「風評被害」なんて、存在していない。
2012-01-16
東北から流れるニュースに良く出てくる言葉に「風評被害」があります。農産物、水産物、そして工業製品も、放射能汚染されているのではないかと言われて、売れなくなることが問題視されています。さてしかし、何が“風評被害”なのか、メディアは検証しません。
まず食品。現在の国の基準は暫定基準です。これは、本年4月から実施される予定の「本来の基準」の5倍ほど甘い基準です。つまり、暫定基準は全然安全ではないのですから、とりあえず“危なそう”と思われる産地の生産物を避けるのは、消費者としては正しい判断だと思われます。ちゃんと計測結果なり証明なりが付いていれば、その数値や内容を見て、改めて判断する、というのが正しい購買行動でしょう。(しかも、国の言う「本来の基準」も、ICRPの数値に準拠したもので、そのICRPたるや、原発推進のためにいい加減な基準作りをしている機関です。)
従って、はっきり書きましょう。食品について、現在、風評被害は発生していません。存在しているのは、どうでいもいい数値を「暫定基準」と強弁している不適切な行政です。そして、それに対する消費者の適切な行動が存在しているだけです。
さて食品以外。ほとんどの分野で、“いい加減な基準”さえ作られておらず、当然、調査・監視の対象にはなっていません。汚染稲わらの問題が発覚したのは7月のこと。二本松市の新築マンションで、建設資材の砕石に起因する、居住環境として極めて高い放射線量が測定されたのが明らかになったのが昨日のことです。とりあえず福島県およびその周辺の生産物を避ける、というのは、極めて正しい行動と言わざるをえないでしょう。
つまり、ここでも、現在、風評被害は発生していません。存在しているのは、やる気のない不適切な行政だけです。そして、それに対する消費者の適切な行動が存在しているだけです。
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