込み通りならアベノミクス、今ごろは大幅貿易黒字でお祭り騒ぎだったはずじゃないのかぁ。
(3日続きで投稿するとは思ってなかったな・・・当ブログ、もう終了してるんですけどね)
tag :