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なぜ原発やめると経済が落ち込むのか?

2012-07-02
 3月の風景、よく見かけるのは、きれいに舗装されていた道路を、ボコボコに掘り返している工事。もちろん、年度末に未消化の予算を使い切るため、意味もなく掘ったり埋めたりしているわけですが、おかげで建設業界は“やっと年度末が越せる”、ということになります。
 不景気の時、よく見かけるのは、意味のない大型公共工事、いわゆる箱モノ行政です。使う人のいないホール、通る車のない高速道路、乗る人のいない新幹線、こういったものがしばしば作られます。何であれ、それで景気浮揚効果が発生します。
 なんのことはない、無意味なものでも金が動けば、それで食える人が生じますし、GDPのような経済統計指標も上がります
 原子力発電の最大の“美点”は、危険な発電方式で発電するためにバカバカしく立派な設備を必要とすること、警備や環境対策にも多大の支出を要すること、そして、やり方によっては核廃棄物処理に、発電所本体を運営する以上の経費を必要とすることです。これだけ高額な出費を必要とする経済活動が、経済を押し上げないわけはありません

 もし今、これまでの半分の投資・運営費で、これまでどおりの発電量が確保できる方式があったとして、それに切り替えたら何が起こるか? 電力業界が“稼ぎ出していた”GDPの半分が失われ、その半分で食っていた多数の人々の収入も職も失われ、深刻な不況が訪れることになります。

 さてしかし、それならば無意味に高い発電を続ければ良いのか? 日本経済が好調で、多少の不採算部門に湯水のように金を注ぎ込んでも全体として経済成長していける、という状況ならば、経済学的には、それも選択肢の中に入ってくるでしょう。公共投資の結果、景気がよくなり、税収が伸び、もともとの公共投資額を上回るならば、この種の投資は成功したことになります。しかし現今、そんな情勢にないことは現在の国債残高が雄弁に証明しています。かくして今、野田内閣がやろうとしていることは、長年の公共投資のつけを何とかするために消費税増税を行なうことです。名目は“福祉のため”でも、要するに、福祉に消費税を充てたなら、それで浮いた予算でなんとか国債残高の増大を食い止めようということです。はっきり行って、無駄金を出していられるほど、今や日本経済に余裕はないはずです。

 このところ我々が目にしてきたのは、“原子力発電が格安、ただし廃炉費用・核廃棄物処理費用・地元対策国庫補助金は計算に入っていないけど”みたいな、変なコスト計算ばかりでした。これがどんなにヘンかというと、原子力発電が本当に格安だと、実は、原発やめても、経済的打撃にはなりません。コスト計算とは別に、電気料金は総括原価方式で算定され、きちっと無駄に高額の集金がなされ、要するに実際に金がかかって(金が動いて)いるから、それをやめると経済的打撃になるのです。おおい町や玄海町、あるいは福井県やかつての福島県を見てみれば明らかです。無駄金が地元に落ちているから、経済効果があるのです。もちろん電力会社が無意味に肥え太っていることも経済効果です。

 で、ここでおかしな話になるのですが、それならば、原発推進派が言うように“再生可能エネルギーが高くつく”ならば、実は日本経済は打撃を受けない、ということになります。そこに企業活動を行なうマーケットが創出され、それがGDPに加算されていくからです。

 7月1日の朝日新聞「私の視点」では、大阪大学フェローの小野善康氏の投書が掲載されていました。

雇用最大50万人
(朝日新聞7月1日西部本社版朝刊)

 現在の日本のような“人あまり”状況であれば、発電方式の再生可能エネルギーへのシフトは、雇用を創出するメリットが非常に大きく、経済全体としてはダメージは少なく、むしろプラスに働く可能性が高い、という議論でした。身も蓋もない言い方をしてしまえば、要するに電気にはどうせそれなりの金を支払うのだから、そこに職はでき、経済は回る、原子力にこだわらなければならない理由はない、ということだと思います。

 と、いうところで、政府のエネルギー・環境会議が出した、2030年の発電比率の選択肢です。

2030年エネルギー比率表
(朝日新聞7月1日西部本社版朝刊)

 原発廃炉40年ルールを廃するか、新しい原発を作っていかないと(あるいは両方やらないと)達成できない「20~25%」という選択肢を除外し、「ゼロ」と「15%」を比較すると、大きく異なるのはGDPへの影響ということになります。最小・最大同士比較すると、原発ゼロでは、6~15兆円、GDPが低くなります。ここまでの話しを読んでいただけた方なら、すぐ了解していただけると思いますが、これは、「あ、それ、少ないほうが余計な負担が減って助かる」という話しです。既に我々は経済産業省・安井正也・官房審議官の犯罪的行為によって19兆円負担させられています。この6~15兆円という差額は、要するにそういう金です六ケ所村は潤ったかもしれませんが、無駄にバラ撒かれた金は、後から借金として我々にのしかかってきます。赤字国債としてか、電気料金として。しかも原発は、単なる公共投資と違って、核廃棄物と、いつ事故が起きるかわからない危険負担という、おまけ付きです。

 原発やめると経済が落ち込む、GDPで言えば確かにそうです。しかも再生可能エネルギー発電のコストダウンが予想以上にうまく行ったりしたら、もっと落ち込むかもしれません。大いに結構!! こういう数字は、断固落ち込ませなければいけません


(ちょこっと加筆・修正しました 7/2 17:30)

【続編】→ 「なぜ原発作ると経済が落ち込むのか?


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