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【PAZ・UPZ・PPA】放射性ヨウ素の拡散:伊方原発と大分・高知・北九州市

2012-03-27
 原発再稼働、大飯原発の次に作業が進んでいるのは伊方原発となります(「ストレステストの進捗状況」原子力安全・保安院)。この原発についても、早いところ作図しておきます。この原発の場合、被害の広がりを考えると、どこが“地元”か、ホントわけのわからないことになります。今回は、2回に分けて掲載する2回目です。
 放射性ヨウ素は、原発事故の際、もっとも早い段階で拡散する放射性物質とされています。また、放射性ヨウ素は、到達する以前に安定ヨウ素剤の服用が出来ればある程度被曝を抑えることができます。従って、予防的に原子力災害対策を行なうならば、まずもって対策を行なう必要性の高い放射性物質ということになります。放射性ヨウ素はどのように拡散するのでしょうか。
 NHK教育「ETV特集『ネットワークでつくる放射能汚染地図(5)埋もれた初期被ばくを追え』」(3月11日22:00~23:30)では、福島原発事故の際の、放射性セシウムとは異なる、放射性ヨウ素I-131の拡散状況について、測定記録の掘り起しとシミュレーションが行なわれていました。以前の記事では、そのシミュレーション画像(テレビ画面)をデジカメで撮影したものを掲載しましたが、そこから汚染域を抜き出し、伊方原発の地図の上に重ねてみます。
 あらかじめ今回作業をまとめたものを掲載します。上段が海を挟んで向かい側になる大分方向、下段が高知方面です。左が4時時点、中央が8時時点、右が10時時点です。ただし、高知方向に汚染域が広がった場合、10時時点では海へと抜けてしまいますので、角度をぐるっと変えて、北九州市方面まで距離的に汚染域が広がるものかどうか見てみたのが、右下の図です。

ヨウ素131伊方_大分・高知・北九州

 以下、それぞれの図を見ていきましょう。
ヨウ素131伊方04時大分

3月15日4:00段階

 大分市が最もダメージを受ける場合を考えて、重ね合わせの際、角度を決めて作成したのがこの図です。福島原発事故では、3月14日から15日へと日付が変わるころ放射性物質が大量放出されていますので、4時間程度で、この状況へと拡散したということになるでしょうか。
 赤い地域では、子供の場合、汚染された空気を吸い続けると1時間で100mSv以上、甲状腺被曝をすることになります。それが黄色い地域なら10~100mSv、青い地域なら1~10mSvの被曝、といったところでしょう。黄色い部分でも、番組中のナレーションによれば「法令で定められた基準値の2500倍」ということですので、非常に深刻な汚染です。

 時間が経つと、これがさらに広がり、福島の拡散状況と同じであれば、8時には次の図程度になります。

ヨウ素131伊方08時大分
3月15日8:00段階

 そして汚染域はさらに広がっていきます。

ヨウ素131伊方10時大分
3月15日10:00段階

 重ねあわせ作業の際、大分市で角度ぎめをしてしまいましたので、このような位置になりましたが、ちょっと角度がずれれば熊本市方面や、佐賀県や長崎県方面も、かなり汚染されることが考えられます。もちろん宮崎県方面へ風が行くこともあるでしょう。
 一方、高知方面へと風が吹いた場合を考えて、重ねあわせ作業を行なった地図が、次の2枚です。

ヨウ素131伊方04時高知
3月15日4:00段階

ヨウ素131伊方08時高知
3月15日8:00段階

 このあと、汚染域は海へと抜けて行きますので、角度をぐるっと変えて、北九州市方面まで距離的に汚染域が広がるものかどうか見てみたのが、次の図です。

ヨウ素131伊方10時北九州
3月15日10:00段階

 北九州市、かなり離れているようも思えますが、「法令で定められた基準値の2500倍」という黄色い汚染域、しっかり届く距離ということになります。
 以上はもちろん、福島でのシミュレーションを単純に玄海原発に重ねあわせただけですので、現実は違った展開となるでしょうが、原子力防災を考えるうえで、一応の参考として、頭に入れておいて悪くはないでしょう。
 伊方原発周辺では、冬は基本的に北~北西の風が吹き、それ以外の時期は南~南南東の風が多いようですので、シビアクシデントが起きた場合、冬ならば宇和島市や土佐清水市、四万十町方面、春・夏・秋ならば広島市から北九州市の間が特に危険な地域ということになります。風向きがあまり向くことのない松山市、そこで“立地県”の再稼働の判断が行なわれるということになります。もちろん、前回記したように、松山市方向へ風が吹くことが絶対にないというわけではありませんが。


(図の説明) 背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。


【補足】
 政府/原子力安全委員会による公式の放射性ヨウ素汚染地帯は → こちら
     (実際の測定で出てくる原発南側の汚染地域がほとんど捉えられていません)
 それを伊方原発の地図に重ね合わせた図は → こちら

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