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記録は常に破られるためにある--フェイルセーフのこと

2011-09-08
 台風12号について、http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110905/dst11090509170005-n1.htmによると、降り始めからの雨量は、奈良県上北山村で1,800mmを超えた「記録的」なものだったとのことです。しみ込まず、流れなければ、地表全面に1m80cmの水が溜まった計算になるわけですから、まさに津波なみの破壊力があることになります。もちろん降るそばから川などで流れますから、一気に押し寄せる津波とは違いますが、そのかわり土砂を巻き込んで土石流になったりもしますから、やはり独特の恐ろしさを持っています。
 で、何が言いたいかと言うと、原発事故の想定は甘すぎる、ということです。1,000年に1度の事態など想定していたら、とても採算が取れない。だから「想定外」としておく、というのが、これまでの原発の安全性についての考え方です(http://www.asyura2.com/11/genpatu7/msg/592.html)。これ自体、恐ろしい話ですが、注意を向けておきたいのは、実はこれで「1,000年のうち999年は大丈夫」ということにはならない、という点です。1,000年に1度の災害でも、30種類あれば、33年に1度は災害に見舞われるのです。そしてそれは「記録的」かもしれないし、「記録を破るもの」かもしれないのです。東日本大震災について言えば、単に「記録的」なものに過ぎなかったようです。「貞観津波」で検索してみれば、この津波の記録をいかにして原子力安全・保安院が無視したか、いろいろ出てきて、憤りを感じるのですが、本当はそんなことは序の口で、やるべきことは「記録的」なものへの準備を超えて「記録破り」のものにも備えをしておく必要があるのではないか、ということです。
 東海、東南海、南海の地震3領域が連動したらどうなるか、ということが語られていますが、課題はそれだけではないはずです。ヨーロッパではストレステストに普通に入っている“航空機の墜落”は、どう考えられているのでしょうか(検索してみれば分かりますが、これについても、日本では、かなり怪しい“想定”があるらしい)。他にも、空から落ちてくるものとしては、隕石もあります。これはどうなっているのでしょうか。このケースはもちろん極めてレアでしょう、でも、レアがいっぱいあれば、レアでもなくなるのです。1,000年に1度の台風、1,000年に1度の竜巻、1,000年に1度の人為ミス、いろいろなことが考えられます。今年は既に2回も「記録的」な災害に遭遇してしまっているのです。まあ、台風12号は東日本大震災と比べれば幕下程度かもしれませんが。
 そして「記録が破られた」場合、どうなるのか。その事態に一定の対処ができるようになっていて、初めてフェイルセーフなんじゃないかと、そう考えるわけです。
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