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【PAZ・UPZ・PPA】避難参考図:福井原発銀座(1)舞鶴・神戸

2012-02-07
 昨日は福井原発銀座(高浜・大飯・美浜・敦賀)について原子力防災対策地域を考えてみました。今回は、長崎県のような、無意味な避難計画となってしまわないよう、福島から教訓を得るための参考図を作成してみます。
 国は、UPZ(緊急防護措置区域)を30kmと指定しています。しかし、国のこの30kmという指定は極めて便宜的なもので、はっきり言って根拠はありません。実際、この地域指定を決定した時と比較して、安定ヨウ素剤服用基準は2倍に厳格化されているのに、一向に地域指定変更は検討されていません。その名も、意味づけもズバリの「放射性ヨウ素防護地域」(PPA)、“安定ヨウ素剤服用の必要な地域”、についてさえです。UPZ・30kmというのは、鬼ごっこの安全地帯のように、「この線越えれば大丈夫」といったものではなくて、経済的・行政的理由によって歪められた、極めて縮小された範囲指定に過ぎません。実際その外も、甘々な国の基準においてさえ、PPAなのですから。
 まずは福井原発銀座の西端、高浜原子力発電所で福島級の事故が起きた場合、汚染がどの様な範囲に広がるのか、福島原発事故の放射能汚染地域を地図上で重ねあわせてみることにします。福島で一体何が起こったのか、現実をしっかり頭に入れて、避難計画を立てなければ、意味がないでしょう。ただし、福島の事故では、放射能雲(放射性プルーム)は、阿武隈高地を超え、奥羽山脈にぶつかって(奥羽山脈沿いに吹く風に影響されて)向きを変えています。従って、阿武隈高地よりも平坦な地形ではもっと遠くへ、そして奥羽山脈のような山脈に遮られなければ真っ直ぐ、かなり遠方まで到達すると考えられます。福井原発銀座は野坂山地に囲まれていますので、福島に近い条件かもしれません。ただし北西の季節風が吹く時は、かなり遠方まで放射能雲が運ばれそうです。もっとも、その分希釈されるのかもしれませんが。このあたりはSPEEDIなどによる、しっかりしたシミュレーションが必要となるでしょう。

想像福井r舞鶴神戸

 図は、群馬大学早川教授作成の「放射能汚染地図(五訂版)」(Adobe Illustrator CS1版)から、汚染状況のレイヤーを抜き出し、回転し、Kenmapで作成した白地図に重ねてみたものです。福島の放射性物質濃厚汚染地域が、ぐにゃっと曲がった後、“尾”が神戸へと伸びる方向となった場合です。

 舞鶴市がどうしようもないのはしょうがないとして、もしも汚染地域の「曲がり」がなく、直接神戸へ向かった場合、神戸市もかなりの汚染が予想されます。三田市あたりは、4μSv/h以上の汚染も予想されます。阿武隈高地とさほど違わないようですのであまり期待はできないのですが、丹波篠山の山地がどこまで放射能雲を遮ってくれるのか、それだけが頼りでしょう。

 高浜原発に関しては、高浜町議会の粟野明雄・副議長が社長を務める金属加工会社「粟野鉄工所」が、関西電力発注の原発関連工事、7億円(5年間)を受注していることが報道されています。粟野副議長は、原発再稼働を求める意見書を提案し、議会で可決されているとのことです。九州電力から54億円受注した玄海町の岸本英雄・町長のファミリー企業といい、周辺一帯を放射能災害の危険にさらして肥え太る、こんな連中にエサを与えるために、電気代を払っているのかと思うと、バカバカしい限りです。彼らが得る金は電力会社が出すのでも何でもなくて、総括原価方式のもと、電気料金から支払われるのですから。


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