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肝心なことは言わないNHK「Nスペ"核のゴミ"はどこへ ~検証・使用済み核燃料~」

2013-02-11
 相変わらずのNHKです。NHKスペシャル「"核のゴミ"はどこへ~検証・使用済み核燃料~」(2月10日21時00分~21時49分)、なんかいい線行きそうになって引き返す、もう一言、言うべきことを言わない。なんで読み筋読めないかな~。

 番組中、実は使用済み核燃料再処理政策、経産官僚からは“高すぎる”とされ、電力会社からは“リスクかもしれない”と評され、方針転換も模索されていたと紹介されます。六ケ所を止める必要があるとした、9年前の経産省内の文章なんてすごいもんで、「核燃料サイクルについて政策的意義は失われている」、そして「もう、世の中を誤魔化しきれない」とまで書いています。こんな文章、よく探してきたものです、NHK。
 しかしそれでもなぜ、使用済み核燃料再処理政策は続いたのか。福島事故後、政府が政策転換を検討しているなか、原子力ムラの連中(日本原燃 東電 内閣府 経産省 原子力委員)は、原子力委員会において秘密会議を開いていました(たぶんこれ → 「ウラン節約」ウソだった!電事連「再処理は原発維持のため」)。ここでは六ケ所村死守、再処理政策維持がたくらまれていました・・・と、番組は続きます。
 秘密会議でのやりとりそもものが収められたビデオが番組で再生されます。
 で、「再処理をやめたら原子力は立ちゆかない。再処理は原子力発電の生命線だ」(東電元役員)、です。あれ、電力会社も“リスク”と考えてたんじゃないの?? なんですが、番組では、再処理政策やめると使用済み核燃料が青森県との契約に基づいて原発に送り返され、置き場の余裕がない原発の運転ができなくなるから、という文脈で番組が続いていきます。まあ、この要素は確かに大きいですし、今回の番組の主題でもありますから、とりあえず是としておきましょう。でもこの番組の問題はその次です。現実場面での政策変更への障害(政策変更できない理由)についてのコーナーへと番組は続きます。
 再処理をやめるという政策変更の際の障害は、民間企業として運営されている日本原燃(再処理会社)が方針変更により資金調達できなくなり潰れることだと、話しの焦点はこの点に向いかます。このあたりのやり取り、ちょっと書き起こしておきましょう。

内閣府職員「六ケ所の再処理は動かさないといけない」
日本原燃「ありがとうございます」
内閣府職員「そこに尽きるのかなと思っていて」
内閣府職員「それが潰れるようなシナリオは書けないので六ケ所は続けましょうねと・・・」
(ここでNHKの説明--この会議で日本原燃は資料を配布、“再処理うまく行かなくて、これまで借金1兆円。再処理政策が見直されれば銀行の融資が止まり経営危機に陥る”と訴えた)
日本原燃「私企業としては大変困る」
日本原燃「なんらかの救済策が必要になって来る(年間)3千億円ぐらいのキャッシュは必要になる」
日本原燃「知っておいて欲しいのは(日本原燃が)国立研究機関であれば、いつでも(再処理を)止められると思うけど」
原子力委員「おっしゃる通り民間企業だからね」
日本原燃「民間の場合止めろと言われるとお金が回らなくなるので困る」
原子力委員「銀行が(日本原燃に)お金を貸さなくなっちゃうってこと」
日本原燃「六ケ所も早く引き上げてとなってきちゃうと全然あちこちがみんな通らなくなっちゃう」
日本原燃「そこを上手にうまく なんていうか そうそうことにならないように・・・」

 いや、話はなかなか興味深いものですが、これじゃ、再処理政策変更のための障害は日本原燃が潰れてしまうことだ、ということになってしまいます。なんかヘンです。いくら国策企業だとはいえ、一私企業のためだけに国の政策が決まったり、それが原子力発電の「生命線」だったりするというのは、なんなんでしょう。実は、ここには、より重要な問題の断片だけが表れていると考えるべきです。日本原燃も言っています、「全然あちこちがみんな通らなくなっちゃう」と。
 本当は電力会社自身にとってこそ、政策変更は大きなリスクなのです(この番組でも、電力会社元幹部の“リスクかもしれない”という発言を紹介している通り、まんまです)。使用済み核燃料は、再処理用リサイクル資源としておけば、資産ですが、再処理予定がなくなればゴミ処分費用が莫大にかかるとんでもないゴミです。番組でもちらっと、“再処理政策やめると、資産がゴミになってしまう”と触れる部分があるのですが(番組開始38分ごろから)、それだけ。このことがどれだけの意味を持つのか、NHK取材班には全く分かっていないようです。
 当ブログでは「使用済み核燃料という資産」が「ゴミ」になると、どの程度電力会社全体の資産が毀損するのか、計算してみたことがあります → ここ
 東京電力では、固定資産の6.4%が吹っ飛びます。このことはそれ自体大変なことでしょうが、電力会社の場合、それだけではありません。普通の会社とは違って、これは次の深刻な問題を引き起こします。電気料金が下がってしまうのです。現在の電力料金の算定方式の要となるレートベースの計算には、電力会社の資産評価が大きく入っており、電力会社の資産減少は、電気料金の引き下げにほかなりません。電力会社は資産を失った上に、収入も失うことになります。これまでの“濡れ手で粟”の電気料金算定方式(だって、ゴミで儲かっていたのですから)から反動が来ます。はっきり言って、原発依存度の高い電力会社は潰れるでしょう。

 かくしてこの番組の「残念」ぶりは、番組の次の場面で明らかになります。
 NHKは、上のような秘密会議について、日本原燃に質問状を出し、解答を得ています。解答に言います、
「当社は、国策に基づき、民間として事業を進めてきました。その国策を突然変更されることになれば、影響が出るとともに、対応が必要になる事実を一般論としてご説明したものです。・・・なお、仮に再処理事業が中止となれば、一般論として、電力会社や自治体の財政にも影響はあるものと考えられます。」
 日本原燃は何を言ったのか、「電力会社・・・にも影響はある」すなわち“再処理やめたら電力会社、潰れるぞ”と、脅しを掛けたのです。そうでなければ日本原燃程度、トカゲの尻尾きりで潰せば済むことです。政府も電力も日本原燃に逆らえない、こんな変な状況があるのは、この恫喝が効くからです。

 NHK取材班にはこれが見えません。番組はこのあと、のこのこと秘密会議に参加した鈴木達治郎委員長代理にインタビューに行き、「いわゆる利害関係です」という言葉を引き出します。「原子力政策を50年間続けてきた制度とか組織をそのままにして、政策変更の議論をするってこと自体にどうしても制約があったのかなと・・・」。いや、当たらずといえども遠からずと言えばそうですが、肝心のところは表現されていません。いや、当方としては、NHK取材班が意味がわかってなくても、資料を提示してくれたので、それで了としてもいいんですけど、いや~、実に残念。


[おまけ]それにしても、「複雑な利害関係」と話をもっていったなら、あれはやっぱり触れておくべきだったのではないでしょうか。使用済み核燃料最終処分地を探す原子力発電環境整備機構(NUMO)、経産官僚の天下り先ですから、経産省も切るわけにいかないと。これもまた残念なNHK。


[エピローグ]そして人々は高額の負担を強いられ続けることになる・・・電気料金という形をとるか、税金という形をとるかはともかくとして。


(追記)日本原燃についての記事をアップしました。

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