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驚愕の放射性ヨウ素の拡散

2013-01-13
 NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~」が放送されました(1月12日午後9時00分~10時13分)。まずは画面をデジカメで撮ったものです。(凡例の位置は移動しています)

ヨウ素131新番組キャプチャ

 福島原発事故時、3月15日11:00の放射性ヨウ素131の拡散状況のシミュレーション画像です。ちょっと撮影に失敗してまして色が抜けてしまっていますが、関東地方すっぽりと汚染されています。
 シミュレーションで描出された放射能雲、ゆらゆらと揺れて広がり、まるで線香の煙を見ているようです。問題は、それが放射性ヨウ素131だということです。
 ゆらゆらと広がったり吹き流されたりしていますから、この図のような状態はそう長くない(といっても数時間は同じようなもの)ですが、この時間帯、屋外で大気を吸い込めば、一定の被爆は避けられません。上の写真は関東方面ですが、もちろん仙台・盛岡方向に“煙”がかかる時間帯もあります。いずれにせよ新たに掘り起こされたデータによるシミュレーションでは、今までのSPEEDIの予測図とは大幅に異なる状況が見て取れます。
 さて、上は一時点のものですが、これに対し累積量としては次の図のようになります。テレビで示された図は福島近県のものでしたが、多少とも広い視点で見るとどうなるか考えたくて(のちのちの布石もあって・・・)、汚染域を撮影したものを独自に地図に重ねてみました。かえって小さく見えるようになっているかもしれません。また、もともとの図がそうだからですが、汚染域の北の方は切れています。

放射性ヨウ素拡散推計図新

 やっぱりかなり深刻です。放射性ヨウ素131の総排出量は20.6京ベクレルと推定されていました。チェルノブイリ事故の1/10相当だそうです。

 番組内容は以前放送され、当ブログでも紹介した、NHK教育「ETV特集『ネットワークでつくる放射能汚染地図(5)埋もれた初期被ばくを追え』」のまんまなフォローアップでしたが、やはりシミュレーションの画像など見ていると強烈な印象を残す内容でした。再放送は、1月19日(土)午前1時30分~2時43分(18日深夜)とのことです。



・背景とした地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。




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http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%8A%E6%B8%9B%E6%9C%9F#.E3.81.84.E3.82.8D.E3.81.84.E3.82.8D.E3.81.AA.E7.89.A9.E8.B3.AA.E3.81.AE.E5.8D.8A.E6.B8.9B.E6.9C.9F.E3.81.AE.E4.B8.80.E8.A6.A7

ヨウ素の物理的半減期が約8日程度なのはよく知られているのに、その生物学的半減期が138日と、異常に長いことは全く知られていない。NHKのこの番組で関心が高まって、ヨウ素の生物学的半減期について多くの人が取り上げるだろう、と思っていたら誰もやらない。生物学的半減期とは、体外へ排出される時間のことで、これが長いほど一旦取り込んだら排出されるのに時間がかかる。主要な核種についてはWikipediaの表がある。ヨウ素の場合物理的には数週間でほとんどなくなるが、生物学的半減期は半年近くだから一旦取り込んだら体内でほとんど崩壊して二度と排出されないというわけだ。ヨウ素というのは一旦取り込んだら取り返しがつかない。二度と排出されない。物理的に数週間でほとんどなくなることはよく知られているのに、一旦取り込んだら排出されないということはなぜか全く知られていない。
[2013/01/14 14:13] | erstea #- | [edit]












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