アベノミクス「持ち直した」なんちて(笑)
2014-10-08
本日は財務省から、経常収支の発表がありました。「8月の経常収支は2871億円の黒字 貿易赤字は拡大」(朝日新聞HP 10月8日)
「経常収支、2か月連続の黒字…貿易収支は赤字」(読売新聞HP 10月8日)
ううぅん?? 読売新聞、アベノミクスの成果を誇るんじゃないんですね?? せっかく経常収支が2ヶ月連続して黒字になったのだから、何も貿易赤字を見出しにまで書き添えなくたって良いのに・・・そもそも、貿易赤字の方は既に先月発表済みで、今日の話題ではないはずなんですけど。
まあ、これが書きたいからしょうがないのか→「原子力発電所の停止に伴う火力発電向け燃料の割合は引き続き大きいものの、・・・」(上掲リンク先)
これがいかにウソかは、貿易赤字が発表された時、既に書いています(貿易赤字の85%は原発代替燃料以外が原因)ので、本日は経常収支についてだけ。(まあ、この数字があまり意味が無いということも書きましたが、一応、アベノミクスの公約でありますので、「アベノミクス、ちゃんと宿題できているかな」という点検です。)
本日発表の財務省HPの図に、円ドル・レートその他、少し書き込んでみました。

(元の図は財務省HP10月8日から。円ドル・レートは財務省各月「報道発表」・・・一例・・・から)
黒のラインを見ていくと、まあ、アベノミクス、今年4月以降、なんとか(それまで続いていた)経常収支の急激な悪化からは、逃れたかもしれません。それでもプラマイ0よりちょっと上、というだけで、黒田日銀総裁就任直後の“カンフル剤が効果を上げた”時期の、から騒ぎ(といっても、民主党政権期2011年9月のゆらぎ的な好収支と同程度なのですが)を除けば、あとは民主党政権の、経済パッとしなかった末期より成績悪いですね。
で、円相場です。安倍首相就任とともに、円の価値、ガクッと落ちていきます。まあ、意図的に円安政策を取ったのですから、当然の話しですが。お陰で、日本人の賃金、ドルベースで見れば、2割以上の減収です。貧しくなったものです。海外旅行しにくくなったのはもちろん、パソコンのパーツとか、高くなりました。食料品、ガソリン、今はまだ小売がやせ我慢して2割以上高騰とかにはなっていませんが、いずれそれも不可避でしょう。
これで、貿易収支の赤字は拡大、経常収支もプラマイ0程度です。はっきり言って、何も得られていない、損ばかり、です。
それにしても上の図を遠目に見てみれば、原発停止の影響なんか、あるんだかないんだか良く分からない一方、アベノミクスの惨状(貿易・経常収支ジリ貧+円安貧乏)は依然として明確です。
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