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町田の火事はマグネシウム80kg、「もんじゅ」ならナトリウム1700トン!!

2014-05-14
 昨日、東京都町田市で工場火災がありました。

町田火事b
NHKホームページ 5月13日

 ここで問題になったのが、燃えているものの中に、マグネシウム80kg、およびアルミニウム20kgがあるということです。これらの金属は、燃えている状態で水をかけると、急激に水と反応し、水素を発生、爆発する恐れがあります。

町田火災FNN
(すぐにリンク切れとなると思われますので、スクリーンショットにリンクを張っています

 この↑ニュース映像では、放水の当たっている位置がちょっとずれた瞬間(リンク位置から4秒後)、炎の中で爆発が発生するのを見ることができますが、さてこれはマグネシウムのせいなのでしょうか??

 で、何が言いたいのかというと→「『もんじゅ』では約1700トンのナトリウムを使用」しています、ということです。
 ナトリウムは、マグネシウムよりまた一段、反応性の高いことが良く知られています。マグネシウムでは微粉末にするとか、高温の水をかけるとかしないと起こらない激しい水素発生反応が、ナトリウムなら、固まりのまま、常温で、ただの水をかけるだけで、あっさり起きます。しかも反応熱で高温になりますから、自動的に水素に火がついて爆発します↓

ナトリウム廃棄
(これもリンクにしています)

 ナレーションの最初のところ、“thirty thousand pound of highly dangerous metallic sodium”と聞こえます。「30000ポンド(≒13600kg=13.6トン)の、高度に危険な金属ナトリウム」ということですね。映像見れば得心がいきますが(ほんと危険そうなのですが)、でも、ここで爆発しているナトリウムは、「もんじゅ」に使われている量と較べると、わずか1/125です。
 つまり、「もんじゅ」に使用されている炉心冷却材の金属ナトリウムの1/125が、漏れて水と反応するだけで、こんなことになります。

 町田市の火事では、13日午後4時ごろに火災発生しているのですが、マグネシウムなどがあらかた燃え尽きるのを待って、結局、14日の昼近くになってやっと消火活動が再開されました→「町田工場火災 消火活動を再開」(NHKホームページ 5月14日12時7分)。
 ナトリウムより反応の穏やかな、わずか80kgのマグネシウムで、こんなものです。

 前回「もんじゅ」で漏れたナトリウムは640kgでした。この時は消火が無事に行われたようでなによりでした。
 しかし、これが一旦制御不能になった時(建物にヒビが入り、外気が入る、つまり酸素の供給を遮断できなくなると、制御不能になります)、何が起きるのか・・・消火のために水をかけることもできず、為すすべなく見ているうちに(実際、町田では見ているしかありませんでした)、破損した炉心(水厳禁ですから福島のように水をかけて冷やすことなど全く出来ず、メルトダウンします)から核燃料も漏出、火で煽られて(溶けて、燃えて、灰になって)大気中に拡散、なんてことになるでしょう。こうなったら、まあ、日本全滅くらいで済めば儲けものといったところてしょうか。なにしろ「もんじゅ」の燃料は放射性物質としても危険極まりないプルトニウムですから。
 前回事故時の有名な映像です↓

もんじゅ16時ビデオ
(これもリンクにしています)

 はやり「もんじゅ」、一刻も早く(火事起こさないうちに)解体処理が必要と考えられます。


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福島と柏崎刈羽原発、2つの防潮堤・・・これで次に何が起こるかが分からなければバカだ

2014-04-20
 先日(4月2日)、チリ沖を震源とする地震で津波が発生した際、当ブログでは福島第一の防潮堤の現状を紹介しました。その時、ちょっとネット検索しているわけで、他の原発の防潮堤も当然、目に入りました。と、いうことで、並べてみましょう。

柏崎刈羽原発防潮堤
柏崎刈羽原発

福一土嚢
福島第一原発

 柏崎刈羽原発については、防潮堤についての詳しい説明もあります↓

柏崎刈羽防潮堤
柏崎刈羽原発HP)

 一番上の写真は、この盛り土部分と壁との接続部分ということになります。

 なるほど、日本海側の柏崎刈羽原発ではこんな立派な防潮堤が必要ですが、太平洋側の福島第一原発では土嚢程度で十分、たいした備えは必要ない、というわけですね・・・。

 だからもう無理だって、東京電力に福島第一原発の処理をさせるのは。企業としては金を生む可能性のある柏崎刈羽原発には投資しても、金を生まない福島第一原発には一銭も投資したくない。それが如実に現れてしまっています。
 しかしもちろん、大規模な津波が頻発するのは太平洋側であって、しっかりした防潮堤を作らなければならない必要性がより高いのは福島第一原発の方です。まだ核燃料は施設に残ったまま、そして向こう数十年、その状況が変化する見通しはないのですから。
 柏崎刈羽原発のあのバカ高そうな防潮堤だって必要性があるから整備しているのでしょう。それならば、福島第一原発には、それ以上のものが早急に必要なことになります。

 さっさと東電を解体し、適切な措置を取らないと、取り返しの付かないことになります。(というかこの現状を放置している安倍内閣、および経産省を解体しないといけないのだが・・・)。次の津波は待ってはくれません。


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津波対策、どうなってるのか、福島第一??

2014-04-02
 う~ん、気象庁、まだ「調査中」なんだよな~、今朝のチリ地震で発生した津波の日本への影響。到達時間は福島で明日朝6時ということだけど・・・。

 「チリ北部でM8.2の地震 日本へ津波到達の恐れ」(朝日新聞HP 4月2日)

 まあ、震源地に一番近い観測点チリのイキケで、津波高2.11mということだから、対蹠点近くでもそんなものだろうということで、福島第一あたりも、せいぜいその程度だろうけど、なんせチリですからね・・・

 「チリ地震津波、三陸を襲う」(毎日新聞HP)

 うぐぅぅぅ、2012年3月26日に同じこと書いてんじゃん、自分・・・ついでにこれも載せとこう↓

津波3
8mを超える近年の津波の一例(高さは、出典により波高の場合と遡上高の場合あり)
(出典: 明治三陸津波 関東大震災 昭和三陸地震 日本海中部地震 北海道南西沖地震 東日本大震災

 今回はたぶんたいしたことないだろうけど、福島第一原発、廃炉に要するとされる30年とか、それ以上とかの内に、↑こんな津波、いつ来てもおかしくないわけです。

 で、津波対策、ちゃんとやってるんでしょうか??
 東電のHP行って「福島第一 津波」で検索かけると・・・なんでか柏崎刈羽原発の話がいっぱい出てくるけど・・・たとえば→これ。う~ん、ご立派な堤防で、いくら金(電気料金)使ってることか・・・いや、それはともかく、肝心の福島第一はどうなってるのか??
 そうそう、なんか成果を誇ろうというシロモノなら写真の方に出ているかも、と、検索、検索・・・。
 結局、最新のって、これか??→「平成25年2月27日」の記事
 写真見てみると、

福一土嚢

 ど、土嚢が積んであるだけ?? 
 なんか記事見落としてるのかな??
 今回はともかく、これ危なすぎるんじゃないかぁ!!


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川内原発に火砕流到達!!

2014-03-20
 昨日行われた原子力規制委員会の審査会合で、九州電力は、姶良(あいら)カルデラ噴火の際、火砕流が川内原発に到達していたことをシミュレーションで明らかにしました。

川内原発噴火1

川内原発噴火2
(原子力規制委員会HPより「資料2-2川内原子力発電所 火山影響評価について(コメント回答)【PDF:28.8MB】」)

 上図は、再現性(実際の地質データを再現しているか)についての評価が◎となった3つのシミュレーションのうちの1つ「ケース②-9」です。川内原発に火砕流が到達しています。(ま、到達していなくたって、この3つのシミュレーション似たり寄ったりで、少なくとも原発の周りは全滅状態ですから、送電線も輸送路も全部破壊され、予備電源用の燃料も輸送できなくなり、結局、メルトダウン・メルトアウトするしかないという状況です。)

 「しかし」と、九州電力は言います。姶良カルデラについてシミュレーションを行ったのは、あくまで適正なモデルを選択するため、つまり、現在残されている地質データとマッチするパラメーターを確かめるためにすぎない、とのことで・・・実際、姶良カルデラ大爆発は3万年ほども前の話であり、現在は大して活動していないので、こんな爆発は考慮する必要はない、ということになります。

 かくして、ここで確からしいと認められた(評価が◎となった)3つのケース(パラメーター)を桜島(現在、活発に活動中/姶良カルデラの一部)に適応してみれば↓

川内桜島
(前掲、“火山影響評価”より)

 こんなところで、川内原発に影響はない、という結論が得られる、とします。

 でもこれ、爆発の規模は3万年前の時のものではなくて、それよりかなり爆発の小さかった1万3千年前の時の規模に設定したシミュレーションです。

 昨日の規制委での検討、概要は共同通信が伝えるとこんなところです→「川内原発、3万年前に火砕流到達 九電が再現試算提示」(47NEWS=共同通信 3月19日)。

 いや~、これでも、桜島噴火、かなり危機的じゃないかぁ!? 送電線なんては大丈夫なのか。それに、原発維持のための物資の輸送網、人員が行き来する交通手段、これで十分に残るのか?? まあ、海沿いに北上するルートは火砕流では破壊されなかもしれないけど、火山灰とかで大変なことになりそう・・・
 更に言えば、シミュレーション・モデル自体は正確か?? 今回はパラメーターをいくつか設定してやってみた、ということで、モデル自体の妥当性については検討してないし・・・

 なお、この資料には次のような図も掲載されています。

九州カルデラb

 そこらじゅうにカルデラあるじゃん。ま、九電もモニタ体制を作るとか言ってるけど。

 それに、
 「昭和18年、突然地震と共に始まり、麦畑が隆起して出来た火山は、後に昭和新山と命名されました。
 みたいに、このあたり、新たなカルデラが突如出現する可能性もあるんじゃないか??


 【規制委での検討の様子は→  Youtube
 【規制委での検討のポイント→ これで大丈夫か九電!!


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川内原発は1000ガル揺れる!! (基準地震動は620ガル)

2014-03-17
 九州電力が「エイヤっと」決めたいい加減な基準地震動、これ妥当なのでしょうか。

 「川内原発は昨年7月に安全審査を申請。これまでに最大規模の地震の揺れ(基準地震動)を540ガルから620ガルに引き上げ、最大の津波の高さ(基準津波)を約3.7メートルから約5.2メートルに修正。規制委から大筋で了承されていた。」(西日本新聞朝刊 3月13日)

 特に明確な根拠があるわけではなく、「エイヤっと」決めたそうですが、とにかく了承された数値は620ガルです。
 当然この数字、あちこちのブログで批判されてます→ここ とか ここ
 「2008年6月の岩手・宮城内陸地震で最大加速度4022ガルが記録され、世界最大加速度としてギネスに認定されたいっぽう、東日本大震災での最大加速度は2933ガル」ですから、620ガルってのは、あまりに小さい設定に見えます。
 ただ、大飯原発や高浜原発が規制委から了承が得られないのに対して、川内原発が了承された理由は、川内原発については近くに危険性を考えなければならない断層がないから、とされています→「敷地内に活断層がなく津波の危険性も低い‐などの立地条件が決め手になった」(西日本新聞社社説)
 直下型の大きな地震がないだろうと規制委は認定したわけです。では、それで大丈夫か?? ちょっと検討してみます。

 東日本大震災での揺れについて、次のような分析があります。

最大加速度
「pierres blanches と 《カガクするココロ》」さんブログからスクリーンショット

 東日本大震災を構成する3つの揺れのうちの1つの分析ですが、ここで注目したいのが千葉県佐倉、震源地から347km離れた地点で1053.5ガルとなっています。
 ということで、川内原発から347kmの距離円を作成し、地図と重ねてみます。

南海トラフと川内原発b
wikipedia「南海トラフ」の項の図と合成)

 あらら、南海トラフは川内原発347km距離円の中に相当入り込んでいます。つまり、この辺の南海トラフで東日本大震災なみの地震が起きた場合、川内原発で1000ガル程度揺れる可能性があるのではないでしょうか。もちろん、地震波の到達の仕方は地層の状態次第ですから、単純なことは言えませんが。
 「でもそんなこと、専門家が検討してるだろ」と、思ったあなた、甘い。
 三陸沖なんて、さんざん研究されていたのに、予想を遥かに上回る東日本大震災のメカニズムについて、なんとか一応の理由付けがなされたのが、地震後3年も経ってから。要するに、研究したはずなのに全然わかっていなかった、というのが地震研究のお寒い現実。まして上図の場所は、研究が遅れていると言われている南海トラフです。

 (なお、この辺りの南海トラフについては、「南海トラフから琉球海溝まで全長約1000kmに及ぶ断層が連動して破壊されることにより、震源域が2004年のスマトラ島沖地震の規模にも匹敵するM9クラスの超巨大地震となる可能性が指摘されている」(wikipedia「南海トラフ」)そうです。別のHPによれば、「西日本においても、東北地方太平洋沖地震と同じマグニチュード9クラスの地震が発生することもありうるという認識が、地震学者の間で広まりつつある」そうです。「広まりつつある」って、要するに研究始まったばかり。)


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原発事故避難に、最長6日かかるって・・・

2014-01-16
 一昨日の報道になってしまいますが、これは書き留めておく必要があるでしょう。

 「<原発30キロ圏>避難に最長6日…渋滞激化で 民間試算」(Yahooニュース←毎日新聞 1月14日)

 試算の前提と方法は、「政府の原子力災害対策指針で事故時の避難計画が必要な30キロ圏内の市町村を対象に、車両登録されているバスの3割、マイカーの5割が避難時に使われると想定。全住民が圏外へ同時に移動するとし、渋滞の発生などを考慮する交通工学の手法で分析」したそうです。国道などだけで避難した場合と、高速道路まで使った場合の2通りの試算が出されています。

避難時間
Yahoo ニュース 1月14日

 6日かかるのは浜岡原発で、高速道路を使わなかった場合。ここは、高速使っても2日半以上かかるということになります。
 そのほかでも、東海第二・5日半(高速使えば2日)、島根・4日(同2日)、柏崎刈羽・3日弱(同1日強)なんてところが目につきますが、うちの近所の玄海も、2日(同1日)といったところです。
 いや~、そんなもんじゃ済まないでしょ。なぜなら、田舎に行けば行くほど、マイカー依存率高いですから。「マイカーの5割が避難時に使われる」なんて、全く信じがたい想定です。8割以上のマイカーが避難に使われるんじゃないでしょうか。というか、マイカー以外交通手段のないような辺鄙な所ばかり選んで、札束で頬ひっぱたいて原発作ってきたのがわが国の原子力行政です。渋滞の規模、甘く見過ぎ。
 まあ、でも、行政の計画にそって避難できたからといって、何の役にも立たない可能性もありますけどね。
 →「放射能雲への突撃/玄海原発3県合同避難訓練
 飯舘村がそうでしたが、指定避難先が放射能の吹き溜まりだったりするわけです。(福岡市が吹き溜まりかぁ?? 勘弁してくれよ・・・)

 住民避難の状況を見て、ベント=意図的放射能放出に「待った」をかけられるようにしようとした(と、受けとめられた・・・それじゃあ緊急の場合、ベントできず原子炉が爆発する可能性があるから困ると、原子力規制委員会は考えた)新潟県泉田知事の言、本来の主張(“住民避難の準備が整うまでベント施設の運用つまり原発再稼動をしないでくれ”)において全く正しいし、ある意味では誤解された意味(つまりこんな無理難題飲んだら再稼働できない)においても、全く正統としか言いようがありません。要は、実施可能な住民避難計画もできないうちに再稼動を語るなんてナンセンス、で、実際、住民は速やかに避難できる状態になっていないのです。

 そして準備ができていないのは柏崎刈羽原発だけではありません。国、もしくは原子力規制委員会は、メルトダウンのいったい何時間前に避難命令を出せるのでしょうか。上の表で最も素早く避難できる大飯原発で最速8時間。この場合でさえ、国は8時間も前から、原子炉がメルトダウン(あるいは少なくともベントを行なうこと)を予測して避難命令を出していなければなりません。
 ちなみに福島原発事故では、1号機の全燃料がメルトダウンに到ったと推定されているのが3月12日朝6時ごろ、政府が避難対象地域を半径20kmに拡大したのが、12日20時20分です。8時間前どころか、14時間20分後です。これが20km圏。もっと早く、半径3km以内の住民には、3月11日21時23分に避難指示を出していますが、それでもやっとメルトダウンの8時間40分前です。おぉ、次の原発事故ではなんとか、この時間で30km圏避難命令出すことにすれば(できれば)、大飯原発だけは間に合う?? (福島事故の時間データ等はwikipediaの記述から)。


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もっとコアキャッチャーを!!

2013-12-28
世界最高
(朝日新聞12月28日西部本社版朝刊)

 まだ言ってます軍国主義者・安倍「世界で一番厳しい基準で安全」だそうです。これ、「ウソでしょ」と言って批判するのは簡単なんだけど、それよりも皆で原子力規制委員会をサポートした方が良いんじゃないでしょか。
 なんせ原子力規制委員会・田中委員長、自民党の塩崎と会ってしまった。ということは中立性を守るためには、自民党以外の人とも会って話を聞かなければならないはずです。特に、各政党の意見を聞くべきです。
 そこでです、皆で原子力規制委員会を盛り立てていきましょう、「なんてったって『世界で一番厳しい基準』ですから、当然コアキャッチャーは義務ですよね、頑張ってください」と。
 いざ原子炉がメルトダウンしたとき、溶けた核燃料を受け止める設備、コアキャッチャー、絶対に必要です。そこが抜けてたら「世界で一番厳しい基準」になりません。なにしろヨーロッパじゃもう常識的な設備なんですから。
 とにかく流行らせましょう「コアキャッチャー」、めざせUFOキャッチャー!!


 ところで福島第一、また汚染濃度タイ記録です、観測井戸No.0-3-2、12月26日の試料、トリチウム69,000Bq/Lです→「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」。


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有害?無害?トリチウム「40兆ベクレル放出」の衝撃

2013-08-04
 「【福島第1原発の汚染水】トリチウム40兆ベクレル/規制委『土の壁』越え流出指摘/対策怠り大量流出に」(47ニュース=共同通信8月3日)

 数字が大きすぎてなんとも目まいがするのですが、「東京電力は2日、2011年5月から今年7月にかけ、汚染水に含まれて流出した放射性物質のトリチウムの量が20兆~40兆ベクレルに上るとの試算を明らかにした」(上掲リンク先)そうです。
 もっとも、産経新聞によれば、「保安規定上のトリチウムの年間放出基準値は22兆ベクレル」で、「各地の原発でも年間数百億~100兆ベクレルが放出されている」そうですから、ま、そんなものかと、原発推進派にとっては何ということもない数字なのでしょう。
 一方、脱原発派にとっては、「福島はもちろん、ほかでもそんなに垂れ流しているのか!!」という重大事ということになります。
 福島について言えば、既に7月23日に めげ猫「たま」さんが警告していたように、近日中に地下水位は上昇し、堤防を超え、大量の汚染水が海へ流出するでしょうから、また現状から飛躍的に放出トリチウム量が増えることが予想されます。

 で、ところで「トリチウム」って何? 毒なの? と、いうことになりますが、一部の脱原発関係ブログには「猛毒」と書いてあるものの、多くの原子力関係機関のHPでは、ほとんど害はないようなことが書いてあります。そして「原子力資料情報室」のような反原発運動の理論的支柱を担ってきたHPでも、強い毒性が強調されてはいません

 さてトリチウム、ほんとのところはどうなのでしょうか?
 まず、害がないという主張、これはトリチウムが出す放射線がとても弱いことを根拠にします。崩壊する際に出るβ線は弱く、皮膚すら貫通できない程度ですので外部被曝は無視できるとされます。一方、内部被曝は、(水素と同じ化学的挙動を示す物質ですから)水として体内に取り込まれ、それなりの影響を及ぼすかもしれませんので、検討されます。そして、これについても比較的低レベルの被曝で済むといったことが言われています
 ということで、これまで、国の基準もひどく緩い、上掲の産経記事のような22兆ベクレルとかなっているわけです。

 さてしかし問題は、そこから先です。トリチウムはβ崩壊しβ線を出しますが、放射線の方はともかくとして、本体はβ崩壊した後、ヘリウムになります。つまり、化学物質として、水素からヘリウムになります。このことの方が、実は問題ではないのか、というのが、トリチウム猛毒説の根拠となります。『放射線被ばくによる健康影響とリスク評価』(欧州放射線リスク委員会 ECRR著)によれば、「同位体トリチウムは水素のひとつの形態であり、生命体における生化学的プロセスは水素結合(Hydrogen Bond)と呼ばれる弱い結合に依存しており、それは、すべての酵素系を橋渡しして支えており、DNAのらせん構造を一つにまとめあげている。そのようなトリチウム原子のヘリウム原子(それは不活性で、化学結合を担えない)への突然の崩壊は、そのような巨大分子の機能や通常のプロセスに対して壊滅的な影響を与える可能性がある。」(p.80)ということになります。

DNAモデル図Rasmolによって理想DNA-B-DNA PDB-を描画)

 上図はDNAのモデル図で、白い丸が水素です。多数ある白丸のどこかにトリチウムが入り込み、突然ヘリウムになります。これが水素結合を崩壊させると、上掲『リスク評価』は記載します。
 しかし水素結合も重要そうではありますが、でもここにはもっと重要な問題がありそうに見えます。水素が突然ヘリウムになると、電子バランスが崩れます。電子1個の水素原子が電子2個のヘリウム原子になるのですから、電子が足りなくなって外から電子を取り込みそうです。フリーラジカルの出現と酸化・還元反応が起こるはずです。これは水素結合がどうのという弱いレベルの反応ではなくて、強力な化学反応です。上掲『リスク評価』はなぜこっちを問題にしないのか、理解に苦しみます。つまり、フリーラジカルが老化に作用していると、タニタも指摘するような事態(結局DNAの損傷なんですけど)が、DNAの外部からの攻撃としてではなく、極めてミクロなレベル、DNAの内部で出現する可能性があります。そしてもちろん、老化の1つの現れがガンの発生です。

 さてそこで問題は、「ほんとにDNAにトリチウムは取り込まれるの?」ということでしょう。トリチウムは化学的にはただの水素、ただの水ですから、選択的に取り込まれるかどうかは判りませんが、取り込まれないはずはないということになるでしょう。

 ただここで研究上、大きな問題がありそうです。DNAは、どんどん代謝していくようなものではなくて(生命の設計図ですから)、新しい細胞が作られるときに半分づつ(設計図のコピーをとって)作成されていきます。トリチウムの取り込みもゆっくりとしたものとなるでしょう。トリチウムの半減期は12.32年ですから、ゆっくり取り込まれても充分に残留し、しかも取り込んだ人間のライフタイムの間に崩壊するくらいの“都合良い(恐ろしい)”崩壊ペースですが、研究者にとっては都合良くはありません。多くの研究プロジェクトは、単年度から2~3年程度の日程で組まれます。長期的・慢性的な影響の研究は、検体を自前で用意しなければならないとしたら、バリバリと成果を上げようとする研究者は取り組みません。
 そして実際、ネットで検索しても、トリチウムの慢性毒性についての研究はほとんどなく、「今後の課題」とのみ言及されるくらいです。
 と、いうことで、結局、あまり研究されないまま、放置されそうです。

 う~ん、困った・・・。


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トリチウムは海へ捨てる、わけですね!?

2013-08-02
 原子力規制委員会の田中俊一委員長、福島汚染水の海への投棄方針を示しました。

 「汚染水『貯水に限界』 田中氏、基準以下の海放出へ見解」(47ニュース=福島民友 8月2日)

 いや確かに、“汚染水をタンクに貯めていても、いずれ限界となる”、というのはその通りでしょう。そこで「放射性物質を除去して濃度を国の基準値以下にすることを前提に、海へ放出せざるを得ない」(上掲リンク先)と言うのですが、放射性物質の除去、ほんとにできるのですか??

 「福島第一発電所のトリチウムの状況について」(東電資料 平成25年4月26日)

 放射性汚染水に含まれるトリチウム、化学的な振る舞いは水素と同じ、つまり酸素と結合して水H2Oそのものとなっているわけで、取り除くもなにも、水そのものとして“浄化された”汚染水に最後まで残ります。で、それを取り除こうとしたら普通のやり方ではダメなわけで、でも、あんな方法もある、こんな方法もあると、検討しているのが上記東電資料です。
 この4月の時点の文書では、ほんと手探り状態で、トリチウムを具体的にどうするといった話にはなっていません。
 トリチウムはそのまま捨てる、ということでしょうか??

 トリチウムは、普通に崩壊してβ線を出した場合、弱~い放射性物質ですので、ほとんど害はないとされるそうですが、問題は水そのものとなっていること。体内のどこへでも入っていき、そこで崩壊すると(たとえばDNAのわき)、けっして無視できない影響が出る可能性があります。それどころかこの崩壊の結果、水素からヘリウムに変化するというとんでもない崩壊の仕方をしますので、こうなると、例えばDNAの構成部分として取り込まれていた水素がヘリウムになってしまう(DNAとしての化学的性質が壊れる)という事態が発生する可能性もあるそうです。まあ、いずれにせよ何らかの発がん性はあります

 こんな(トリチウムを含む)“清浄化済み汚染水”、どうやって海洋投棄するつもりだ!?



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吉田所長の最悪事態/規制委の最悪事態

2013-07-12
 7月9日、福島原発事故当時の福島第一原発所長、吉田昌郎が死亡しました。彼は、本店の指示に反して注水を続けたことで英雄扱いされることが多いですが、イソコン(豚の鼻)の作動を見誤ったり、そもそも津波の可能性を甘く見て対策をサボっていたりしていますので、まあ、巡り合わせで原子力村のツケを払わされた(津波対策については自業自得でもある)気の毒な御仁、程度ではないかと思うのですが、現場で何があったかを考える上で、そこにいた彼の経験は極めて貴重です。
 ズバリ書きましょう、彼が何と戦っていたのか、この点についての彼の発言、極めて重大な意味を持っているのに、なぜか多くのメディアは無視しています。この彼の発言に留意することなしに、原発安全対策なんて、ちゃんちゃらおかしい位の、重大発言なのにです。

あそこで事故の拡大を押しとどめることができなかったら、『チェルノブイリ事故の10倍』の規模になっていただろう、と吉田さんは語った。」(『死の淵を見た男(吉田昌郎と福島第一原発の500日)』著者、門田隆将氏ブログ)

 吉田元所長が戦っていたのは「チェルノブイリ事故の10倍」の事態です。
 これがどんな事態か、ちょっと作図してみましょう。チェルノブイリの10倍の放射性物質が放出されたとして、汚染面積が10倍・・・ならば、汚染地図を3倍に拡大すると面積は 3×3=9倍 ということで、ひどくざっくりですが、近い線でしょう。実際は風や地形や、放射性汚染物質の移動性など、いろいろな要素が関係しますので、そんな簡単なものではありませんが、そもそも「10倍」というのも、ざっくりした値ですし、チェルノブイリの放射性物質放出量も福島の放射性物質放出量もどちらも実はかなりあやふやな推計値しかないわけですから、細かく計算しても意味がありません・・・。
 ということで、チェルノブイリの汚染地図を拡大し、100kmの距離円が、福島第一原発300km距離円に重なるようにしたものが次の図です。

チェルノブイリ10倍4層基点

 汚染地域図を裏返して、角度をちょっと回すと、↓こんなふうにもなります。

チェルノブイリ10倍4層基点調整

 日本主要4島のどこでも移住必要地域となる可能性があり、たぶん現実には東日本全域が住めないところとなったでしょう。
 評価する機関・人により異なりますが、福島原発事故の放射性汚染物質放出量はチェルノブイリの10分の1とも言われます。原子力規制委員会の想定する最悪事態は、最大で福島程度(例えば6回も訂正した各原発における放射性物質拡散予測、その前提は“福島程度”)。つまり、吉田元所長の戦っていた最悪事態の100分の1こんなもん、どこが「最悪事態」なんでしょうか。(最悪事態の1/100で食い止めたということだと、吉田元所長、やはりよくやったのかもしれませんが・・・)
 原子力規制委員会の“新基準”では、我々の身は守れません。


・チェルノブイリ汚染地域(および凡例)は群馬大学・早川・教授のブログの図から抜き出させていただきました。ありがとうございました。
・日本地図はKenmapで作成した白地図です。フリーソフト作成者のT. Kamada様、ありがとうございます。


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