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欠落している2つの数字/川内原発・火砕流対策

2014-06-04
 姶良カルデラが破局噴火した場合、火砕流の直撃を受ける川内原発、規制委の適合性審査会では「モニタリングで対応」となりました。しかしどう対応するのでしょう。最も重要な2つの数字なしに「対応」などできないはずなのですが、この数字、審査会に出てきたことがありません。
 まず必要なのが、噴火の何ヶ月前から、噴火を予知することができるのか(a)、です。つまり噴火予知後、対応策を取るのに、どれだけの時間的余裕が有るのか、という問題です。
 次に必要なのが、原発を停止し、核燃料を安全な所まで避難させるのに必要な作業時間(b)です。火砕流の直撃を受けたら、人間(原発作業員)は生き残れません。原発施設・送電線等も大きなダメージを受け、メルトダウンからメルトスルーに至るのを防ぐことはできません。一方、放射性物質(核燃料)は、火山灰に埋められても、原子炉がメルトダウンすれば環境に放出されます。全くお手上げの状況になります。つまり、破局的噴火の前に、必ず核燃料を退避させなければなりません。これに何ヶ月かかるのか??
 a>b であれば、「モニタリングで対応」できますが、a<b なら、対応不能、つまり立地不適です。しかも a<b の場合、今、噴火の前兆が観測されても手遅れなのですから、一刻も早い原発の撤去作業が必要となります。のんきに適合性審査などやっている場合ではありません。
 ホントは、原子力規制委員会が多少とも人々の安全性を考えているなら、“新基準への適合性審査”よりも優先してこの数字を検討し、必要なら即座に原発撤去命令等の措置をとるべきことがらです。
 この2つの数字、かくして極めて重要な意味を持つのですが、審査会での検討の様子、はなはだ頼りないものです。

 順序前後しますが、まず(b)について・・・当ブログでは既に書いていますので、要点だけ。第95回審査会からです。

 (規制委・櫻田)「あんまり突っ込みたくはなかったんですけど、運び出すために必要な容器の手配とか、そういうお答えが返ってくるのかなと思って聞いたのですが・・・」
 (九電・本村)「ああ、そうですね、我々ができることとしては、輸送容器を調達する、輸送手段の選定、貯蔵先の貯蔵方法の検討、そこらへんが問題になってくると思います。」

 要するに、核燃料の搬出、検討してない!!
 で、その後の審査会でも今に至るまで、川内原発を“守る”話はいくらでもありますが、“放棄手順”の検討はなされていません。これでは数字(b)の計算のしようもありません。

 そして(a)です。
 第113回審査会では、島崎委員長代理、「それでは専門家の方等々と相談してきちっとしたもの(モニタリング体制)を作っていただきたいと思います」、という形で噴火予知の話を終わらせました。
 その専門家の見解が表明されています。

噴火予知困難
NHKホームページ 6月4日 スクリーンショット)

 「今の火山学の現状では巨大噴火の予測は非常に困難だ」と、火山噴火予知連絡会・藤井敏嗣会長。
 最初から予測できないんじゃ、(a)の数字を求めるも何もありません。

 この現状では、川内原発、即刻廃止、さっさと核燃料を撤去すべきです。
 はいぃっ、「撤去方法が決まってないので、できません」だとぉ!! どうしたらいいんだ、こいつら!!


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どこまでやる気ないんだ鹿児島県、川内原発の避難計画立てようなし!!

2014-05-30
 29日、鹿児島県は川内原発事故の際の避難シミュレーションを公表したとのことです。

 「9割避難、最大28時間 川内原発30キロ圏 鹿児島県想定」(朝日新聞HP 5月30日)

 上の見出し、まずは「9割」に注目する必要があるようです。記事によると、他原発・他県の同様のシミュレーションでは、「全員」が避難する時間を計算しているとのこと。鹿児島県の言い分は、「アメリカ式だと9割」だそうです。
 でもって、関連記事です↓

川内やる気なし2
(朝日新聞5月30日西部本社版朝刊)

 発表した資料「わずか4枚」で、「市町別時間なし」です。
 要するに、「川内原発が事故ったら、ま、適当に逃げてね。県は県域でのシミュレーションだけしたから、あとは市や町で勝手にやってちょうだい。なんてったって、業者にシミュレーションを発注しただけだからぁ、具体的なことは県はわからないわけぇ。つまりぃ、避難は市や町の責任ということでね、ね」ということです。
 いや~、私のお隣り、玄海原発の方も凄かったけど(「放射能雲への突撃/玄海原発3県合同避難訓練」)、こりゃあ50歩100歩くらい違うわ。(いや、何が言いたいかって、どうせ役に立たない避難計画なんで50歩100歩なんだけど、多少の形くらいは整えようという姿勢が倍くらい違うと・・・バキッ☆/(>_<;) )

 こりゃ、当然↓こうなる。

 「川内再稼働差し止め求め仮処分申請 停止訴訟の原告住民」(朝日新聞HP 5月30日)

 原子力規制委員に原子力ムラの利権まみれドロドロの大御所中の大御所みたいの連れてきて、河野太郎に噛み付かれても、「なんのこと」とバックレて取り合わず、ひたすら原発再稼働に突っ走る安倍政権=原子力ムラ政治部と、その地方支部・鹿児島県、もう何の体面取り繕いもせず、強引モード全開です。
 手抜き審査、手抜き安全対策、とくれば、事故が発生しなほうがおかしい、のですが、そこへもってきて、手抜き避難計画です。こりゃあひどいことになるぞ~怒!!


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原子力規制委員会、川内原発の火山モニタリング体制にGOサイン!!

2014-05-16
 本日、「第113回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合」が行われました。
 九電が用意してきた“姶良カルデラが破局噴火を起こす可能性を十分に小さいと考える”理由は、次のようなものでした。

姶良カルデラ基準線
当日配布資料15ページから)

 破局噴火の前には、マグマが山の下に溜まり、山体が膨張する。その膨張を2本の線で測定する(GPSによる測地)。これまでの研究によれば、破局噴火では特に急激にマグマがどんどん溜まるので、姶良カルデラの場合、これらの距離が年5cm以上のペースで増大するはず。
 だけど、↓

姶良カルデラ
当日配布資料16ページから)

 現在の増大速度は5cm/年には達していません。つまり、マグマが破局噴火につながるほどガンガン溜まる勢いはありません。ですから、破局噴火はしません。
 と、いうものでした。

 ほんとにこれで大丈夫なのか??
 ま、いずれにせよ、島崎委員長代理は「それでは専門家の方等々と相談してきちっとしたもの(モニタリング体制)を作っていただきたいと思います」、ってことで、これで九電の説明を了承です。

 ここで審査会合が終わってしまったのですが、不満だな~。次の検討があってよかったんじゃないか。
 つまり、観測してるうちに、この基準を超える事態が発生した場合には、「原子炉の停止、燃料体等の搬出の実施」(当日配布資料10ページ)を行うことになっていますが、これ、時間との勝負です。原子炉停止して燃料運びだすのにどのくらい掛かるのか。燃料棒が冷えてから、なんてこと考えると、1年くらいは簡単にかかるハズ。だから、破局噴火の前兆は、それよりも前に捉えないと意味が無いのです。
 まあ、九電が用意してきたプレゼン資料では「破局的噴火(ミノア噴火)の直前に、100年程度の時間スケールでマグマが急激に充填される」(当日配布資料14ページ)とかなっていますから、ここは突っ込まずにスルーしてしまったのでしょうが、ほんとにそれで良いのか?? なにしろ火山学者自身が「我々は巨大噴火を観測したことがない。どのくらいの前兆現象が起きるか誰も知らない」(火山噴火予知連絡会長・藤井敏嗣・東京大名誉教授)と言うくらいですから。
 いや、そういう意味で言えば、“山体の膨張が5cm/年以下なら破局噴火しない”というのも、とりあえずの仮説の域を出ていないはずです。噴火してから「想定外」じゃ困るんだけどな~。

 それに姶良カルデラ(桜島)については、「大正噴火と同程度の噴火活動を起こすポテンシャルも獲得しつつある状態であると推察している」という言葉も引用されています(当日配布資料12ページ)。

大正噴火
大隅河川国道事務所HPから、「大正大噴火」)

 この噴火、wikipediaによれば「火山灰は九州から東北地方に及ぶ各地で観測され、軽石等を含む降下物の体積は約0.6km3、溶岩を含めた噴出物総量は約2km3(約32億トン、東京ドーム約1,600個分)に達した」とのことです。
 この規模の噴火なら、いつでも起きるわけです。風向きが川内原発に向いていた時、人力だよりの火山灰対策でなんとかなるのか、やはりかなり危ないとしか思えません。


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川内原発の噴火対策(=「噴火対策もやっています」と言い逃れできる体制づくり)始動!!

2014-05-13
 本日の共同通信から、スクリーンショットです↓

川内原発火山監視体制
47NEWS=共同通信 5月13日

 あまりにいい加減なところで審査を打ち切った川内原発の火山噴火問題、さすがに現状のまま再稼働へ突き進むのは原子力規制委員会としても、ためらわれたようです。火山の専門家を入れて、噴火予知の判定をする会合を設置して、体制を整えるようです。
 しかし、火山噴火予知連絡会長・藤井敏嗣・東京大名誉教授が、「我々は巨大噴火を観測したことがない。どのくらいの前兆現象が起きるか誰も知らない」と発言する状況下で、判定会が有効なものとなるとは、とても考えられません。行政上の格好だけつけられても困ります。現実に、巨大噴火を予知できる知識・能力がないのですから。

 無理のある小細工はやめて、原子力規制委員会の内規、「設計対応不可能な火山事象が原子力発電所に到達する可能性が十分小さいと評価できない場合は、原子力発電所の立地は不適と考えられる」(4.1(3))にちゃんと従い、川内原発には立地不適の判定を下すべきです。


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川内原発の火山リスク、「誰も知らない」!!

2014-05-09
 あれ、きのう予告されていた本日の原子力規制委員会の「新規制基準適合性に係る審査会合」、地震・津波といっても、大飯・高浜で、川内じゃないんだ。これ↓どうするんだ!!

川内原発火山リスク
(朝日新聞西部本社版朝刊 5月8日)

 「我々は巨大噴火を観測したことがない。どのくらいの前兆現象が起きるか誰も知らない」(火山噴火予知連絡会長・藤井敏嗣・東京大名誉教授)のだそうです。「第107回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合」で出たあの疑問、解消不能ということではないですか。

姶良カルデラ危機一髪
九電提出資料から)

 森田・安全規制調整官「(71ページの“右肩上がり”のデータについて)既に(カルデラ破局噴火の)最終的な(マグマ)供給段階に入っていないと言えるのか??」。
 つまり、この、各観測地点間の距離が開きつつある(つまり、山が膨張中・・・地下にマグマが溜まってきている)という現在のデータ、巨大噴火の前兆なのかそうでないのか「誰も知らない」、誰も判断できないということです。

 上の朝日新聞記事では「島崎代理は、観測でとらえられない研究事例が出れば『判断を変えないといけない。立地不適となる』と釘を刺す」と記していますが、そんな事態じゃありません。
 原子力規制委員会の内規、「原子力発電所の火山影響評価ガイド」4.1(3)の後半には、次のように記されています。

 「設計対応不可能な火山事象が原子力発電所に到達する可能性が十分小さいと評価できない場合は、原子力発電所の立地は不適と考えられる。

 「誰も知らない」ということは、まさに「可能性が十分小さいと評価できない」わけですから、「立地不適」以外のなにものでもないじゃないですか。ちゃんと内規に従って判断を下すべきです。

 朝日新聞の記事では「東大地震研究所の中田節也教授(火山学)は『本来あの場所には建てない方が良かった』と話す」となっています。群馬大学の火山学者、早川先生も、巨大噴火の発生は予測できず、巨大噴火による火砕流が発生すれば、地形的に川内原発は直撃されるとしています。

 こんな原発、再稼働を云々している場合じゃありません。早く撤去しなければいけません。


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インチキ審査は進む・・・再稼働へ突き進む川内原発“新規制基準適合性”審査

2014-05-08
 本日午前、原子力規制委員会の「第110回 原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合」が行われました。内容は川内原発の再稼働に向けた新規制基準適合性審査で、原発自体に関わる技術・管理・事故対策関係でした。(地震・津波・火山関係は明日、5月9日開催予定

 この会合について産経新聞は、「川内原発、申請書類に不備27項目 優先施設、再稼働さらに遅れか」(msn産経ニュース 5月8日)と報じ、読売新聞も見出しでは「遅れ」と書かないものの「九電は不備を修正し再提出する方針だが、作業に手間取ると、夏にも可能とみられている再稼働が遅れることになる」(読売新聞HP「川内原発書類42か所不備、審査議論反映せず」5月8日)と伝えています。ちなみに、小項目で数えるか、大項目で数えるかで、修正箇所が27になったり42になったりしています。
 両紙の記事を見ると、本日の審査会合によって、再稼働が遅れるような書きぶりですが、朝日新聞は「規制委は抜け落ちのない項目の審査書案づくりは進める方針で、すみやかに追加提出されれば審査書案の作成期間に大きく影響しないとみられる」と記し、本日会合の内容は川内原発審査の大勢に影響しないと見ています(朝日新聞HP「川内原発、審査書類不備は42件 規制委、追加提出要求」5月8日)。

 ま、本日の会合の責任者、更田・原子力規制委員のまとめ部分の言葉が↓これですから、九州電力がよほどのドジでない限り、朝日新聞の見方のほうが現実に近いと思われます。

更田20140507
(↑埋め込みコード無効設定になっていますので外部リンクさせてあります)

 要するに「内容そのものについては既に審査会合において説明を受けています・・・議論も終えていますので・・・既に説明された内容を・・・申請書の内容として放り込んでもらえば良い」(更田発言要旨)ということで、“今さら議論することはない”、やらなきゃならないのは事務作業だけ、というわけです。

 さてしかし、本当にそうなんでしょうか??
 本日の会合でひたすら読み上げられた唯一の資料、「資料1」の最終項目です↓。

コアキャッチャー代替
「第110回 原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合」資料1

 「炉心損傷防止対策・・・原子炉格納容器の機能・・・国内外の先進的な対策と同等以上」って、要するにコアキャッチャー以上の機能が備わっていると、申請書に書け、と言っているように読めます。(なお、官僚作文においては「機能」という言葉が重要!! パブコメなんてでも、この言葉はずすと、適当にあしらわれて終わります
 これに該当する審議済み書類は→「資料2-1川内原子力発電所1号炉及び2号炉 審査会合における指摘事項の回答(SA)」(「第108回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合」提出資料)と思われますが、そこに書いてあることを引用しておきます。

 「格納容器過温破損シーケンスでは、代替格納容器スプレイ開始から原子炉容器破損までに時間(約4.3時間)があり、キャビティ区画に十分な量の水張りを行うことが可能」(資料2-1、1頁)

 はは、“炉心溶融しそうになっても、水張れば良いから”、と書いてあります。なんか全然学習していません。福島で経験したことは全電源喪失です。電源が確保でき、水張り操作ができれば何も苦労しません。
 「国内外の先進的な対策」と言っても、国内は全く対策してないので問題外なのですが、国外で施されている炉心溶融対策“コアキャッチャー”は、放っておいても、メルトダウンして流れ出してくる炉心溶融物が、自然に放熱板の上に広がり、そこで食い止められるデバイスです。水を張る必要もなければ、人が操作をする必要もない、安全装備です。これと比べて、何が「同等以上」なんでしょう。バカも休み休み言え、というところです。
 こんな審査、インチキもいいところです。


【しつこく繰り返します、コアキャッチャー・・・パブコメではコアキャッチャー要求の山を規制委に突き付けましょう】

コアキャッチャー
日本原子力学会HP掲載資料から引用)

 全電源喪失し、メルトダウンが起きた時、炉心溶融物を回収するのが、「コアキャッチャー」です。流れ出してきた炉心溶融物が放熱板の上に広がり、自然に冷却するようにできています。単に冷却と言うか、炉心溶融物が平たく広がることによって、臨界を維持しにくい形状となることも重要です。
 アレバ社の原発に採用されているこの仕組、全電源喪失・原子炉メルトダウンの際に、放射性物質を原子炉建屋外に出さない最後の砦です。
 これが、日本の原子力規制委員会の安全基準では義務付けられていませんし、実際にこんなものが付いた原子炉は日本に1つもありません。日本の原子炉は冷却に失敗すればメルトダウンからメルトアウト(原子炉に穴があき、炉心溶融物が外界へ流出)に至ってしまいます。
 資源エネルギー庁は、“独自の”コアキャッチャーを内々に開発中ですが、強制冷却式ですから、冷却系の電源が失われれば「それまで」という“なんちゃってコアキャッチャー”に過ぎません。既存の原子炉内に組み込むことを想定していますので形状も小さく、十分に(臨界を維持できないくらい)炉心溶融物を広げられるか疑問でもあります。で、これさえ、“新規制基準”、義務付けていません。
 “世界一厳しい安全基準”なんて、バカバカしくて笑うしかないのが、日本の原子力規制委員会の安全基準です。


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九州電力、記載漏れ・・・原発・新規制基準・適合性審査書類

2014-05-02
 「川内原発の審査書類に不備 規制委、再提出を要求」(47NEWS=共同通信HP 5月2日)

 川内原発の再稼働をめざす九州電力、審査書類をやっと提出できたと思ったら、記載漏れでした。
 「補正書には原発の敷地外で起きた火災への対策として、森林火災の想定はあるが航空機墜落の想定がないほか、火災による高温に設備が耐えるかどうかの評価の一部で記載がなかった」そうです。

 “大急ぎで書類作成していて、ついうっかり”ということなんでしょうが、安全にかかわる書類ですから、こういうことがあってはいけない性格の作業です。
 こういう企業に原発の運転を認めてはいけません。


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暴挙!! 九州電力と原子力規制委員会、川内原発再稼働申請書類を提出・受理

2014-04-30
 「川内原発、審査最終段階に 九電、規制委に書類提出」(朝日新聞HP 4月30日)

 本日、九州電力は、川内原発の再稼働の前提になる、新規制基準への適合性に関する申請書類を規制委に提出したそうです。今後「規制委はこの書類をもとに審査書案をつくり、意見募集のうえ正式決定する」そうです。
 これまでの審査会合を見る限り、特に議論のあった火山活断層の評価についてなど、結論段階に至るようなところへは全く来ていませんでした。暴挙と言うほかありません。
 実際、火山については、

 「日本火山学会:原発対応委員会を創設 巨大噴火リスク議論」(毎日新聞HP 4月29日)
 「火山学会が原発と火山活動を議論」(NHK 4月29日)

 火山学会が原発への危険性を議論する場を設け、初会合が持たれたのが昨日、29日です。まだ全然、火山の噴火を予測できる状況になっていません。
 上の毎日の記事の中では「原子力規制委員会による(川内原発の)審査では、23日の会合で島崎邦彦・委員長代理が初動対応の必要性を指摘。規制委は川内原発の再稼働後、巨大噴火の兆候の監視体制を整えるため、有識者会議を設置する方針を決めた」となっています。
 方針を決めただけで、“有識者会議”の構成も、何をどうするのかも決まっていないわけですし、そもそも巨大噴火の兆候をつかむことができるのかできないのかさえ不明な状況の中で、とりあえず火山学会で噴火予知の可能性を議論する検討会が立ち上がった、という段階です。
 しかも、NHKの記事では「『現在の観測態勢では、大規模な噴火の規模や時期を事前に正確に把握することは難しい』という意見が出されました」となっており、火山学者から現状での噴火予知について否定的な見解が示されています。

 これは明らかに原子力規制委員会の内規違反です。原子力規制委員会の「原子力発電所の火山影響評価ガイド」4.1(3)の後半には、次のように記されています。

 「設計対応不可能な火山事象が原子力発電所に到達する可能性が十分小さいと評価できない場合は、原子力発電所の立地は不適と考えられる。十分小さいと評価できる場合には、過去の最大規模の噴火により設計対応不可能な火山事象が原子力発電所に到達したと考えられる火山については、モニタリング対象とし、5 章に従い火山活動のモニタリングを実施し、運用期間中に火山活動の継続的な評価を行う。」(9頁)

 この内規の、4.1.(1)では、「火砕物密度流」(いわゆる「火砕流」)が「設計対応不可能な火山事象」の一つとして挙げられており、九州電力は火砕流がかつて川内原発に到達していたことを認めています
 従って、原子力規制委員会は、まず(1)火砕流が川内原発に到達する可能性が十分に小さいかどうか評価し、十分に小さいと評価できた場合にのみ、(2)モニタリング体制の整備に取り掛かかるべきなのです。
 ところが、火山学会の委員会においてさえリスク評価できない(「原子力発電所に到達する可能性が十分小さいと評価できない」)状況で、モニタリング体制を設置する方針(「巨大噴火の兆候の監視体制を整えるため、有識者会議を設置する方針」)を決めており、審査合格手続きのための書類を受けとっているのです。言語道断です。

 原子力規制委員会の今回の暴挙、徹底的に批判されるべきです。


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原発“新規制基準”では、コアキャッチャーの機能は代替されているのか??

2014-04-29
 菅元首相の質問主意書に対する国の答弁から明らかになったことは、「コアキャッチャーがない」とか「航空機衝突対策二重壁が義務付けられてない」といった形で追求しても、官僚は言い逃れてしまうということでした。原発新規性基準は、そもそも“コアキャッチャー”とか、“航空機衝突対策二重壁”といった、具体的な設備・方法を規定するものではなく、必要な機能が満たされているのかを原子力規制委員会と電力事業者が検討するという手続きを規定したものだ、と言われてしまいます。
 ただ、そうは言っても、安倍首相は「世界最高水準の新しい安全基準」と言っているわけですから、そこは明確に履行してもらわないと困るわけです。

 つまり、コアキャッチャーの機能は、代替手段によって実現されているのか、と追求することができるはずです。

西日本新聞コアキャッチャー
(西日本新聞 4月27日朝刊)

 西日本新聞は、コアキャッチャーの代替として九電が行うとされている措置について記事を書いています。具体的には原子炉格納容器内に水を注入し、この水が炉心熔融物受けとなることによって、メルトアウトを阻止するというやり方です。
 あらかじめ水を入れておけば確かに炉心熔融物受けとなりそうですが、その場合、炉心溶融物と水が反応して水素が発生、水素爆発に至る可能性があるとして、いろいろと議論しています。

西日本新聞コアキャッチャー2
(西日本新聞 4月27日朝刊)

 囲み記事の中を読めば、20以上のケースを想定して、いろいろ検討しているとあります。
 原子力規制委員会の“原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合”の資料を見ていくと、「川内原子力発電所1号炉及び2号炉/重大事故等対策の有効性評価成立性確認」といったものがあり、確かに、いろいろなシナリオが検討されています。

重要事故シーケンス
(「川内原子力発電所1号炉及び2号炉/重大事故等対策の有効性評価成立性確認」H25.12.24から)

 で、事故の際どうするかというと↓

重要事故シナリオ
(出典: 同上)

 なんにせよ、まずは「重大事故等要員を召集」です。
 ちなみに、この文書の以前の版には、

召集要員
(「川内原子力発電所1号炉及び2号炉/重大事故等対策の有効性評価成立性確認」H25.8.27版から)

 のように、川内原発近辺から250人ほどの人員が集められるとしています。

 と、いうことで、九電が行うとされている措置、コアキャッチャーの機能を代替するには全く不適当です。
 なぜなら、水を入れておくにしても、後から注入するにしても、ベントをして圧力を逃すとか、水素対策を行うとか、何らかの人間による操作が必要です。
 これに対し、コアキャッチャーの場合、メルトダウンを起こした炉心溶融物、放っておけばコアキャッチャーの放熱板の上に広がり、自然に冷却して固まります。人手を必要としません。

 これがいかに重要か、川内原発の場合、火砕流なり大量の火山灰なりによって、人間の活動ができなくなる事態があり得ます。その時、人手を必要とする措置では、原発の爆発あるいは、爆発という形にならなくても、放射性物質の環境への放出を妨げることができません。つまり、コアキャッチャーの代替とはなりえません。


 「川内の審査書案作成は当初1カ月を見込んでいたが、原子力規制庁幹部は『行政官としてきちんとした審査書をつくる責務がある。そうでないと、訴訟になったときに対応できない』と話し、さらに長期化する可能性を示唆」(産経msnニュース 4月28日)したそうです。
 “訴訟できる”、ということが効いています。
 “新規制基準適合性に係る審査会合”の内容、フォローして、問題点を指摘していくのは、一定の有効性を持っているでしょう。


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川内原発、火山灰対策に当たれるのは50人程度か・・・本格降灰ならお手上げでは

2014-04-27
 ここ2日ほど4月23日の「第107回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合」での議論を取り上げましたが、その翌日、24日には「第108回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合」が開かれています。内容は主に原発機器の技術的なものが多く、北海道・関西・四国・九州の各電力ひとまとめにして質疑応答でしたので、あまり面白くなかったのですが(面白い/面白くないという話じゃないだろ、と怒られそう・・・)、九電から出された資料の中に、ちょっと気になるものが↓。

川内原発備蓄
(資料2-1「川内原子力発電所1号炉及び2号炉 審査会合における指摘事項の回答(SA)」より36頁)

 川内原発の食料等備蓄、100人分です。
 福島原発事故では最後、後に“フクシマ50(Fukushima 50)”と呼ばれる50人ほどが原子炉で作業をしていたわけですから、川内原発でも、事故時はその程度の人員が原子炉に張り付くと考えることができるでしょう。
 とすると、食料備蓄から考えて、いざという時に川内原発に居る人間のうち、福島で行った以外の作業を行える人数は、最大50人程度ということになります。
 いや、なんでこんな人数にこだわるかというと↓。

除灰
(第98回会合「資料2-1川内原子力発電所1号炉及び2号炉審査会合における指摘事項の回答」45頁)

 九電の火山灰対策は、ずばり、人海戦術です。大量の火山灰の降灰があった時、十分な人員がいないと、火山灰対策ができません。
 50人程度で大丈夫なのか??
 やらなければならないことはいろいろあります。富士山ハザードマップ検討委員会では、降灰対策として、電力について↓のようなことが挙げられています。

富士降灰対策電力
(「富士山ハザードマップ検討委員会第4回活用部会資料」から)

 これはあくまで電力一般で、発電所内や、発電所にアクセスするための交通確保を考えれば、所内・近辺で↓こんなことも必要になります。

富士降灰対策道路
(同上)

 九電は、“想定を超える火山灰の降灰があっても対応可能”なんて、無責任なことを言いますが、50人程度で、どの程度の降灰に対応できるのか、ちゃんと検討する必要があります。


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