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原発をめぐる固定観念をどうにかしよう!!

2012-08-27
 原発推進派、特に経産省が国民に背を向け、電力業界の利益のために国民に吹っかけてきた無理難題、このために、現在の脱原発議論はひどく歪んでいます。今後、脱原発を議論するためには、この無理難題に関する不必要な思い込みを払拭していく必要があると思います。

 まずは既にバレているウソです。「原発がないと電気が足りなくなる」、そんなことはありません。当ブログではかつて「夏場の電力不足というウソ」という記事を掲載しましたが、今やほぼ夏の終わり、結果は出ました。原発依存率最大の関西電力でさえ、ちょっとした電力融通があれば、大飯原発など再稼働しなくても大丈夫だったことが判明 → 「原発なくても夏乗り切れた? 電力、ピーク時でも余裕」(リンク先は、朝日新聞8月20日記事を掲載したブログページ)。
 原発依存率2位の九州電力では、次の記事のような状況です。

節電目標ウソ
(朝日新聞8月27日西部本社版朝刊)

 昨年比で言えば3%節電で済むものを、わざわざ一昨年の値を持ってきて10%と、数字を大きく見せかけているのです。もともと電力不足は誇大広告、経産省の吹っかけた(ありもしない)無理難題だったのです。

 さて本日の本題、「原発がないと電気料金が2倍にも3倍にも上がる」、大ウソです。まずは、こんな試算もあります。原発ゼロで電気代半額だそうです。

電気代半額
(朝日新聞8月22日東京本社版夕刊)

 これは「省エネ対策などを行なえば」という話ですが、実はその必要さえありません。沖縄電力は最初から原発ゼロでやっていますが、本土と比較して電気料金15%増し程度。それも離島による増額分を差し引けば9%増しに過ぎません。“規模の経済”において不利な立場にある沖縄で、こんなものですから、本土でまじめに経営すれば、これより更に低額にすることが可能です(できなければ、電力会社経営者が無能ということです)。
 さらに、実はまだまだ電気料金は安く出来ます。なぜならば燃料価格、「日本企業の長期輸入契約の価格は現在100万BTUで約16ドル。米国の6~7倍、欧州と比べても5割は高い」からです。電力会社が燃料代に支払った代金は、そのまま総括原価方式で利用者から巻き上げられるように、現在の電気料金制度は出来ていますので、こんなバカ高い値段を燃料代に支払って、その結果、電気料金が上がっているのです。

 そして原発廃止で電気代が高くなるもう一つの理由、「原発廃止には、代替エネルギー源として高価な自然エネルギーの利用が不可欠」、これもウソです
 とりあえずガスコンバインドサイクル発電利用すれば、原発と比べてCO2の排出も増えもせず、普通に火力発電で安価に電気を供給できます。もちろん自然エネルギーの利用は理想なのですが、現実問題としてまずは普通に安くつく発電の利用から始めたって悪くはないはずです。狡猾な経産省は、脱原発派の主張“自然エネルギーの利用”を巧妙に自らの政策に取り込んで、脱原発コストを高く見せるために最大限、活用しています。こういう利用のされ方、ちょっとまずいです。全量買い取り制度も、あまりに高価な買い取り価格は、新たな電力利権を生むだけです。(と、ここまでは「不可欠」という思い込みへの反論。でも本当に言いたいのはこの先↓)
 そもそも、自然エネルギーの利用が伸びないのは、地域独占・原発推進の電力会社が妨害工作を行なっているためですから、まずそれを改善(地域独占廃止・電力自由化・発送電分離)してからでないと、話しはどんどん歪んでいきます。生半可な知識の政治家が「エネルギーの地産地消」などと言うのも、議論がおかしくなる原因の一つです。自然エネルギーを効率よく利用することのできない現在の日本の電力制度をそのままにして、無理に自然エネルギーを導入しようとすれば高くついてしまいます。話しの順序をまず正す必要があります。特に風力発電なんて、もともと安価なものです。スペイン、アイルランド、ポルトガル、ギリシャ、昨今経済危機で世界に名を馳せている国々ですが、どこも日本より風力発電を多く利用しています。まだまだ経済発展途上のインドだって、日本よりも多く風力を利用しています(人口あたり)。安いから、使えるのです。自然条件がどうのこうのという話もありますが、現実に日本で最大の風力普及阻害要因となっているのは、電力会社による接続拒否です。このあたりをまず整理して、安価な自然エネルギーから利用していくぺきです。(以上、「高価な自然エネルギー」という刷り込みへの反論。)

 最後に、よくあるフレーズ、「安全か経済か」という言い方。これこそ最大の勘違いなのですが、長くなりましたので、これについては次回。


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