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【PAZ・UPZ・PPA】放射性ヨウ素の拡散と玄海原発(佐賀市・唐津市・熊本市)

2012-03-19
 放射性ヨウ素は、原発事故の際、もっとも早い段階で拡散する放射性物質とされています。また、放射性ヨウ素は、到達する以前に安定ヨウ素剤の服用が出来ればある程度被曝を抑えることができます。従って、予防的に原子力災害対策を行なうならば、まずもって対策を行なう必要性の高い放射性物質ということになります。それでは、放射性ヨウ素はどのように拡散するのでしょうか。
 NHK教育「ETV特集『ネットワークでつくる放射能汚染地図(5)埋もれた初期被ばくを追え』」(3月11日22:00~23:30)では、福島原発事故の際の、放射性セシウムとは異なる、放射性ヨウ素I-131の拡散状況について、測定記録の掘り起しとシミュレーションが行なわれていました。以前の記事では、そのシミュレーション画像(テレビ画面)をデジカメで撮影したものを掲載しましたが、そこから汚染域を抜き出し、玄海原発の地図の上に重ねてみたのが以下の図です。
 今回は佐賀県方面です。既に佐賀県はSPEEDIにより、玄海原発事故の際の放射性物質拡散状況についてシミュレーションを行なっており、改めて重ね合わせ図を作成する意味は薄いのですが、県民の目には触れないようになっているようですので、作成してみます。

ヨウ素131玄海04時唐津・佐賀
3月15日4:00段階

 福島原発事故では、3月14日から15日へと日付が変わるころ放射性物質が大量放出されていますので、4時間程度で、この状況へと拡散したということになるでしょうか。なお、図では、唐津市・佐賀市が最もダメージを受ける場合を考えて、重ね合わせの際、角度を決めています。
 時間が経つと、これがさらに広がり、福島の拡散状況と同じであれば、8時には次の図程度になります。熊本市が汚染域の中心となります。
ヨウ素131玄海08時熊本
3月15日8:00段階

 そして汚染域はさらに広がっていきます。

ヨウ素131玄海10時唐津・佐賀
3月15日10:00段階

 以上はもちろん、福島でのシミュレーションを単純に玄海原発に重ねあわせただけですので、現実は違った展開となるでしょうが、原子力防災を考えるうえで、一応の参考として、頭に入れておいて悪くはないでしょう。
 ついでに頭に入れておいて良いと思われることは、玄海原発事故で佐賀・熊本方面にとって最悪の場合、この1.5倍以上のスピードで汚染域が広がることも考えられるということです。冬の季節風の時期が危険です。福島県・小名浜の2011年3月15日の午前1時、3時、5時の風向・風速は北北東2.5m/s、北東3.8m/s、北北東5.1m/sというところですが、佐賀県・唐津2011年1月1日の午前5時、7時、9時では、北西7.3m/s、北北西3.9m/s、北西6.2m/sという数字を記録しています。佐賀県自身が行ったシミュレーションでも、汚染域拡大スピードは、相当のものでした
 なお、以上の図はあくまで空気中の放射性ヨウ素I-131に起因する一時点における放射線量ですので、これでどれだけの被曝をすることになるのかは、また別に考えなければなりません。この点については以前の記事末尾に記したようなことが一つのめやすとなります。ご参照ください。

(図の説明) 背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。


【補足】
 政府/原子力安全委員会による公式の放射性ヨウ素汚染地帯は → こちら
     (実際の測定で出てくる原発南側の汚染地域がほとんど捉えられていません)
 それを玄海原発の地図に重ね合わせた図は → こちら

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