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有害?無害?トリチウム「40兆ベクレル放出」の衝撃

2013-08-04
 「【福島第1原発の汚染水】トリチウム40兆ベクレル/規制委『土の壁』越え流出指摘/対策怠り大量流出に」(47ニュース=共同通信8月3日)

 数字が大きすぎてなんとも目まいがするのですが、「東京電力は2日、2011年5月から今年7月にかけ、汚染水に含まれて流出した放射性物質のトリチウムの量が20兆~40兆ベクレルに上るとの試算を明らかにした」(上掲リンク先)そうです。
 もっとも、産経新聞によれば、「保安規定上のトリチウムの年間放出基準値は22兆ベクレル」で、「各地の原発でも年間数百億~100兆ベクレルが放出されている」そうですから、ま、そんなものかと、原発推進派にとっては何ということもない数字なのでしょう。
 一方、脱原発派にとっては、「福島はもちろん、ほかでもそんなに垂れ流しているのか!!」という重大事ということになります。
 福島について言えば、既に7月23日に めげ猫「たま」さんが警告していたように、近日中に地下水位は上昇し、堤防を超え、大量の汚染水が海へ流出するでしょうから、また現状から飛躍的に放出トリチウム量が増えることが予想されます。

 で、ところで「トリチウム」って何? 毒なの? と、いうことになりますが、一部の脱原発関係ブログには「猛毒」と書いてあるものの、多くの原子力関係機関のHPでは、ほとんど害はないようなことが書いてあります。そして「原子力資料情報室」のような反原発運動の理論的支柱を担ってきたHPでも、強い毒性が強調されてはいません

 さてトリチウム、ほんとのところはどうなのでしょうか?
 まず、害がないという主張、これはトリチウムが出す放射線がとても弱いことを根拠にします。崩壊する際に出るβ線は弱く、皮膚すら貫通できない程度ですので外部被曝は無視できるとされます。一方、内部被曝は、(水素と同じ化学的挙動を示す物質ですから)水として体内に取り込まれ、それなりの影響を及ぼすかもしれませんので、検討されます。そして、これについても比較的低レベルの被曝で済むといったことが言われています
 ということで、これまで、国の基準もひどく緩い、上掲の産経記事のような22兆ベクレルとかなっているわけです。

 さてしかし問題は、そこから先です。トリチウムはβ崩壊しβ線を出しますが、放射線の方はともかくとして、本体はβ崩壊した後、ヘリウムになります。つまり、化学物質として、水素からヘリウムになります。このことの方が、実は問題ではないのか、というのが、トリチウム猛毒説の根拠となります。『放射線被ばくによる健康影響とリスク評価』(欧州放射線リスク委員会 ECRR著)によれば、「同位体トリチウムは水素のひとつの形態であり、生命体における生化学的プロセスは水素結合(Hydrogen Bond)と呼ばれる弱い結合に依存しており、それは、すべての酵素系を橋渡しして支えており、DNAのらせん構造を一つにまとめあげている。そのようなトリチウム原子のヘリウム原子(それは不活性で、化学結合を担えない)への突然の崩壊は、そのような巨大分子の機能や通常のプロセスに対して壊滅的な影響を与える可能性がある。」(p.80)ということになります。

DNAモデル図Rasmolによって理想DNA-B-DNA PDB-を描画)

 上図はDNAのモデル図で、白い丸が水素です。多数ある白丸のどこかにトリチウムが入り込み、突然ヘリウムになります。これが水素結合を崩壊させると、上掲『リスク評価』は記載します。
 しかし水素結合も重要そうではありますが、でもここにはもっと重要な問題がありそうに見えます。水素が突然ヘリウムになると、電子バランスが崩れます。電子1個の水素原子が電子2個のヘリウム原子になるのですから、電子が足りなくなって外から電子を取り込みそうです。フリーラジカルの出現と酸化・還元反応が起こるはずです。これは水素結合がどうのという弱いレベルの反応ではなくて、強力な化学反応です。上掲『リスク評価』はなぜこっちを問題にしないのか、理解に苦しみます。つまり、フリーラジカルが老化に作用していると、タニタも指摘するような事態(結局DNAの損傷なんですけど)が、DNAの外部からの攻撃としてではなく、極めてミクロなレベル、DNAの内部で出現する可能性があります。そしてもちろん、老化の1つの現れがガンの発生です。

 さてそこで問題は、「ほんとにDNAにトリチウムは取り込まれるの?」ということでしょう。トリチウムは化学的にはただの水素、ただの水ですから、選択的に取り込まれるかどうかは判りませんが、取り込まれないはずはないということになるでしょう。

 ただここで研究上、大きな問題がありそうです。DNAは、どんどん代謝していくようなものではなくて(生命の設計図ですから)、新しい細胞が作られるときに半分づつ(設計図のコピーをとって)作成されていきます。トリチウムの取り込みもゆっくりとしたものとなるでしょう。トリチウムの半減期は12.32年ですから、ゆっくり取り込まれても充分に残留し、しかも取り込んだ人間のライフタイムの間に崩壊するくらいの“都合良い(恐ろしい)”崩壊ペースですが、研究者にとっては都合良くはありません。多くの研究プロジェクトは、単年度から2~3年程度の日程で組まれます。長期的・慢性的な影響の研究は、検体を自前で用意しなければならないとしたら、バリバリと成果を上げようとする研究者は取り組みません。
 そして実際、ネットで検索しても、トリチウムの慢性毒性についての研究はほとんどなく、「今後の課題」とのみ言及されるくらいです。
 と、いうことで、結局、あまり研究されないまま、放置されそうです。

 う~ん、困った・・・。


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