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【PAZ・UPZ・PPA】放射性ヨウ素の拡散:大飯原発と名古屋・岐阜・鳥取・福井・金沢

2012-04-06
 “泥棒を捕まえてから縄をなう”と「泥縄」ですが、“原発再稼働を決めてから安全基準を作る”のは、何と呼べば良いのでしょうか。

 そう言えば大飯原発、放射性ヨウ素汚染図の作成が、京都・大津・大阪だけになっていました。

 放射性ヨウ素は、原発事故の際、もっとも早い段階で拡散する放射性物質とされています。また、放射性ヨウ素は、到達する以前に安定ヨウ素剤の服用が出来ればある程度被曝を抑えることができます。従って、予防的に原子力災害対策を行なうならば、まずもって対策を行なう必要性の高い放射性物質ということになります。放射性ヨウ素はどのように拡散するのでしょうか。
 NHK教育「ETV特集『ネットワークでつくる放射能汚染地図(5)埋もれた初期被ばくを追え』」(3月11日22:00~23:30)では、福島原発事故の際の、放射性セシウムとは異なる、放射性ヨウ素I-131の拡散状況について、測定記録の掘り起しとシミュレーションが行なわれていました。以前の記事では、そのシミュレーション画像(テレビ画面)をデジカメで撮影したものを掲載しましたが、そこから汚染域を抜き出し、大飯原発の地図の上に重ねてみます。
 あらかじめ今回作業をまとめたものを掲載します。上段が名古屋・岐阜方向、中段が鳥取方向、下段が福井・金沢方向です。左が4時時点、中央が8時時点、右が10時時点です。

ヨード大飯まとめ2

 以下、それぞれの図を見ていきましょう。
ヨウ素131大飯04時岐阜・名古屋
3月15日4:00段階

 まず、名古屋・岐阜方面へ汚染域が広がった場合を考え、角度を決めて作成したのがこの図です。福島原発事故では、3月14日から15日へと日付が変わるころ放射性物質が大量放出されていますので、4時間程度で、この状況へと拡散したということになるでしょうか。
 赤い地域では、子供の場合、汚染された空気を吸い続けると1時間で100mSv以上、甲状腺被曝をすることになります。それが黄色い地域なら10~100mSv、青い地域なら1~10mSvの被曝、といったところでしょう。黄色い部分でも、番組中のナレーションによれば「法令で定められた基準値の2500倍」ということですので、非常に深刻な汚染です。

 時間が経つと、これがさらに広がり、福島の拡散状況と同じであれば、8時には次の図程度になります。

ヨウ素131大飯08時岐阜・名古屋
3月15日8:00段階

 そして汚染域はさらに広がっていきます。

ヨウ素131大飯10時岐阜・名古屋
3月15日10:00段階

 場合によっては浜松の方まで、汚染が広がることが考えられます。
 さてこの地域、放射性セシウム汚染について作図した際、気象庁のデータを見ていて気づいたのですが、意外にも東風が吹くことがあります。その場合、汚染域は西、鳥取方向に広がることになります。汚染域が海ではなく陸へ回り込んだ場合を考え、汚染域の図を裏焼きし、重ねあわせ作業を行なった地図が、次の三枚です。

ヨウ素131大飯04時鳥取
3月15日4:00段階

ヨウ素131大飯08時鳥取
3月15日8:00段階

ヨウ素131大飯10時鳥取
3月15日10:00段階

 以上のようなケースとは違い、気象庁のデータをパラパラと見た限りでは、原発立地県の県庁所在地、福井市方向へは滅多に風が吹かないようなのですが、それで安心されるといろいろな意味で困りますから(「あれっ、原発事故の今日に限ってこっちへ風が吹きましたね」ということもあるもしれませんし)、とにかく作図だけはしておきます。

ヨウ素131大飯04時福井・金沢
3月15日4:00段階

ヨウ素131大飯08時福井・金沢
3月15日8:00段階

ヨウ素131大飯10時福井・金沢
3月15日10:00段階

 この場合、富山あたりでも汚染される可能性があるということになるでしょう。


 以上はもちろん、福島でのシミュレーションを単純に玄海原発に重ねあわせただけですので、現実は違った展開となるでしょうが、原子力防災を考えるうえで、一応の参考として、頭に入れておいて悪くはないでしょう。


(図の説明) 背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。


【補足】
 政府/原子力安全委員会による公式の放射性ヨウ素汚染地帯は → こちら
     (実際の測定で出てくる原発南側の汚染地域がほとんど捉えられていません)
 それを福井原発銀座の地図に重ね合わせた図は → こちら



コメント:
いつも素晴らしいfiguresをありがとうございます。

ひとつお願いがあるのですが、伊方原発からヨウ素131が流出した場合の合成像を、大飯原発の時と同様に作成していただけないでしょうか。安定ヨウ素剤を服用すべき黄色の地域がどの程度まで及ぶのか大変気になります。どうぞよろしくお願いします。
[2012/04/18 04:42] | 正岡四季 #gkVY2GAA | [edit]
正岡四季 様

 当ブログ見ていただいてありがとうございます。伊方原発事故におけるヨウ素131の拡散状況については、これまで、松山・広島方向(http://fkuoka.blog.fc2.com/blog-entry-271.html)と、大分・高知・北九州方向(http://fkuoka.blog.fc2.com/blog-entry-272.html)について作成してみました。もっと別の方向もあったほうがよかったですかね。あとは、山口市直撃パターンかな?
[2012/04/18 10:55] | ぽちたまみけ #- | [edit]
ぽちたまみけ様、

当該ページを拝見しました。ありがとうございます。原発立地県の愛媛はもちろん、山などの障害物がない大分方向に風と雨が降れば被害は甚大ですね。

周囲で最大の人口がある広島に向かう風の可能性もありますでしょうか。よろしければ広島、山口方向も作図していただければありがたいです。どうぞよろしくお願いします。
[2012/04/19 00:01] | 正岡四季 #- | [edit]
正岡四季様

 作成してみました(http://fkuoka.blog.fc2.com/blog-entry-308.html)。広島は一応作成してありますので(http://fkuoka.blog.fc2.com/blog-entry-271.html)、山口と岡山方面にしてみました。
[2012/04/22 14:50] | ぽちたまみけ #- | [edit]












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