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やっぱダメ、アベノミクス・・・火力燃料費の問題じゃありません、2013年度経常収支の惨憺

2014-05-12
 2013年度の経常収支が財務省から発表されました→「平成25年度中 国際収支状況(速報)の概要」(財務省HP 5月12日)。
 メディアはこぞって「火力燃料費が増加」と書きます。

 「原発代替の燃料輸入増と輸出の伸び悩みで、貿易赤字が拡大した。」(msn産経ニュースHP 5月12日)
 「火力発電の燃料輸入増と輸出の伸び悩みで、貿易赤字が10兆8642億円と過去最大になった」(47NEWS=共同通信HP 5月12日)
 「原発の稼働停止に伴い、火力発電用の液化天然ガス(LNG)など燃料の輸入が急増した上、円安で輸入品の価格が軒並み上昇し、貿易赤字が膨らんだ。」(時事通信HP 5月12日)
 「火力発電に使う燃料やスマートフォンなどの輸入拡大に円安も加わり、輸入額は前年度比19・6%増・・・」(朝日新聞HP 5月12日)
 「原子力発電所の稼働停止で液化天然ガス(LNG)などエネルギーの輸入が急増。13年度の平均為替相場は1ドル=100円程度で前年度より約17円の円安が進み輸入価格を押し上げた。」(日経新聞HP 5月12日)

 こいつらアホ丸出し。だって、あらかたの原発が止まったのは2013年度の話でも、2012年度の話でさえなく、2011年度終わりころ(2011年12月~2012年3月)。大飯原発2基はその後もしばらく動いていましたが、54基あった原発のうちのわずか2基、大勢に影響はありません。つまり、今回の財務省発表が比較対象としている2012年度には事実上既に原発は止まっており、そこから発電状況、2013年度には何の変化もありません。新たに急激に電力需要が高まるような好景気があったわけではなし、数量ベースで見れば、発電用燃料の急増なんて、どこを見てもありません
 実際、財務省の貿易統計から輸入量の数字を拾ってみれば、↓こんなことになります。

原油輸入量推移

LNG輸入量推移

 液化天然ガス(LNG)については、原発停止の前後で輸入量が増えたことがわかります。しかし数値が「急増」したのは2011年度で、今回の財務省発表が対象としている「2012年度→2013年度」ではありません。
 さらに、原油・粗油ついては、原発停止前後で、どこがどう増えたのか、全然わかりません。
 なぜ分からないのかと言えば、話は簡単で、

石油製品用途2012
(グラフの説明は→ こちら

 発電用に使っているのは原油全体の15%で(これは以前より増えたことは増えているのですが)、他の原油使用の変動に飲み込まれてしまったからです・・・というか、原発代替燃料ぶんというのは、その程度の僅かな量にすぎないのです。

 ということで、いずれにせよ、今さら急に増えようもない原発代替燃料について、どうして「急増」とか書けるのでしょうか!? 上に挙げたメディア、アホすぎ。

 でも何で、「燃料輸入が増えた」と書くかというと、財務省発表に書いてあるからでしょう。「1.貿易・サービス収支 」の(1)の②の更に②です↓

 「②「商品別」では、原粗油(同+2兆2,994億円[+18.4%];数量は+1.5%)、液化天然ガス(同+1兆1,287億円[+18.2%];数量は+1.0%)、半導体等電子部品(同+8,213億円[+44.0%])等が増加。」(財務省HP 5月12日)

 原粗油も液化天然ガスも18%以上の輸入増となっています。
 もちろん、これは輸入額の変化で、数量ベースでは「+1.5%」とか「+1.0%」と、ちゃんと微増にすぎないことが記されてもいるのですが。
 で、なんでこんなに輸入額が増えてしまったのか、しっかり次の行に理由が書いてあります

 「[参考2]原油価格(石油連盟)
     ドルベース:110.00米ドル/バレル(前年度比▲3.4%)
     円ベース:69,217円/キロリットル(前年度比+16.6%)」

 要するに(アベノミクスの)円安で輸入額が上昇した、というだけのことです。
 日本の輸入物品のうち、最大の項目は燃料になりますから、円安になれば最も大きく赤字に見えるのが燃料となるのは、当たり前です。
 で、ここからメディアが特にアホなのは、財務省の発表では何も言っていない、その赤字の主因を原発代替燃料のせいにしている点です。エネルギー使用の一部分(電力)の一部分(多くは既存火力発電用で原発代替燃料ぶんは一部)にすぎない原発代替燃料が、日本の貿易収支を一気に赤字にするほどの比重占めてるわけないじゃないですか。原因は別にあります。

 ま、上の引用記事の一番下、日経新聞の書き方は、多少とも言い逃れできるように円安を書き足していますが、「エネルギーの輸入が急増」とか書いてたらダメでしょ。
 そのあたり巧妙なのが読売新聞と毎日新聞、

 「円安が進み、原子力発電所の停止で火力発電の燃料となる原油や液化天然ガス(LNG)などの円換算した輸入額が増えたためだ。」(読売新聞HP 5月12日)
 「原発停止で、火力発電燃料の液化天然ガス(LNG)などの輸入が高止まりする中、円安で輸入価格が上昇。」(毎日新聞HP 5月12日)

 原発代替燃料のことを針小棒大に印象づけていることはそうなのですが、基本は円安が原因であることをきちんと書いています。

 で、結局、実は読売・毎日まで合わせて、以上で触れた記事は全部、大アホです。なぜなら、燃料輸入の話は「貿易収支」の話で、それは既に発表済み、先月4月21日の話で、今回発表の要点は「経常収支」なのですから

 と、いうことで、私もアホで、前フリ長く書きすぎましたので、以下、簡単に行きます。
 やはり本日、財務省から発表された「平成26年3月中 国際収支状況(速報)の概要」から、季節調整済みの経常収支です↓

経常収支2014-3

 当ブログで以前作成した図↓と見比べていただくと一目瞭然です。

経常収支2

 経常収支、真っ逆さまに転落中のアベノミクス、2月には多少は持ち直すかに見えましたが、また落ち込み、既定転落路線に復帰しました。
 経常収支が経済においてどういう意味を持つのか、ま、ある程度はどうでもいい問題ですが、輸出振興、“産業競争力の回復”を一つの目的とするアベノミクスとしては、これは失敗でしょ。
 こっちが今回の主題なのに、何やってるのかメディアは・・・


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オツムの弱いメディア達「原発代替燃料で貿易赤字」のウソ2013年度版・・・元凶はアベノミクス

2014-04-21
 予定通り来ました、「“原発代替燃料で貿易赤字”のウソ」、2013年度版。
 ただし、メディアの報道の仕方、今回は微妙な様変わりです。

 「貿易赤字が過去最大13・7兆円 13年度、円安で燃料輸入額増」(47NEWS=共同通信 4月21日)

 本文中では次のように記します→「原発停止や円安進行で、火力発電の燃料となる原油や液化天然ガス(LNG)の輸入額が膨らんだ」。う~ん、こう書かれると間違っているとまでは言いにくい。
 産経新聞でさえ、“原発代替燃料輸入が増加した”とは書かず「輸出が伸び悩む一方、円安で輸入品価格が上昇し火力発電用の液化天然ガス(LNG)などの輸入額が大幅に膨らんだのが影響した」と書いています。
 そりゃあそうで、今回発表された貿易統計で記されているのは前年との比較ですから、既にあらかたの原発が停止している前年と比較して、原発代替用の燃料輸入量が今さら増加することはありません。
 かくして、各社とも今回報道では、「円安」と「原発代替燃料が高くついた」(高止まりしている)という2つの要素を盛り込んでいます。「原発代替燃料のせい」だけでは来ませんでした。もちろん、このほか、「中国から太陽光発電に使われる電池など電子部品の輸入が増えた」(NHK)など、その他の要因に、それぞれ言及もしています。
 ただし、どう読んでも、原発代替燃料が強く印象づけられるように書いてあるのは相変わらずのことです。
 さて、でも本当でしょうか??

 まず、事実です。

2013年度輸入量・額
財務省発表資料/税関HP 4月21日

 原油、LNGとも、ちょっとだけですが、輸入数量は増えました(1.5%と1.0%)。そして価額はそれぞれ、18.4%、18.2%と大幅な増加をしています。

 これを指して「東日本大震災後の原子力発電所の運転停止で火力発電用燃料の需要が高まったことなどから、アラブ首長国連邦(UAE)などからの原粗油が18.4%、カタールなどからの液化天然ガス(LNG)が18.2%増えた。」と、日経新聞は相変わらずのトンチンカンな“解説”をしています。
 なぜトンチンカンかと言えば、2つの点で判断を間違っているからです。

 1.原油もLNGも、発電用以外の用途があり、特に原油では、発電用途は15%に過ぎず、更に、原発代替分はその中の一部に過ぎない(もともと火力発電に使っていた部分も相当ある)。18%程度の輸入額増を原発代替燃料のせいであるかのように書くのは、著しく針小棒大な書き方である。

 2.今回の貿易統計発表の背景にある円安は21.1%に達しており、この効果で支払金額を26.7%増加させる効果がある・・・1/(1-0.211)≒1.267。輸入数量が変わらずドル建て原価も変わらない場合、輸入額は26.7%増えて当然なのに、(現実に輸入数量はちょい増なのだが)、18%程度の輸入額増で収まっているのは、むしろ、「極めて安く付いている」のであって、記述の方向性が逆である。

 以下、この2点について少し考えてみます。

 まず、第1点、輸入された原油の用途です。

石油用途2012年度
石油連盟『今日の石油産業2014』から)

 グラフにしておきます。
石油製品用途2012

 データは2012年のものですが、この年、既に震災前54基あった原発のうち、大飯原発の2基が一時再稼働されたのを除いて他の原発は止まっており、2013年と大きな違いはないと考えられます。→【原油輸入量のうち、発電用途は15.0%

 次にLNGの用途です。やはりデータは2012年度となっています。

ガス用途2012
(東京ガス「おどろき!なるほど!ガスワールド」から
 →【LNG輸入量のうち、発電用途は71.8%

 そして原発代替燃料と言えるのは、福島事故前の燃料使用量からの増分がそうであるとして、現在下記データベースでの最新の発表数値が2012年度ぶんですので、原発が動いていた2010年度の発電用燃料使用量を、やはり2012年度の数字と比較して・・・

2010年度 2012年度 2012年度消費量に占める対2010年増加分
 重油  kl 6,298,687 16,065,618 60.8%
 原油  kl 4,759,378 13,476,256 64.7%
 重油+原油  kl 11,058,065 29,541,874 62.6%
 LNG   41,743,774 55,709,528 25.1%

電気事業連合会のデータペースより)

 →【発電用原油使用量のうち、原発代替燃料は62.6%。発電用LNG使用量のうち、原発代替燃料は25.1%。】

 ということで、今回の貿易統計の中で原発代替燃料とみなせるのは、

 原油 214,182千KL ×15.0%×62.6% ≒ 20111千KL
    14,842,674百万円 ×15.0%×62.6% ≒ 1兆3937億円

 LNG  87,732千トン ×71.8%×25.1% ≒ 15810千トン
    7,342,822百万円 ×71.8%×25.1% ≒ 1兆3233億円


 程度となります。
 合計すれば、原発代替燃料による貿易赤字増は2兆7千億円となります。
 全体の貿易赤字額が、13兆7488億円ですから、19.8%ほどが、原発代替燃料のせいと考えられます。逆に言えば、8割以上は、原発以外の理由で貿易赤字だということになります。

 さて、第2点めの論点、円安です。

2013年度貿易赤字概要
財務省発表資料/税関HP 4月21日

 確かに「輸入は原粗油、液化天然ガス等が増加し、17.3%の増加となった」と書いてあります。メディアはこの“まとめ”の言葉に準拠して、ああいったいい加減な記事を(この発表には「原発停止のせい」なんて言葉はないのに知ったかぶって)書いたのでしょうが、この文書には同時に「対前年度比: 21.1%の円安」とも書いてあります。
 お金の価値が21.1%下がれば、その安くなってしまった金で支払いをする時には、1/(1-0.21)≒ 1.267 となりますから、26.7%余計に払わなければならなくなります。
 輸入が17.3%の増加で済んだのは、買う量が減ったか、国際的な物価が下がったか、ということになりますが、数量指標は上の表「総額」の中で+2.4%となっていますから、主に後者の方だったことになります(まあ、安物を買うようになったというのもあるでしょうが・・・)。
 ところでこの輸入、かつての高かったお金で支払っていたらどうなっていたでしょうか。21%安く済みますから、84兆6053億円×(1-0.21)≒66兆7760億円だったことになります。つまりアベノミクス円安効果、輸入において17兆8千億円ほど高くついたことになります。
 さて一方、上の表によれば輸出は10.8%増えて70兆8564億円ということですので、アベノミクスで増加した輸出は、6兆9千億円ほどということになります。
 差し引きして、アベノミクスの決算、10兆9千億円の貿易赤字だということになります。全体の貿易赤字額が、13兆7488億円ですから、79.3%ほどがアベノミクスのせいであると考えられます。貿易赤字の8割がたに責任があったのはアベノミクスでした。

 今回の貿易統計の報道で、各メディアは「原発代替燃料と円安」という書き方ですが、その実態は、10兆9千億円の貿易赤字要因「円安推進アベノミクス」と、2兆7千億円の貿易赤字要因「原発代替燃料」、どういう比重で書くべきか、ものごとの軽重が分かっていないようです。メディアの経済記者というのは、実にオツムが弱い。


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またまた来た「原発代替燃料で貿易赤字」のウソ、2014年2月版

2014-04-08
 財務省から2月の貿易統計が発表されましたので、新聞社各社、報道しています。見出しとしては「2月経常収支、5カ月ぶり黒字 6127億円、輸入増が一服 」(日経新聞HP 4月8日)といったところで、内容は、貿易赤字は続いているものの減少、一方、「第1次所得収支」(資本収支)が改善したため、経常収支は黒字化した、というものです。
 これだけ書いとけばよいのに、新聞記者というのは経済統計表を読む力がないのか、頭がオカシイのか、それともプロパガンダを書きたいのか、無意味な一節を付け加えます。

 「ただ、原子力発電所の稼働停止で液化天然ガス(LNG)などエネルギー輸入の拡大は続く。」(日経新聞HP 4月8日)
 「ただ、火力発電の燃料となる液化天然ガス(LNG)などを中心に、輸入も14・1%増の6兆4745億円にのぼった。」(読売新聞 4月8日)
 「燃料輸入の増加で貿易収支は赤字が続いたが、・・・略」(産経新聞 4月8日)

 そもそも書いていて不思議にならないのだろうか?? なんで今さら、原子力発電の停止で火力発電燃料の輸入が増えなければならないのか?? 政府発表は前年同月と比較している発表です。前年同月といえば、もう日本の原発があらかた止まってしまった更に1年後です。大飯原発3・4号機のみは一時的再稼動で動いていましたが、震災前54基あった原発のうちのわずか2基、それがその後新たに止まったとしても、燃料輸入の増減全体に影響をあたえるほどのものではありません。今、発電用燃料の輸入が拡大しなければならない状況なんて、どこにもありません。

 実際の政府発表数値を見てみましょう↓

LNG貿易量201403
財務省HPから 平成26年2月分貿易統計(確速)(PDF版)部分)

 液化天然ガス(LNG)の輸入、数量見れば、「-0.2%」と、輸入量横ばい(微減)です。これで「輸入の拡大」(日経)とか「燃料輸入の増加」(産経)とか書くか!?
 もちろん、輸入価額は「11.4%」の増ではあります。これは単に、平成26年2月分貿易統計(速報)の概要に書いてある「前年同月比:12.4%の円安」が輸入額を押し上げたに過ぎません。

 これで“発電用の燃料が増えた”といった記事を書くとは、日経・読売・産経の新聞記者、よほど頭悪いか?? まあ、原子力ムラ身内の読売や、右へならえの産経の記者は、ウソとわかっていてプロパガンダ書いてるんだろうけど、株主たちの味方・日経新聞、あんまりバカなこと書いてると、経済情報紙としての信用なくすぞ。
 (・・・実は原子力ムラ身内の読売の書き方が一番慎重で、「増」という言葉の解釈を、“単に数値の増減を表しただけ”と読めば、この一文全体が「価額の増加に言及しただけ」とも読みえる。それなら、別に間違っているわけではない。・・・実に狡猾!!)


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大誤報!! 日本経済新聞。2月の貿易赤字発表を間違えて報道。

2014-03-19
 先月の貿易収支が発表されました。

 「平成26年2月分貿易統計(速報)の概要 」(財務省 3月19日)
 「平成26年2月分貿易統計(速報)」(財務省 3月19日)

 内容は、新聞の見出しを借りれば「貿易赤字8003億円、2月最大に LNG輸入膨らむ/赤字は20カ月連続」(日本経済新聞 3月19日)ということになります。

日経20140320

 で、この記事、実におかしなことを書いています↓。

 「原子力発電所の稼働停止に伴う火力発電の拡大でマレーシアからを中心にLNGが11.4%増加した。」(日本経済新聞 3月19日・・・上図マーカー囲み部分)

 間違っています。該当する部分を上の財務省発表から切り出してみます↓。

輸入201402
「平成26年2月分貿易統計(速報)」財務省 3月19日 4ページ)

 LNG(液化天然ガス)の輸入額(表では「価額」)は確かに11.4%増えています。しかし輸入量(表では「数量」)は-0.2%の伸率、つまりほとんど横ばい(わずかに減少)なのです。
 「原子力発電所の稼働停止に伴う火力発電の拡大でマレーシアからを中心にLNGが・・・増加」って、どういう妄想なんでしょう。
 正しくは「LNGの輸入量は横ばいであったが、円安のため、輸入額は11.4%増えた」です。

 (なお、財務省発表の「概要」の方を見れば、「前年同月比:12.4%の円安」と書いてあります。価格変動のため、この円安が多少は緩和され、支払額11.4%増となったということになります。マレーシアからは確かに輸入量が増えていますから、他地域よりは安いマレーシア産のLNGへの切り替えが進んだということかもしれません。)

 結局、現在の日本の貿易赤字、経常赤字は、いくら円安にしても輸出を増やせない一方、輸入額ばかり円安で膨れ上がるアベノミクスのせいです。原発代替燃料赤字の5倍もの赤字をアベノミクス円安は叩き出しています→「また来た『原発代替燃料で貿易赤字』のウソ、2013年通年版」、「これじゃ衰退する日本経済・・・経済人も経済記者も「国富流出」!!(1)

 ところで、貿易赤字を更に「国富流出」と言って非難するのか、この点については日本経済新聞は多少は考えたようです。関連記事でいろいろと述べています。

 「(十字路)経常黒字持続の経済運営を」(日本経済新聞 3月18日)
 「(大機小機)経常赤字は悪いのか」(日本経済新聞 3月14日)

 “十字路”の方は、経常赤字はやはり悪いと書いていますが、単純に「国富流出」といった書き方ではなく、「巨額の政府債務を抱えるわが国で経常収支が赤字に転落する懸念が生じれば、長期金利の上昇を通じ、財政の持続性が崩れかねない」と、具体的に問題が起きそうな場面について議論しています。
 これに対し“大機小機”の方は、「端的に言って、経常収支が赤字か黒字かについて経済的な意味は乏しい。経済でまず重要なのは、実質経済成長率、物価上昇率、失業率である。経常収支が問題になるとすれば、それは例えば先に挙げた3つの変数に影響があるかどうかが問われるべきだ」と、経済学的に常識的な見方を示し、具体的に語られる議論を3つに分類し、それぞれ論破しています。特に本ブログと関係の深い、“原発代替燃料で国富流出”といった議論については、「第3の財政赤字や燃料輸入の指摘は、論点がずれている。財政再建が重要なのは言うまでもない。しかし、財政再建にまず必要なのは景気回復と経済成長であり、経常赤字の削減は財政再建の手段としても目標としても的外れである。燃料の輸入増加もそれ自体が悪いわけではない。『経常赤字は悪』という固定観念から自由になるべきである」としています。つまり、経常赤字を問題にするのが間違っているという立場です。
 基本的には“大機小機”なんですが、“十字路”のようなことが起きないとは言い切れないわけで、当ブログでもいろいろなことになっています。

 1.「アベノミクス大崩壊!! 経常赤字過去最大・・・この額、原発の問題じゃない!!
 2.「これじゃ衰退する日本経済・・・経済人も経済記者も「国富流出」!!(2)
 3.「「国富流出論」、誤りの核心-再稼動原発の発電コストを問え!!

 1.は、“国富流出”とか言って原発代替燃料を悪者にしているアベノミクス賛同派に対して書いたつもりで、経常赤字の主原因は原発代替燃料ではなくて、その国富流出にこだわるアベノミクス自身だと実証してみたものです。言ってることとやってることが矛盾してるぞ、というつもりなんですが、今これ読むと、当ブログが経常赤字を問題にしているみたいに見えますね (^_^)ゝ゛。
 でもまあ、“国富流出”(貿易赤字・経常赤字)にこだわることは実は意味がないと、2.と3.では書いちゃっているわけです。

 で、本日は、そういう考察の問題じゃなくて、日本経済新聞、単純に数字が読めていない、という話でした。この記事書いた記者、それを通したデスク、編集委員、そろって簡単な表も読めない低能もしくは妄想家なのか、原発推進のためならどんなインチキな宣伝でもする悪質な連中なのか、どちらかです。


【追加3/20】日経HPのスクリーンショットを追加しました。

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アベノミクス大崩壊!! 経常赤字過去最大・・・この額、原発の問題じゃない!!

2014-03-10
 自分の経済失政の理由を原発停止に押し付けて、さらに失政を積み重ねてきたアベノミクス、いよいよ最終局面に突入です。

 「経常赤字、最大1兆5890億円=初の4カ月連続、輸入増が影響-1月」(時事通信HP 3月10日)
 「年0.7%増に下方修正=景気回復の弱さ、再確認-10~12月期実質GDP改定値」(時事通信HP 3月10日)

 経常収支赤字の悪化は留まるところを知らず、景気回復も錯覚だったことが判明しました。
 この期に及んで時事通信の記者はまだ書きます↓

 「原発の稼働停止に伴い、液化天然ガス(LNG)など火力発電燃料の輸入が高止まりしている上、4月の消費税増税を控えた駆け込み需要に対応する輸入の増加で、赤字額が前年同月より1兆円超拡大した。」(上掲上記事リンク先)

 そもそも、原発が概ね停止したのは2012年3月(関西電力高浜原発2012年2月停止、東京電力柏崎刈羽原発2012年3月停止、その後は北海道電力泊原発のみ5月まで・・・後に関西電力大飯原発が一時再稼動)。その後、そこそこ黒字だった経常収支がここ数ヶ月でガクッと落ち込んだ理由を、なんで今さら原発停止のせいにするのか。この記者、経済のこと、全然わかってないんじゃないか。

経常収支0

経常収支1
財務省HP掲載のグラフに書き込み)

 それに、原発代替火力燃料の輸入額は年額2兆6千億程度、今回の話題に合わせて月額にすれば2千億円程度に過ぎません。
 これに対しアベノミクスの円安誘導はすべての輸入品で効いてきます。1月は対前年度比較で20.2%の円安ですから、1月の輸入総額8兆429億円の20.2%、すなわち、1兆6千億円ほどはアベノミクス円安で余計に支払ったぶんです。
 ですから、1月の経常収支赤字、1兆5890億円というのは、対前年度で比較すれば、円安による輸入品支払金額増加分がまるまる赤字となった、と言うことさえできるわけです(詳しくは→こちら)。2千億円の原発代替燃料じゃ全然足りない!! どこまで数字が読めないんだ、時事通信の記者。

 さて、経済音痴の時事通信の記者は置いておいて、深刻なのがアベノミクスです。
 経常収支について上掲のグラフを見れば(特に決算タイミングなどの影響を除いた「季節調整済み」(下の方の図)で見れば)、3つの時期に区分できます。2010年1~2月までの経常収支大幅黒字期、2011年4月以降アベノミクス開始までの経常収支小幅黒字期、そして、アベノミクス期です。
 2011年4月から、貿易収支が赤字になりますから、経常収支の大幅黒字→小幅黒字(あるいは貿易収支の赤字転落) の理由として、東日本大震災および原発停止と考えられがちですが、グラフを見ればそうではないことが解ります。2010年から2011年にかけて、既に経常収支は下り坂に入っています。東日本大震災は、この動きを一気にドラマチックに演出したに過ぎません。2011年6月には、2010年12月~2011年2月の変化の延長線上に、日本経済は復したと見ることができます。
 そして、その後、微妙なジリ貧を続けながら、なんとか経常黒字を維持していくのが次のステージ“小幅黒字期です。原発代替燃料コストの影響は、原発運転状況と連動させて、2012年3月以前/以降を見比べてみれば、「若干あるかな」という感じです。ま、月額2000億円程度(円高なら、もっと影響は小さい)ですから、所詮「若干」の域を超えません
 2013年3月20日、黒田東彦が日銀総裁となり、アベノミクスは本格化します。経常収支は4月(ローデータ/上の「上の図」では3月)にちょっと黒字に振れますが、その後、急降下を続けているのがアベノミクス期ということになります。カンフル打った重病人、ビクッと来たけど、結局ご臨終へ向けてまっしぐらです。
 この変化を図に書き込めば、次のようになります。

経常収支2


 破綻したアベノミクスから、どう立ち直るのか、それが日本経済の課題ですが、4月には消費税増税が来ます。

 当ブログとしては次の一言だけは言っておきましょう、「自分の経済失政の理由を原発停止のせいにするな、安倍!!」。
 そして、次の点は指摘しておきましょう。経済の立て直しは、既得権益集団の利益確保をしていたらできないのです。今、一番しょうもない既得権益集団は原子力ムラであり、彼らの望んでいる事こそ、原発再稼働なのです。原発は、電気料金を高値安定させるための政策装置ですから、原発再稼働は、原子力ムラ栄えて他産業が滅亡する道です。やるべきことは、カンフル剤を打つのではなく、病巣の摘出です。
 ま、原子力ムラ・病巣そのものである安倍政権には、日本経済全部食い物にして、自分たちだけ繁栄する道を選ぶしか選択肢はないでしょうが。


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「国富流出論」、誤りの核心-再稼動原発の発電コストを問え!!

2014-03-05
 経産省自身が「国富流出論」の数字算定におけるごまかしを認めましたが、“それでも何兆かは国富流出しているんだから、やっぱり問題”とか言ってる連中もいるようなので、再度、書きます。国富流出論がいかにバカげているか。(ま~、そもそも原発再稼働しても、それで節約できるとされる燃料輸入、現今の貿易赤字状況に影響を与えるというほどの数字でもなく、大した額ではないので、マクロ経済的にはどうでもいいんですけどね・・・問題なのはアベノミクス)

 なぜ国富流出論がおかしいか、例えば国産小麦粉が300円/kg、輸入小麦粉が200円/kgだった時、国産だからといって300円/kgでパン焼いてたら、200円/kgでパン焼いている店と勝負にならない、という話です。しかも作ったパンを輸出しようと考えていたりしたら、絶望的です。もっともこの場合、特に「国産小麦使用」と銘打って、その価値が認められるならば、国産小麦でも良いわけですが、電気に「国産燃料使用電気」なんてないわけです(むしろ「原発使用電気」なら、「やめてくれ~」と思う人のほうが多いでしょう)。
 実際、石炭産業じゃ、割高の(低品質の)国産炭は姿を消し、割安の(高品質の)輸入炭になった、というのが前回の話です。つまり、国際的に競争力のない国内炭鉱従事者が、(少なくとも輸送コストで優位に立てるセメントといった)競争力のある他産業に移っていけば、日本の産業は構造強化されるのです。この結果、「輸出・輸入」といった数字を見れば、石炭では明らかに輸入超過・貿易赤字・定常化確定ですが、それは日本の経済状況悪化を意味しません。実際、炭鉱が次々と閉山となっていったこの時期こそ、日本の経済成長期です。貿易(≒国際分業)というものは、そういうものです。各国において得意な分野(比較優位のある分野)の商品を供給しあうのが、お互いに豊かになる道であって、個別品目の輸入超過は問題にならないのです。

 だから、ここで一番の問題は、輸出入の赤字/黒字ではなくて、原発再稼働電気は、「300円/kgの小麦粉」なのか、「200円/kgの小麦粉」なのか(再稼動された原発には発電として競争力があるか)、ということなのです。
 ここにおいて国富流出派は、大きな勘違いをしています。“原発は動かしていてもいなくても同じような費用がかかるのだから、追加費用は0円”というのが、国富流出派の大方の主張のようです。
 しかしまず、なんで原発廃止することを考えず、「動かしてなくても同じ金がかかる」ということになるのでしょうか。原発やめれば(廃炉すれば)、原発にかかっている費用は不要になり、まずそこからお釣りが来ます。まあ、当面は廃炉費用に相当な額、取られそうですが。ただし、これは今止めなくてもいずれは払わされる費用であり(廃炉の必要のない原発はないわけですから)、どこかの時点で払うことに変わりはありません。この額は別として考えなければなりません。また、バックエンド問題(使用済み核燃料をどう処分するか、核のゴミ問題)については、早く原発を廃止した方が、その分ゴミが溜まりませんから、当然安くつきます。
 そして、一番間違っているのが「追加費用0円」です。電力会社は“原子力発電では設備費が大きく、燃料費は非常に小さい、しかも、(再稼働しようとしているぶんについては)既に燃料は輸入済み・支払い済みだ(だから、再稼動電気は格安だ「追加費用0円みたいなものだ」)”と説明してきました。

 しかし、原発の運転にも、結構な費用がかかることが明らかになっています。

日本原電発電単価
(朝日新聞西部本社版朝刊 2014年1月20日)

 電力会社の決算書では、いろいろな部門に原発運転費用が分散してしまい(わざとそういう決算書を書くので)、原発の発電コストを突きとめるのは困難ですが、原子力発電専業の日本原電が電力会社に売る電気の価格ははっきりしています。2009年で11.1円/kWhです。火力や水力より高い!!
 朝日の記事内では、“古い原発なので稼働率が上げにくく、割高になる”とか書いてありますが、従前の電力会社の説明なら、原発で最も金のかかる設備費の減価償却は古いので既に済んでいるはずで、割安になっているはずです。いずれにせよ、電力会社自前の原発発電単価より著しく高ければ、(政治的判断がいろいろあるにせよ)、電力会社が日本原電から電気を買うはずもなく、原子力発電の実勢発電単価、11.1円/kWh、このあたりと考えられます。ただし、福島事故前の数値です。
 現在では、当時とは“次元の違う安全基準”とやらが適用されるはずで、安全面で金もかかるはずですし、事故の可能性が現実となった原発運転ですから、無保険運転させるわけにも行かず、相応の保険費用もかかるはずです。

 ということで、原発は再稼働しても「300円/kgの小麦粉」でしかありません何よりはっきりしているのが、福島事故前、原発全盛期において、日本の電気料金は世界的に見て高い電気だったのです。原発再稼働したところで、電力価格問題において、何の助けにもなりません。競争力は最初からなかったのです。

 ただ一点、考慮点は、現在実際に火力発電の焚き増しに使われている古い石油火力発電所の20円/kWhと較べるなら、再稼働した原発の電力でも、ちょっとは安いかもしれない(無保険運転あるいは不十分な保険での運転なら、安いかもしれない、というだけの話しですが)、という点です。
 火力発電所、計画から発電開始まで10年かかると言われるリードタイムがありますから、「その間は原発で」、という論理も成り立ちそうです(繰り返します、あくまで「無保険運転あるいは不十分な保険での運転」の場合に限られます。まともに保険かけたら20円/kWhなんて、簡単に突破します)。
 しかしこれも正しくありません。リードタイム10年は規制緩和によって短縮可能ですし、やる気になれば、実はどうとでも出来るのです。
 東北電力が行ったのが、まずは既存火力発電所へのシンプルサイクルガスタービン発電設備の導入、そして引き続き、発電開始後にコンパインドサイクル発電化をするという段階的方法です。こうした施策が功を奏したのか、東北電力は経営状況改善、先日、3期ぶりの復配を実現しています。東日本大震災のダメージを最も受けた地域なのにです。10年どころか3年、原子力規制委員会の審査結果が出る前に、既に一定の結果を出したのです。原発再稼動がどうのなどと言っているよりも、よほど現実的、効果的です。
 ここに原発廃止で不要になった原発維持・管理費を加えれば、原発再稼働するよりも遥かに経済にプラスの効果(電気料金の引き下げ)を得ることが可能です


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まだやってる“ウソの国富流出論”自体がウソ・・・今度は経産省と茂木経産相だ!!

2014-03-04
 いや、表題の通りで、“ウソの国富流出論”自体がウソでした・・・なにがなんだかもう、滅茶苦茶です。

 「茂木経産相:『原発停止で3.6兆円の国富流出』試算 『3割は相場の影響』」(毎日新聞HP 3月4日)

 経産省や安倍政権は、原発停止で3.6兆円の“国富流出”と言ってきました。しかしまず、現代の経済学で「国富流出」という概念はない(というか、「重商主義の誤謬」として却けられている概念である)ので、「国富流出」なんてこと言い出す経産省、まず悪意丸出しのウソ言っているのですが、そこで示された金額、3.6兆円もウソでした。
 上掲記事によれば「茂木氏はこの中で3・6兆円のうち約3割は資源相場上昇や円安でドル建て価格が膨らんだことが影響していると分析した。この分析に基づけば、LNG(液化天然ガス)や石油などの輸入量増加による純粋なコスト増(国富流出)は2・5兆円程度ということになる」と言ったそうです。
 毎日新聞は続けます「『3・6兆円の国富流出』は政府が原発再稼働の必要性を訴える際に引用されているだけに、茂木氏の説明との1兆円もの差は行政への不信感につながる可能性もある」。“つながる可能性”っていうか、「国富流出」と言った時点で、最初から悪意しか感じませんでしたが(そうそう、これで民主党の仙谷はころりと騙されちゃったわけですが)、どこまでいい加減な計算で国民を騙そうとしているのか、今回の説明で、さらに経産省や茂木、お笑いの次元に突入です。

 これまで、当ブログでは、原発停止以前と以後の化石燃料の輸入量の差を検討して、「それを原発停止の影響と考えれば」という形で、政府発表数値を検討してきました。この計算では、「資源相場上昇」も「円安」も計算から除外されていません。つまり経産省が3.6兆円とソロバンを弾いたのと同じ数値についての計算です。まずこの計算で3.6兆円になるはずがないのです。2.6兆円です。疑いのある方は、当ブログでの計算をじっくりと検討してください→「やっぱりおかしい『原発代替燃料で貿易赤字』・・・新聞社の社説など」。こんなのマクロな数字を追っていけばすぐに分かることです。
 この数字は実際、原発推進派の産経新聞の計算と一致しています→「原発の相次ぐ稼働停止に伴い、火力発電向け燃料の輸入が増えたことがまず一つ。円安で輸入金額もかさ上げされた。この燃料輸入増によって貿易収支は約2兆6千億円悪化した」(msn産経 2014年2月2日)。
 もしここに、「3割は相場の影響」というのを加味すれば、原発停止の影響は2.6兆円×0.7≒1.8兆円になります。な~んだ、2013年貿易収支の赤字11兆5千億円の中の、わずか1兆8千億円ぶんです。後はアベノミクスなんぞの責任です。

 ま、1.8兆円か2.6兆円かは、どちらの時点から見るかという問題でもありますので、(既に燃料相場上昇済み、かつ円安の現時点から見れば結局)2.6兆円という数字も一定の説得力を持つのですが、現時点からの視点というならば、もう一点、考えなければならない要素がありました。2.6兆円というのは、福島原発事故前の原発通常稼働状態と比較しての値です。今、「原発が通常稼働」したとして、2.6兆円の節約効果があるのか、と言えば、そうではありません。なぜなら、福島第一は既に廃炉です。

 「日本維新の会・今井雅人衆院議員は『動くはずのない原発がこれから動くという前提での計算は明らかに水増し』と指摘。/エネルギー基本計画案の試算には福島第一原発の6基の発電量が含まれているので試算の3.6兆円より少なくなるという。/さらにこの3年間で省エネが進み電力消費量が減少していることも加味していない。/今井議員は去年10月時点のレートで計算すると約2.1兆円になるという。」(テレビ朝日[報道ステーション] 要約ブログJCCから

 3.6兆円をベースに計算して、2.1兆円です。2.6兆円をベースにして計算したらいくらになるのでしょうか。現時点から見て、原発の発電用燃料購入量抑制効果は、既にかなり小さい、と言うべきです。
 それに、事故前よりも厳しい安全審査を行ったならば、事故前と同数の原発が再稼働されるというのは理屈に合いませんから、稼働できる原発はさらに減り、節約できる発電用燃料はもっと少なくなるでしょう。
 ・・・11兆5千億円/年の貿易赤字には、焼け石に水ですな~。しかも電気料金引き下げ効果も期待できませんから(福島第1原発まで総再稼働したところで、世界的に見ればメッチャ高い福島事故前の電気料金に戻ることさえできません・・・事故処理費用は無くなりません)、日本の経済を好転させる波及効果もありません。

 「国富流出だから原発再稼働」なんてことより、考えるべきことはもっと他にいくらでもあるでしょう。

 「(2011年に)火力で置き換えた電力量は1694億kWhであったということである。もし燃料費4円/kWhのLNG火力で置き換えれば6776億円ということになる。/ところが2011年度は原発を止めたために3~4兆円の国富が流出したことになっている。つまり上記計算の約5倍以上もかかっている。間をとって3兆5千億円とすれば、原発の代替発電コストはなんと20.66円という計算になる。6776億円ですむはずのところが3兆5千億円かかったのだ。差し引き約3兆円は、国富の流出と言って間違いないのは確かだ。この値段なら、まじめに風力や地熱や中小水力やバイオマスに投資したほうが安上がりなのだ。」(田代克氏ブログ BLOGOSから

 石油火力の場合、20円/kWh程度の発電費用となりますので、原発代替発電コストの数字、まさにぴったりというところです。「国富の流出」という言い方はともかく、これ確かに無駄遣いですね。まじめに他の発電方式に投資すべきです。当ブログとしては、とりあえずは火力が本命で、他の発電方式は、経産省や自民党が言う場合、単に原子力離脱を遅らせるための牛歩戦術と見ていますが。

 いやホント、いろいろ考えなきゃならないことの第一は↓こっちでしょう。

 「焦点:アベノミクス円安効果に誤算、輸出・物価への効果一過性の懸念」(ロイターHP 3月3日)

 記事の中身は表題よりかなり厳しいです。円安政策とったが、輸出増加失敗、輸入品の値上がり以外のインフレ起きず脱デフレ失敗、そして、「円安により海外への所得流出が続く中では、賃金上昇を実現することも難しい」という内容。日本経済、みごとに終わってます。崩壊したアベノミクスからどう立ち直ればよいのか、これ一番考えなきゃならないことでしょう。


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これじゃ衰退する日本経済・・・経済人も経済記者も「国富流出」!!(2)

2014-02-24
 (前回からの続き)例えば経団連会長の米倉弘昌、“原発再稼動で貿易赤字の解消を”みたいなバカなことを言います。これがどこまで己の馬鹿さ加減を晒していることになっているのかは前回書きましたが、まあ、原子力ムラの一員ですから、そんなもんでしょう。経済界を代表するという立場でもあることを考えれば、こんなバカなこと言っていいのか、というのはありますが。
 それに対して、明らかに単純にバカなのがマスコミ、貿易収支、経常収支が赤字で「国富の流出」とか言ってます。

 「燃料コスト『9兆円超』の衝撃…原発停止で疲弊する日本、国富は流出する」(msn産経ニュースwest 2013年9月6日)

 3年間で9兆円というコスト計算もおかしいんですが、そのへんは産経ニュース(年額2兆6千億円となっています)でも勉強してもらうこととして、「国富の流出」って、いったい何世紀の経済学を学んできたのか??
 ちょっとでも経済学を齧ったことのある人には釈迦に説法になっちゃいますが、これ「重商主義の誤謬」の一言で終わる、無知蒙昧を絵に描いたような議論です。大航海時代の幕開け以降、ヨーロッパ諸国の経済運営は貿易で儲けること、この一点に集中し、諸国は金を貯めまくったが、ちっともうまくいかなかった、というお話です。だって、貿易で物を売りまくってお金を儲けるということは、使い道のある有用なもの(商品)を他人に渡し、自分は使い道のない金(当時は実際に金だった)を抱えこむだけ、なんですから。溜まった金を見てニヤニヤしていたって経済は発展しません。貿易収支や経常収支は、それ自体では何の意味もありません。しかも今や貨幣として金も使ってないので、眺めるのは単に帳簿の数字でしかありません。
 ちょいと日本の貿易黒字(輸出額-輸入額)の推移を見ておきましょう。「貿易収支」や「経常収支」となると統計の取り方がどうのこうのとなって、古いデータが使えなくなりますので、単純に輸出額と輸入額の差し引きです。

貿易黒字
(データソース: 1950年~2012年は財務省HPから、2013年は財務省速報から)

 すごいですね~、1990年からの“失われた10年”、さらに10年プラスして“失われた20年”、ずっと貿易黒字ですから、「国富の流出」的観点から言えば“黄金の20年”です。国富溜まりまくり、日本経済、絶好調だったことになります。
 現実は、外国に売るものはあっても外国から買うものはなく、一部では貯金を貯めこんだ人がいるものの、多くの人にとって生活が豊かになった実感などない、失われた20年です。生活が豊かになるのは外国から買った時、すなわち、貿易収支が悪化した時です。ここ間違えちゃいけない。
 え?“原発代替燃料を買い込んでも豊かじゃないだろ”ですか・・・あんな危ない原発を動かさずに生活していける、ってのは充分豊かな気分になりますけどねぇ~。(それに前回からの繰り返しになりますが、原発代替燃料費は現在の貿易赤字のほんの一部にすぎません・・・問題はもっと別のところにあります→本記事の最後【おまけ】をご覧ください。)

 それはともかく、それじゃ、貿易赤字は何の問題もないかというと、さすがにそうも言えません。アメリカのように覇権国家・基軸通貨国として、貿易赤字をカバーするだけの資金流入がある国ならば、いつまでも赤字でも良いのですが、日本はそうもいかないでしょう。赤字/黒字はともかくとして、金が回り続ける必要はありますから、あまり大きな不均衡(特に支払い能力がなくなってしまう赤字)は、そういつまでもやってる訳にはいかないでしょう。とりあえず当分は、外貨準備の状況、国外経済への依存度の低さ、などから慌てる必要はありませんが。

 それではどうやって貿易収支の赤字を改善するのか、ここでとんでもなく間違っているのが、原発絡みの「国富の流出」論です。
 エネルギー政策、日本は何をやれば良いのか、注目点は下図「日本のエネルギー構成」、1950~1970年の20年間です。

エネルギー構成比
(『原子力百科事典ATOMICA』から「日本の一次エネルギー供給構成と推移 (01-02-02-05)」)

 1950年~1970年、石炭(オレンジ)の構成比がグッと下がっていきます。言うまでもなく、石油へのシフトです。国内の産炭地では次々と閉山が進みます。福島ではフラガールたちが踊りだし、筑豊では麻生一族が石炭からセメントに乗り換え、夕張ではメロンが栽培され出します。なお、この後も20%程度、石炭は使用され続けていますが、すべて輸入炭です。
 「国富の流出」論から言えば、国産エネルギーを放棄して、外国産エネルギーにシフトして行くわけですから、とんでもない間違いをしていることになります。しかもこの時期、日本は貿易赤字状態ですから(上の方の図参照・・・数字は小さいですが、ほぼマイナス側です)、少しでも「国富の流出」を抑えなければならない時期なのに、ということになります。
 でも日本は国産石炭から、外国産エネルギーへの転換を図った。そして経済成長を達成し、その後の貿易黒字に結びつけています。
 これ、すごく、あたりまえのことです。使い勝手や効率の悪いエネルギー源から、より使いやすく効率の良いエネルギー源に乗り換えることにより、産業競争力が付いたのです。問題はエネルギー源単品の貿易赤字/黒字じゃないのです。貿易収支を黒字にするのは、日本全体の産業競争力の高さなのです。
 この時期の日本のエネルギー政策は、舞台で踊ったり、セメント焼いたり、メロン栽培したりしていればいい人まで、石炭で食わせることをやめた・・・合理化を進めたのです。斜陽化した炭鉱を切り捨て、ムダを省いたのです。

 つまり、現在、貿易収支・経常収支の赤字が問題なら、エネルギー政策として議論すべきは、燃料の輸入の多寡ではありません。エネルギー供給の効率化、言い換えれば低廉化、もっと具体的に言えば、電気料金をどう下げるかです。1950~1970年よりも遥かにグローバル化が進んだ現在、国産だからなんてことにこだわって高い原料(電気)使っていたら日本の産業、国際競争力なんて付くはずがありません
 原発再稼働派が、ここで、「だから原発再稼動、安くつくから」と言うなら、認識の間違いはともかく、理屈は通ります。しかし、「国富の流出」なんてのは、全くの見当外れです。
 経済学の初歩も理解してないやつに経済記事書かせているのが日本のメディアで、それに世論が(ミス)リードされるなら、前回の冒頭の言葉となります → 日本経済は激しく衰退します。なぜなら、日本の経済界、経済記者、人間が激しく無能、パカだからです。

 さてそれでは、原発再稼働は安い電気代となるのか? 「安いはずないだろ」というのが、当たり前の見方でしょう。独立系の電力会社(もちろん原発なんて持っていない)に契約変えたら、電気代が3割安くなった、なんてのはざらにある話です。そもそも、福島事故前、原発がフル回転していた状態で日本は世界的に高い電気料金だったのです。八木誠・電気事業連合会会長(関西電力社長)だって言っています、“原発は抱き合わせ販売でないと元が取れない”、と。日本よりもっとコストに厳しいアメリカでは、1979年以降、原発建設がなされていませんでした。先日、そのアメリカで新規原発建設のニュースが入ってきましたが、65億ドル(約6650億円)の資金援助でやっと可能になったものです。原発のコスト問題はまた別に議論しますが、明らかに原発は(効率の悪い=高額電気しか供給できない)衰退産業です。

 衰退産業にしがみついた国は衰退します


【おまけ】
201401貿易収支発表
(財務省 貿易統計発表「速報の概要」

 アベノミクスの円安効果で「輸出が伸びた」と、いうことになってますが、それは円が安くなったので円での受け取り額が増えただけです。なんと、数量指数はマイナスになっています。つまり、(円安で)2割引きで売ったのに、日本製品、売上が伸びるどころか、減ったのです(わずかですが・・・2割引セールやった上でです)。
 日本の産業競争力、実際、激しく衰退しています
 電力行政で言えば原発がどうのこうのと言っている場合ではありません。電気料金高止まりを狙う既得権益グループ「原発保有電力9社」の暗躍を許さず、抜本的改革、電力自由化を行い、電力価格の引き下げを行う必要があります。


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これじゃ衰退する日本経済・・・経済人も経済記者も「国富流出」!!(1)

2014-02-23
 まず結論です。日本経済は激しく衰退します。なぜなら、日本の経済界、経済記者、人間が激しく無能、パカだからです

 「経団連会長『原発新設必要になる』 赤字抑制へ『再稼働を』」(日経新聞HP 2月20日)

 経団連会長の米倉弘昌、山口県宇部市で行った記者会見で、「1月の貿易赤字が比較可能な1979年以降の過去最大になった理由についても『経済活動の活性化で化石燃料の輸入が増えた』と分析。『安全審査を加速して早期の原発再稼働に努めてもらいたい。そうすれば化石燃料の輸入にストップがかかり望ましいと思う』とも語った」とのこと。
 まずデータです。

 品名 単位 数量 伸率(%) 価額(百万円) 伸率(%)
 原油及び粗油  千KL 18,887 5.3 1,408,992 28.1
 液化天然ガス  千トン 8,179 -0.6 736,517 21.4
平成26年1月分貿易統計(速報)から)

 はて、米倉の言では『経済活動の活性化で化石燃料の輸入が増えた』とのことですが、数量を見れば「原油及び粗油」の伸率 5.3%、「液化天然ガス」の伸率は-0.6%です。まあ、「原油および粗油」の輸入はちょっと増えたかもしれませんが、わずかなものです。しかも、「原油および粗油」について、電力に使う比率は、全体のたかだか16%程度です。また、別に原発停止したから輸入が増えたわけではありません(今回データの比較対象、前年同月も既に原発は止まっています)から、ここで原発に言及するのはちょっと無理があるのですが・・・。そもそも原油は、いろいろな燃料やプラスチック原料として、日本の経済活動が盛んになれば輸入が増えるのは当たり前のことで、ここは問題視しても始まりません。
 ただし、輸入「価額」は大きく増大していて、それぞれ28.1%と21.4%増です。これは貿易赤字という観点では、ちょっと痛いかもしれません。
 これもちろん最大の原因は、「前年同月比:20.2%の円安」(平成25年1月:86.93円/ドル→平成26年1月:104.53円/ドル・・・「平成26年1月分貿易統計(速報)の概要」財務省)です。20%の円安というのは、80円の価値になってしまったお金で、これまで100円払ってきたものを払わなければなりませんから、100÷80=125%ということで、支払価格25%増です。
 「原油及び粗油」支払い価額28.1%増、「液化天然ガス」支払い価額21.4%増、というのは、ほとんどが円安の影響で、それ以外の要因は、数量の増加も市場価格の変動も、ほとんど誤差程度の影響しか及ぼしていません。
 そもそも、1月の貿易輸入額増全体に対して、「原油および粗油」「液化天然ガス」の寄与度はそれぞれ4.8%と2.0%、単品としては大きいとしても、それ以外(100-4.8-2.0=93.2%)で、全体として輸入増の傾向が強く、これだけ取り上げてどうのこうのという数字ではありません。
 さらにその中の一部でしかない、原発代替燃料の、日本経済全体の統計に及ぼす影響は更に小さいものとなります(年額2兆6千億円÷12ヶ月=2167億円/月程度・・・下で計算する円安効果と比較してください)。『早期の原発再稼働に努めてもらいたい。そうすれば化石燃料の輸入にストップがかかり望ましい』(上掲、米倉)って、原発にそんな影響力ありません。
 この程度の数字も読めないのが日本の経済界トップ、経団連の会長・米倉弘昌です。

 そんなものよりも、日本の貿易赤字、記録更新の最大の原因は、円安です。これはあらゆる輸入品の価格にかかってきます。平成26年1月の輸入総額、8兆429億円、20%の円安がなければ(25%支払いが少なくて良いわけですから)6兆4343億円で済んだはずです。一方、平成26年1月の輸出総額は前年同月比9.5%増えて5兆2529億円ということですので、この9.5%を円安効果と見て差し引けば円安効果抜きの輸出額は4兆7971億円程度と推測されます。輸出入差額(4兆7971億円-6兆4343億円)は、1兆6372億円の赤字となります。
 実際の平成26年1月の貿易赤字額2兆7900億円ですから、差し引き(2兆7900億円-1兆6372億円)、1兆1500億円ほどは、円安効果です。つまり、現在の貿易赤字の40%は、アベノミクスによる円安のせいです。


 さてしかし、米倉については、経団連・原発関連企業の代弁者として、自分たちに利益さえあればいいという、いい加減な発言をして恥を晒している人間だとして、原発ムラの論理を受け入れてしまうバカなマスコミ記者連中は自分たちの馬鹿さ加減に恥じるところはないのでしょうか。ここで書いたようなことに関しては、「国富の流出」とか、経済学を勉強したことがある人間なら、バカバカしくて相手にする気にもならないような16世紀的単語を平然と並べる輩がいます。
 と、いうことで、本記事には続きがあるのですが、ちょっと書き終わっていませんので、ここから先は明日にさせていただきますm(_ _)m。




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“原発代替燃料赤字”の解消法・・・実はすごく簡単、もちろん原発ゼロで!!

2014-02-03
 いろいろと数字を見てると、面白いことがわかってきます。
 「原発代替燃料で貿易赤字」と言われているもの、実は簡単に解消できる、というのが本日の書き込みです。まずは、昨日計算した2兆6千億円ほどの“原発代替燃料費赤字”、放っておいても数年で4割近く減ります

 なぜそうなるか・・・
 まずは1月27日の書き込みの中の表から、本日必要分のみです。

 輸入品目  2012年(H.24年)  2013年(H.25年)
 原油及び粗油  数量(千KL) 213,018 211,717
  〃  価額(百万円) 12,247,216 14,240,822
 液化天然ガス  数量(千トン) 87,314 87,491
  〃  価額(百万円) 6,003,680 7,056,795
 税関長公示レート  (平均値)  79.55円/ドル  96.91円/ドル


 2012年→2013年の違い、円安で輸入価額は跳ね上がっていますが、輸入数量はほぼ横ばいです。2012年は既にほとんどの原発は止まっており、2013年と、基本的なエネルギー経済構造に変化はなかったということをまず頭に入れておきます。
 さて、この中で発電に使われた分は、2012年の使用用途比率に従って、次のように見積もることができます。

 原粗油 14,240,822百万円 × 15.0%(発電用途向け)≒ 2兆1361億円
 LNG 7,056,795百万円 × 71.4%(発電用途向け)≒ 5兆385億円

 ところで、良く知られているように燃料費で比べると、石油火力発電の方が高くつき、LNG火力発電の方が安くつきます。どのくらいかというと・・・

燃料コスト2013
経済産業省・電力需給検証小委員会 資料 2ページ)

 2013年実績で、石油火力なら20円/kWh、LNG火力なら13円/kWhということになります。つまり、原粗油で発電している分、LNGで発電すれば65%の燃料費で済むということになります。
 ならばさっさとそうすれば安く済む、というか、貿易赤字の話ならば燃料輸入額が減るのに、なぜそうできないのかと言えば、具体的にLNG発電所が足りない、すなわちLNG発電所の建設ができていないから(原発の代わりを作りたくないから)、ということになります。
 でも現実として、原発再稼動を待ってばかりもいられないので、体力のある電力会社は、結局、新しいLNG発電所を建設中です。
 で、ここで面白いのが、新しい発電設備では発電効率が更に向上するという点です。熱効率60%が達成されます→「関西電力・姫路第二発電所」。
 上の図で、LNG燃料単価の計算式では熱効率43.41%になっていますから、これが60%になると、単純に43.41%/60%を13円/kWhに掛ければ良くて、9.4円/kWhとなります。
 まあ、全部のLNG施設を一気に更新するわけにも行かないでしょうが、既存施設への技術改良等も加え、LNG発電単価10円/kWh程度を目標にすることは可能でしょう。発電コスト、石油火力20円/kWhの半分となります

 ということで、現在の発電用の原粗油の輸入、2兆1361億円をLNG発電へと移行すれば、このぶんの燃料費は半減、貿易赤字は1兆円ほど減少します。
 昨日計算した原発代替燃料費用は総額2兆6千億円でしたから、1兆円÷2兆6千億円≒38%ということで、原発代替燃料費の4割近くが解消されます。

 でも、ホントにそうなるのか?? 電力会社がそんなことするのか??

中部電力LNG
(『脱・石油を急ぐ中部電力、ガス火力発電で年400億円以上のコスト削減へ』)

 中部電力は、やる気です。他電力も、何もしない訳にはいかないでしょう。燃料無駄にバカ食いする石油火力で発電しておいて、「電気料金値上げを」なんてのは、無茶な要求です。


 これで原発代替燃料費の4割はカバーされます。さて、残りの6割、これも放っておいても減ります。

 原粗油をLNGで代替すると発電燃料費はLNGのみ6兆円ほどということになります(2013年輸入額5兆385億円+原粗油代替分1兆円)。(なお、今回の書き込みでは、問題指摘されることがほんどないので、石炭には触れていません。)
 LNG、高く買いすぎていることは現在の常識です。米国の4倍とか言われますが、まあ、冷却して液化して移動する手間とかもありますので価格1/4は無理として、現実的にはどうすることができるのでしょうか。

 「東電がシェールガス年200万トン確保、調達3割安に」(ロイター 2013年2月6日)

 まあ、ヘタレの東電でも、このくらいはできます。だってこれまで、わざ高く買ってきたのですから。
 3割安です。もし6兆円全部がこのペースで行けて3割安なら、1兆8千億円、安くなる、ということになります。
 お、先ほどの1兆円と合わせれば2兆8千億円、原発代替燃料費の増加分(2兆6千億円)、かくして解消です。


 さて、以上で一番重要なのは「放っておいても」というところです。原発再稼働できないという状況で、電力会社をジタバタさせれば、この程度は出てくる、発電は合理化される、ということです。
 なぜ電力会社は、それをしてこなかったのかと言えば、地域独占・総括原価方式で、発電に金がかかればかかるほど儲かる料金システムになっているからです。原発を止められ、いざ赤字と直面しなければならなくなったら、やります、できます。
 「放っておく」よりも、もちろん、もっと良い方策があります。
 電気料金を引き下げる努力をちゃんとするように、地域独占・総括原価方式を止め、自由競争させれば、電力会社はもっと努力するでしょう。あるいは、努力しなかったところは潰れ、結果として、努力した電力会社が主流となるでしょう。電気料金引き下げにもなれば、貿易赤字減少にも役立ちます。原発みたいな経済合理性のないもの、やってられないでしょう。
 労働法の規制緩和でブラック企業をのさばらせるようなことばかりやってないで、ちゃんと電力自由化・規制緩和をしろ~、安倍。


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