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放射性ヨウ素シミュレーション/福島・茨城・栃木・群馬

2012-03-12
 昨日、3月11日は東日本大震災から1年ということで、テレビはどこも、関係番組で埋め尽くされていました。とても見きれない・・・。

 特に気になって見たのがNHK教育「ETV特集『ネットワークでつくる放射能汚染地図(5)埋もれた初期被ばくを追え』」でした(22:00~23:30)。この番組は、2つの方向から放射性ヨウ素被曝の問題を追求する人々を取材していました。(1)実際に被曝した人の被爆線量計測から、人々の被曝状況へと迫ろうという方向と、(2)原発事故により放出された放射性ヨウ素の大気中の動向をシミュレーションすることにより人々の被曝状況へと迫ろうという方向です。

 (1)の方向を追求していたのが、弘前大学被ばく医療総合研究所の床次眞司・教授を中心とするチーム。原発事故後、浪江町津島地区に居た65人を調査、うち50人から放射性ヨウ素(I-131)を検出。最大値は2233Bq(ベクレル)というもの。これを甲状腺が受けた被曝線量に換算すれば、経口ならば93mSv、吸入なら87mSv、というものでした。ミスター100ミリシーベルト“山下俊一”なら、「ハイ、規定値クリア、大丈夫です」と言うでしょうが、床次・教授「看過できないレベル」としました。なにしろ、これが子供なら、甲状腺はより敏感に反応しますので、はるかに重大な被曝に相当します。次のような相当値が提示されていました。

成人 4歳児(幼児) 1歳児(乳児)
経口(飲食) 93 434 811
吸入(呼吸) 87 400 753
                                    (単位 mSv)

 白血球の減少が起きるのが250mSv、500mSv超えるとリンパ球および顆粒球が減少、急性放射線障害の起きるのが1000mSvというめやすもありますから、これはもちろん「看過できないレベル」でしょう。

 (2)の方向を追求していたのが、海洋研究開発機構・滝川雅之・主任研究員、東京大学大気海洋研究所・鶴田治雄・特任研究員、元理化学研究所・岡野眞治氏のグループ。放射性セシウムとは異なる放射性ヨウ素の拡散状況を、データとシミュレーションから追求していました。
 シミュレーションの一部をデジカメで撮影し、並べてみました。

放射性ヨウ素NHK

 福島原発から北西方向のセシウム汚染地帯とは別に、南方向に放射性ヨウ素汚染地帯がある(あった・・・放射性ヨウ素は半減期が短いので、既にほとんど消滅している)ことがわかります。その地域は、いわき市から、茨城・栃木・群馬という北関東全域へと広がる、広大な地域であることが解ります。
 これで実際はどの程度の被曝をすることになるのか、このグループに新たに加わった被曝推定の専門家である茨城県立医療大学・佐藤斉・准教授が、今後分析していく、と番組ではなっていました。

 その結果が(1)のチームの結果と繋がるとき、放射性ヨウ素汚染の実態が明らかになっていく、ということでしょう。

 さてしかし、気の短い当ブログ主としては、分析結果が出るまで待っていられません。ちょっと検索し、考えてみます。
よくわかる原子力」というホームページによれば、「大気中の放射性ヨウ素が4,200Bq(べくレル)/m3 の場合24 時間その空気を吸入することによって小児甲状腺の被ばく線量が100mSvとなると予測されます」となっています(“く”は原文のまま)。
 4200(Bq)×24(時間)=100800 (≒10^5) ですから、図中の赤く示された地点では、1時間、その濃度の空気を呼吸しただけで、小児は100mSv以上の被曝をすることになります。黄色い地域でも、放射性プルーム(放射能雲)が通過する間に数十mSvの被曝をする可能性があります。ICRP勧告の年間の人為的放射線許容量1mSvといった数字と比較すべくもない、高い被曝量と言えます。なおもちろん、ICRP勧告自体、甘々だという批判もあり、あまり信用できたものではないので、事態はきっともっと深刻です。


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